JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

悪のヒーロー バブ仮面

2009年11月14日 | p-r

昨夜はいくぶん強めの雨が降っていましたが、今朝には断続的なものになり、そのうちやむんですかね。どうも最近は何事極端で、寒けりゃめいっぱい寒い、雨が降ればドッと・・・「昔からこうだったっけ」と思う一方、だんだんとこれに馴れつつある自分にちょっと不安を感じたりしています。

本日は、一昨日話題にした纒向遺跡の木製仮面からの連想話であります。
『お面』『面(おもて)』『マスク』『仮面』どれも同じ意味なのでしょうが、どうにもイメージが違う感じがしませんか?
これは私だけかもしれませんけど、例えば『お面』というと、「子供たちの手作りお面」だとか「お祭りの出店で買って来たお面」だとか、なんだかちょっと可愛らしいイメージがあって、『面』だとお能や狂言、『マスク』はプロレス、秘めた物が隠されていそうなのが『仮面』みたいな。(笑)
「これは何故なんでしょ?」てなことを、ふと考えたのです。

これは完全に幼少期に見た漫画やテレビの影響が大なんじゃありませんかねぇ。
『マスク』といえば「デストロイヤー」に始まり「タイガーマスク」。『仮面』といえば「月光仮面」にはじまり「仮面ライダー」。
考えて見りゃ「お祭りに行って、月光仮面のお面を買って来た。」なんてぇのは、大笑いな話なんであれますが・・・
でも待てよ、実際の(これも変な表現ですけど)「月光仮面」は、お面姿じゃありませんよね、なんだかわからないけど白いターバンみたいなかぶり物とサングラス、それに口と鼻を覆った白い布・・・・あっマスク?!いやいや『覆面』だ。『覆面』もまた『仮面』かぁ?
ほんじゃ「仮面ライダー」は?あれがかぶり物っていう設定じゃねぇ、なんたって「変身」なんですから。
「そうだぁ、『仮面』には変身するようなイメージが、他の表現より強いのかも・・・」
(ほらほら、くだらないことを考え始めるバブ病が始まりましたよぉ。)

変身と『仮面』のイメージには、密接な関連があるように思えてきました。
「善人の仮面をかぶった悪党」てな表現も「善人のお面をかぶった悪党」じゃ、たいした悪党とは思えないですもんね。
「いや、でもさぁ、狼男を狼仮面とは言わないっしょ」
「・・・・・・・」
ともかく、古くは「鞍馬天狗」に「白馬童子」、「月光仮面」に「七色仮面」、「ウルトラマン」「仮面ライダー」「セーラームーン」だって、普段は普通の人間が、いざ『覆面』や『仮面』姿に変身すると、悪を懲らしめる正義の戦士となる「う~~ん、水戸黄門以来、日本人の大好物パターンだ!」
いやいや、日本だけじゃありませんよ。「スーパーマン」だって「バットマン」だって「スパイダーマン」だって・・・・・でもさぁ、なんで「スーパーマン」は、『仮面』もかぶらず、ほとんど変身もしていないのにクラーク・ケントだと気づかれないんだろ????
まっ、細かいことはほっといて、普段とは全く違う者に変身できる、それが『仮面』の力、いや『仮面』そのものなのでありましょう。

それ故に、『仮面』に真実を隠された姿は、とらえどころが無く、不気味に感じるのもたしかです。
写真は、S君が以前イタリアはベネチアのお土産にと買って帰った『仮面』であります。世界三大カーニバルの一つ「カルネヴァーレ」で使用される仮面』でしょうか、なかなか不気味ですよね。
案の定、ご家族には不評で、けっきょく自宅には飾れず場違いな事務所に飾ってあるという代物です。
いかにボン・キュ・ボンの魅力的な方でも、これをかぶって私を誘ってきたら、そりぁお断りしますもんねぇ。
え?そもそも誘わない?何をおっしゃいますか、私しゃ『仮面舞踏会』じゃ引く手あまた、お誘いを断るのに苦労したんですから。もちろん、夢の中でですけどね。(笑)

「おいおい、オレなんかさぁ、このいかにも善人そうな『仮面』の下に、じつはとんでもない悪人の顔を隠している『悪のヒーロー バブ仮面』かもよ。」
「いや、あんたの場合は『仮面』みたいな分かりづらい物じゃなくて、そのデブっとした腹の中に黒い物がいっぱい入ってる事が見え見えの『スケルトンマン』だから」
「・・・・・」

さて、今日の一枚は、ホレス・パーランです。
「SPEAKIN' MY PIECE」収録後、半年もしないで同一メンバーで録音された一枚。前にも言いましたかねぇ、ブルーノートに残るパーランとスタンリー・タレンタインの共演盤はどれも私好みでして、このアルバムも好きな一枚です。

パーランといえば、幼少期に発病したポリオのせいで、右手の薬指と小指が全く動かないというハンデを抱えたピアニストであったことは、前にも話しましたよね。
このアルバムのタイトル曲「ON THE SPUR OF THE MOMENT」に聴かれるちょっと不思議なフレーズはそのためだと言われています。
しかし、パーランの魅力はまさにそこなんでありますなぁ。ハンデを克服した独特なフレージング、個性的でじつに良い・・・・

もちろんフロントのタレンタイン兄弟も頑張ってますよ。トミーも豪快さを押し通しているし、スタンリーは野太くてゴリゴリしているのに柔らかい(どんな表現じゃい!)いつもの魅力を発散していますし、もろタレンタイン兄弟です。(これまたなんちゅう表現だか)

ON THE SPUR OF THE MOMENT / HORACE PARLAN
1961年3月18日録音
HORACE PARLAN(p) TOMMY TURRENTINE(tp) STANLEY TURRENTINE(ts) GEORGE TUCKER(b) AL HAREWOOD(ds)

1.ON THE SPUR OF MOMENT
2.SKOO CHEE
3.AND THAT I AM SO IN LOVE
4.AL'S TUNE
5.RAY C.
6.PYRAMID



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