ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

『ヒトラーの投資』

2010年01月31日 | 日本の課題
 自民党政権から民主党政権への「政権交代」が昨年秋になされて、約5ヶ月が経とうとしているが、国会では小沢一郎幹事長と鳩山由紀夫首相の政治献金を巡る「不正と疑惑」の質疑が中心に行われているが、時々一刻と「日本の借金」が増加している。

 民間の「借金時計」によると、日本の国債を中心とする借入金に政府短期証券を含めると、何と現在「1088兆円超」の借金があり、国民一人当たりに換算すると何と「852万円」相当になるという、とんでもない「借金大国」となってしまっているのである。

 先日の週刊AERAの特集記事「インフレがくる」を読んでいると、それは日本国債暴落で始まるという副題がついていて、デフレに沈む日本経済が政府債務の膨大化が原因で「悪性インフレ」になるシナリオが書かれていて、その中に日本株を買った世界中のファンドの恨み節が噴出する短編パロディ映像の「ヒトラーの投資」が紹介されていた。

 作者は不明だが、投資の専門用語を駆使して「日本経済の弱点」をこれでもかと指摘しているため、各国の金融マンたちが溜飲を下げているというので、インターネット「YOU TUBE」で見てみると、なるほどヒットラー映画の映像を借りて、ある日の作戦会議を舞台に東京への進撃を勧める部下にヒトラーが声を張り上げているのだ。

 「東京に行く必要はない。あの国は投資不可能になった。内需は人口減のために永遠に落ち込み続ける運命だ。この20年、どうしようもなくダメだった。」とはき捨てる様にヒトラーが語るのである。

 さらに、「操り人形を選んでしまった」「警察の元高官を銀行責任者にした」と鳩山首相と亀井金融担当相を罵倒し、「ヤクサ゜と官僚が経営する古い国だ」とこき下ろし、「圧力をかければ改革を語るが、何も変化は起こらない。結果は失望ばかりだった」と総括しているのである。

 ヒトラーがそう語って、その映像は終わるのだが、昨年の日本のGDP(国内総生産)は、中国に抜かれて第三位になった模様で、世界のGDPに日本が占める割合も、1994年の約18%から2008年は約8%に低下し、2009年の第三四半期は、年率換算すると約470兆円にしかならなく、1991年の水準に戻っているのである。

 国債や借入金の政府債務は財務省統計上でも、90年末には、208兆円だったのに09年9月末には864兆円にまで膨れ上がっていて、2010年度の国債発行額は借り換え債も含めて空前の約162兆円となる見込みだそうである。

 ともかく巨額すぎて、私たちの理解能力では分からないというのが本音だが、国際的投資家や世界経済に明るい専門家の間では、この「ヒトラーの投資」のパロディが現実の未来予想図として取りざたされているらしい。

 日本人と日本の政治家たちの「楽観」的、「どうにかなるだろう」が、ここまで来てしまっている感が強いのだが、やはり「政治家」先生たちと、「経済界」に身を置く専門家たちが、近い日本の将来を見据えて、じっくり検討し解決策を見出していただく以外に、この難局を抜け出す道はないのである。
コメント (2)
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