「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

花曇り

2021年03月30日 | お茶三昧

「清水へ 祇園をよぎる 桜月夜 こよひ逢う人 みなうつくしき」

桜の満開が近づくと、この歌がいつも頭をよぎります。
与謝野晶子のときめきが伝わってきて、華やかな気持ちになります。

昨日の散歩での一枚。
もう満開と言っても良い景色でした。

三月の稽古も終わり、花曇りで、午前中の散歩も気が進まず、
四月の稽古の準備をして過ごしました。
もう十分と、桜のお棗やお茶碗をしまい、
少し小ぶりの楽茶碗や、明るい色の萩茶碗などを出してみました。
炉には、透き木釜を掛けました。
去年の四月は、初めての緊急事態宣言となり、稽古を自粛中でした。
出して掛けることのなかったお釜でしたので、久しぶりです。

お釜を運ぶと、最近はその重さがズシリと体に応えます。
膝を痛めて、手術をしたころから、
重いものを持つことは極力避けていましたから、
腕力も落ちたでしょうし年令とともに体力もね。
何事も作業の能率が半分になってきた様にも思いますし。
でもコロナが収まるまでに、弱ってしまわないように、
体を動かすことだけは、いとわないようにしようと思っています。

先日、若いまだ初歩の方とのお稽古で、
「今日はご自服の作法をしてみましょう。」と。
今は密集を回避するために、極力マンツーマンの稽古ですので、
亭主と客の、一人で二役のことが多いのですが、
私が客になり、お茶を頂いて、そのあとに、「どうぞご自服で」としてみました。
そんな時は、お茶碗はべつのものと入れ替えてですが。
今は何とも気を使うお稽古なのです
お釜に水を一尺指すことや、お菓子を遠慮する作法やなど覚えていただきました。
「こんなこともあるのですね。」と嬉しそうにお稽古していましたよ。

今の稽古のかたちですと、亭主と客のやり取りや、客同士の作法が、
なかなか十分にお稽古できないのが残念ですが、
そんな時は私が張り切ってお客様役をしていますよ。
ときどきはお茶もお菓子もお相伴して満足満足です。

 

 


木の芽時といいますが

2021年03月27日 | 日記

朝起きると、朝食前にベランダに出ます。
二三日でこれだけ伸びています。
日々大きくなる、今は小さな芽を見るのが楽しみです。
ほんのちょっとでも昨日より大きくなっただけなのに、
早く大きくなあれ~と声を掛けたくなります。
ところで、この芽は何だったかしら・・
もう少し大きくならないとわかりません。

お花見シーズン到来で、木々の芽も一斉に吹きだし、
生命の息吹が、心を楽しくさせてくれます。

「木の芽時」という言葉がありますね。

春のうららかでおだやかなイメージを連想する言葉ですが、
実は昔から「精神的に一番バランスを崩しやすい時期」との、
注意を促す言葉でもあるそうです。

最近社中の方の中にも、体調がすぐれないとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
この時期ですから、もしやと大事を取ってお稽古を自重なさることも。
私も、なんとなくふらふらとする、気持ちや体の落ち着かない日がありますよ。
それはコロナストレスも、加わって、何時の年にもまして、多く見られるようです。

自律神経を整える生活をすることが大切なようです。
規則正しい生活や、食事。ゆったりとした時間を持つなど、
様々な対処法があるようですので、
皆さんも、色々と試しながら乗り越えてくださいね。

 

 

三分咲き

2021年03月23日 | 日記

散歩がてら公園の桜を偵察しに行ってきました。
まだ三分咲きというところでしょうか。
この暖かさですから、週末には満開となるでしょうね。

例年よりかなり早い桜の開花に、すっかり追い立てられて、
お道具も、お菓子も、桜を早々と使ってしまい、
三月中には、茶室でのお花見も終わってしまいます。
四月になったらどうしましょう。
炉を閉じる時期も少し早めてしまうかもしれません。

