「花むらし」(源吉兆庵製)
今日の稽古の主菓子です。
昔は桜餅一辺倒だったこの時期のお菓子ですが、
今はいろいろと工夫された、様々な桜のお菓子が巷にあふれています。
本格的な花だよりが聞かれて、稽古にも桜グッズがちらほらです。
桜が満開のお茶碗に、「夜桜棗」と。
「またこの時期になりましたね」
「毎年ちゃんと使ってもらえるお茶碗は幸せですね。」
そうですね。季節のものはその時しか使えないというけれど、
反対にその季節には必ず出してもらえます。
いつでも使えるものは、意外と全然思い出してもらえないことも。
そして、
「そろそろ桜餅ですね」と稽古のお菓子を期待する声に、
「さあ用意しなくては」と時期を狙います。
何時だったか、だいぶ前のことですが、
手作り桜餅セットと、ホットプレートを用意しておいて、
「自分の分は自分でつくってね」と、
稽古にいらした方にそれぞれ作っていただいて、楽しんだことがありました。
今はちょっと人数が増えたので、
そんなサプライズも計画しなくなりましたが。
形の不揃いな手作り感満載の桜餅が、稽古場を和ませたことも懐かしいです。
この時の桜餅は関東風の桜餅でしたが、
下町育ちの私は、ミノムシのような何枚もの桜の葉にくるまれた、
あの長命寺の桜餅がまた食べてみたいなと、思い出したりしています。
でも関西風の道明寺も大好きなのですよ。
とにかく期待に応えて一度は桜餅をお稽古に出さなくてはいけませんね。
食べはぐれないように、お休みしないでくださいね。