はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

シンエイ版『怪物くん』DVD-BOX上巻発売!!

2010-09-24 23:38:13 | 藤子不二雄
 とうとう、待ちに待ったシンエイ動画版『怪物くん』のDVD-BOX上巻が発売された。奇しくも、今日は藤子・F・不二雄大全集の発売日でもある。藤子ファンとしては、大変嬉しい一日だった。

 その、シンエイ版『怪物くん』だが、本編はテレ朝チャンネルでの放送を全話録画していたので、公式サイトに書かれていた「現存する素材で可能な限り当時の放送フォーマットを再現!!」との謳い文句がどれほどのものかが一番の関心事だった。
 本日無事に届いたDVDをさっそく再生してみて、すぐに「可能な限り」の答えは分かった。OPの原作者とEDの主題歌作詞の「藤子不二雄」名義が「藤子不二雄A」に変えられて、OP冒頭の「藤子不二雄劇場」のタイトルが無くなっている。公式サイトのPVですでに「藤子不二雄劇場」は消えていたので、薄々予想はしていたが、実際に観るとやはり残念だ。
 しかし、この一点を除けば、OP・EDともに話数に対応したものが付いているし、次回予告もちゃんと収録されている。通常のテレビアニメDVD-BOXではごく当たり前のことだが、何しろテレ朝チャンネルは全話同じOP・ED使い回しで、どこの誰が何話を担当したのか全然分からなかったので、DVD版は全然別物に見える。アニメは本編を楽しむのはもちろんだが、古い作品では「あの人がこの作品に」と言った意外な名前を発見できるのも面白い。たとえば、第1話でシャフトの現社長が仕上を担当していたり、京アニで『MUNTO』シリーズの監督を務めた木上益治が作画メンバーだったり、と言った具合だ。このような楽しみ方も、テレ朝チャンネル版では一切出来なかった。
 なお、OPは途中で明らかに画質が変わっており、原作者名義差し替えのための苦労の跡が伺える。おそらく、OP前半部分のノンクレジット版映像にスタッフと歌詞を入れ直して、後半と繋いだのだろう。基本的に私はこういった差し替えは好まないのだが、これだけ手間をかけているのを見ると、「よくやったなあ」と感心させられてしまう。

 アニメ本編は、とりあえず第1話を観た。前述のようにテレ朝チャンネルの録画でいつでも観られる環境ではあったのだが、やはり本来付くべきOPとEDが付いていた方が、しっくり来る。第1話に限らず、私の記憶に残っている『怪物くん』のOPは断然初代の映像だ。2代目OPは使用期間が短かったせいか、テレ朝チャンネルで観返すまでほとんど覚えていなかったくらいに印象が薄い。
 また、付属のブックレットも16ページと薄い割にはなかなか充実していて、読み応えがあった。スタッフに関しては、OP・EDだけでは分からない部分まで触れているのも注目ポイントだ。


 11月には、続いてDVD-BOX下巻が発売される。こちらには、テレ朝チャンネルで放映されていない特番エピソード6話が収録される予定なので、観るのが楽しみだ。さらに、10月と12月にはモノクロ版『怪物くん』のDVD-BOXも発売されるが…こちらはどうしよう。正直なところ、今の財政状況ではシンエイ版だけでいっぱいいっぱいだ。発売までにもう少し時間があるので、それまでに決断しなければ。
 それにしても、モノクロ版のOPも原作者「藤子不二雄A」に変えられてしまうのだろうか。さすがに、こちらは「藤子不二雄」でないとかなり違和感があると思うのだが。



9/25 追記

 その後、BOXの底面を見たら「本商品の収録内容は、収録原盤の保存状態や散逸、その他諸般の事情により、一部放送当時と異なる場合があります」と、ちゃんと書かれていた。諸般の事情=原作者名義、なんだろうな。はっきりと事情を書けないあたりに、この問題の厄介さが感じられる。
 また、公式サイトでも告知されていた「プレゼント告知」は、とりあえずDISC7後半の話数に付いているのを見つけた。予告を短縮して告知を入れるタイプかと思っていたら、そうではなくEDの冒頭にカレンダープレゼントの告知が入っていた。これは、『ドラえもん』でもあったケースだ。子供の頃、「まる顔のうた」を放送からカセットテープに録音しようとしたら、前半にドラの声によるプレゼント告知がが被って邪魔に思ったのも、今ではいい思い出だ。
 それはともかく、このプレゼント告知が残っていたのは、EDと不可分になっていたおかげなんだろうな。下巻にもこういった告知はあるのかどうか、今から楽しみだ。

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
原作者名義 (やきえもん)
2010-09-26 21:11:51
お久しぶりです。

「藤子不二雄」名義は、何がまずいのでしょうか?
「映画ドラえもん」シリーズでは当時まま「原作 藤子不二雄」なので、問題ないと思うのに。でも、こちらもファン待望のリマスター版が出たら全て「原作 藤子・F・不二雄」に差し替えられてしまうのでしょうか?

