「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

銀座の浅草オペラ

2018年05月31日 | 日記

銀座で浅草オペラを聴いてきました。

場所はライオンの五階にある、「音楽ビアプラザ」です。

懐かしい浅草オペラの世界を、楽しく再現でした。

プログラムの隅に、こんなことが。

というわけで、おひねりと、ご祝儀袋を用意です。

ちゃんとおひねり用の紙と輪ゴムが用意されていましたよ。
それとは別に、ひいきの歌手さんの胸元にと、
些少ではありますが、ご祝儀も用意しました。

そしてもちろんライオンですからね。

この通り、スタンバイ!

この日のお目当ては、出し物の面白さと、
昔の教え子が出演ということの応援です。
ちゃんと彼女が近づいてきたときに、胸元にさっと差し入れましたよ。

舞台はのぼりだけ。

客と同じフロアーで、一体になってのアットホームな演出でした。
観客の年齢層はもちろん高かったですよ。
古き良き時代を懐かしみ、気取らない下町オペラの世界ではしゃぐ、
きっとそんな時間だったと思います。

私にとってもリアルタイムだったわけではありませんが、
その時代から今につながる歴史の歩みも、
司会進行を兼ねた、テノール歌手の斎藤忠生さんの軽妙な話から、
うかがい知ることができました。

面白かったのは、ライオンの名物と言えばコロッケ。
中身のじゃがいもを「男爵イモ」というのはここから付いたという謂れ。
その話の中に、お茶でもよく知られる益田孝(鈍翁)の次男、
益田太郎冠者の名前が出てきたときはちょっと嬉しくもありました。

毎月、このように二~三回は縁ある方たちのコンサートに出かけます。
全てのコンサートにとはゆきませんが、楽しませていただいています。

六月は社中の方のコンサートもあります。
近い方はぜひお出かけください。
稽古場の寄付きに招待のチケットもおいてありますよ。

 

 

 

 

 


ホトトギス

2018年05月30日 | お茶三昧

先日の茶事の薄茶席の茶杓。
銘は「時鳥」です。 

この時鳥、仮名で書けはホトトギスですが、
漢字にすると様々な表記がありますね。
杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑など。

中国の故事から来ている表記あり、
かっこうに似ているから「郭公」というのも。

そう、あの正岡子規の子規は、
結核で病弱だった自分とホトトギスを重ね合わせたとか。
私も若いころ、「泣いて血を吐く時鳥」という語句に、
無性に惹かれたこともありましたっけ。

   ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる

こんな歌や、

   目に青葉山ほととぎす初鰹

こんな歌もあり。

一つ一つの表記の謂れを探るのも楽しいです。

私は単純に「時鳥」が好きですが。
そして「夏は来ぬ」の歌詞にある、
ホトトギスの初音「忍び音」という表現も。

そんな爽やかな時期も過ぎて、そろそろ梅雨入りの声も聴かれますね。


茶事を終えて

2018年05月28日 | お茶三昧

昨日はベテラン男性を亭主に、正午の茶事でした。

終わって、「皆さんご苦労様「」と、
亭主側の方達に濃茶を一服点てて差し上げました。

しばらくの間、膝が痛くて正座を避けていましたので、
お茶を点てるのも、久しぶりです。
少し回復したので、「略式でね」と。
思いついて、心構えもなく点てましたので、
満足のいくお茶を点てて差し上げられませんでした。
やはり濃茶は、気持ちの準備から始めないとだめと反省させられました。
後姿を撮られているとは思いませんでした。
後姿にも、年齢は現れるものなのでしょう。
これが私なのねと、しみじみ見ています。

今回のメンバーは、客側に、亭主さんのお友達をお招きして、
その他社中の方2人と私の4名。
亭主側に男性2人と、女性2人の4名です。

ご亭主はベテランですので、
「この年ですから、テーマは道楽とでもしましょう」と。

でも、あまりいい気にならないようにと、
ご自分で用意された床のお軸は「吾唯足知」でした。

濃茶のお茶碗には、清水六兵衛さんの三島写しをお出ししました。
私の好きなお茶碗なのですが、
お招きしたお友達の方にも、喜んでいただけてうれしく思いました。

そして薄茶は、亭主がそのお客様から頂いたという飴釉のお茶碗で。
これもサプライズで楽しんでいただけたと思います。

社中の稽古茶事ですが、このように亭主のご知り合いにご参加いただくのも、
とても新鮮で、また別の緊張感も持てて良いと思いますね。

盃事に選んだお酒は、

今評判で、なかなか手に入りにくいといわれたそうですが、
ネットで見つけられたとか。ワインのような口当たりで、色もこの通り。
終わってから、ちょっとバカラのグラスで頂いてみました。

