万緑や烏にもある団欒の木 忠男
とめどなく切子グラスの結露かな すみ子
アイスチィー猫のごとくに居場所変ふ すみ子
父の日や父在る如く酒を注ぐ 正義(準特選)
やはり忠男さんは、特選句に選ばれる常連さんだ。烏は嫌われ、追われるばかりではない。夏の万緑の最中に鳥が集まりおしゃべりする木があると言う。この木だけは鳥も木も宥しあい次々と集まって来る、そんな木を見つけた作者の喜びが伝わってくる。他の人が気付かないことに気付く第六感の持ち主であると思う。下の「すみ子」さんも、この頃メキメキと良い句を詠むようになり、上達していることに感心しています。かなり勉強なさっていると思う。三句掲出して二く特選句に選ばれることは珍しい。しかも特選句五句の中からであるからあっ晴れと言って過言でない。私はこのところ全然である。