まほろばの泉

亜細亜人、孫景文の交遊録にある酔譚、清談、独語、粋話など、人の吐息が感じられる無名でかつ有力な残像集です

再読 中華民国 台湾に国維は存在するか  その三

2009-07-08 17:22:03 | Weblog
台湾衛兵


開戦前、ワシントンのシンクタンク研究員との応答
現場において、時の面前に対応する研究員の開戦回避の熱望に応えたものである。

2003.9.24 15:27 TO nakano brooking

ところで,ブッシュさんは、『直なれば絞ず』になりつつあります。 その後は弛緩するでしょう。そして『謀弛』といって,謀(はかりごと)が弛(ゆるむ)でしょう。 密な政策が内部から露呈します。
 いわゆる米国の座標がおぼろげになり、軸の再構築の必要が迫られます。いや,回転のスピードによって支えられた軸が揺れ出すと言ってもいい。
 なにか仙人の戯言のようですが、アメリカは自らを絞めつつあるようです。世界の動きを俯瞰しながら鎮まりをもって考えれば打開します。
 妙な謀は逆効果です。 かといってデーターや情報の理解だけでは動きません
 こんな時こそ中野さんの直感を胆識をもって披瀝する機会です。
 安岡師は「真に頭の善いという事は直観力であり、どう使えるかだ」と。
                            ゴマメの歯軋りより

以下拙文、添付資料
「直にして礼なければ、則ち絞なり」

正しいと思うことを言葉や行動によって表す場合、あるいは昨今のような一触で戦火に陥るかのような既成事実が強大な国から発せられたとき、全体に理解できうる論拠とあいまって、世界の大部分を司るための調和に関する礼儀が必要になってくる。
 これが欠けると己の正邪とかかわりなく疎外感や行動の自由を失いかねない状況に陥ってしまうことは歴史の栄枯盛衰を眺めるまでもなく、いまだ恩讐の蘇りとして観ることができる。
 
 その意味からして国連の調査決議に判断を委ねることを、さも独立国家の自決権として常々声高に唱える国々の奇妙な姿は、人を得ない国家の悲哀としてみる事ができる。
 困ったことだと思いつつも、不幸にしてテロの参加に見舞われた国の高揚は如何ともし難い、しかしと考える余裕もなく追従する国もあるが、結果は『利と義』の説明に終始するのが為政者の姿である。
 
もっとも、錯覚した成功価値を充足させるために消費資本主義サークルに参加している国々の指導者も『その後』を模索した態度に終始し、平和、テロ粉砕という共通大義に身を寄せて多数を占めているのが現状である。

 「衣食満ちて、仁礼を忘れる」とは苦言だが、わが国にも意味不明な詐語を駆使している無国籍人の意識には、他国経済との共通概念の構築に熱中し、政治政策までもがそれに追従している有様である。
 それは成功価値の附属性である財利の虜として閉塞状態を生み、その結果、現実の宿命感から怠惰、軋轢を誘発させ、鎮まりを基にした思考や観照といった情緒の涵養を無価値なものと捉え、落ち着きのない群行群止に追いやっていることも因があろう。
 
世界標準価値を掲げ、努力結果による数値や物量の多少如何に、一過性の国力評価を委ね、それを唯一の成功価値とする国々は、つねに競争軋轢の渦中にいる。
もちろん究極の解決手段は戦争であるが、それは地域文化の礎であり深層の国力というべき情緒や人格の為す威厳が、まるで埃を被った神棚の添え物のように忘却されているために起きる地域文化の融解と言えるものであり、今回の衝突を回避するためにもっとも必要とされるべき相互理解を無為なものにしている根本要因でもある。
戦争もさまざまな論点はあるが、人の織り成す作用の結果であることは変わりない。
 
 あえて歴史の事象や言論人の論評を例に取り上げ論拠とする段ではないが、我々の学びの残像を紐解くと、力の強いものには肉体的衝撃を恐れず直諫することを己の矜持とすべき、と教えられた。
 また、知って教える。学んだら行うことも。
 ゴマメの歯軋りのようなものだが、あえて歴史に頓首して唱える。 
「いま歴史をどのように刻もうと考えているのか。恩讐は復、蘇る」と。
 
ブッシュ大統領の言は一国の危機を司るものとして「直」でいう一面的、むやみ、ではあるが、ひたむきで純朴ともみる。他国の煩い事や引き腰のパフォーマンスにはない姿がある。アノ国はという評論はあるが、一国の指導者としてはなんと頼もしく感ずるものだ。
 
