A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

裁断された音響~灰野敬二+吉田達也「Uhrfasudhasdd」

2008年05月27日 22時52分14秒 | 灰野敬二さんのこと
今年3月末に発表された「ハウエンフィオミウメ」の続編がJohn ZornのTzadikからリリースされた。タイトルは「アーファスドハスド」とでも発音するのだろうか?前作同様灰野さんの穏やかながら仄かに狂気を感じさせるカラーの絵画がカヴァーを飾っている。「ハウエン~」と同じく全16曲収録。曲名を良く見ると数曲ダブっているようだ。
たぶん同時期にレコーディングされたのであろう二人のセッションが吉田氏の編集ワークによりずたずたに切り刻まれ再構築されている。サウンドの感触は「ハウエン~」と全く同じ。John Zornは音的には一切関わっていないと思われる。音のキレが鋭く感じるのはUSプレスだからであろうか。
「ハウエン~」は私の周りの灰野ファンにはいまひとつ評判が悪かった。灰野さんの演奏をエディットするという禁断の領域に踏み込んだことが原因だと思われるが、灰野さんはライヴでもサンプラーやループを使いまくっていることだし、原音一発主義にはすでに拘ってはいない。何よりも「ハウエン~」が音響的にとても面白かったので、私は高く評価する。あくまでこの2作は灰野&吉田のコラボレーション作品なので、一連の灰野作品と同列に語るべきではない。灰野ソロや不失者はダメでも、これなら許容できるという人達もいるだろう。灰野さんの世界が吉田さんという媒介を通して広がった(ヴィジュアル的な面でも)ということを素直に喜びたい。ヴィジュアルを明るめにするというのは灰野さんの意見だったそうだ。
少なくとも「ハウエン~」を気に入った人なら文句なく楽しめる作品であることは間違いない。また吉田達也ファン、魔崖仏ファンにも聴いて欲しいアルバムである。
出来ればどちらか1枚というのではなく2枚とも揃えていただきたい。
Tzadik HP English

この2作
新たな世界へ
旅立ちだ

灰野さんとメルツバウの秋田昌美さんのデュオ、KIKURIのCDもリリースされるようだ。こちらも早く聴いてみたい。
映像は灰野+吉田+Mike Patton。



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