はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

「チンプイ」特番回に思う事

2007-12-10 00:04:16 | 藤子不二雄
 「チンプイ」DVD-BOX到着から一日経った。
 とりあえず、今日はテレ朝チャンネルで放映されていない特番回「宇宙的超一流デザイナー/エリさまはキョーボー?」の回を観たのだが、これについて気が付いた点を書いておく。


 まず、DVD化にあたってこの回が本来の放映順である第7話と第8話の間ではなく、「予告編上でのつながりを重視」した結果、Disc2巻末に収録されている点に注目したい。その気になれば、第8話の予告を特番回EDの後につなげる事もできたはずだが、そうしなかったところを見ると、シンエイ動画はこの回をレギュラー放送とは完全に別に扱っているようだ。

 この裏付けとして、EDは本放送と同じく短縮版で収録されている点を挙げておく。
 レギュラー放送でも本放送時にEDが短縮された回が何度かあったが、それらは再放送および今回のDVDでは通常サイズになっている。おそらく、制作当時に通常版と短縮版の両方を作っていたのだろう。
 それに対して、特番回は元から短縮版しか用意せず、30分枠単独での放映は想定していなかったとすれば、再放送でレギュラー放送の間に挟んで放送する考えはなかったと推察できる。また、テレビ朝日系列外で遅れ放送していた局でも、この特番回のみの放送はできずに飛ばされたのだろう。「ドラえもん」も含めて特番を丸々遅れ放送した可能性はあるが。


 今回、あらためて特番回を見てみると、Aパートはデブラ・ムー氏の初登場回であり、これを飛ばすと後の回でつながりが悪くなる。それに、アニメ本編もデブラ・ムー役の青野武氏が普段のボソボソ喋りと「ドカーン」の爆発とのギャップでいい味を出している。
 Bパートはアニメオリジナルだが、「ドラえもん」の「ハロー宇宙人」にも通じる「地球人の凶暴さを恐れる宇宙人」の描写が、シリーズ初期の地球に馴染んでいないワンダユウにうまくはまっており、なかなか面白い。
 シリーズのつながりがどうだと言う点を抜きにしても楽しめる回なので、最初から再放送を想定しないフォーマットで作ってしまったのは実に惜しい。DVD化で陽の目を見たからいいものの、下手をすると一生再見できなかったかもしれない。

 これは別に「チンプイ」に限った話ではなく、シンエイ藤子アニメの特番用エピソードのほとんどは、テレ朝チャンネルの再放送では飛ばされている。「パーマン」の「バード星への道」など、本放送で一度観たっきりだ。最終話をシリーズ途中でアニメ化したために無理なアレンジが行われて突っ込みどころの多い話だった事をうっすらと覚えており、ぜひもう一度観たいエピソードだが、これも「パーマン」完全収録BOXの発売に期待するしかないのだろうか。
 1980年代はシンエイ藤子アニメの特番が実に頻繁に行われており、非常に賑やかでファンにとって幸せな時期だったが、今になってそれらの特番を振り返る事がほとんど出来ないのは残念だと、あらためて思ってしまった。だからこそ、今回の「チンプイ」DVD-BOXで特番回が収録されたのは嬉しかったのだが。


 なお、特番回でEDが短縮版になったのは、57分枠で「ドラえもん」と合同になった上に、ドラ・のび太とチンプイ・エリ・ワンダユウが共演するブリッジアニメが入って尺が足りなくなったため。
 本編は両作品とも通常通りの尺だったので、「ドラえもん」の再放送話を普段の8分57秒の回ではなく帯番組時代の6分22秒の回にする事で時間を稼いでいたが、それでもまだ足りなかったようで、「ドラえもん」「チンプイ」共にEDは短縮版になった。この特番に限らず、しばしば流れた「ドラえもん」の「青空っていいな」短縮版は通常版にイントロを追加するなど無理のある縮め方で印象深く、よく覚えている。