「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

国宝 茶室「待庵」

2012年06月28日 | 日記

国宝の茶室「待庵」を初めて訪れました。

あまりに有名で、何度も写真や映像で見た茶室ですが、
実際の「待庵」はそれよりずっと静かでした。

オーラがあるとか、感動したとかそんな言葉がなにも当てはまらない、
ただただ静かな茶室でした。



茶室と同じように、小さな「山崎」駅のすぐ目の前に「待庵」はあります。
「見学謝絶」の札の下がる玄関のわきに、
「国宝」の看板が。
一月以上前に見学許可をもらった人だけが門をくぐれるという、
毅然とした空気が、漂う玄関です。

許された一時間の間の、思い思いの見学でした。



入室と写真撮影は許されませんでしたので、
にじり口から茶室の中を拝見しました。
にじり口はやや広く、隅炉の位置も
塗りまわしの床もはっきりと見えました。
二畳が思ったより広く感じられるというのも実感できました。



利休好みの「芝山」手水鉢  秀吉の命名によるといわれます。



「老松」茶入れの謂れの松。枯れ死したため現在は三代目とか。
国宝を守る苦労はいかばかりかと、そんな思いに駆られました。

何時かは訪れてみたいと思っていた場所ですが、
百聞は一見にしかず・・・
さまざまに感じていたことが、終結したように思えました。

京都を歩いてきます

2012年06月24日 | 日記

今日から三日間、京都を歩いてきます。
半年間の垢落としと、後半のエネルギー補充です。

といっても垢が付いているわけでもないし、
エネルギーがなくなったわけでもありませんが。
旅行の目的をこんな風にでも言わないと、恰好がつかないかなと。


嵯峨野を歩き、山崎の国宝の茶室、「待庵」を見学し、
もう一度行ってみたいお寺をたずね。
そして美味しいものを食べてきます。

日々の勉強のエネルギーは、
お稽古に来てくださる皆さんからいただいています。
この旅では、皆さんに楽しくお稽古をしてさし上げられるための活力を蓄えてきますね。

ここ一週間ばかり、軽い偏頭痛が続いています。
毎日長時間坐っている足の疲れや、
PCに向かっているための目の疲れ、肩こり、
原因はいろいろでしょうね。
そんな疲れも払しょくして帰ってきます。

御土産話を楽しみにしていてください。
皆さんはそれよりも美味しい、京都限定の和菓子かしらね。
月末と来月初めのお稽古をお休みしないでくださいね。
日持ちのしない限定和菓子は、すぐなくなりますよ。

では行ってまいります。




今日の稽古風景から

2012年06月21日 | お茶三昧


「お茶杓のご銘は?」とたずねると。
上級のお点前なのでと、返ってきた答えは、

「平常心です。」でした。

一座は「はあ、そうありたいですね」と、
しばし平常心を保てなかったいろいろな経験が頭に浮かび、
そうあらねばと、反省させられ。

さて次のお点前の方は、
「ご銘は?」と問われると、
「初心でございます」でした。

「今日はまた考えさせられる銘がつづきますね」というと、
「先程の銘に対抗してみました」ですって。

こんな銘で盛り上がったり、
ちょっぴり気持ちを引き締めさせられたりの、
今日のお稽古でした。

そうそう今日のお菓子は時候の「アユ」でしたので、
アユ談義にも花がさきましたよ。



お料理人さんから聞いた話ですが、
鵜飼のアユは味が格別とか。
何でも飲み込む時にアユが一度気絶するからだそうです。
それと味がどのように関係するのでしょうね。

それはさておき、
今日の太めのアユに、皆さん大喜びでした。

ところで、これは前日用意した、違うお店の「鮎」です。


ちょっとスマートでしょ。
同じお菓子でもお店によって、大きさも、顔つきも、お値段も、
そしてお味も違うのが楽しいですね。
鵜飼いで気絶したアユはどちらでしょうか。

