
<Zher the ZOO 7th anniversary~WAY of LIFE~恋のマジックマッシュルーム>
Zher The ZOO(ザー・ザ・ズー)は2006年オープン1年目の頃にsixやつしまみれの出演したガールズ・ロックのイベントを観に行って以来。もう開店7年目を迎えるとは時の流れは早いものだ。200人も入れば満員の小さなライヴハウスだが、結構メジャーなアーティストが出演している。今回の組み合わせも普通では有り得ない豪華なものである。ファン層が被らない二組だが蓋を開ければ意外にいい組み合わせでイベント自体とても盛り上がった。
最初がキノコホテル。最近会場が大きくなり、人気の上昇と共に前列ではモッシュが起こるほど盛り上がるので、ロートル・ファンは後ろの方から眺めるばかりになってしまったが、この日は年配のファンや初キノコの客も多く前の方でも比較的落ち着いて観られた。オープニングSEに映画「ゴジラ対ヘドラ」のメイン・テーマ「かえせ!太陽を」が流れる。この映画は私が小学生の頃に公開され友人がこの曲のレコードを持っていて何度も聴かせてもらった思い出深いナンバー。♪水銀コバルトナトリウム~♪と公害の原因の化学物質の名前を羅列する部分は今でも歌えるほどだ。改めて聴くと記憶よりも爽やかな歌声とサイケなアレンジが印象的なイカした曲。この曲をSEにつかうキノコホテルの昭和趣味に共感する。バックの3人がノイジーな音を奏でるとマリアンヌ支配人が鞭を手に登場。客席から歓声が上がる。新曲を挟みつつ初心者にも分かりやすく代表曲中心の1時間の演奏。
先日の青山でのオールナイト・イベントで愛用の帽子を盗まれたとおカンムリの支配人、この日はしらふでステージに登場したためか毒舌は控えめ。ただ「ザー・ザ・ズー」を「ズー・ザ・ザー」と言い続けていたが。メンバー紹介のインスト・ナンバー「#84」ではオルガンの上に乗り艶めかしいパフォーマンスを披露。凝縮された選曲の演奏はやはり見に来てよかった。
Set List
1. 球体関節(新曲)
2. キノコホテル唱歌II
3. 白い部屋
4. もえつきたいの
5. 危険なうわさ
6. 回転ベッドの向こう側(新曲)
7. 非情なる夜明け
8. 人魚の恋
9. 新曲
10. キノコノトリコ
11. #84
12. 真っ赤なゼリー
13. キノコホテル唱歌
キノコホテルが終わった途端に前列へ女性客が押し寄せ男性客と入れ替わる。まさに民族大移動といったところ。ROLLYのライヴを観たのは15年くらい前だろうか。テレビのロック番組やバラエティにもよく登場するので親しみのある人だが、ともするとロック・ミュージシャンであることを忘れてしまいそうになる。この日のメンバーはG:あらけん、B:御供信弘、Dr:朝倉真司にVo&GにROLLY。髪をカーリーヘアーにし、ギラギラの派手な衣装で登場。黄色い歓声が飛び交う。1曲目は映画「ロッキー・ホラー・ショー」のテーマ曲「サイエンス・フィクション/ダブル・フィーチャー」。ROLLYを最初に観たのが「ロッキー・ホラー・ショー」の舞台だったのを思い出す。最新アルバム「グラマス・ローリー~グラム歌謡を唄う」からザ・ポピーズのカヴァーで「恋は気分」。この曲はキノコホテルも「マリアンヌの休日」でカヴァーしており、先ほどマリアンヌ支配人が「ROLLYさんとは縁もゆかりもございませんが」とMCしていたが、実はこの曲で繋がっていた訳だ。さらにキャンディーズ「あなたに夢中」~ベイ・シティ・ローラーズ「サタデー・ナイト」とカヴァーが続き楽しませてくれる。ROLLYは歌もいいが何といってもギターが上手い。これだけ歌って弾けるミュージシャンは他にはCharさんくらいしか思いつかない。
ROLLYファンは圧倒的に女性が多いので、キノコホテルの男性ファンの前で演奏するのがよっぽど楽しかったに違いない。「これからは一生キノコホテルの前座で生きて行こう」とMC。男性/女性の住み分けがバランスよく集まったイベントだった。アンコールでは「熟年男性ファンのために」とT-Rexの「20センチュリー・ボーイ」の日本語カヴァーを披露。さらに2度目のアンコールではひとりで登場しちらっとギターを弾いて「これで終了。ありがとう!」。エンターテイメント精神に溢れた楽しいステージだった。
BSジャパンがROLLYの特集番組を制作しており、この日もカメラが3台入っていた。4月20日放送予定とのこと。
ROLLYが
教えてくれた
グラム歌謡の楽しさを
キノコホテルの異種格闘技2マン・ライヴ、次は4月12日に下北沢Club Queでは八十八ヶ所巡礼と。これもありそうでなかった組み合わせで楽しみ。
友人は下北のフィルモア・レコードで目撃したそうです。サイケ物を熱心に探していたとのこと。