季節感を大切にするお茶も、昔とは何かとずれが生じてきて、
実際の気候に合わせると、
のんびりしていると、遅れを取るようなこともあります。
和服も、袷を着ていられる時期がだんだんと短くなってきていますね。
それでも、暑かろうが寒かろうが、と正式な場所では、
しきたりに従うことも多いのですが。

ここの所、お茶会に出向くこともなく、
和服で出かける機会が、全くありません。
気分転換と、虫干しを兼ねて、
お稽古にもいろいろ出して着てみようかしらと。

ところで、こんな可愛らしいライトが送られてきました。

週一度のペースで、オンライン茶話会をしている仲間からですが、
百均で売っている電池式のミニライトです。

実は私のパソコンは、ノートではないので、持ち運びできません。
部屋のライトが斜め後ろから当たるので、
画面に映る顔が暗くなってしまうのです。
スタンドでも置いて顔を照らせば、もっと美人に映るのにと思っていました。
そこで友人が、このライトを紹介してくれたのですが、
私の近くには、これを売っている百均がないといったら、
わざわざ手に入れて送ってくれました。

まあ女優さんを照らすライトのような効果はありませんが、
少しは顔の映りが明るくなりましたよ。


共存の日々

2021年03月20日 | お茶三昧

コロナと共存の日々がづいています。

三月後半は、資格のある方には、真のお点前をしていただいています。
そして、濃茶が終わっての薄茶は、平点前か、盆略点前でくつろいで。
「稽古とは一より習ひ十を知り 十よりかえるもとのその一」
この利休道歌を思い出すかもしれませんね。
でもくつろいでいただくつもりでも、皆さんおっしゃいます。
「平点前のほうがなぜかかえって緊張しますね。」と。
簡単なお点前だから、しっかりとできなくてはと思うのかもしれません。
真のお点前まで進むと、平点前の深さに気づくのかもしれません。

このようにして皆さん、体調に気をつけながら、お稽古に励んでいます。
緊急事態宣言が解除されても、何も変わることはありません。
しばし浮世におきている恐ろしいことや心配なことを、
気分転換をしながら、一時忘れる場を大切にしたいと思いますね。

 



さて、私も真剣な時間を終えると、稽古後お疲れ様タイムです。
ここのところの楽しみはと言えば
マリーアントワネットの愛した薔薇とリンゴのフレーバーの香る、
美味しいトリュフチョコレートと一緒にコーヒーをいただくこと。
特別なもののおすそ分けなので、独り占めで大事にいただいていますよ。

 


蝶が飛んでくるかしら

2021年03月14日 | 日記

ベランダのプランターに、フジバカマがたくさん芽を増やして伸び始めました。
一昨年の秋に植えた一本の小さな苗。
去年はそれが大きく育って、夏から秋にかけて、長い間楽しませとくれました。
それが今年は何倍にも数が増えて、小さなフジバカマ園の様相を呈しています。
一本でプランターを占領していた去年とは違って、
狭い所に密集していますから、大きくは育たないと思いますが、
なんだか心浮き浮きする話題の少ないこの頃には、
ちょっとうれしい夢が見られそう。
それは、「アサギマダラが飛んでくるかも」という夢ですよ。
それは無いでしょうが、通り道だったら、ちょっと寄ってくださいなと。

アサギマダラは、海を越えて飛んでくるという蝶ですが、
海を渡ることで一生を終えるとか。
聴いただけでも、お疲れ様と声を掛けたくなります。
フジバカマの蜜の成分が、繁殖にかかせないのだそうです。
京都には毎年蝶の飛来するフジバカマ園がありますね。
以前、熊野古道を歩いた時、アサギマダラのために、
たくさんフジバカマを育てている農家の方にも会いました。
人間と自然のこんなタッグには、たまらなく癒されます。



アサギマダラの浅葱色、きれいな色ですね。
なんだか夏の帛紗で楽しみたくなりました。

 


