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A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【総力特集②】本邦初インタビュー!覆面即興ドラマー、キカンジュ・バク Kikanju Baku~Part 1:前衛ジャズと日本カルチャーへの愛を語る。

2020年05月08日 02時20分19秒 | 素晴らしき変態音楽


キカンジュ・バクは常に覆面、もしくは三度笠を被ったりして、決して素顔を公開していない。さらにTwitter, Facebook, InstagramなどのSNSは一切使用していない。最も詳しい情報源である公式サイト「がき しどしゃ」は意味不明な檄文ばかりである。海外の音楽誌やサイトにはCDレビューやライヴ記事はあるのだが、キカンジュ・バク本人のプロフィールに触れたものは発見できなかった。謎が謎を呼ぶこの覆面即興ドラマーの素顔を知りたいと思い、メール・インタビューを申し込んだところ、即座にOKの返事がきた。

ichiban! way cool & total arigato overload to yu for yur kind words & enthusiasm - mezamashii!!!
good grief! - hell hai! we can do an email interview wit' th quickness! its an exclusive! yu are th first to ask in a jazz orbit ever!!! yur courage & tenacity burns vivid among other lesser okubyo - omedetougoziamsu!!! ^ ^

とても喜んでくれて協力的なのは分かるが、略語と妙なローマ字交じりの文章は、果たして解読できる返答が来るかどうか、不安でもあり楽しみでもあった。質問を送ってから約一週間でロックダウン中のロンドンから届いた回答は、予想を裏切る(?)まともで知的な文章で綴られていた。ところどころ漢字やひらがな、さらに中国語やハングルが混じってはいるが、自分のことを正確に伝えようという気持ちが伝わる。その思想はときには過激に思えたりもするが、彼の確固たる信念に支えられた嘘のない言葉である事は間違いない。音楽同様に、考え方・生き方もエクストリームな「音楽テロリスト」ぶりをどこまで伝えられるかわからないが、2回に分けて訳出することにした。前半は彼のプロフィールや音楽嗜好について。

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キカンジュ・バク Kikanju Baku Interview
Interviewed by 剛田武 Takeshi Goda by e-mail, April 2020


Part 1:前衛ジャズと日本カルチャーへの愛。

剛田武(以下TG):生まれを教えてください。
Kikanju Baku(以下KB):〔なぜか中国語で〕分類分類信息.氏族的秘密.(=その情報は一族の秘密だ)

TG:初めての音楽体験は?
KB:正直なところ、正確には覚えていないけど、音楽は常に僕の周囲にあったし、僕の中にもあったんだ。

TG:子供の頃、どんな音楽が好きでしたか?
KB:手に入るものはなんでも聴いたよ。周りにあるたくさんの音楽、特にアフリカとラテンアメリカ・スタイルの音楽。ZZ Top、Stanley Clark、Al De Miola、Graham Central Station、Tower of Power、それからCameo、Rick James、Michael Henderson、Mary Jane Girlsなどその頃流行の屑ファンク。その後、もっと自分自身の意思で聴いたのは、Ice Cube、Geto Boys、Public Enemy、Lench Mob、Dre Dog,Dayton Family、Poison Clan、Lunizなどのラップ。

TG:いつ、どのようにしてドラムを叩き始めたのですか?
KB:6歳で最初のドラム・キットを手に入れた! でも、どうやらその前からどんな物でもぶっ叩いていたらしい。

TG:最初にやったのはASHIAIPというグラインドコアバンドだと思いますが、いつ、どのようにしてバンドを始めたの?
KB:ドイツの奥地でMr. MeinhofとMad Ghaziと一緒に結成した。2003年だったかな?最初にアナログ・レコードをリリースしたのがASHIAIP(Ariel Sharons Head In An Industrial Press)だったんだ。でも、その前には「しぬ マザーファッキング うじむし」というバンドで2作リリースしている。他にもグラインドコア、スラッシュ、デスメタル関連のバンドをがいくつか前にやっていたよ。

▼「しぬ マザーファッキング うじむし」のリイシュー音源は画像をクリックでダウンロード可能。


TG:ジャズや即興音楽に興味を持ったきっかけは?
KB:いつも即興でやっていたんだ...他の何よりも前からね。前衛ジャズは14年ほど前に範囲を広げて発見したんだっけな?... ノイズコアやグラインドコアが商業化して停滞してきた。疲弊したジャンルに不満を持って、新鮮な刺激を求めて他の音楽を探し始めたんだ。 そして(60,70年代の)前衛ジャズに偶然出くわして、追加の外挿法を経験したって訳さ(笑)。