藤子両先生の他にも改名した漫画家は他にもいますが、その漫画家たちの作品でもこのような差し替えが行われているかも気になります。

モノクロ版「怪物くん」の方は、原作者名義の他に「制作 東京ムービー」も心配ですね。
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Re: 原作者名義 (おおはた)
2010-10-02 23:05:00
>「藤子不二雄」名義は、何がまずいのでしょうか?

 あくまで個人の推測ですが、藤子先生の名義変更は単に一人の人間が改名したと言うだけでなく、お二人のコンビ名が「藤子不二雄」で、そのコンビを解消してそれぞれ藤子・F・不二雄、藤子不二雄Aと新たな単独のペンネームになっているわけですから、F先生側もA先生側も「藤子不二雄」の名前を昔と同じようには使えないのではないかと思います。
 事実、今回のDVDではその部分にだけ変更があったのですから、この推測は当たらずとも遠からずではないでしょうか。


>藤子両先生の他にも改名した漫画家は他にもいますが、その漫画家たちの作品でもこのような差し替えが行われているかも気になります。

 改名した漫画家でテレビ化作品が多い人と言えば、石ノ森先生がいますが、「石森章太郎」時代の作品は、私がいくつか観た限りでは、現在でもそのままになっていますね。単なる個人の改名ですから、権利関係も含めて問題はないのでしょう。


>モノクロ版「怪物くん」の方は、原作者名義の他に「制作 東京ムービー」も心配ですね

 これが、もし「製作・著作 トムス・エンタテインメント」に差し替えられたら、原作者名義以上に雰囲気ぶち壊しになりますね。昔出た「東京ムービー主題歌大全集」では原作者も制作会社も名義は昔のままで出ていましたから、今度もそのままだといいのですが。
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Unknown (Num)
2010-10-17 23:29:58
はじめまして、Numです。
>>「製作・著作 トムス・エンタテインメント」に差し替えられたら、原作者名義以上に雰囲気ぶち壊しになりますね。
他の東京ムービー制作の作品のDVD-BOXでも、オリジナルの表記のままらしいので恐らく大丈夫でしょう。

数年前に録画した「ガンバの冒険」と「名探偵ホームズ」の映像を観てみたのですが、両方とも「トムス・エンタテインメント」表記の物と
「キョクイチ東京ムービー」の2種類の映像が確認できました。放送では必ず差し替える様です。
ガンバの冒険は、前者の時はOPEDの映像はリマスター済みのノンクレジット映像にクレジットを入れなおしていました。
しかし、放映途中で後者になり画質が悪化しました。「制作 東京ムービー」の文字のある所だけ、ノンクレジット映像を合成していたので、
フィルムの揺れ方の違いなどから違和感のある映像になっていました。アニマックスで放送したルパン三世(第2作)のOPもこの方法で編集されていました。
なぜ放映後期に後者の表記の映像が使用されたのかは謎です。
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DVDと再放送 (おおはた)
2010-10-22 00:04:02
 はじめまして。
 私は東京ムービー関連作品のDVD-BOXは『じゃりン子チエ』しか持っていないのですが、たしかに、この作品はちゃんと「制作 東京ムービー新社 毎日放送」となっています。これが他の作品でも変わらないのでしたら、『怪物くん』も大丈夫そうですね。

 再放送での処理の違いは、私も気になっていました。かなり前にキッズステーションで放映された旧ルパンでは、EDは制作の部分だけ塗りつぶして「制作・著作 トムス・エンタテインメント」と上書きしており、素人目にも色の違いで部分的に差し替えたのが分かり、非常に気になりました。
 ANIMAXの『スペースコブラ』も同様の処理がされており、せっかくのムードのあるEDが台無しだと残念に思いました。

 かと思うと、『立体アニメーション 家なき子』のように、きちんとリマスターしたらしく、画面をトムスの文字が他のスタッフ名と同様に右から左に流れていました。

 作品によって処理が違いすぎて、本当に謎が多いですね。全話統一された処理ならともかく、途中で変わるとなると、余計に意味が分かりません。
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モノクロ版DVD-BOX上巻を確認 (やきえもん)
2010-11-02 00:42:31
最初に投稿したやきえもんです。返信が遅くなってすみませんでした。