春到来

2021年03月12日 | 日記

「少しですけど召し上がりますか。」
「綺麗なところで採ったものだから、だいじょうぶですよ。」
と、春の香りいっぱいの土筆を頂きました。
早速卵とじにしました。

もう来週には、東京も桜の開花とか。
わが街はそれより少し遅れるかしら。
例年よりだいぶ早めに季節は進んでいるようです。

この時期になると必ず出してきて使う、
桜模様のコーヒーカップ。

若いころ京都で見つけた、清水焼のカップです。
当時は外国のブランドばかり追い求めていたのですが、
このカップはあまりにきれいで目が離せなく、
マイカップにと、一客だけ手に入れました。
一点ものだったのかもしれませんが。
雅な京の桜を思い浮かべながらのコーヒータイムです。



四月になったら、もう少し違うお稽古ができるかしらと期待していたのですが、
どうもそう簡単には、コロナは退いてはくれないようです。
稽古ができるうちにと、二月三月はは上級のお点前を稽古しています。
そろそろ次は台子に移ります。
去年の三月から一年間で、炉も風炉も二か月間稽古ができず、
遠のいているお点前もたくさんあります。
皆さんがというより、私がわすれてしまわないように、
どんどん稽古をして差し上げないとね。

 

 


お雛様を片付けて

2021年03月08日 | お茶三昧

少し寒さの戻った日曜日。
稽古を終えて、午後から、お雛様を片付けました。
その前に、名残しくお雛様の茶碗で、
「茶碗荘り」のお点前をして、一服。
また来年会えますようにと願いを込めて。

帛紗は、干支のものを出して使ってみました。

思い出せば、二回りも昔に手に入れたものです。
丑年になると、新年の茶会で使ったり、
招かれたお茶会に出向く時、懐に忍ばせて行ったりして楽しみますが、
お稽古用には使いませんから、いつまでもきれいなままです。
ワンポイントの牛の角が、シンプルですが、洒落ていますよね。

若いころは、毎年、干支のものか、勅題のものを新調していました。
最近はもう帛紗を新調することも無くなりましたけれど。

始めは勅題のものの方が、いつでも使えて良いと思いましたが、
使ってみると、12年に一度でも、、干支のものの方が、
必ず使う機会が巡ってきますし、使うたびに新鮮な感じがします。
勅題の物は、稽古用に下ろされたりして、どんどん使い古されています。
干支の帛紗は、また使う頃には、自分はどうなっているだろうかと、
未来の自分に思いをめぐらす時間も持てて、面白いものです。

そろそろ、次に使うことがあるかどうかがおぼつかない年齢です。
今年は惜しげもなく使おうかしら。
お茶会の機会もほとんどありませんし、
一人お点前で、真新しい帛紗の感触を味わうのも良いかもしれません。

 

今日はあいにくの天候ですので、散歩は断念し、
珍しく午前中に、ゆったりとパソコンの前です。


宣言は開けず・・・ですね

2021年03月06日 | 日記

首都圏の緊急事態宣言は、延長ということになりましたね。
私にはこれ以上気をつけることもないので、
今の生活を続けて、事態が良い方に向かうことを祈るばかりですが。
二三日前、どうしてもの用事があって、電車で隣の駅まで出かけましたが、
人出の多さに驚きました。
これには、全く、緊急事態下にあるという緊張感がないと思いました。
 (皆、私のようにどうしてもの用事での外出かもしれませんが。)

本を借りたので、なるべく早く読んで返さなくてはと、集中して読みました。
面白く読み進められる本でしたので、あっという間に読み終えました。
利休に関する本は、数多く読みましたが、
小説は、「秀吉と利休」(野上彌生子)「利休にたずねよ」(山本兼一)がありました。

この「利休とその妻たち」は三浦綾子の作品ですが、
まだ読んでいなかったので、貸していただきました。
もうだいぶ前の作品です。
内容はもう私たちの良く知っている史実というか逸話を、
作者のなりの視点で掘り下げふくらませたたもので、
小説ですから、フィクションですが、最後まで飽きずに読み終わりました。
後妻の宗恩がクリスチャンとして、利休に影響を与える設定は、
やはり三浦綾子の作品らしいところでしょうか。
利休については、伝えられている逸話が多くありますが、
本当のところ、真実かどうかわからないこともたくさんあるようです。
信長や、秀吉を取り上げたドラマには、必ず登場しますが、
その取り上げ方も様々なのは、
知られているよういて、ミステリアスな人物なのかもしれません。