その意味で北東アジアの一隅を占める我が国の指導者と国民たるは、自らの拙速とした決断の翼賛的調和は、何れ欲望の不調和から自決権を締め付けることをアジアの諦観を添えて憚らず直言すべきだ。
それは近世アジアにおいて自らを締め付けている残像を認知することであり、現存する事実観の再考となる良機でもある。

西洋には騎士道もあろう。 あの佐藤元首相が騎士道と武士道の共通観念である敗者への忠恕を語った米国大統領との会談は、予想に反した長時間の清話になり、あの沖縄返還に結実している。

戦火の因果は応報が常だが、碩学南方熊楠の「因縁」に委ねれば縁を再び起こすことが可能になる。
「徳を以って恨みに報いる」は、戦闘行為の前後を問わず「恨み」に公正無私な応対するという姿勢の如何を戦闘の指導者に求めている。
またこの精神がなければ私闘であり、公憤にもとづいた義戦ではなく、真の勝者たり得ない。まさに因果は巡ることになる。
この期に及んでなんと悠長な論かと問われそうだが、ことは人が死ぬという恐怖の淵に際しての人間の涵養を観るということだ。
 
いま事実の積み重ねが関連性を惹起させアフガン、イラクと戦火が広がっている。
まさに殺し合いが始ろうしている。 情報と称して団欒に戦争中継を見たいと思わないし、ビジネスチャンスとはもっての外だ。

ことさら客観的な予想を述べたものではない。 己を知って進めることだ。
それは、歴史の残像から導き出された譲ることのできない遺志である


以上が全文ではあるが、その後の経過は敢えて事象を羅列することも無く、当然な形に推移してしまった。 国や社会がその連帯や復元力を衰えさせると権力行使に大きな支障を生ずることがある。

とくに徴税や軍役といった国家成立の基礎的要件まで崩れると、他国の侵入や異なる思想勢力の影響を受けやすくなることは、歴史の栄枯盛衰を説くまでもない。
その多くは公平、正義、民主といった求心的なアピールと、為政者やそれを取り巻く人間の発する問題とが多くの齟齬を起こしたときに、その政策意思が通りにくくなる場合だ。

あるいは衰亡末期に表層に現れる責任回避や新規政権に擦り寄るための情報漏洩や、最後の一仕事とばかり蓄財に励む汚職や便宜供与など、風向きを察知した人間の行為は古今東西それほど変りはない。
         

  《勝利の果》  (弛緩した国家)

あの正義と民主を掲げて世界の軍事経済を牛耳っているかにみえる米国も例外ではない。
よく「アメリカの正義は健在」と、事あるごとにその威信の回復力と、慈愛に満ちたメッセージが大国の魅力として、またシステムとして多くの国々の羨望を集めている。

2004/10に米国下院倫理委員会は共和党のトム・ディレイト院内総務を7日譴責処分にしている。疑惑はエネルギー関連会社から2万5000ドルの献金を受け、直後にゴルフなどの接待を受け、審議中の関連法案に便宜を与えたという。選挙区割りについても政府機関に不当な圧力をかけた疑惑もある

ブッシュ大統領が太平洋司令官に指名し、直後撤回したマーチン空軍大将も空中給油機リース契約に絡んで、女性職員を総額320億ドルの契約先であるボーイング社の副社長に就任させ、家族もその恩恵に与っているという。

国防総省政策担当のライス次官の中東担当直属部下は、機密扱いだった対イラン政策の文章をワシントンの親イスラエル団体に渡していた疑惑。アジア問題では国務省元次官補代理が国交のない台湾を無断で訪問して女性工作員と接触して関係文書の提供をしている。

浜の真砂ではないが、先進国、世界の警察といわれる米国をしてこの有様だが、テクノクラートと称される人間にとっては意味のない内政問題でもあろう。 とくに官吏はこの手の話を嫌うものだ。

 現在の米国は高位高官にあるものの便宜供与、汚職、秘密漏洩の多発である。 これを国家の弛緩といわず何と言おうか。 どんなアンケートや数字を駆使して現状を分析しても、導き出される結果は政権交代か、もし現状でも国家の調和や、世界からの真の信頼は無くなる。 

いわんや外交から内政に重点が移り。それに忙殺された政府は民主というモンスターに振り回されてしまう。
その間隙は世界を意図しようとするものにとって好機であり、新たな版図をつくるために、亡霊となった思想形態が復元してデザインを描くことになる。

             

以下次号
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする