「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

久しぶりの講演会

2023年06月25日 | 日記

コロナの影響などもあって、久しく講演会などに行っていませんでしたが、
何年かぶりに、林望先生のお話しを聞く機会を得ました。


まだまだお元気でご活躍なのだわと懐かしくお顔を拝見していましたが、
うかがうところ私より二歳も若いということがわかりました。
自分の客観的年齢をわすれ、昔から存じ上げる方は皆年上と思ってはいけませんね。
お元気で当たり前でした。
演題は、「能の中の女性たち」
最近世阿弥に関する本を二冊ほど読んだ後なので、
興味深く伺うことができました。

能における写実とは・・
そのあたりが、私の新しい認識として残りました。
うまく言葉で言えないのですが。

「葵上」という演目を例に挙げての、
源氏物語に登場する女性たちの心理・行動の分析は、
とても面白く興味深いものでした。
相変わらずの分かり易くユーモアを交えてのお話しに、
あっという間に時間が過ぎました。

これを機会に、紹介されていた著書を図書館で検索して、
見つかれば取り寄せて読んでみようと思いました。
 
 

お稽古できないかしら

2023年06月19日 | お茶三昧

先週、またまた贅沢な時間を過ごしました。
今回は自力ではなく、ご招待でした。

日比谷にオープンした、
「サロンド・ニナス」でのアフタヌーンティーです。
日比谷公園を望める開放的で素敵な空間でのスイーツ三昧でした。
でもちょっと情けないことに、美味しいものを目の前にして、
全部食べられない口惜しさ。
若いころならぺろりとお腹に納まったでしょうに。
そうなんですよ、最近はお寿司やさんでも、
シャリ小さめになんて言わなくてはならないのですから。
欲をかかずに、美味しいものをいただけただけでも幸せでしたが。

そんな優雅な時間の後は、稽古日が続きました。
これもまた私には、大切な時間ですよ。

お稽古に来られた方が、
「今日はお稽古できないかもしれません。膝が急に痛くなりました。」
とおしゃるので、
「大丈夫ですよ。テーブルでできますから。」
とお釜を移動して、急きょ椅子でお稽古することにしました。
こんな時の立礼コーナーです。
まだ平点前に入ったばかりで、柄杓の扱いに四苦八苦しておられますが、
テーブルでもすることは同じですので、問題なくお稽古できました。

さて、「りゅうれい」という言葉を使いますが、
一般的に椅子でできるお点前を指したりしていますが、
本来裏千家で「立礼」と言うと、
「点茶盤」という棚を使った正式なお点前です。
「立礼」は明治になってから、11代玄々斎が考案したお点前です。
「文明開化に伴い、外国の方との国際交流も盛んになるだろうから、
そんな時に、椅子やテーブルでお茶を差し上げて楽しめたら。」
という思いからだそうです。
実際に使用されたのは、明治五年に開かれた京都博覧会の時が、
初めてということです。
玄々斎の立礼は「立礼式」と言って、お棚と言えども正式な格調高いお点前で、
今は土間や野点などの応用も見られますが、
本来は、広間の座敷で行われるべきものです。
風炉を用いますが、季節を問わず、濃茶、薄茶、炭手前もあります。

今は、たくさんの人にお茶に親しんでいただこうと、
色々な流派のテーブルスタイルのお点前があり、
皆さん自由にお茶の空間に浸れるというのも、幸せなことです。
時代によって、目的にたどり着く手段はいろいろと変化していくのでしょうが、
時には少しでも源流をたどることにも興味を向けてほしいと、
50年以上もお茶と付き合っている私は願ってしまいます。

鬱陶しい梅雨ですが、外に出る気分転換の予定を作って、
すすんで楽しもうと思っています。
皆さんも体調にお気をつけてお過ごしくださいね。

 

 

 

 


お茶を点てることと飲むこと

2023年06月12日 | お茶三昧

12年前のお茶会でのスナップを見つけました。
女性に囲まれて、真ん中の奥の方に白髪がちチラッと見えます。
初めはちゃんとお姿が見られたのですが、
あっという間にたくさんのご婦人方に囲まれて、
このような写真になりました。
12年前の鵬雲斎大宗匠です。
今年百歳になられましたが、ますますお元気で、
海外でのご講演などの様子も伝えられていますね。

お茶を点てることと飲むことについて、
茶書にある言葉などから探ってみたことがあります。。

茶書「草人木」にこのように書いてあるそうです。
「茶の飲みよう、いかにも静かに一口一口、噛むように飲むべし。
いかにも小口に飲むべし。大口に飲めば風味おぼえぬものなり。
飲みはたしには、大口にのむなり。おりの残らぬようにとなり。
紹鷗は茶だにぬるくならずば、一日にも飲みたきといわれしなり。」

心を込めて点てて頂いたお茶を、
感謝しながらかみしめて飲みなさいと言ってるのでしょう。
飲み終わりは、思い切りよく吸い切り泡の残らぬように飲み干すことと。
皆さんお作法として心得てやっていますよね。

点て方についても、
点前作法について、表千家の如心斎の言葉が「茶話抄」に。
「如心申さるるは、茶の点前初めはいかにも静かに大手やかに仕習うべし。
次第に功を積みぬれば、ちょうどよいほどに成るものなり。
上手ぶるは諸芸ともによろしからずとかや。
茶の稽古は、四角なる物の、次第に丸くなる道理、工夫あるべしとぞ。」
とあるそうです。

当たり前のようで難しいです。

ちょっと長くなりました。

 

 

 


贅沢な時間を

2023年06月08日 | 日記

小笠原伯爵邸でのランチを楽しんできました。

 

昭和二年に、小笠原家三十代当主小笠原長幹( ながよし)伯爵の本邸として完成。
歴史ある建物は、小川三知の作品であるステンドグラスに飾られ、
小鳥やブドウをモチーフにした装飾も美しい、レトロで夢のある空間です。
食事の後に、係りの方が、邸内を案内してくださいます。
ガーデンでの結婚式と披露宴もできるようです。

いただくランチはスペイン料理です。
ランチにしては我々庶民には贅沢ですが、
旅行に行ったつもりでと、計画しました。
私は二度目になりますが、初めてという仲間のたっての希望です。

また一つ冥土の土産が増えたかしら。
まだまだたくさん作らなくてはね。


そろそろ梅雨入り

2023年06月05日 | お茶三昧

「親しきもうとくなりける人の世に 古巣忘れずとぶつばめかな」
宗峰画 柳に燕図
大網和尚遺詠を賛として
太玄老師のお筆です。

この時期に掛ける好きなお軸です。

駅からの道すがら、ビルの駐車場にツバメの巣があります。
毎年ツバメがやって来るのですが、
今年も親燕がせわしく飛び交う姿が見られます。
ほほえましくも、ほっとする時間です。

まだ親しい友とは頻繁に連絡を取ったり、会ったりできていますが、
これからはだんだんと思いがあっても、行動にうつせなくなるのかしらと。
亡くなった母も、80才を越えたころから、
親しかった友達が出歩けなくなったり、施設に入ったりで、
簡単には会えない寂しさを嘆いていました。
「自分だけ元気でもねえ」と思いますね。

さて最近うとくなっている人はいないかしらと、思いを巡らせつつ、
六月も稽古で皆さんと楽しく過ごしたいと思います。


先日銀座に出た際に、デパ地下でアユのお菓子をみつけました。
思わず「十匹ください」と言って笑ってしまいました。
ぴちぴちした「稚鮎」でしたから。