ガリバー通信

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「大阪都」が実現するか。

2011年11月28日 | イベント
 関西地域だけでなく全国的な話題と注目を浴びていた「大阪ダブル選挙」と言われた、大阪府知事と大阪市長の選挙結果は、予想通りなのか、早や昨日の投票終了後すぐさま、大阪市長には橋下徹前大阪府知事が、また大阪府知事には前大阪府議会議員の松井一郎氏が当選確実とのメディア発表があり、何ともあっけない幕切れとなった。

 「あっけない」と私は感じたのだが、テレビ報道や新聞各紙の記事を追っていると、マスコミは既に投票日を迎える前段階で、大阪維新の会を率いる橋下徹前大阪府知事の大阪市長選での勝利と実質的には大阪維新の会の創始者的存在でもある前大阪府議会議員の松井一郎氏の大阪府知事選の勝利を予測していた様で、昨日の投票日の出口調査と言う手法で、その確信を裏づけした上で、まだ開票も始まっていない時間ではあったが、投票箱が締め切られた直後に、両者の「当選確実」を公表したのであった。

 私自身は、大阪市に産まれたこともあり、大阪府民としても20数年間を過ごした我が町、故郷であるという気持ちもあって、今回のダブル選挙を隣の京都府民として注目していたのだが、現在も高齢ではあるが母が大阪市に住まいしている関係で、自分が代わりにでも投票に行きたいくらいの気持ちであった。

 今回の「大阪維新の会」の旋風は、今春の統一地方選挙での大阪府議会議員の過半数を維新の会推薦の候補者が勝利したことや大阪市や堺市でも議会議員の政党、会派としては第一党を占めるという勢いでの選挙結果から見ても、橋下代表、松井幹事長という二枚看板での「維新の会」の風を止めることは出来ないくらいの力を感じでいたのである。

 しかも、テレビマスコミを中心に、これほどまでに一地方の知事と市長の選挙が関西地区だけでなく全国的な話題となって報じられるほど白熱させたのは、何と言っても橋下徹氏の「大阪都構想」を中心とする「大阪を再生するには構造を変えなきゃダメ」というメッセージと、弁護士として培いテレビタレントとして名を馳せ、大阪府知事としての発信力、発言力を見事に市民、府民に見せたパフォーマンス力の勝利だったと言えよう。

 私自身は、教育基本条例での教員の評価制度や定員割れした府立高校は統合や廃校にすると言った脅迫じみた手法や、例の君が代斉唱義務や教育的価値観の一元化ともいえる「学力偏重」とも取れる教育に対する評価や価値観については、異議を感じているので賛成しかねる面が多々あるのだが、「親方日の丸」とまで揶揄され続けている「公務員制度と職員の意識改革」に対しては、大いに鉈をふるっていただきたいと思うのである。

 果たして「大阪都」の実現に向けて四年間で実質的な構想が実現するか否かは定かではないが、ともかく今までの「公務員天国」とまで言われた、「のんべんだらり」とした市役所、区役所、または府関連の事務所の雰囲気が、少なくとも一変し、市民や府民のニーズや要請に、親身になって応えてくれようとする役人、職員に多くが変貌することを期待している。

 しかし、橋下徹新大阪市長が当選確実となった直後の記者会見などで強調されている「民意」ということに関しては、必ずしも橋下氏を筆頭とする「大阪維新の会」の政策や方針、具体的な条例案など全てに賛成や同意をしているわけではなく、なんとなく「大阪を変える。大阪を変えなきゃ!」という勢いに対して、今回の投票率の高かったことの表れでもわかる様に、特に若者や無党派層と言われた、今まで選挙に行かなかった人たちまでもが一票を投じたという現象の結果であることは間違いないのだ。

 つまり、今までの選挙や政治に対して大して関心や興味がなかった人たちをも動員して、選挙にともかく白紙でもいいから行って投票してほしいと投票日前日まで演説の締めくくりで述べていた、橋下氏の願いは多くの市民、府民には届いたことは間違いなく、確かに政治、選挙を身近に感じさせた功績は大きかったと思えた。

 とにかく、橋下新市長も松井新知事も当選後語っている如く、府と市のけ連携による「大阪都」構想の実現へのハードルは高いものだから、拙速にことを急がず、わかりやすい説明と議論を通して、「民意」とて一つではなく多種多様だし、時が過ぎれば変ったり冷めたりもするものだから、じっくりと語りやるべきこと、特に公務員改革については協力に既成権力や利害に立ち向かって戦い進めていただきたいと思うのである。

 ほんとうに市民、府民にとって「大阪が変った!」と実感できる様な「変化」をじっくりと見届けたいと思っている。
コメント (1)
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