アマルフィのメインストリートの北のはずれに、ひときわ目立つ赤い家が建っています。
1階にはお世辞にもあまり美しいとは言えないプレゼッピが飾られているこの建物の下をくぐると、
そこから先がムリーニ渓谷です。
「ムリーニ」とは「水車」という意味で、
それまでは道の下に隠れていた
カンネト川が姿を現し、
ところどころに古ぼけた製紙工場のあとが
残っているのを見ることができます。
一見廃墟のように見えるそれは、
アマルフィの製紙工業が
もはや過去のものであることを
物語っているかのようです。
しかし、最近になって、アマルフィでは
伝統的な手すき紙がよみがえりつつあり、
街中でもお土産として売られたりしています。
道の上をまたぐようにして工場跡があります。
巨大な煙突が、華やかな観光地としてのアマルフィとは別の一面を見せてくれます。
通りはこんな風に、まるで時間が止まっているかのような静けさです。
ただ、右手の家では現役の水車が活躍していました。
ほとんどの水車小屋が川の上に建っているので、
川の流れはところどころでしか見ることができません。
石臼の一部でしょうか。あちらこちらにこんなものが転がっていました。
この先には手すき紙博物館があり、紙すき体験ができるということだったので、
私たちはそこを訪れてみることにしました。