JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

『はち』にも劣る

2011年06月29日 | s-u

今日は朝から夏の青空が拡がって暑い一日でした。
最近はどうにもニュースや新聞を見るのが嫌になっている傾向がありまして、つまりそれは見るたびに読むたびに腹を立てるのがバカらしいからです。

梅雨のこの時期(今日は大晴れですけど)、ふと大好きな詩人、金子みすゞのこんな詩を思い出しまた。

  つゆ

  だれにもいわずにおきましょう。
  朝のお庭のすみっこで、
  花がほろりとないたこと。

  もしもうわさがひろがって
  はちのお耳にはいったら、

  わるいことでもしたように、
  みつをかえしにゆくでしょう。

つゆはつゆでもつゆ違いなんですがね。(笑)
どっかの会社のお偉いさんや、どっかの政治家や・・・・
ともかく、ここでいうところの『はち』にも劣るということでしょう。

何処かでほろりと流しているつゆ(涙)の重さを、どうしてあいつらは受け止めようとしないんでしょうかねぇ?
人間とはかくも悲しい、さもしい生きものだったのか?
そう思ってしまうのは私だけでしょうか?

母は自治会が独自に調べた放射線量を見て、さほど高い数値ではなかったものの
「庭の芝刈りはどうしたらよかんべ?」
と、悩んでおります。
いつ消えるともしれない魔線の恐怖におびえながらも、
「ここで生きていくしかないし、グッとこらえながら終息を待つしか方法がないのかなぁ?」
完全防備で庭仕事をしている母の曲がった背中を見ると、なんとなく目頭が熱くなるのは私が歳をとったせいか、それとも、いよいよ脳が冒されてきたから?

母の姿は私が見るとして、みなさんはいつ自宅に帰れるとも分からぬ多くのじいちゃん、ばあちゃんの姿を、どうぞ忘れずにいてください。
そして、いかにお偉くとも、『はち』じゃなくても、人間であれば、歳は取ってなくとも、脳が冒されてなくても、目頭を熱くする想いが必ずや湧き上がるはずだと、私はまだ信じています。

あ~あ、またこんな話になっちゃいましたね。いったいいつこんな話から脱却できるのでしょうかねぇ、早くそうなって欲しいと自分でも思うバブ君でありました。


我が家のカメ太君は、あいかわらず元気です。
震災を無事乗り越えた彼に、
新しい砂と浄水フィルターをプレゼントしました。

さて、今日の一枚は、ウエイン・ショーターです。
かなり『プレーボーイ・ジャズ・フェス』の余韻を引っ張っている感はありますが、ショーターを取り上げる事が少ないのは、これもまた趣味の問題ですかね。(笑)

このアルバムは録音から15年後、いわゆる一度お蔵入りした音源での発売アルバムです。
ご存じのごとく、お蔵入り音源の発売は本人のその後の活躍次第で珍しくはないのですが、ジャズの場合とくに「あんがい良い演奏がレコード化されていなかった」てな例が少なくありません。おそらくこれもまたそんな一枚かもしれませんよね。

ショーターをさほどお気に入りでない私も、ジャズ・メッセンジャーズ時代をとやかく言ったことはないでしょ(笑)
このアルバムにはその否定できないショーターが活きているように感じます。それはやっぱりアート・ブレーキーというお方の存在感が大きいのでしょうかねぇ?いやいやそうじゃないでしょ、やはり初期のショーターには私の心を揺さぶる何かがあったんですきっと。

ともかく、ジョン・S・ウイルソンがデビュー作「INTRODUCING」をダウンビート誌でコテンパンに貶した影響が大だったと言われるお蔵入りの原因も、今となってはどうでもいいんでありまして、行き着いた音楽スタイルが私好みでは無いとしても、ショーターの才能は認めざる得ない、なかなかよろしいアルバムだと思います。

SECOND GENESIS / WAYNE SHORTER
1960年10月録音
WAYNE SHORTER(ts) CEDAR WALTON(p) BOB CRANSHAW(b) ART BLAKEY(ds)

1.RUBY AND THE PEARL
2.PAY AS YOU GO
3.SECOND GENESIS
4.MR.CHAIRMAN
5.TENDERFOOT
6.THE ALBATROSS
7.GETTING TO KNOW YOU
8.I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS