ガリバー通信

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閉息大深度潜水。

2010年10月05日 | プロスポーツ
 今日の午前中、仕事で現場の市内へと車を走らせている最中に、偶然にもNHK・FM放送に周波数を合わせたため、とても貴重なインタビューという形で、シンガーの大貫妙子さとフリーダイビングの選手である「篠宮龍三」さんのお話を聞くことが出来た。

 私自身は、どちらかと言えば海が苦手で山志向の方が強い人間であるのだが、龍村仁監督作品の「地球交響曲」の作品に出ていたジャック・マイオール氏が印象強く残っていて、人間が素もぐりで何と100メートル以上も海に潜ることができるという自然との対話、いや命がけのスポーツがあることを知ったのであった。

 この「フリーダイビング」というスポーツは、日本語で書くとなんと「閉息大深度潜水」というらしく、息を止めて出来るだけ深く海に潜ることを競う競技であり、スポーツなのだそうである。

 この「フリーダイビング」と称されるスポーツとは、閉息潜水のうち、より競技性の高いものを指し、日本では今回紹介されていた「篠宮龍三」氏のほか、富永直之、平井美鈴、大島俊、松元恵、菅友美、廣瀬花子らの有名な選手がいるらしい。

 世界では先にあげたジャック・マイオールをはじめ、エンゾ・マイオルカ、ウンベルト・ペリザリ、ピピン・フェレーラス、ナタリーナ・モルチョバ、サラ・キャンベル、ハーバート・ニッチ、マーティン・ステパネクラガイルトイウ。

 このフリーダイビングには素もぐり潜水を楽しむものもあって、スキンダイビングとも称されていて、レジャー、リクレーションスポーツとしても愛されているので、「アプネア」とも称されているらしい。

 一般的に息を止めて深くまで潜ると、肺が締め付けられてスクイズと呼ばれる障害が発生するのだが、肺にスクイズが発生した場合、胸壁から肺が剥離して非可逆的な損傷を受けるので、人間が息をこらえて潜る理論的な限界水深は、約30メートル程度と言われていた。

 しかし、実際には2007年6月に最高記録を、オーストリアのハーバート・ニッチ選手が何と124メートルまで伸ばしているそうである。

 篠宮龍三選手は、大きな足ヒレをつけて、自己最高記録としてコンスタント・フィン有りで、日本、アジア新の115メートルを記録していて、フリーダイビング世界選手権の団体戦が今年の六月から七月にかけて沖縄で行われて、日本チームは銀メダルを獲得したそうです。

 競技種目としてはスタテイック・アプネア、呼吸を止め、水面に浮き、その時間を競うものから、フリー・イマージョン、呼吸を止め、フィンを装着せずにガイドロープを伝って垂直に何メートル潜れるかを競う競技など、多種目あるそうで、いずれも人間が酸素呼吸する動物であることから、命を維持する限界に挑戦しているようなスポーツと言ってもいい

 現在では閉息大深度潜水時には、水圧により腹部の内臓が横隔膜ごと肺の方向に押し上げられて肺のスクイズを防ぎ、肺ならびに周辺組織に不可逆的損傷を防ぐことが明らかになっていて、訓練を重ねて練習をすれば安全にチャレンジできるスポーツといえるそうである。

 いずれにせよ、大海原の深度深くに一人で潜るという想像を絶するチャレンジをする篠宮選手の言葉は、意外にもさばさばしていて、とてもナチュラルな自然の生き物のひとつとしての人間が海の自然に調和する瞬間のようなものがあるらしく、大きく静かな海の空間にたたずむ小さな存在が目に浮かぶ。
コメント
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