今日は午後から薄い雲が広がったものの、暖かく感じる一日でした。毎日こんくらいの気温だと我慢できるんですけどねぇ・・・・・
そうそう、今日は映画『ブラック・スネーク・モーン』についてでありました。
ブルースは一種類しかない
愛し合う男と女のことを歌ったのがブルースなんだ、愛の歌だ。
かのサン・ハウス(SUN HOUSE)が、こんなことを言っている古い白黒映像で始まるこの映画。
まず文句を言いたいのは、DVDのジャケット(そういうのかどうか分かりませんが)です。何だか『質の悪いSM映画』みたいな感じがしませんか?少なくともこれを見て「ぜひ観てみたい」という気には、私はならないのでして、もう少し考えて欲しかったなぁ・・・・
内容はもちろんSMものであるわけもなく、
実の弟と関係を持った妻に去られたことに絶望する元ブルースマン、ラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)。幼児期の虐待が原因でセックス依存症となった若い女レイ(クリスティナ・リッチ)。
レイは恋人に去られたことで、またもドラックと男に溺れ出し、果ては殴れ道ばたに捨てられてしまう。そのレイを拾った(これはひどい表現だけど、まさにそんな感じなんです)のがラザラス。毎週教会に通うほど信心深い彼は、レイの忌まわしい部分を治すことが神から与えられた使命だと信じ・・・・・・・・
あらすじはばらしちゃいけませんよね。「アダムスファミリー」や「キャスパー」で、あんなに可愛かったクリスティナ・リッチが、体当たりでセックス依存症の女を演じているのも興味深いし、そこそこで流れるブルースも、サミュエル・L・ジャクソンがギター片手に歌うブルースもなかなかたまらないのです。
この映画を期待せずに観た私は、「逆裏切り」のようでちょっと好きになりそう、ブルースは身にしみます。(笑)
ところで、先ほど言ったサン・ハウスの映像が、最初と途中にチラッと入るんですが、彼のことはみなさんご存じでしょうか?
私もことブルースに関してはそれほど詳しいわけではないので、偉そうなことも言えませんけど、そんな私でも知っている、いわゆるデルタ・ブルースの大御所で、ロバート・ジョンスン、マディ・ウォーターズの師匠格にあたるブルースマンです。
この人、もともとは牧師さんだったのがブルースに出会っちゃって、殺人(正当防衛です)まで侵してしまうという波乱の生涯を送るわけですが、じつに渋い歌を聴かせてくれます。
私は、この単純なのに、なんともいえない味があるデルタ・ブルースというのが大好きでして、たまに思い出したように聴くんですよねぇ、そうそう先日このブログでも紹介したようにK君のお宅でもタップリ聴かせていただきましたっけ。
ともかく、『ブラック・スネーク・モーン』はブルース心も溢れていて、なかなか面白い映画でした。
映画でブルースっていうと『クロスロード』なんてぇのもありましたねぇ。
音楽学校でクラシックを専攻している優等生が、ロバート・ジョンソンに憧れて・・・・みたいな映画でしたけど、あれもなかなか良かったような。
古いですけど、ナット・キング・コールが主演した『セントルイス・ブルース』って映画もありましたねぇ。
こちらは「ST. LOUIS BLUES」の作曲者、ブルースの父と呼ばれたW.C.ハンディ(William Christopher HANDY)の生涯を描いたものでしたけど、マハリア・ジャクソン、エラ・フィッツジェラルドも出てたんで、ジャズ好きにとっても興味深い映画でした。(もちろん、私は公開当時に観たわけじゃありませんよ)
そうだ、W.C.ハンディのオヤジさんも牧師だったですよねぇ。サン・ハウスにしてもW.C.ハンディにしても・・・・話が大きく飛びますがコルトレーンにしても、幼児期の黒人教会体験というものが、ブルースやジャズの一つの根底にあるもののようにも思えたりして。
こんなこと書いていると、次の『バブ・ロードショー』は、音楽映画特集みたいになってしまいそうです。その時には、また音楽映画の話にお付き合い下さいね。
え~~それでは、私も愛の歌、ブルースを一曲。
・・・・・・・・え~~ん、歌う愛が何処にもないよう~~~~~
さて、今日の一枚ですが、W.C.ハンディが出てきましたのでこれかなって、ルイ・アームストロングです。
サッチモがW.C.ハンディの曲をババンバーンとやっちゃったというアルバムですが、発表当時W.C.ハンディはまだ存命で、このアルバムの出来の良さに泣いて喜んだという。
もちろん、私の得意分野ではまったくありませんので、その他の説明は一切無しということでお願いします。(笑)
私の持っている数少ないサッチモのCDです。
PLAYS W.C. HANDY / LOUIS ARMSTRONG
1954年7月録音
LOUIS ARMSTRONG(tp,vo) TRUMMY YOUNG(tb) BARNEY BIGARD(cl) BILLY KYLE(p) ARVELL SHAW(b) BARRETT DEEMS(ds) VELMA MIDDLETON(vo)
1.ST. LOUIS BLUES
2.YELLOW DOG BLUES
3.LOVELESS LOVE
4.AUNT HAGAR'S BLUES
5.LOUIS ARMSTRONG MONOLOGUE
6.LONG GONE
7.THE MEMPHIS BLUES
8.BEALE STREET BLUES
9.OLE MISS
10.CHANTEZ-LES BAS
11.HESITATING BLUES
12.ATLANTA BLUES
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