十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

2012-03-30 | Weblog
春永や乳首にもどる花のいろ    西嶋あさ子

自らの病を詠まれた句で占める8句の中の1句。
コートに包む身体は、息を吸うのも吐くのも困難で、
胸の手術を受けられる。麻酔より覚めて飲む寒九の水に、
生きていることの実感を得る。窓から見える冬の山を、
一日見て過ごし、一日分傷が癒えたと思う。そして、春・・・。
乳首に花の色が戻り、木々の一枝一枝にも命が張りを感じている。
そんな一連の句に感動を覚えた。
「俳句」4月号〈作品8句〉より抄出。(Midori)

4 コメント

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花の色 (今村征一)
2012-03-31 08:10:59
「春永」は「はるなが」と読み意味は「春の日の長く感じられることと辞書を繰ったら書いてあつた。花の色に戻ったの措辞で健康に返った喜びが伝わってくる。
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春永 (博子)
2012-03-31 20:01:14
 春永から、入院したのは日の短い頃だった事が想像されますね。乳首に戻った「花の色」は、女性としての美しさを失わなかったという安堵や喜びが品良く省略されていて上手いですね。
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春永 (みどり)
2012-03-31 20:29:09
聞き慣れない季語でしたが、日永と同じかなと思いました。
花のいろ、女性の命です。
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花の色 (みどり)
2012-03-31 20:33:35
まるで闘病日記のような8句でしたが、
希望にあふれてホッとしました。
どの句も、読み手の負担を感じさせない、
素敵な作品でした。
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