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藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

ぴかコミ「モッコロくん」「ビリ犬」発売

2005-09-01 23:55:18 | 藤子不二雄
 ぴっかぴかコミックス「モッコロくん」(全1巻)、「ビリ犬」第1巻発売。

 今月は、何と言っても「モッコロくん」初単行本化が一番嬉しい。購入後は、せっかくの未読作品を早く読んでしまうともったいないと思いつつ、96ページしか無いせいもあって、一気に読んでしまった。
 今回ぴかコミで出た分は全て初読だったが、幼児向けにシンプルな作りでありながら、F作品の魅力は十分に込められており、非常に面白かった。「ドラえもん」のように毎回のように道具を出すのではなく、「虫」をテーマに話が作られている点もユニークだ。それに、キャラクターの表情も豊かで、「おもち大すき」8コマ目のモッコロくんや、「虫となかよくなろう」最終コマのママの顔などは、特に印象深い。この頃のF先生の絵は、一つの完成期を迎えたと言っていいと思う。

 内容に目を向けると、もちろん他の作品では描かれなかった話がほとんどだが、「アメンボのふしぎ」は、後にほぼ同じ内容で「ドラえもん」の「あめんぼう」としてリメイクされており、「春風せん風き」も、同じくドラの「はるかぜうちわ」に通じる作品だろう。また「地面のなき声」は「エスパー魔美」の「地底からの声」の原型と言える。このように、他に藤子作品との関係を見るのも、興味深い。今まで単行本化されていなかったのは、こういったネタの転用に配慮していたせいだったのだろうか。まあ、普通の単行本ではページ数が足りない事が一番の理由だろうが。

 今回、結局全1巻で発売されたために、全27話中5話が未収録となった。ただし、未収録のうち2本は「ネオ・ユートピア」会誌34号に再録されているので、問題は残り3話だ。これは、また図書館へ行くしかないだろう。
 ともかく、貴重な作品が、初出時と同じカラーで単行本化されたことは非常に嬉しいし、後に他の作品も続いて欲しい。おそらく、他の未単行本化作品の出版は「モッコロくん」の売れ行きで判断されるだろうから、ぜひ多くの人に買ってもらって、埋もれていた藤子・Fワールドを楽しんでいただきたいものだ。


 さて、初単行本化の「モッコロくん」の方を大きく取り上げてしまったが、A先生の「ビリ犬」1巻も、当然購入した。収録内容は「ぼくら」版5話+「なんでも商会」1話という微妙な構成。ページ数の都合かもしれないが、巻末の「パパと遊ぼうよ」だけが浮いている感は否めない。

 今回のポイントは、以前の「てんとう虫コミックススペシャル」版では2色だった「空とぶ冒険野郎」が、本来の4色カラーで収録されている点だろうか。単行本初収録作品はないので、他にはこれと言って挙げる点はない。「たのしい幼稚園」版の収録を期待していたのだが、2巻以降に入るのだろうか。また、「ぼくら」版メインで行くのならば、おそらく全2巻になるのだが、「なんでも商会」を含めたコロコロ版の扱いがどうなるのか、気になる。

 来月10月1日は土曜日のため、来月分ぴかコミは前倒しで9月30日発売。次回の目玉は「カラー版ドラえもん」。個人的にもまとまった単行本化を希望していた幼年向け作品メインと言うことで、これも楽しみだ。

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