桜の開花が早いそうですが、浮かれてお花見もできません。
近くの公園の桜を、散歩をしながら静かに愛でることにします。

 

 


十牛図カレンダー

2021年03月04日 | お茶三昧

今年の卓上カレンダーです。
ただの牛年カレンダーではありません。

「十牛図」カレンダーです。



一月 「尋牛」(じんぎゅう) 牛を尋ね探す。
      (本当の自分を求めて旅立つ)

二月 「見跡」(けんせき)牛の足跡を見つける。
      (自分を知る手がかりをつかむ)

三月 「見牛」(けんぎゅう)牛を見つける。
   (あるべき自分を発見した)
と、図と説明は、順番に月ごとに進んでゆきます。

十牛図とは、悟りに至る10の段階を10枚の図と詩であらわしたもので、
中国の宋の時代の、禅の入門書ですが、
高邁な悟りに至るまでの道程を、こんな可愛らしい絵で描かれたら、
なんだかカレンダーが終わるころには悟れそうな気分にさせられますね。

でも私たちの意見は、
「人間悟ったらおもしろくないわよね。」
「そうそう、ああだこうだ言って悩むのが、けっこう楽しいのかも。」
となり、
人間は(私たちは)そう簡単には悟れないことをを悟って(?)、
お菓子をいただいては、美味しいお茶に満足しています。

 


自粛の中でもいろいろと

2021年03月01日 | 日記

ここの所暖かい日が続きましたね。
散歩をする公園にも春は訪れています。
早咲きの桜は満開でした。

白鳥のおよく姿もどことなく長閑でしたよ。

先週は稽古続きで、忙しくしていました。
稽古がなければ暇を持て余し、再開したら、忙しさが戻り、
パソコンの前にゆっくりと座る時間も取れずに、
ブログの更新をおろそかにしていたら、
「どうかしましたか?」と心配する声が。
有難いことですね。

三月の一日目は、稽古のない月曜日。
歯医者の定期検診の予約をしていましたので、行ってきました。
なんと二年ぶりです。
そんなに開けるつもりではなかったのですが、足の手術と、コロナ騒ぎで、
なかなか腰が上がりませんでした。
これを皮切りに、また、三か月ごとの定期検診を再開しようと思っています。

歯医者の後の今日の楽しみは、「お持ち帰り寿司」です。
数日前、駅の改札口の前を通った時、
キオスクが撤去されていて、新しいお店に模様替えの工事中のようす。
それがなんと、「すしろー」のお持ち帰り専門のお店でした。
このような店舗はいつまで続くかわからないご時世ですから、
さっそく歯医者の帰りによって、握り寿司を買って帰りました。
しばらくは買い物がてらに寄って・・と、ちょっと癖になりそうです。

今夜は、友人の誕生会をオンラインで祝います。
食後に、ケーキと飲み物を用意してつなげるので、
そのためのケーキをお菓子屋さんに買いにもいきました。
各自が用意したケーキで、乾杯をしてのおしゃべりです。
いっしょに、お稽古用の和菓子も、調達して帰りました。
こんな風に稽古が始まると、稽古の無い日も、けっこう忙しくなりますよ。

体調が悪いといっていた日々が、どこかに行ってしまったようで、不思議です。
人間動いているほうが、心身ともに健康でいられるということでしょうか。

自粛をしない若者を困ったものだと思うこともありますが、
一番遊びたい時に、動き回りたい時に、
それを規制しなくてはならないことも、時々かわいそうだなと思います。
わたしたちは、もう十分に遊びましたから、我慢できますけどね。
学校、就職・・なども、思うようにいかないことばかり。
このような時期に青春を送らなくてはならない巡り会わせが、
ほんとうに気の毒に思います。