「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

フキノトウと鉛温泉

2014年03月12日 | 日記

永楽了全 交趾写蕗の薹香合
(クレマンソー・コレクションより)


昨日いらした方からお土産にと、フキノトウを頂いた。
フキノトウの摘める場所に暮らしていらっしゃる。
羨ましい限りだ。

フキリトウというととても懐かしい思い出がよみがえる。

もう7~8年前になるだろうか。
母を連れて岩手県の鉛温泉に行った。
友達との旅行だったが、皆が、
「お母さんもつれていらっしゃいよ」と。
確かに母を連れて行けば、留守中のことも心配ないし、
そのころはまだ母も元気で、喜んでついてきた。

湯治場にもなるその温泉では、親友おすすめの素朴な旅館に滞在。
どうやら、隣にはちゃんとした旅館の棟もあるようだったが、
敢えて、湯治できる方を選んで、数日滞在することにしたた。
体に良い温泉がかけ流しであった。
その友が以前けがをして体調を崩したときに、湯治生活をしてとてもよかったので、
仲間でまた行こうと言うことになったのだ。

そこにいるだけでも十分のんびりしてよいのだが、
せっかくだからと、そこを拠点として、観光地も何件か回った。
何しろ宮沢賢治ゆかりの地。見るところはたくさんあった。
一泊二食付きで4500円の宿で、
「これなら、年金で一か月くらいここで生活ができるね」と、
将来のプランの一つにもなると、全員で納得した数日間の滞在だった。

最終日は早起きをして付近をす少しぶらぶらと散策した。
まだところどころに雪の残る北国の早春。
そこここに蕗の薹が顔を出していた。
とても嬉しくて、宝物を拾うようにして積んだ。

今にしてみると、母にとっては最期の長旅になった。
持ち帰った蕗の薹は、ほんの少しだけれど、てんぷらにして大事に頂いたとおもう。

また偶然なことに、前日この鉛温泉の旅館を、ある番組で取り上げていた。
懐かしいお温泉を見ながら、「ここだ」と思ったばかり。
その翌日に蕗の薹をいただくなんて、嬉しい偶然だ。

昨日は天ぷらではなくて、さっと炒めていただいた。
ほろ苦さが、春を運んできた。




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