十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

2012-03-20 | Weblog
さざなみの中に馬立つ桜かな    菅原鬨也

太陽の光を浴びて輝くさざなみの中に立つ一頭の馬。
水辺には、満開の桜が咲いている・・・。
あまりにも美し過ぎる構図の中で、馬はやはり幻ではないだろうか。
大震災に続く原発事故によって、季語の本意すら変わってしまった、
と言う俳人もいるが、「桜」もその中の一つかもしれない。
日本の原風景が失われつつある今、象徴性の高い一句が、
とても尊いものに思えてきた。
「滝」3月号〈飛沫抄〉より抄出。(Midori)

4 コメント

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さざ波 (今村征一)
2012-03-20 22:00:12
さざ波を私は「陽炎」と解した。
陽炎の中に立つている馬それはまぼろしである。
季重なりを避けた老練な句。
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さざなみ (博子)
2012-03-20 22:55:14
「あまりにも美し過ぎる構図」私も同じように感じました。ただ「さざなみ」が気になっています。単に風を感じさせ、桜がチラチラと花びらを落とす情景を思わせるための「さざなみ」だろうか?言ってみれば静かとは言えない水面。馬を力の象徴、桜を日本の象徴と読むと違った景色も見えてくるように思いました。
 みどりさんの「幻」説。今村さんの「陽炎」説。感じ方は色々ですね。
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さざ波 (みどり)
2012-03-21 06:01:37
>陽炎の中に立つている馬それはまぼろしである。

そのようにも感じられますね。
昨年の震災を思えば、陽炎に立つ馬はさらに幻ですね。
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さざなみ (みどり)
2012-03-21 06:09:22
さざなみは、どこだろう?というのが、
私が一番気になるところでしたが、
やはり、湖か川。風というより光を
感じさせるものだと思いました。
馬は、東北では南部馬で有名ですよね。
力の象徴であり、歴史的にも大きな力と
なっていたのでしょうね☆
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