JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

身分不相応!?

2008年06月22日 | a-c

一日雨だとの予報だった昨日はカンカン照りの夏の日差し、夜にはいると高い湿度も手伝ってじつに蒸し暑い夜でした。
一夜明けた今日は一転、まさに梅雨空で朝から雨が降り続いています。
この時期を「秋の実りを育む授乳期」といったのは、杉浦日向子さんだったでしょうか、ほんとそう思って、このうっとうしい季節を乗り切っていきましょう。

「○○(私のことです)、今日どうすんだって、△さんから電話きてんだけど」
と、朝から母がわめいています。
そうでした、今日はJBL4430の音を聴きに行くといっていた日でした。

いやね、あれから考えてたんですよ。母と△さんがいつものようにお茶を飲んでいる隣で、あまりに過激な音をたてたら、それはそれで迷惑ですよね。
でも、私としては腹の底から響いてくる音を聴いてみたいわけで・・・・・・
「とりあえず、いっしょに行くけど、うるさいの一曲だけ聴かせてもらって帰ってくるよ」

手土産にと安いケーキを手に、イソイソと母のおとも、持っていったのは、コルトレーン「AT THE VILLAGE VANGUARD」でした。
「すいません。一曲だけ聴いたら僕は帰りますから、ちょっとうるさいですがいいですか?ほんの少しの間、母と二人で耳をふさいでいてください。」
アンプのスイッチを入れ、CDをセット。さすがにボリュームは9時ちょい前ぐらいまでしか上げられませんでした。

選曲は「SPIRITUAL」、
 ♪タラリララ~~~ タ~ララ~~~~~~
なにしろ音の奥行きが我が家とは全く違います。
私としてはもう少しボリュームを上げたかったのですが、それでも目を閉じて聴き入れば、コルトレーンのソロもドルフィーのソロも、我が家で聴くそれとは距離感がぜんぜん違いますもの。(笑)
「ひょっとして、中音域に厚みがないんじゃないかなぁ」
なんて、分かりもしない私が、分かりもしない想像をしていたのですけど、なんのなんの、この音が家庭で楽しめたら、あたしゃなんの文句も言いません。

「どうもありがとうございました。それじゃ僕は帰ります。」
「あら、もういいの?もう少し聴いていけば」
「いやぁ、でも・・・・・」
「奥さん、そんなこと言わないで、この人は言われればいつまでだって聴いてんだから」と母。
「あと、一曲ぐらい、いいでしょうよねぇ」
(おお、なんとありがたきお言葉)
「・・・・・・あ、はい」
「ボリュームもっと下げて聴きなよ。」
(まったく、かあちゃんはうるせぇなぁ)
「いいわよ、いいわよ、一曲だけだもんね」

結局「CHASIN' THE TRANE」の長いソロを堪能してまいりました。

残念ながら今回は、レコード・プレーヤーが壊れているということで、レコードの音を確かめることは出来ませんでしたが
「あ~あ、俺も良いオーディオ、欲しいなぁ~~~~~~」
「なに言ってんのぉ、今のオーディオだって身分不相応なんだからね!」
家人の反応は、気温が上がってきた季節とは裏腹に、あまりにも冷たいものでありました。とさ。

え~分不相応のオーディオを持つ私は、本日も分相応の料理当番でありまして
『料理当番、本日の一品』です。

こちらは、豆腐に鶏そぼろと焼き茄子を挟んだもの、大葉と鶏そぼろを挟んだものを卵でまとめ、とろみを付けた薄味のダシ醤油をかけました。
それにマカロニと茹で烏賊を、卵の黄身、マヨネーズ、レモン酢で和えたものに、輪切りのトマトとチーズを乗せて、焼かずに蒸したものを、ワンプレートに乗せてみました。

こちらは、私用の烏賊の刺身です。

さて、今日の一枚は、アンソニー・ブラクストンです。
アルバム・タイトルは、どう考えてもオーネット・コールマンの「TOWN HALL 1962」を意識して付けられたものだと思います。ほんじゃやっぱりフリーフリーしてるのか?ってはなしですけど、いわゆるフリー・ジャズが苦手な方でも、このアルバムはけっこう聴けるんじゃないかなぁ、なんて勝手に私は思うのですがいかがでしょう?

トリオ編成と多楽器主義をとるカルテットの二編成による演奏は、時に破壊的で、時に美しいメロディーラインを奏で、幻想的でもあると感じます。
以前も言ったかもしれませんが、私はブラクストンをさほど聴き込んでおりません。しかし、間違いなく私好みのリード奏者であって、このアルバムも聴き返すたびに新たな魅力を発見できるアルバムだと思っています。

それにしても、1960年代、70年代の『タウン・ホール』というところは、いったいどんなとこだったのでしょう?
オーネットの初リーダー盤「SUMETHING ELSE !!!!」から「TOWN HALL 1962」、アルバート・アイラーの「BELLS」、そしてブラクストンのこのアルバムと、この時代の『タウン・ホール』に、もし私が出入りをしていたら、おそらくは今とは違った形でジャズに親しんでいたかもしれません。

TOWN HALL 1972 / ANTHONY BRAXTON
1972年5月22日録音
ANTHONY BRAXTON(as,ss) DAVE HOLLAND(b) PHILIP WILSON(ds)
JOHN STUBBLEFIELD(ts,fl,bcl,gong,perc) JEANNE LEE(vo) BARRY ALTSCHUL(perc)

1.COMPOSITION 1
2.COMPOSITION 2 / ALL THE THINGS YOU ARE
3.COMPOSITION 3


おまけ、
昨日、LPを録音したCD-RをMさん届けると、大変喜んでいただいたのですが・・・・
「バブちゃん、これぇ~~~~~」
「・・・・・・・」
なんと、弟さんのだというLPレコードが、ド~~~ンと四十数枚。
「えっえっえっ?まさかこれも・・・・・・・・・・!?」
「うん、お願い」
「・・・いやぁ、かまいませんけど・・・・時間はかかりますよ」
「いいよいいよ、ゆっくりやってくれれば」

それにしてもビックリなのは、四十数枚すべてが吉田拓郎と井上陽水、拓郎に関しては、ほぼアルバムを網羅しているのではないかというくらいで、弟さんはよほどのフリークだったのでありましょうねぇ。
まっ、拓郎、陽水なら、懐かしがりながら録音できるかな。



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