孤立無援、国会で粛軍演説を行なった 斉藤隆夫
タダでくれるものには、意味がある。それが乗数効果という国民を相手にした投資なのだ
出したら回収することは銀行も同じ手法だ。以前、別枠信用保証があった。中小商工業者は競って借りた。借りた途端、金融機関は今までの負債と相殺した。数兆円の資金は真水といわれる使える資金ではなくなった。しかも金融機関は日銀に還流したが政府保障貸出金より多くの資金が日銀の金庫に回収された。エサを撒いて大魚を釣ったのだ。流動資金は枯渇してサラ金、商工ローンへ追いやることになった。この政策で助かったのは金融機関だ。だが貸借バランスは良くなったが、国債は買わされ、これもエサになった。
天邪鬼の屁理屈だが、金をくれると云われた時の人間の姿を考えてみた。
まずは、民主の時代の政府と国民の関係におかしいと思わないか。公僕が余ったからと主人が小遣いを貰うのか・・・
政治家はこんな芸当はできない。狡猾な官吏の意図を測れず徳政に似たエサをそそのかされたのだろう。なにしろ⒈⒉年でいなくなる総理だ。
標題でが・・・
政府与党の色々な事情があろうが、江戸の徳政令とは似ても似つかぬ給付金という貰い下げ金をアリガトウと言って手を差し出せるか・・・
巷間、売文の輩や伴食議員の仔細な争論はさておき、減税ならぬ給付という名の現金を貰うのか、いや君は貰うのか訊いてみたい。
なかには、旅行だの、デジカメ、あるいは借金返し、子供の小使いなど貰う前から思案している人も多いが、一方ではその手合いとは相容れない気分と、国家に対する怨嗟が少なからず巻き起こる。
「くれるものなら貰っておく」とは云うが、それが政策失敗や官吏の不作為のツケだとしても、よくよく考えると、゛ツケ回し゛であることがよく分かる。また、大多数の国民は分かっていても、「くれるものは貰っておく」算段は付いているし、期待もしている。そんな時のためなのか、民主・自由・平等・人権・国民の権利などが幅を利かし、政治家は手柄話をする。
財産家、知識人といわれる労働教員、お巡りさんに医者、生涯賃金を企図する狡猾官吏、もちろん善男善女も手を出す。勝手にくれるものは貰っておく、と。だが、数年後には新税で強制的に財布から金が流れ出す。振込先が判れば預金の捕捉もある。、
明治の言論人 陸羯南
政治家、いや宰相たらん人物の修養は自ずと異なるものだ。生半可な言辞や先見性の無い行動は、近頃とみに多くなった世襲紛いの偏った血脈によって助長されている。
一口に世襲といっても、単なる既得権継承もあれば、「道」に表現される免許や伝承、あるいは秘伝もある。政治家、警察官、教員の縁故採用の食い扶持確保は秘伝ならず、秘匿すべき既得権益の保護の為にある狭い範囲の「掟」である。
初代 川路大警視の顕彰像
それは彼等に限ったことではなく、ヤクザや夜盗盗賊にも厳然とした陋規というべき掟があり、しかも習慣化され、ことに公務に関わる組織においては公金搾取、横領などが名目を変え組織内規として現存し、今以て政治権力を以てしても是正されずにある。
彼等も一応に「税金を払っている国民である」というが、欧米ではタックスイーターとして一方の納税者であるタックスペイアーとは厳しく色分けされている。
実は今回の給付金はイーターとペイアーを問わず支払われるのである。
ならば、以前も宗教政党の立案に政府が支払った似寄りの金券があったが、分捕ってくれた分け前には謝金代わりの政治献金や選挙の労力提供によって成り立っている忌まわしい政治慣習からすれば、磨りガラスの向こうの意味合いは大方の国民が知るところだろう。
さて、それでも手を差し出して貰うのか・・・?
世情が混沌として目標がオボロゲになったとき、多くの賢者は数多の歴史事象に記載されている賢人や事績に懐かしい日本人の原像を辿ろうとするが、それらに遺っている正邪の行く末や、現象を支える時間経過と賢者、偉人の事績の集積を鑑みるとき、彼らだったらどうしただろうか。
自ら官位を降下してまで戦勝に導いた 児玉源太郎
あるいは父や母が、゛もらえる゛と嬉々とした笑顔を見せたとき、その気持ちを忖度したとしても己は世界の異なる問題として許容できるだろうか。
どうも、天邪鬼のような偏屈するのが倣いになったようだが、窮屈かといえば、そうでもない。やせ我慢ではない。
幸いにも手を差し出す先師、先輩の縁を知らなかったことが、これほど大衆流動と思える機会に際立った観察ができたことだ。
地位、名誉、学校歴、財力を唯一の成功価値とする多くの人々が、「さもしく」「卑しく」手を出す姿を想像は、少なくとも今まではしなかった。必要な方々には差し上げるべきだろう。だがさして意味もなく、労働対価でもない下げ降し金ゆえ、「譲る」「分ける」「断る」など様々な子供の自己判断の善導にも良い機会と捉えることもできるだろう。
意味もなく他人から貰う金の意味をだ。
付け加えるが、とくに先人先師が説いた「観人則」がある。
それは人も国家も行く末が鮮明に観えるということだ
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