11月に入り、炉を開くのは、
柚子の実の色ずく頃、亥の日にといいますが、
最近の気候の様子では、色づくのは何時のころやらで、
もう稽古場の事情に合わせることになりますね。
口切の茶事をなさる方たちが、一日も早く炉で稽古をしたそうなので、
あと一週間くらい風炉でも思いましたが、早くも炉を開きました。
炭手前をして、濃茶を点てて、半年ぶりの炉の風情を楽しみました。
炭の"ぱちぱち"という音を聞きながら、お炭をした方が、
「この音が聞こえると、火がついてくれたなと安心しますね。」と。
そうなのですよね。「パチッ」というか「チン」というか、
あの乾いた跳ねるような音は、お釜の煮えを待つ期待感をあおってくれますね。
決まり通りにちゃんと炭を次ぐと、たいていはそんな音がして、
やがてお湯の煮える音も聴こえてきます。
「でも、空カラパチ」のときもあるのよ」
というと、
「カラパチ?ですか」
「そうなのよ、音はすれどもちっとも煮えがつかない」
いろいろな条件で、火力が上がらないこともありますから。
火はついているのにです。
「先月そんな利休道歌をかけておいたでしょ。」
「あの歌はそのことですかあ。納得です。」
釜の蓋を取った時に、温かそうな湯気が上がるのを見て、
皆さん、特にお炭手前をした方は、
ほっと胸をなでおろしていたかもしれませんね。
これから半年の間、炉を囲んで過ごす時が、
平和でありますように。
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