ヴェネツィアで最も大きな建物が、共和国ヴェネツィアの総督であるドージェが住み、
行政の中心となっていたドゥカーレ宮殿です。
海から見ると、四角いピンクの箱に見えるこの宮殿は、
ヴェネツィア・ゴシック建築の代表的な建築で、
クローバー型の窓が開いた柱頭の装飾がなかなか細やかです。
正面には、ヴェネツィアの守護聖人マルコの象徴である“聖書を開いた有翼のライオン”の彫刻があります。
中に入ると、大きく開けた中庭には「巨人の階段」と呼ばれる大きな階段が2階へと続いています。
中世の時代、東方から交易のためにやってきた人々は、おそらくそのスケールに圧倒されたことでしょう。
2階の大広間の正面の壁には、世界で一番大きな油絵と言われるティントレットの「天国」が描かれています。
このティントレットという人は、かなり野心に燃えた人物だったようで、
絵からもなんとなく「ギラギラ感」が伝わってきます。
ちなみにティントレットの絵は、スクオーラ・ディ・サン・ロッコへ行くと、
おなかいっぱいになるまでたんのうすることができます。
宮殿内には、他にも執政室などの部屋がいくつもあり、
また有名な「ため息橋」を渡って、牢獄の見学をすることもできます。
「ため息橋」と牢獄の話は、また次の機会に。