お懐石も、さすがは料理人さんと、そのもとで修業中の社中の方の心尽くし。

上品で、心のこもったお料理でした。毎回この料理だけは、写真にとるのを忘れます。
頂くことに集中してしまいますので。でもそれでよいのだと思いますね。

お菓子は朝早くから頑張って、作り上げてくれた「きんとん」です。
こだわりのグラデーションだそうです。

イメージしたのは「やましゃくやく」ということです。
ここの所材料の餡をがそろっているので、きんとん三昧でした。、

このきんとんは何とかできるようになったようですので、
別のお菓子も教えて差し上げられるように、
私も修行をしておかなくてはと、挑戦を始めました。

客として、座っている時間が長く、膝を心配しましたが、
お尻の下に枕を入れて、何とかしのぎました。

二日間は、正座無しで、膝を休めます。
皆さんそして私の膝さん、お疲れ様でした。


こんな初体験はいやですね

2018年05月26日 | 日記

餡が残っていたので、今回はアジサイをイメージして。

こんなお菓子作りは良いのですが、
今日は朝一番で、おでこにたんこぶを作りました。
風呂場の入り口の柱にぶつけたのです。
「痛い!!」と叫び(叫ぶというよりは絶句でしたが)額に手をやると、
なんともう膨らんでいました。

私の人生怪我はいろいろありましたが、
記憶にある限り、おでこのたんこぶは初めてだと思います。
人生いろいろな体験をして見たいと、まだまだしていないことに挑戦中ですが、
こんなことは体験しなくてもいいですよね。
急いで冷やしたので、何とか触らなければ痛いことはありませんでした。
そして不幸中の幸いは、こぶの位置が前髪で隠れる場所だったということかしら。
今日一日、お稽古の方のどなたにも気づかれませんでしたし。

今日は普段通りのお稽古をする方と、明日の茶事の準備をする方がいらして、
私も両方見なくてはならず、こぶのことはすっかり忘れていましたが、
夜顔を洗う時に触るとまだ少し膨らんでいて、触ると痛かったので、
ああ今朝やってしまったのだった、と思い出しました。
そっとさわりながら、初めてのこぶはなんとなくいとおしかったです。

落ち着いて落ち着いてと思うのですが、時々魔が差すのですよね。
どうかもう、魔が差しませんように。

明日は朝からお茶事で一日暮れます。
落ち着いておちついて・・と思っています。


最後の砦は灰形かしら

2018年05月25日 | お茶三昧

風呂の稽古茶事が近づきました。
今回は正午の茶事です。
初炭も後炭もちゃんとなさいます。

当日使う風炉に灰を入れて、準備をしました。
「灰形を自分で作ってみますか」と、ご亭主さんに行って見ましたが、
「いえ、よろしくおねがいします」と。

お料理も、お菓子も、お花も、何とか自分たちでできますが、
灰がどうやら最後の砦のようです。
これだけはしばらく私の仕事として、残されそうです。
お点前用の炭をそろえていて、止め炭が無くなっていたので、
のこぎりを出してきて、管炭を切って作りました。
灰形造りはは前日の夜の仕事になりそうです。

明日は前日準備にいらっしゃる亭主さんと、道具をそろえて、最終チェックです。
今回は本席の軸と、待合の軸、薄茶茶碗をお持ちになるというので、
その他の道具を取り合わせを見ながらを用意して差し上げます。

料理人さんも張り切っています。
美味しいお酒も用意したということ。
当日は私は、客として、皆さんを見守ればよいようなので、
楽しませていただけるかなと、思っていますが。


夢二繚乱

2018年05月23日 | 日記

久しぶりにきんとんを作りました。
花菖蒲をイメージしています。

一回目は餡が柔らかくて、扱いにくかったので、
水分を飛ばしてもう一度リベンジしました。
今週の日曜日に稽古茶事をしますが、
お菓子を手作りしたいというので、その時のために、
餡だけは、硬さ整えておいて差し上げたいと思います。
あとはなるべく手を出さないで、見守ることにします。