モノクロ版DVD-BOX上巻が届きました。早速、再生したのですが、EDクレジットは原作者名義も制作会社名義も当時のままでした。しかし、こうなるとカラー版がなぜ、原作者名義を差し替えたのかが不思議です。ノンクレジット版の映像を繋ぐなどの手間をかけたのだから、何かがあるはずですよね。

あと、東京ムービー作品についてですが、以前、家のVHSを整理してたら2001年にキッズステーションで再放送された「元祖天才バカボン」の録画が出てきました。この録画では制作会社名義が当時の「東京ムービー」のままでした。私が東京ムービー作品の再放送を注意するようになったのは2003年頃ですので、2001年から2003年までの2年間に何かがあったと思われます。個人的に昔、アニメと言ったら東京ムービーだったので、クレジットが「制作・著作 トムス・エンタテインメント」に差し替えられている現在が、不思議で不思議で仕方ありません。

これからも「はなバルーンblog」を楽しみにしています。
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クレジットのこと (火炎太鼓)
2010-11-03 10:20:39
『じゃりン子チエ』も去年アニマックスで放映されていた時は、OPのラストの制作のクレジットが、トムス名義に差し替えられていました。これは塗りつぶしではなかったので、ノンクレジットの映像を使ったものだと思いますが・・・。

『元祖天才バカボン』はアニマックスで放映されたバージョンは、EDは手書きの「東京ムービー」のままだったのですが、OPがそのままだったかどうかは忘れてしまいました。(差し替えられていたかもしれませんが、録画していなかったのでなんともいえません)

塗りつぶしのやり方は、今年放送された『姿三四郎』のEDでも使われていたので、『姿~』は以前レンタルビデオ店にビデオがあった時に、オリジナルを借りて観ておくべきだったと思っています。

旧ルパンでクレジットが差し替えられたというのは残念です。
私は再放送で観た人間ですが、やはりオリジナルの「制作 よみうりテレビ 東京ムービー」でなければいけないと思います。
おおはたさんは、初期OPのルパンが崖から飛び降りる止めの部分や、EDで塗りつぶしを確認したのでしょうか?
せっかくの絵をぶち壊していますよね。

『名探偵コナン』はなぜか「東京ムービー」のまま、アニマックスで再放送されていますが、90年代の作品ならいいのでしょうか?



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たびたびすみません (火炎太鼓)
2010-11-03 10:31:01
先ほどの投稿で、旧ルパンの部分で間違えてしまったところがあるので。「初期OPとEDで塗りつぶし云々」と書きましたが、「初期のOPや中期・後期のOPでは塗りつぶし等によるクレジットの差し替えは行われていなかったのでしょうか」と書くべきでした。
申し訳ありません。

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Re: モノクロ版DVD-BOX上巻を確認 (おおはた)
2010-11-03 22:31:04
> モノクロ版DVD-BOX上巻が届きました。早速、再生したのですが、EDクレジットは原作者名義も制作会社名義も当時のままでした。

 やはり、そうでしたか。ネットで公開されているプロモ映像で「藤子不二雄」のままでしたから、これで収録されるのだろうなとは予想していました。情報、ありがとうございます。

 それにしても、これでますます原作者名義の表記に関する基準が分からなくなりました。トムス・エンタテインメント(東京ムービー)作品とシンエイ動画作品とで、何らかの権利関係上の違いがあると言うことなのかもしれません。

> 私が東京ムービー作品の再放送を注意するようになったのは2003年頃ですので、2001年から2003年までの2年間に何かがあったと思われます。

 なるほど。ただ、私が記憶している限りでは、『ど根性ガエル』は1990年代後半に地上波で行われていた再放送で、すでに「制作 キョクイチ東京ムービー」に差し替えられており、その後の社名変更に伴い「制作・著作 トムス・エンタテインメント」名義への差し替え作品がぼつぼつと出てきた、と言う流れでした。
 やきえもんさんが書かれているように、2001年頃はまだ「東京ムービー」や「東京ムービー新社」のままの作品も多かったですから、この時期に徹底して差し替えを行う方針になったのかもしれませんね。

 なんにしても、再放送での差し替えはどうも作品の雰囲気まで変えてしまう感じで、好きになれません。ソフト版が元のままなのは、まだ救いですが。オリジナルの状態で見たければソフトを買えということなのでしょうかね。
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旧ルパンの差し替え (おおはた)
2010-11-03 22:36:24
 旧ルパンですが、塗りつぶしの差し替えがあったのはEDのみで、OPはきちんとクレジットを入れ直していました。録画が残っているかも知れませんので、また今度VHSテープを確認してみます。
 上の方のコメントでも書きましたが、『スペースコブラ』はOPがモロに塗りつぶしでコブラの顔まで一部隠れてしまっている悲惨な状況です。
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