JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

天使とキューピーちゃんとエロス

2008年06月30日 | m-o

昼頃まで残るとの予報だった雨も早々にあがり、家を出る頃には青空が拡がっていました。
暑いのはいやですけど、じとじと雨よりはやっぱり気持ちが良いですよね。
各地で頻発している災害、この晴れ間に少しでも復興が進めばと思いますが、大変でしょうねぇ、心からお見舞い申し上げます。

今日は朝から母が大喜びでして、何事かと思ったら、近所の茶飲み友達の家に遊びに来ている4才のお孫さんが、7時ごろに一人で訪ねてきたんだそうで
「あら、Y○ちゃん、どうしたの?」
「おはよう言いに来た」
昨日、我が家でお茶をした(笑)だけの母に、わざわざ朝の挨拶に来てくれたのでありました。
もともと子供好きの母ですから、我が兄弟、子供たち、甥姪、いずれにも子供ネタのない今、早朝から挨拶に来た小さな訪問者に偉く感動したらしく
「まったく、めんこい(可愛い)こと、おはようって言いたくて来たんだって、あがっていけばって言ったんだけど、後で○○ちゃん(おばあちゃんのこと)といっしょに来るからって」
と、それはもう満面の笑みです。
ほんと、子供ってぇのは、天使ですね。「おはよう」の挨拶だけで母に一時の幸福をもたらしてくれました。

天使といえば、
何教にも属さない私のような者にとって天使の概念というのは、およそその生い立ちからはかけ離れているものでして、
おおむね頭に浮かぶのは、背中に羽を持った子供のイメージ、そうアニメ『フランダースの犬』の最後の場面で二人(一人と一匹か)を天国へ誘うあの子達のイメージ?
(じつは『フランダースの犬』の本編など全く観ておりませんで、最後の場面だけテレビで何度も観ているだけなんですが....笑)
もしくは、マヨネーズのラベルのあれ、キューピットでしょうか。
映画『コンスタンティン』に出てきた、ティルダ・スウィントン演じる大天使ガブリエルのような大人の天使はイメージしません。

でも、よくよく考えてみれば、天使という概念は、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教にある概念でしょ、でもキューピットはローマ神話のクピードー(欲望)、ギリシャ神話でいうところのエロス(愛・恋)ですから、いつからかそれが頭の中でごっちゃになってしまったんでしょ?
そんでもって、そんでもって、キューピーちゃんとエロス(エロース)っていうのも、なんとなく究極にあるようなイメージを持ちませんか?

イソイソと本棚から『旧約聖書物語』と『ギリシャ神話』を引っ張り出して、天使ミカエルが登場する『ダニエル書』の部分を読み返したり、愛神エロースの節を読み返したりと・・・・・・

大天使ミカエルといえば、神の民を守る役目を負った天使で、いかにも強そう、子供のイメージは全くありませんよね。そもそも名前そのものが「神でないのに神のごとく振る舞うのはだれか」という意味なんだそうで。
そんな大人の天使のイメージの中で、智天使(ケルブ)は赤子の姿をしてるともされ(智天使ゲルビムとなると、なんとなく大人のイメージですが)、これは今私の頭に浮かんでいる天使のイメージにとても近いわけです。ただし、弓と矢は持ってません。


同じ智天使でも、右が天使のイメージですよね

一方、エロスといえば、「ミロのビーナス」ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』なんかで有名な美と愛の女神アフロディテ(アプロディーテー)の息子(これは、後々に二人を関連づけした結果で、そもそもはそうではなかったようですけど)、最も有名な話としては、ローマのアブレイウスの『転身の物語』の中に収められたエロスとプシュケの神と人による『至上の愛』のお話です。

そもそも、ギリシャ神話でもエロスはキューピーちゃんとはちょっとイメージの違う絶世の美男子でありますよね。
それが、呉茂一氏の『ギリシャ神話』によれば、キューピーちゃんのあのイメージはアレクサンドリア文学以降、すなわち女神アフロディテの息子としての認識が深まってからなのだそうで、ただし、弓と矢はもっと前から認識が広まっていた持ち物なんだそうですよ。


左がプシュケとエロス、右がアフロディテとエロス
キューピットのイメージはやっぱ右でしょ

この二つのイメージが、私のような何教にも属さない者に、同じようなイメージとしてインプットされたということなんでしょう。

エロスとプシュケの『至上の愛』のお話は・・・・・・・・
『至上の愛』といえば、それはもうコルトレーンなわけで・・・・・・・・

あ~あ、いかんいかん、長くなる長くなる
こんなつまんないことをやってるから、寝られなくなるんですよねぇ
なんで、可愛らしい訪問者から、天使やキューピーの話になって、愛神エロスにつながり『至上の愛』になるんだか、自分でもわけ分かりません。・・・でも、これも性分ですからしかたないということで(笑)
『至上の愛』のお話は、またの機会にね。

さて、今日の一枚は、チャールズ・ミンガスとエリック・ドルフィーの最後の共演盤です。
昨日はともかく、その前2回連続でミンガス・ワークショップの話を出しておきながら、ミンガス本人を出さないというのもねぇ(笑)

ドルフィーの最期、つまりこの時のヨーロッパでの演奏は、ミンガス・ワークショップでのものはもちろん、ミンガスのもとを離れた後も、聴きまくった時期がありました。もちろん、新たな録音が発見されればそのたびに「何としても聴かねば」なんてね。

このアルバムももちろんそんな中の一枚です。
ジャムセッション的な「FABLES OF FAUBUS」、そしてベースとフルートのディオ「STARTING」どちらも甲乙付けがたい名演だと私は思っています。

この時のヨーロッパツアーは、まさにハードスケジュールで、当初同行していたジョニー・コールスなんざぁ胃潰瘍で倒れちゃったんですから(でもそれがドルフィーの死期を早めたとは私は思っていません。)、だからミンガスがいかに止めようとも「ボクちゃんヨーロッパに残る!」ってドルフィーは言ったのでしょうか?(ないない)

ともかく「Vol.2」とともに、ミンガスとのラスト共演は、ドルフィー・ファンなら間違いなく押さえておくべきアルバムではないかと思います。

ちなみに、「FABLES OF FAUBUS」はあまりに長い演奏のために、LPレコードだとA、B面にまたがった形で収録されています。その点CDだとそんなことはありませんので、本日はあえてCDで紹介しようと思います。

MINGUS IN EUROPE Vol.1 / CHARLES MINGUS
1964年4月26日録音
CHARLES MINGUS(b) ERIC DOLPHY(fl, bcl) CLIFFORD JORDAN(ts) JAKI BYARD(p) DANNIE RICHMOND(ds)

1.FABLES OF FAUBUS
2.STARTING
3.MEDITATIONS



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