昨日は、東京駅のステーションギャラリーに、
「夢二繚乱」を見に行きました。

展覧会は4章構成になっていました。
第1章では、夢二の若き日々を検証。
第2章では、出版や印刷・版画などを中心にした夢二の仕事を紹介。
第3章では、音楽や楽譜にまつわる仕事を取り上げる。
第4章では、夢二の自伝小説『出帆』原画と、没後の龍星閣による出版活動などを紹介。

となっていましたが、その作品の数の多さは予想外で、
かなりボリュームがありました。
第4章の原画とともに紹介されていた自伝小説を追っていきながら
夢二のその奔放な生き方が、このような作品を生み出したのかと
思うと、
その情熱に芸術家はかくもあらんと。

夢二の世界に圧倒されるというか、没頭できるというか、
圧巻の展覧会でした。

ギャラリーを出ると、真下に東京駅の北口ホールが。

左にちらっと見える赤いところが、ギャラリーの入り口です。
グッズコーナーで、絵葉書を二枚買いました。

それから日比谷に出て、ミッドタウンを見て回り、
最後はちょっと優雅に、帝国ホテル17階のラウンジで、ディナータイムでした。

窓の下には日生劇場。
その後ろには、寄ってきたミッドタウン日比谷の明かりが。
ガラスに映るは、食後のコーヒーのカップです。

隣の席では、外国人のご夫婦が、静かに語りながら、
時折移り行く窓の風景を写真に撮ったりしていました。
こんな世事を忘れる時間もたまにはね。
なんて、お茶をしているときも世事は忘れていますけれど。

 

 

 


京成ばら園のベルばらたち

2018年05月22日 | 日記

初めて行った京成バラ園。
一度は行って見たいという友達と一緒に。
たくさんの薔薇が咲き乱れていました。
それはそれはきれいに見事に、むせ返るほどにです。

昨日はこのようなイベントもあったのですよ。

「見に行くね」と理代子さん連絡したら、関係者席が用意されていました。
暑い日差しの中、たくさんの方達があつまり、
理代子さんも、主催者の方達も、お客様の熱中症を心配しながらのイベントでした。

理代子さんと、元宝塚トップで、オスカルを演じた凰稀かなめさんとのトークは、
二輪の大輪の薔薇を見るようにあでやかでしたよ。

脇に飾られていた、理代子さんが選んで命名した薔薇たちです。

左から、赤いベルサイユのばら 次が真っ白なオスカル
真ん中がマリーアントワネット そして黄色がアンドレ、
フェルゼン、最後がロザリーと、
ベルばらファンならうなづけますね。

トークショーの後、園内を見て回りました。

ベルばらのテラスには、先ほどの薔薇が咲いていましたが、
今年はもう盛りを過ぎてしまっていました。

こんな撮影スポットにもなっていました。

で・・・私も目立たぬように写しました。

お昼はトークショーの始まる前に、バラ園に隣接する石焼パンのお店で。

美味しそうなのでたくさん買ってしまったので、
理代子さんにも少しおすそ分け。

帰りは一緒にと、
東京駅まで車まで帰る途中の西船橋まで同乗させてもらいました。
この日のイベントのために理代子さんは駅の近くに前泊して備えたそうです。
今日は熱海のお家で、ゆっくりと温泉に浸かっていられるのかしら。
お疲れ様でした。
この頃は、お互いの体のことばかりが気になっています。

たくさんの薔薇とイベントを楽しませてもらいました。

 


村上・新発田へも

2018年05月21日 | 日記

初めての新潟は、佐渡に渡ることが一番の目的でしたが、
市内の観光と、村上と新発田にも足を延ばそうと計画しました。

初日は新潟市内の何か所かを巡りました。

コースは

10:30に新潟駅について、ホテルに荷物をあずけて早速スタート。
旧斉藤家別邸→ 北方文化博物館新潟分館→
ランチ(ネルソンの庭・旧新潟副知事公邸)→カトリック新潟協会→
安吾風の館→北方文化博物館とめぐりました。

