ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

ミツバチの羽音と地球の回転。

2010年10月06日 | イベント
 一昨日の日曜日に、私たちの町で「ミツバチの羽音と地球の回転」という未来のエネルギーをどうするのかを考えるための「山口県祝島」と「スウェーデン」の現状とエネルギーの自立に取り組む人々のドキュメンタリー映画の上映会があった。

 今までも数回、この大問題について考える機会として、日本の原発について、また原発の危険性について「ガリバー通信」でも記してきたつもりだが、批判をおそれずに書くと私は原発に反対なのですが、なかなか世間は、いやマスコミもこの問題では強い口調や論調では語れないし、報道に関しても自主規制的な呪縛があって、真実が国民に伝わりにくい問題としてあります。

 簡単に言うと、日本には北海道から沖縄まで東北、東京、中部、関西、中国、北陸、九州、四国と10の電力会社と日本原子力発電、つまり原電まで入れると11社の独占状態の体制で国策としての「原子力発電」を政府が推進していて、各地域のマスコミ、メディアも多くの場合は、巨大なスポンサーとして、こうした公共性のある企業として電力会社があるために、一般的な報道や番組での「反原発」的なニュースや解説、実態について伝えることが難しくなっているのです。

 核兵器については、「非核三原則」と言って「作らない、使わない、持ち込まない」という鉄則があって、あやふやな状況も多々ありましたが、日本の世論も何とか「三原則の遵守」を謳っているのですが、「原子力発電」については、「核の平和利用」として、環境に優しい、CO2を出さないエネルギーとして宣伝し、現在日本国内には54基プラス1の「原子力発電所」が存在し、多くの電力を生産しているのですが、その「廃棄物の処理」や「放射能の危険性」については、ほとんど報道されることなく、多額な税金が投入されているのです。

 青森県六ヶ所村に建設されている「核廃棄物再処理工場」などは、三兆円近くの国費が投じられていますが、未だに本格稼動が出来ない状態で多額の税金が使われ続けていますし、全国の原子力発電所から出た「高度核廃棄物」を再処理して再び「もんじゅ」で原発使用しようとする実験も何度も延期や問題を起こして滞っています。

 そんな状況の中、中国電力が約三十年前に計画した「山口県・上関原発」を巡っては、その立地候補地の対岸にある「祝島」という小さな島民500人の島が「原発反対」の狼煙を上げて、日常生活を漁業と農業で糧を得ながら、美しい海と環境を守れと多くのお年寄りたちが中心となって闘ってられるのです。

 一見豊かそうに見える現代社会のライフラインの一つである「電気」について、私たちはたぶん自分たちの使っている電力の1/3ぐらいが原子力で発電されているということは知っていても、その背景に巨大な権力と資本力にもの言わせた「強制的」な国策的施策が進行していて、多くの過疎や地方の人たちを苦しめている現状を多くの国民は知らされていないのです。

 一方、原発や石油に頼る資源消費との決別を決めた北欧のスウェーデンの人々は、自然エネルギーへの転換を国策として進めていて、自分たちのライフスタイルをも少しつづ変化させても、2020年には石油や化石燃料に依存しない環境優先立国を目指しているようです。

 「ミツバチの羽音と地球の回転」は、そうした山口県祝島の人々の生活と闘いをスウェーデンの施策と試みを対比させながら、新しい価値観を見出すための知恵とネットワークの創造を示唆していて、ひとりひとりの小さな「羽音」が「地球」を変えることができることを感じさせてくれました。

 

 
コメント (1)
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