三度目の「赤楽茶碗 無一物」

2012年06月19日 | お茶三昧

台風が近づいているという天候でしたが、
日中は何とか持つだろうと、予定どおり根津美術館に行ってきました。

今回の展示は、
コレクション展
『中世人の花会と茶会』(ちゅうせいびとの、はなのえとちゃかい)

私の目的の一つは、長次郎の「赤楽茶碗 無一物」との再会です。
始めてあったのが、もう40年近く前になります。
お茶を始めて二三年のころですが、
なかなかお目にかかれないと聞いて、
もの好きにも、名古屋まで新幹線に乗って見に行きました。
せっかくですから、名古屋城も見てきましたが。

この時の感動は忘れ難く、他の何にも似ていない、比べるもののない姿は、
何時までも記憶に残っていました。

それから30年ほどして、東京で二度目の出会い。
「あのお茶碗に又会える」と飛んでいきました。

そして今日が三度目。
手の届かぬ心の恋人に又会える、そんな気持ちで再会してきました。

同行の友達は、「写真で見たいたものと実物が全く違う」
と感想を漏らしていました。
そうですね。写真は綺麗に撮れ過ぎますね。
実物の侘びた風情が伝わらない。
迫力も、今はやりの言葉でいうとオーラも伝わらないかもしれません。

始めて会う方の感想はそうかもしれませんが。
三度目の私の感想は、
「会うたびに少しずつ違って見える・・・・」でした。

あんなに食い入るように良く見て、脳裏に残っているお茶碗なのに、
「ああこれ・・また会えた」という気持ちと同時に、
おかしなたとえですが、
「今日は少しさびしげではないですか」とか
「少し痩せました」と久しぶりに会ったあこがれの人に言うように、
何かひとこと言いたくなるのです。
会うたびに同じていて、どこか違って見える。

たぶんそれはその間にいろいろなものに出会って、
自分が違っているからなのかもしれないと思うのですが。

400年を生きてきた器が、
毎日使っていたならともかく、
40年なんかで姿が変わるとも思えませんものね。
それとも・・誰かが・・
そんなうらやましいこと想像しただけでも、ため息が出ます。

今回のコレクション展、中身が濃いですよ。
こんなに一度に見てはもったいないと思いました。

今頃はハワイの空の下でしょうね

2012年06月17日 | 日記

ビヨウヤナギ(未央柳)が毎日一輪ずつ開きます。
今週はその一輪を毎朝切っては挿しています。
一日花で、次の日にはおしべがハラリと落ちてしまいます。



この花を眺めながら、小さな別れがありました。

一週間前に、お稽古に通われていた方が、ハワイに。
ご主人の仕事の関係で、ご一緒に出発なさいました。

お稽古には一年ちょっと通われました。
思い出せば、入門してすぐ、お稽古中にあの大震災を一緒に体験したのでした。
これは一生忘れられない共通の思い出になるでしょうね。

出発が決まってからも、ぎりぎりまでお稽古に通われました。
今月など出発前なのに、一週間に三度もいらしてお茶との名残を惜しまれました。

ハワイには、簡単なお茶の道具も持っていき、楽しまれるということですので、
現地の方達との交流にも、茶道はきっと役立つのではと思います。

柄杓や、蓋置をこれから揃えますとおっしゃるので、
お稽古使いですが、信楽の蓋置をプレゼントしました。
使っていただける機会がたくさんあることを祈りながら。

物静かで、いつも丁寧にお点前に取り組む方でした。
予定は二年ということですので、ハワイの海でたくさん泳いで、
日に焼けて帰っていらっしゃるのを待っていましょう。

ここ一~二年の間に、このような別れが何度か続きそうです。
若い方達は、これから様々な人生が待ち受けているのですものね。
一時、お茶から離れなくてはならないこともありますね。
だからお稽古も一期一会なのだなと思います。



因幡の白うさぎ

2012年06月16日 | 美味しい話

久しぶりにお菓子の話題。

かわいらしいお菓子、「因幡の白うさぎ」です。



名前からおわかりのように、山陰銘菓です。

限定七個。
そのうち二つは私がいただいたので、
5人の皆さんにおすそ分けです。

赤い目が可愛いでしょ。
顔のある前ばかりではないのですよ。
後姿だって、手を抜いていません。
ほら!