最後の博物館へはタクシーで飛ばして、閉園まで一時間の滞在、
又タクシーでホテルの近くまで戻り夕食と相成りました。

ランチを食べたイタリアンのお店ネルソンの庭は、レトロな建物を改装したお店で、
予約で満席でしたが、一組キャンセルが出ましたと、運よく入ることができました。


幸先よく、旅の行方を暗示しているようで、一同満足。
こうやって振り返ってみると一日目から頑張りましたね。

翌日は前回の報告のように佐渡巡りで一日過ごしました。

旅行の最終日は、ホテルのチェックアウトは8時前。
電車で村上に向かいました。

まずは若林家を見学して、町屋やお寺のお庭見物をしながら歩きました。
「春の庭百景巡り」と銘打って、お庭を開放している期間でした。


そして名物の塩引き鮭のお店にたどり着きました。

新巻鮭との違いをきちんと理解できましたよ。
お昼に、近くの直営店で、鮭のお茶漬けを頂きましたが、
新潟のお米とともに頂く鮭茶漬けは、とても美味しく、
買って帰る鮭で、早速家でもお茶漬けをと思いました。

その後は町屋通りを駅までぶらぶらと歩きました。
和菓子屋さんで「村雨まんじゅう」の出来立てを買い、
名産の村上のお茶も。
あちらこちらに興味をそそられて、
最後は、予定の電車に間に合わせるために急ぎ足でした。

そして新潟に戻る途中、最終地の新発田にも降りました。
見学したのは「清水園「」と、その隣の足軽長屋。

「清水園」は溝口藩の大名庭園。
茶室も数多くありましたが、残念ながら、中を見ることはできませんでした。

足軽長屋は、ドラマ金八先生のロケ地にもなったとか。
色々見てもすぐ忘れるのに、
そんなことばかり頭に残っているのが困りものです。

最後は駅まで歩く疲れた足で立ち寄った、市島酒造。
酒蔵見学の後は、
仕込蔵の奥にある市島家の離れ座敷にあるお茶処が、
旅の最後を癒してくれました。

お決まりのパターンの写真です。



抹茶とお団子の後に、ほうじ茶もセットされていました。
お盆や、お茶碗も鑑賞に堪えられるものを使っていて、

飾られているお花や、調度品、インテリアも、
どれもとても上質で、豊かな気持ちになりました。

ここを最後に、新潟に戻り、一路新幹線で帰路につきました。

「そろそろもうゆっくりとした旅にしましょうね。」
を合言葉にしていましたが、終わって見ればかなり頑張った感がありますね。
次はもっとのんびりとしたたびにしましょうか。

忘れないうちに、一気にまとめて、ここに記録として残しました。
最後までお付き合いありがとうございます。

 

 


短い間でしたが

2018年05月20日 | お茶三昧

短い日本滞在の間に、少しでもお茶を学びたいと、
お忙しい合間を縫って、二週間で六日間お稽古を頑張りました。

努力が実を結び、「盆略点前」が上手にできるようになりました。

もう来週は日本を離れるということです。
この成果が海外生活で生かされることを願っています。

今日は最後の稽古ということで、リビングに毛氈を敷いて、衝立で囲み、
どのような場所でも工夫すれば、お茶の空間ができる、
そんなイメージ作りの参考にしていただきました。
和室がなくても、畳一畳分区切れば、もうそこがお茶空間ですよ。

そして最後の記念に、濃茶を頂く体験も。
ちょっと興味がおありだった濃茶は、どのようなお味だったでしょうか。

皆さんのお稽古の様子を見られて、
お茶で学ぶことの多さにも驚かれたそうです。

盆略点前の道具もそろえられたとか。
一生懸命取り組まれたこの経験が、海外生活にぜひ生かされて、
より豊かな毎日のためのお手伝いになればうれしいですね。

「ご縁があったらまたお会いしましょう」の言葉を、
お稽古でご一緒したみなさかとも交わして、お別れしました。

どうぞお元気でお過ごしくださいね。




埋蔵金でお茶を

2018年05月18日 | 日記

佐渡土産の小判です。
中身は言わずと知れたチョコレート。

旅のお話しも、ご馳走ににして頂きました。

佐渡と言えば金山。やはり訪れなくてはと。

今世界遺産候補として申請中とか・
なかなか認知されないようです。
理由は人の手が入りすぎているということらしいです。

見学してみると、コースはよく整備されていて、
わかりやすく当時のの姿をを知ることができます。
想像以上に過酷であったことや、その中で働く人の力の物凄さをしったり、
日本の歴史の中で果たした、役割を学ぶことができます。
そういう整えられた部分もありますが、
過去の金山として残された、歴史的価値は十分だとも感じました。
力を入れている方たちのためにも、佐渡のためにも、
ぜひ世界遺産にと、私は思いましたけれど。

 


