JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

小沢昭一様に合掌

2012年12月11日 | a-c

本当にまぁめっきり寒くなって、このへんじゃ雪はありませんけど風が冷たいこと冷たいこと、朝布団から抜け出すのに一苦労です。
そんな寒さの中、私は週末から昨日にかけては親戚の葬儀なんかがあったりしてゴタゴタしておったのですが・・・・・

葬儀といえば、またまたいろんな訃報が舞い込んでまいりましたねぇ、5日にはデイブ・ブルーベックが、同じ日に中村勘三郎が、そして昨日は小沢昭一でありますよ。
まっね、デイブ・ブルーベックは享年91ですから、まぁまぁ大往生といったところでしょうけど、中村勘三郎は57歳、チト若すぎましたねぇ、私なんざぁ他人事と思えない年代でありますから
「こりぁ、オレもいつ逝くかわかんねぇなぁ」
「いやいや心配ない、勘三郎はいくぶん生き急いだんであって、アンタみたいにいいかげんで成果もない人生をおくっている人は、決まって長生きするもんだ。」
「・・・・・」
いずれにせよ、彼なんかまだまだこれから一花二花といった未来があっただけに無念でありましたでしょうねぇ。ご冥福をお祈りいたします。

私的に最もショックだったのは昨日の「小沢昭一氏の訃報」でしょうか。
以前も話題にさせていただきましたけど、TBSラジオの超長寿番組『小沢昭一の小沢昭一的こころ』には一時期ずいぶんとお世話になりました。
ともかく、あの絶妙な語り口、私しゃ好きでしたねぇ、もちろん役者としても素晴らしい方ではありましたが、私的には大衆芸能研究者として、また、その知識を惜しまず披露してくれる語りべとしての小沢昭一を心より敬愛しておりました。
享年83、言ってることが矛盾しているかもしれませんけど、もう少し、いろんな語りを聞かせていただきたかったですねぇ、「大往生には早すぎた」と私は思いたい。

そんなことで、先週放送分の『小沢昭一の小沢昭一的こころ』をネットで聞きました。2010年3月に放送になった『僕、新聞老人について・・・考える』という録音を傑作選というかたちで放送されていたようです。
いやぁやはりその語りは絶妙でありますねぇ、これはまさに一芸、聞き入ってしまいました。

けさの朝日新聞にこんな事が書いてありました。
『ストリップ好きの助平な役者と、大道芸や放浪芸のストイックな研究者と、小沢昭一さんは両極端に見える二つの顔を持っていた。だがその両極端は小沢さんの中では一つのものだった。』
じつに上手い表現でありますが、じつは人間誰しもそんなもんで、だけどほとんどの人がそれを上手いこと一つに出来ないもんだからなんやかや言われるんじゃないかって・・・・だからこその小沢昭一的魅力なのでありましょうかね。

 ♪うんとしぼりとって 泣かせておいて
  目薬ほど出すのを 慈善ともうすげな
  なるほど慈善家は 慈善もするが
  あとは見ぬふり知らぬふり
  アのんきだねぇ♪

 ♪のんきな父さんの 坊やが裸で
  母ちゃんが着物を 着よと叱っても
  坊やは嫌だと 着物を着ない
  「お父さん、坊やが裸で着物を着ませんよ」
  「なんだなんだ、坊や、風邪を引いたらどうする」
  出てきた父さん丸裸
  ハハのんきだねぇ♪

 添田唖蝉坊、石田一松、桜井敏雄と続く演歌師の流れ、そして「あのなぎら健壱が桜井敏雄の弟子だった?」みたいなことまで興味を持たしてくれたのは小沢昭一でありますし、「そういった流れがなんとなくJAZZに通じるものがある」てな勝手な解釈をさせていただけるのも全て彼のおかげであると・・・・

小沢昭一様
きっとまた天国でもラジオ番組でも始め、いずれ末廣亭での十夜をしのぐ千夜、万夜の高座を披露されるのではないかと、
そして私もそれを楽しみにそちらへまいりますので、どうぞそれまで、助平を押し通し、天女天使のストリップを楽しみつつ、あなた様の研究テーマであるまさにその本人達と語り合われる日々をお過ごしいただきたいと思います。合掌。

さて、今日の一枚は、当然紹介済みではありますが、5日に逝かれたデイブ・ブルーベックに敬意を表し、このアルバムにしました。
内容は「言わずもがな」、特に日本ではメッセンジャーズの「MOANIN'」に勝るとも劣らぬモダンジャズの代名詞的名曲「TAKE FIVE」収録アルバムとなるわけですが、四分の五拍子、八分の九拍子、四分の六拍子といった変拍子の曲が続くこのアルバム、これがデイブの挑戦であり、しかもそれでいてこれほど耳障りの良いアルバムに仕上がっているところに彼の才を見出すのであります。(私は日本人ですから、死者を貶すような事は一切申しません。笑)

TIME OUT ! / DAVE BRUBECK
1959年6月7,8日録音
DAVE BRUBECK(p) PAUL DESMOND(as) EUGENE WRIGHT(b) JOE MORELLO(ds)

1.BLUE RONDO A LA TURK
2.STRANGE MEADOW LARK
3.TAKE FIVE
4.THREE TO GET READY
5.KATHY'S WALTZ
6.EVERYBODY'S JUMPIN'
7.PICK UP STICKS