水の香を折り返してはつばくらめ 中嶋富恵
春になれば、万物は生命力と光に溢れ、水の香りもどこか違っているように感じられる。燕は、水の香りを知っているのか、水面を辷るようにやって来ては、また翻す。さて、「水の香を折り返しては」と、折り返した地点が、「水の香」であるという詩的把握。「折り返しては」の省略にある反復の動さを示唆する措辞。燕の到来への作者の素直な喜びが感じられる一句である。「阿蘇」5月号より抄出。(Midori)
春になれば、万物は生命力と光に溢れ、水の香りもどこか違っているように感じられる。燕は、水の香りを知っているのか、水面を辷るようにやって来ては、また翻す。さて、「水の香を折り返しては」と、折り返した地点が、「水の香」であるという詩的把握。「折り返しては」の省略にある反復の動さを示唆する措辞。燕の到来への作者の素直な喜びが感じられる一句である。「阿蘇」5月号より抄出。(Midori)
こんな素敵な感覚、とても惹かれた作品でした。