気分は吉永小百合

2018年05月16日 | 日記

新潟・佐渡の旅から帰りました。

初めての佐渡は渡ってみると、
自分の持つ様々な記憶と知識とに、
こんなにもたくさん結び付くのだということに驚きました。

お土産話のはじまりは、吉永小百合気分に浸ってしまった場所からです。
JRのコマーシャルで、吉永小百合さんが美しくたたずむ場所です。

まず訪れた、竹田大膳神社の能舞台は、枯れた姿の中にも、松の姿が幽玄さを漂わせ、
ここで演じられる薪能を思い浮かべだけでも、夢見心地になってしまいました。

佐渡には多くの能舞台があり、一番能が盛んに演じられるのが、6月だそうです。

早速、四人吉永小百合です。
さすがに一人で撮るのは気恥ずかしく。

そしてもう一か所は、宿根木の町並み。
「宿根木」は佐渡金山繁栄期の江戸寛文期(1661~1678年)に、
廻船業の集落として発展した町だそうです。

ここでは、二人吉永小百合。
観光タクシーの運転手さんによると、
この「大人の休日」の吉永小百合さんのおかげで、
ここを訪れる観光客の数がとても増えたそうです。
さすがにすごい効果だと感心していました。

と、こんなばかなことばかりしていたわけではなく、
少しは歴史的な知識も仕入れできましたよ。

金山と、流人の島「佐渡「」は、その美しい自然の中で、
長い歴史のドラマをたたえて、大きく静かに私を迎えてくれました。

今回の旅については、また少しずつ話題に載せたいと思います。


 


されど盆略点前

2018年05月12日 | お茶三昧

菖蒲あわせ (とらや製)

二週間限定で、海外在住の方がお稽古にいらしています。

二週間で、三か月分のお稽古をすることになりましたが、
今週は水曜から土曜日まで、四日間連続のお稽古です。
毎日入れ替わる、先輩に囲まれて、必死に「盆略点前」を稽古しています。

海外に住んで、初めてお茶の力を強く意識される方は多いです。
そして日本人でありながら何も知らないことに、少し恥ずかしさも。

来週も又続けていらっしゃいますが、
せめて盆略点前だけでも、しっかりと身に着けて差し上げたいと思っています。
一度きちんとお稽古しておけば、忘れたときには、テキストや、動画などを参考に、
思い出したり、復習することもできるでしょう。

先輩の方達に、「盆略点前のお手本を見せて差し上げて」というと、
皆さん異口同音に、「忘れてできないかも」「おぼえてなかったらどうしましょう」
と、頼りない言葉が帰ってきてしまいました。
というわけで今週は皆さんに盆略の復習をしていただきました。
あらためてお点前をして見ると、
とても基本を押さえた、大切なお点前だということにも気づいたようです。
たかか盆略、されど盆略。というところでしょうか。

さて、リビングを仕切っている和風衝立、この度新しくしました。

 

初風炉を迎えて、何か清々しくしたかったのです。
20年間置いてあって、色も変わって汚れもたくさん吸った衝立ですが、
障子の紙を張り替えることも、とうもできないので。

届いた衝立を、古いものとさっそく取り替えましたが、
案外見た目には劇的に違っては見えませんでした。
今までの物と同じように、部屋の雰囲気のに溶け込んでいてます。

取り替えて一週間たちますが、どなた「も新しくしたのですか。」
と気が付いてはくださいませんでしたから。
全く同じものですからね、気にも止まらないですね。
取り替えた自分だけが、気持ちいいと思っている。
ということは、汚れていることが気になっていたのは自分だけかも。

「気持良いからいいもん。」と私はとても満足しています。


おときゅうの旅に

2018年05月10日 | 日記

「大人の休日倶楽部」で旅する人を「おときゅーさん」と呼ぶことがあるそうな。
チーム「若草物語」の今年の春の旅は、「おときゅうさん」で、新潟、佐渡です。
旅を前にして、切符の購入、そして打ち合わせということで集まりました。
(準備と言っては集まり、反省会と言っては集まり・・・)

「佐渡のアンテナショップがありますよ」
と社中の方が教えてくださいましたので、
情報収集になるかしらと、寄ってみることにしました。

なるほど現地に行くと、こんなお土産があるのかとしばし眺め、
「これから行くのだから買うことないわね。」
「買って帰ると重いから、ここで買ってしまうという手も・・」
まさかですよね。
でも海外旅行のお土産を、出発の時に空港で予約して、
帰ってきて受け取るという話もありましたからね。
というわけで一つだけ、新潟と言えば柿の種と、
小さな柿の種の袋を見つけて買って帰りました。

