春祭

水ぎはの脚立ひかりぬ春祭　　　　　菅原鬨也　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「滝」５月号〈飛沫抄〉
水際とだけでは、どこの水際なのか限定できないが、心象風景としては広い
湖を想像する。湖面はどこまでも凪ぎ、春光にきらきらと輝いている。脚立は
光の粒を反射して美しい光沢を湛えている。陽光につつまれた幻想的な情景
に、春祭のやわらかな情感が見事に照応し、五穀豊穣を祈願する春祭の静か
な高まりが感じられた。「滝」主宰の省略の効いた「ひかり」のページェントに
やがて脚立は春祭へと運ばれるのだろうか・・・。(Midori)　

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