この哀愁あふれるお尻にもすっかりほれ込んでしまいました。

「どっちから食べようかしらね。」
と言いながら、それぞれの食べ方で頂きました。
お茶がとても美味しかったですよ。

姿もお味も満足のお菓子でした。

早速掲示板を利用しました

2012年06月15日 | お茶三昧

昨日取り付けた掲示板。
何も貼っていないのもさびしいので、
早速初利用です。

八月に予定していた「花月勉強会」のプリントができたので、
社中の皆さんにお知らせです。



皆さんが自主的にお茶事の計画を練っていますので、
日程の取り合いになるといけないので、
私がまず、花月勉強会の日程を確保させていただきましたよ。


半分空いているので、
利休道歌を一首掲示しました。

こういうものがあると私はどんどん気合が入ってしまいます。

:掲示板を取り付けました

2012年06月14日 | お茶三昧

前々から欲しいと思っていた掲示板を取り付けました。
取りつけたといっても、扉の取っ手に下げただけですが。



社中の方に連絡したいことがあると、
今まではプリントなどをクリップにはさんで、
フックにぶら下げたりしていました。

やっとこんな立派な掲示板が手に入りました。
ネットで探して、送料込みで1923円でした。
お手頃なので、即注文しました。

大きさもちょうどいいし、軽いし、磁石もピンも使えます。
そんなに頑丈なものではありませんが、
乱暴に扱うこともないですから、十分ですよね。

皆さん、社中同士の連絡にも、どんどん活用してくださいね。

御香の香りで始まる一日

2012年06月13日 | 日記

御香を頂きました。
「清靄(せいあい)」という線香ですが、鳩居堂製です。
「靄」はもやと言う意味のようですね。

名前がなんとなくひそやかなので、香りもとても上品です。
煙がほとんど出ませんし、ほのかに香ります。



お稽古のある日は、食事をして、お掃除を済ませると、必ず線香を焚きます。
気持ちがすっと引き締まり、初めの方を迎える心構えができます。

今使っているのは「花の旅」という線香です。

一年以上持ちましたが、そろそろなくなってきました。
この線香も煙は控えめですが、
香りは、もう少しはっきりとしています。
好きな香りです。
食事の後など、気になる匂いを隠してくれそうなので、よく焚きます。
何しろマンションの茶室は、生活空間と一体化していますのでね。


こんな包みが8本も箱に納まっていました。
線香の香りはお茶の稽古の邪魔にはなりませんから、
しばらくは、仏壇やリビングで焚いて、この香りを楽しもうとと思います。


反省会も終わり、心も一休み。

2012年06月10日 | お茶三昧



「銀座プリン」
頭に銀座という言葉がつくとなぜか郷愁のようなものを感じてしまいます。
今でもどんどん新しく生まれ変わっている街なのに。
きっと行くたびに古いものが少しずつ消えていくようで、
その寂しさからそんな思いに襲われるのかもしれません。
渋谷や、新宿や、池袋には無い、大人の香りのする街で、
伝統がそこここに息づいている街。
もう40年以上も私を楽しませてくれています。

さて昨日は、社中の皆さんと先日のお茶会の反省会をしました。

第一部で、一言ずつ反省を語っていただきました。
失敗談や、今後に生かしたいことなどが多く出ましたが、
皆さん、これからのお茶への目標がまた少し確かめられたようです。