なんとこのショップは近々店じまいするそうです。
行って見たい方はお早めに。帝国劇場のある国際ビル内です。

 

私はこの日は、少し早く銀座に出て、デパ地下でお買い物。
お目当ての物を買うと、もう一つのお目当てをと地上に出ました。
久しぶりにあんパンを食べたくなったのです。
混み合う木村屋の本店で、色々眺めて、結局黒豆あんパンを買いました。

翌日のおやつは柿の種とあんパンになったことは言うまでもありませんよ。
小さな幸せです。
いやいや・・最高かしらね。

 


もう昔の体ではない

2018年05月08日 | 日記

若いころ、お稽古で使っていた稽古着です。
職場からの直行でしたので、いつもこれを着てお稽古をしていました。
仕事を辞して、お茶生活に入ってからは、
よほどのことがない限り、これを着ることはありませんが。

体調の良くない時か、都合で和服を着る時間がなかった時に、
何度か、これが役に立ちました。

先日稽古の準備も終えて。着物に着替えて少し経った時、
何とも言われぬ気分の悪さが胸のあたりに襲ってきて、
とても帯を締めている状態に耐えられなくなりました。
急いで着物を脱ぎ、気分の落ち着くのを待ちました。
何とか落ち着いた時、社中の方がいらっしゃったので、
「ごめんなさいこんな格好で」
と仕方なくすぐこの稽古着を着て、お稽古を始めました。

ここの所体に気になる事を抱えていたので、
そのストレスが原因かもしれません。
のんきに見えて結構デリケートなのかな。
そして五月は毎年なんとなくそんな月のようです。

さてこの稽古着、久しぶりに来て見て感じたこと。
少しお腹のあたりが…
仕方ないですかね。

先日も、昔仕事で使っていたトレーニングウェアーが、
綺麗なまましまってあったのを見つけました。
もう着ないと思いましたが、
捨てる前にパジャマか部屋着にでもと身に着けてみました。
悲しや、ウエストがきつくて、耐えられない。
惜しげもなくすぐに捨てることにしました。

いろいろと昔の体ではないことを実感した次第です。

今日は午後から約束の会合で久しぶりに銀座、有楽町です。
デパ地下で気分転換してきましょうか。






五月の香り

2018年05月06日 | 日記

「庭の薔薇です。」と、たくさんの薔薇を頂きました。
みな違う薔薇で、それぞれがその美しさを誇っているようです。

すぐに薔薇にはこれと、花持ちのよい備前の花瓶に挿しました。
花映りも良くて、備前の器と薔薇の相性は抜群です。
五月の香りが、広がっていきます。 

ほのかに鼻をくすぐる薔薇の香りに、
青春時代の思い出「リルケの詩」がよみがえります。

薔薇のトゲで命を落とした詩人リルケは、私の青春なんですよ。
薔薇の花束を抱いて、リルケのお墓に・・・なんて夢もね。
彼の詩や、墓碑銘となっている言葉が、懐かしいです。


薔薇の内部
           ライナー・マリア・リルケ
       

どこにこのような内部を包む
外部があるのだろう。どのような傷に
この柔かな亜麻布はのせるのだろう。
この憂い知らぬ
咲き切った薔薇の花の
内湖(うちうみ)にはどこの空が
映っているのだろう、ごらん、
薔薇はただそっと
花びらと花びらを触れ合わし
今にも誰かの慄える手に崩されることなど知らぬかのよう。
花はもうわれとわが身が
支え切れぬ。多くの花は
ゆたかさあまって
内から溢れ、
限りない夏の日々の中へと流れ入る、
次第次第にその日々が充ちた輪を閉じて、
ついに夏全体が一つの部屋、夢の中の
部屋となるまで

 と、こんな風に今日は薔薇に浸ります。

 

そうそう、もう一つ浸っているもの。

いちご狩りのお土産にいただいた「いちご」です。
この香りと味も、十分に堪能しました。
もしかして、
今はもう花より団子になっている自分がさびしかりけれ・・。

コールデンウィークも終わりました。
静かにお茶三昧をして過ごした私の元にも、
幸せなことに、
五月の息吹は薫風とともに、この様にしてちゃんと届けられました。