十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

黄落

2019-02-01 | Weblog
慟哭のごとく黄落つづきをり
大潮のひかりに熟るる蜜柑かな
枯蟷螂月のひかりを食んでをり
天高しふるさと行きの発車ベル

*「阿蘇」2月号、岩岡中正選

【選評】 あの怒濤のような黄落を「慟哭」と詠んで、的確。黄落の質感量感が圧倒的に迫ってくる。と同時に、作者の溢れるような内面もまた、この「黄落」にこめられているのである。(中正)

4句とも主宰選を頂いていた句だが、俳誌掲載の評価は、「黄落」の句が一番であった。ちょっと意外に感じられたが、自選がままならないのは句会の常。(Midori)