皆さんがお茶会を通して成長してくださったことはとても嬉しいことですが、
一番勉強させていただいたのが私であることは間違いないです。

お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

すでに、これからのお茶事の計画など、
心は先に向かってタートしていることも頼もしく思いました。

お茶に求めるものは10人十色。
それでいいと思います。
それをお手伝いしながら、
私自身は自分のお茶を求め続けていきましょう。

皆さんとのおしゃべりと、お料理と、お酒、とても楽しい時間でした。
そして今日はその時間を反芻しながら、一人で「TEA TIME」です。

「印」のあらわす意味を知れば

2012年06月08日 | 日記

高野山に行ってきたからか、
年のせいか・・・
最近仏像が気になる。

以前から興味があった仏像の手であらわす「印」を確認してみた。
代表的な、分かりやすいものを挙げると次のようなものだろうか。



施無畏印・・恐れなくていいですよ、安心しなさい。
与願印・・願いを叶えてあげましょう。
この二つは釈迦如来の右手と左手で良く見られる。


来迎印・・あの世に行く人を、極楽から迎えに来る形。
説法印・・人々に説法をするときの形。
弥陀の定印・・瞑想に入っているときの形。

これらは阿弥陀如来に見られるもの。
必ず指で輪をっくっているのが特徴。


このほかには
大日如来に見られる忍者がドロンをしているような「智拳印」、
両手で輪をっくったような「法界定印」などがある。


ちなみに私の守り本尊は「阿弥陀如来」と母から聞いたような気がする。
それを聞いてからは、何となく阿弥陀様に親近感を覚える。
仏様に「親近感」はないかな。

これだけ覚えているだけでも、代表的な仏様の、
「釈迦如来」「薬師如来」阿弥陀如来」「大日如来」の区別くらいはつきそうだ。

 

 

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高野山も世界遺産でしたね

2012年06月05日 | 日記

友人と高野山に行ってきました。
学生時代から続く友達四人組。
若いころはよく一緒に旅行をしましたが、その後はしばらくは、
なかなかそろって旅行をするということはできませんでした。

ここ二~三年で、親を見送ったり、亭主に先立たれたり、
子供が独立したりと、それぞれが図らずも自由に動ける身になって、
本当に久しぶりの四人旅が実現しました。

さすがに修行の山です。
そう簡単にはたどり着けませんでした。
大阪から電車を乗り継ぎ二時間、最後はケーブルで上って行きました。

かなりの傾斜を10分ほどのほったところが高野山の入り口です。

おりしも弘法大師開山1200年の記念事業がスタートしており、
「中門」の再建工事も進められていました。


あちらこちらで目にするキャラクター「こうやくん」に見つめられながら、
世界遺産の修行の場を歩いてみました


高野山の入り口「大門」


「金剛峯寺」で曼荼羅についての話が聞けました。
そういえば平清盛にまつわる「血曼荼羅」も高野山に納められているそうです。
近々、公開されるとか。



中庭には日本最古の石庭も。
並ぶ石は雌雄の竜を表しているそうです。



奥の院までの道のりはかなりありましたが、
途中の歴史上名の知れた人々の墓や碑か次々と現れ、
歩きながら話題の絶えない道でした。
たどり着いた弘法大師の御廟は、さすがに立派なもので、
自然と気持ちも厳かに、そして神妙に手を合わせる自分がいました。

泊まりは宿坊でした。


庭は小堀遠州造りということ。


優しいお坊さんの接待で、精進料理を頂き、
一日が終わりました。

ひょんなことから、高野山に行くことになったのですが、
今この年齢になって行けたことが良かったかもしれません。
宗派や信仰と言うことには関係なく、
お大師様と言われて、日本中にその名をとどめる場所のある、
空海に少し近づけた様な気がしたからです。

新しい世界遺産の熊野古道にも通じる高野山です。

平常心というわけには

2012年06月01日 | お茶三昧

お茶会どうでしたか?

お稽古に来た方に感想をきくと・・
お点前をした方は揃って、「お点前間違えてしまいました」ですって。

「あんなに練習したのに、やっちゃいました。」
と皆さんそれぞれ悔いののこるお点前だったようなんですよ。

まあ本番とはそういうもので、
「お茶会の茶室には魔物が住む」ようですね。
お稽古ではやらなかったような変なことを、なぜかしてしまうようです。
でも間違ったところを覚えているのですから、
皆さん結構落ち着いていたということにも。
次に生かせはいいのですよね。

かくいう私も、慣れない丁寧語を使ったので、
おかしなことを口走ったかもしれません。

来週皆さんとの懇親会を兼ねた反省会( うちあげ)を持つことに。
いろいろと語っていただきましょう。