TG:好きなドラマー/ミュージシャンは?
KB:ああ...難しいな...影響と好き嫌い、前と後...でもチェックしてみてくれ...初めに好きになったのは最もキネティックな時代のOGパワー・ドラマー達...Alphonso Mouzon、 Tony Williams、 Billy Cobham、 Narada Michael Walden。そのあとは何といってもBarry Altschulだね。
また、ジャングルやドラム・ファンクにも大きな影響を受けたよ...ドラムンベースはあまりにも単調だったけど、後のブレイクコアやグリッチが大きな励みになった。”(ブレイクビーツなど)機械によるビート”に多大な刺激を受けたよ。マシングラインドとサイバーグラインドは根本的な影響をもたらした。90年代の終わりからミレニウムの幕開けにかけて、非常に小さいながらも劇的なマイクロ・ムーブメントが意義を持った特別な瞬間があったんだ。
90年代初め~中期のメタルに戻ろう。Pete Sandoval(Morbid Angel)、 Paul Bostaph(Slayer)、 Dave Lombardo(Slayer)、Suffocationのメンバー全員(最近の彼らがどの程度のレベルかは分からないが)など。その流れで僕が注目したいドラマーはDim MakのBrandon Thomasだね。彼はテーブルを丸ごと割ってしまったんだ!
奇妙に聴こえるかもしれないが、僕のプレイに一番インスピレーションをくれるのはサックス奏者なんだ。Sam Rivers、Roscoe Mitchell、Dewey Redman、 Marion Brown、 Archie Shepp、 Kenneth Terroade、そしてEddie Harrisのヴィヴィッドで妥協のない演奏は最高だね。
確かにバトゥカーダ(サンバの一種)など、それにもましてアフリカの集団パーカッション、特にFuji & JuJuなども好きだけど、別々の打楽器を持った複数のミュージシャンが集団で同時に演奏していることを、僕は一台のドラム・キットに"変換”して、ソロで演奏しているんだ。
様々なジャンルに亘ってあまりにも多くの素晴らしいミュージシャンがいるのですべてに言及することはできないけど、Chinbat Baasankhuu & Farida Mohammad Ali、Sonia M'Bareck & Aman、Estampie、Al Andaluz Projectをチェックしてほしい。

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TG:日本文化に興味を持ったのはいつ、どのようにして?
KB:もともと東洋が好きだった。日本.........うーん.........かなり幼い頃に、セガ、ニンテンドー、「忍 -SHINOBI-」、「悪魔城ドラキュラ」、「スノーブラザーズ」、コナミなどの家庭用ゲーム機で無意識のうちに日本を知った。そして「アキラ」や「バトル・エンジェル(銃夢)」や忍者関連の漫画。幼少期に琉球列島出身の親友の影響で古武道を始めた。忍術にも興味を持ち、その後も友人や恋人のような交流を続けている。

90年代後半以降、たくさんの日本のガンク、ノイズグラインド、ノイズユニットとプロデュース、リリース、コラボレーションをしている。ひみつキング、Final Exit、OPS-PSF、World、Wage-Slave Exchange、Sewage、Government Alpha、 the crazy Kanai brothers、 Sadistic Lingam Cult など。日本のノイズコア、グラインド、ノイズのディストリビューション、トレード、売買をしている(今でも”Gobbledy-Gunk”を通してやっている)。 だから、かなり早い時期から日本との交流は続いているんだ。

▼通販サイト「Gobbledy-Gunk」へは画像クリックでリンク。


TG:好きな日本の文化、音楽、テレビや映画、ゲームは?
KB:ああ、たくさんあるよ。ダーティペア(オリジナル版)、木城 ゆきとバトルエンジェル/銃夢、池上 遼、三浦 建太郎&ベルセルク、松永 豊和、桂 正和、塩崎 雄二、エンゼルコップ/板野 一郎、奥浩哉&クレイジー、ガンツ、山口 譲司/バース、園田 健、梅津 泰臣&他にもたくさんの漫画からインスピレーションを受けている。あと、絶対に大好きな浮世絵。
大島ゆかり(アクション女優)は最高の一人。今でも恋している。初見 良昭(武術家)はとても重要な存在であり、尊敬していた。

山下洋輔トリオは 凄まじい!! 詩人の白石かずこ、最も爆裂していたころの日野元彦、そして寺内タケシ。日本の伝統音楽もたくさん聴いているけど、歌舞伎や能よりも民謡、特に三味線と女の歌手がいいね。
演歌も素晴らしいが、とても古い時代のものしか聴かない。特に好きなのはいしだ あゆみ。素晴らしい歌声ともう一人の”好きぴ! ^0^”
神道も魅力的だ。修行するのではなく、風習、神、神楽、民俗学、神話、特に鬼やカラス天狗。浮世絵では特に歌川 國芳が好き。
サムライスピリッツ 1 & 2 forever yo!
他にもたくさんある。

TG:ところで、Kikanju Baku(キカンジュ・バク)というニックネームの由来は?
KB:これは本名だよ! アフリカの名前なんだ。でも日本語訳があるのは知ってるよ―― 〔韓国語で〕기관총!(=機関銃) ダカダカダカ!

キカンジュ・バク
本名だとは
サプライズ

Part 2では思想面について語ってもらおう。

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