JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

『鈍感』のすすめ

2011年12月07日 | p-r

あいかわらず突然起こるPCの不具合で苦労しています。やっぱり買い換えかな?
先日亡くなった立川談志師匠のお話やら昨日出た福島第一原発50キロ圏内補償指針やらいろいろ書きたいことも多いのですが、それも遅れ遅れになってしまいます。
今日は今のところPCストを起こしていないので、このうちに更新を済ませてしまいましょう。

と言いながら、今日の話は師匠のことでも原発事故補償のことでもありません。(笑)
先週の金曜日、いつものようにバー○-クへ飲みに行くと、『アクアマリンふくしま』安部義孝館長が独りスコッチを楽しんでおられました。
その時、お聞きした興味深いお話しをひとつ

きっかけは、ゴキブリの話題からでした。
「館長、アクアマリンではデカイゴキブリも展示してますよね。」
(「止めて、その話だけは止めて!」ママの言葉は無視しつつ)
「ああ、あれね、あれは私のアイデアです。」
安部館長は以前『多摩動物公園昆虫園』にいらしたこともあって、
「多摩動物公園でも、そこらじゅうにいるいろんな種類のゴキブリを邪魔者にしないで展示したらどうだろうって提案したことがあって、アクアマリンでもやっちゃいました。」

さらに「ゴキブリでもう一杯」といきたいところを、ママがあまりにも怪訝そうな顔をしているので、以前から『アクアマリンふくしま』で研究を続けているシーラカンスの話へ、
「ところで館長さん、シーラカンスみたいな生きた化石は、どうしてとんでもない環境変化に耐えて昔のままの姿で生き延びてこられたんでしょ?それはある意味完全な進化形だからなんでしょうか?」
「イイ質問だねぇ、そりゃあ同じ生きた化石でもゴキブリのようなヤツは、ある意味人間より完全形の生物と言えるかもしれないけど、シーラカンスはじめほとんどの生きた化石に共通する資質といえば、『鈍感』だよ。」
『鈍感』?」

安部館長曰く、「環境変化や天敵に対して『敏感』に反応しながら形態や生態を変えて行くのも生き残りの手だてかもしれないが、逆に『鈍感』であるがゆえにまわりの変化を受け流す底力がある。」というのです。
そして、
「結果、昔のままの姿で生き続けているということは、彼らの方がより優れた生き延び方をしたということになるのかもしれない。」
さらに、
「その『鈍感』こそ、福島がおかれている現状に、いや今、全ての人間にもっとも必要な資質なのかもしれないよ。」

なるほど、人間『敏感』に生き続けるからこそ欲が生まれ、便利を追求しさらに効率を重視し、セコセコセコセコ動き回る。そのために分不相応なエネルギーを必要として、さらに・・・・・・・・こうして深みにはまり込んでいくのかぁ。
それってひょっとしたら、ただただ『黙示録』に加速邁進する愚かな生物の象徴みたいな?

じつに考えさせられるお話しでした。
そのとき安部館長には言いませんでしたが
「館長さん、『鈍感のすすめ』なんて本、お出しになったらいかがでしょ」

そんな良いお話しを聞いた夜、バー○-クで出た酒のアテは「ポトフ」でした。ママは「ポトフじゃなくて洋風おでんだから」なんて言っておりましたが。
『安部館長の良い話』を家人に語ってしまった私は、「ポトフも美味しかったしね」てなことをついつい口走ってしまいまして、
「そりぁようござんしたわねぇ、寒いからポトフなんて・・・・おいしかたっでしょうよ。」
「・・・・・・・」
てなわけで、日曜日にはポトフを作ることになりました。『料理当番、本日の一品』です。

ジャガイモ、キャベツ、大根、ニンジン、ベーコン、ソーセージ、トマトと、ともかくあるもの全部ぶっ込んで煮込みました。(笑)
「あれ?キノコ無かったけ?」
うるさい!

ほんとうは、このハンバーグもポトフの中に入れちゃおうかとも思ったのですが、チャチャッと和風ハンバーグにしました。

さて、今日の一枚は、先日久々に聴いたチャーリー・パーカー & ディジー・ガレスピーです。

「私がよく聴くジャズは何かと質問されると、じつに狭い範囲のものに終わっている」的な話は、幾度となくここで申してまいりましたが、いわゆるモダンジャズを語るに絶対的存在であるチャリー・パーカーにしても、あるいはディジー・ガレスピーにしても、聴く頻度はフュージョンにも匹敵するほど少ないのであります。
その理由は何かと考えると、
ほら、その場でライブをモロ聴いていたわけでもないし、耳にはいるのは録音ばかり、となるとです、一枚のアルバムに同じ曲が何テイクも入っているってぇのが多かったりするじゃないですか、これがどうにも飽きてしまったりして・・・・
今日のアルバムなんかもそんな典型かもしれません。
演奏?演奏そのものを嫌う理由が私にあったとしたら・・・・・あるわけ無いでしょ(笑)
こうしてたまに聴くと、それはそれでじつに良い気分になるのですから。

ところで
「バップはジャズの私生児じゃないんだ。バップは過去の伝統から一線を画くし独立している」と語ったパーカーに、「バップはジャズのひとつの解釈に基づいた表現形だよ」と反論したディジー(ここで言うところのジャズとは、バップ以前のという意味ですよ。)、「ダウン・ビート・アンソロジー」に掲載されていたこの二つの記事はじつに興味湧くものでした。
その後の二人の生きざまをあんに示唆するようで・・・・興味ある方はお読み下さい。

BIRD AND DIZ / THE GENIUS OF CHARLIE PARKER Vol.4
1950年6月6日録音
CHARLIE PARKER(as) DIZZY GILLESPIE(tp) THELONIOUS MONK(p) CURLEY RUSSELL(b) BUDDY RICH(ds)

1.BLOOMDIDO
2.AN OSCAR FOR TREADWELL(take3)
3.AN OSCAR FOR TREADWELL(take4)
4.MOHAWK(take3)
5.MOHAWK(take6)
6.MY MELANCHOLY BABY(tak1)
7.MY MELANCHOLY BABY(tak2)
8.LEAP FROG(take5)
9.LEAP FROG(take8)
10.LEAP FROG(take9)
11.LEAP FROG(take11)
12.RELAXIN' WITH LEE(take4)
13.RELAXIN' WITH LEE(take6)