十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

後れ蚊

2008-10-20 | Weblog
後れ蚊のうかとまどろむ本能寺    矢田 涼
                                「滝」10月号<滝集>
秋になってもなお残って刺す蚊は、執念深いようでどこか哀れでもある。
蚊は、元来4枚の翅を持つが後翅は退化してしまって飛行能力は低く、
吸血後は体が重くなるためさらに飛行速度が落ちてしまう。
「うかとまどろむ」という感覚はこのあたりから来るのだろうか。
そして、場所は本能寺とあれば、そう、うかうかとはできないではないか?!
どこか人間の本性にも似て、おかしさの中に悲哀を覚える作品だと思う。(Midori)

4 コメント

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必要だったのねー (薫)
2008-10-21 06:56:35
「うかと」は要らないのではないかと思ってたのだけど、
鑑賞文を読んでよーく理解できました
後れ蚊と溢れ蚊 (涼)
2008-10-21 12:02:33
「秋まで生き残されている蚊を哀れ蚊と言ふのぢゃ。蚊燻しは焚かぬもの。不憫の故にな」と太宰が買いているようですがそんな哀れ蚊ではない蚊を詠んだのですが過分に読み解いてもらって励みになります。Thnks
うかとはできませぬ (みどり)
2008-10-21 18:33:47
十七音に意味のないものは一語もないのですね。
本能寺が決まっているね!
哀れ蚊 (ミント)
2008-10-21 18:42:02
太宰は、やさしい人だったのですね~☆
この秋、何箇所も蚊に刺されひどい目にあったので、思いっきりフマキラーでシューとやりました。でも血を吸うのは雌の蚊だけだから、雄の蚊はやっつけていませんよ。
矢田さんのおかげで「蚊」の生態のベンキョーができました♪

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