A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ぼっちアイドル&ぼっちインプロそろい踏み~吉川友/グンジョーガクレヨン 2013.9.23(mon)

2013年09月25日 00時42分53秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


●吉川 友 SPライブ2013秋-Best of YOU!-@渋谷duo MUSIC EXCHANGE 昼の部


ハロプロエッグ出身のきっかこと吉川友はカフェオレのCMでお茶の間や食卓でもお馴染みになった。逗子の音霊ポップデュオ、キマグレンと合体したユニット「きっかレン」は、BiS階段ほどの破壊力はないが、ファミリー層への浸透度は桁違いに大きい。ルックス&歌唱力の素晴らしさと素顔の天然ボケキャラのギャップが魅力のきっかと、海の家やライヴハウスを主宰する天然系きまぐれデュオの組み合わせの妙で、CMソング「カフェオーレのうた」も大ヒット。クライアントのグリコも大喜び。後追いになるが、BiS階段もバスクリンや鶏肉のタイアップを付けては如何だろう。



ソロ・デビューから2年半にして初のベスト・アルバム『Best of YOU!』レコ発イベント。5月11日のデビュー2周年&バースデー記念きっかフェス以来4か月ぶり。その間、インストアや夏フェスのゲスト、さらにアメリカのJapan Expo USAに参加するなど忙しい夏を過ごした。久々のワンマンにあたって、白鳥の衣装を着たい、と言っていたら、生ではないが、白鳥姿でスペシャルMV撮影。”下手なことを言うと本当に実現しちゃう油断できないスタッフさん”に気を付けます、と言った端から「貧ぼっちゃまをやりたい」とおっしゃる。次回ドリカム(Dreams Come True)かも。



以前考察した通り、グループアイドル全盛時代に反旗を翻し、希少種ピンアイドルの道を選んだきっかは、ハロプロ同期の℃-uteやアップアップガールズ(仮)やTHEポッシボーの活躍に負けられないと闘志を燃やすが、悲しきぼっち娘。の性で歌ってもひとり、踊ってもひとり、しゃべってもひとり、という過酷な状況を笑い飛ばす健気な生き様は、21世紀の精神非常者と呼ばれ伝説化するに違いないこともなくはない。



<Set List>
1 さよなら涙/冬空花火
2 きっかけはYOU!
3 time to zone
4 sweetie
5 ハピラピ~Sunrise~
6 ありのままのI LOVE YOU/ヒラヒラ星
7 メドレー:Love涙色~抱いてHold on me!~卒業~風は秋色~恋しさとせつなさと心強さと
8 to be…
9 世界中に君は一人だけ
10 ここから始まるんだ!
11 こんな私でよかったら
12 ハコの中のブルー
13 ダーリンとマドンナ
14 水色
15 ずっとずっとずっと君がスキだ
Encore
16 カフェオーレのうた(きっかレン)
17 あいまいな関係(きっかレン)
18 八月の花火

★ライヴレポートはコチラ
★最新インタビューはコチラ(チケットぴあ)コチラ(Barks)


●グンジョーガクレヨン@阿佐ヶ谷Yellow Vision


一ヶ月に亘るドイツ・ツアーから帰国した組原正の凱旋公演。グンジョーガクレヨンとしては3ヶ月ぶりのライヴである。現在のメンバーは組原(g,vo)、前田隆 (b)、宮川篤(ds)の三人。舞踏パフォーマーの園田游が不参加なので視覚的要素に欠けるが、それ故音に集中出来る。組原はいつも通り饒舌にツアーのエピソードを語る。対照的に他のふたりは寡黙。グンジョーの30年以上のヒストリーのトピックを見ると80年代前半までの初期こそPASS TOURや天国注射や学園祭などで他のバンドと共闘したが、それ以降は特定のバンドやシーンと交わることなく極めてストイックでインディペンデントに我が道を歩んできたことが判る。音楽性もロック、ジャズ、現代音楽、音響などのいずれにも分類できない「グンジョーガクレヨン」と形容するしか無いスタイルを育んできた。時折かつての盟友フリクションや突然段ボールと共演することはあったが、基本的には5人(当時)のメンバーの中だけで熟成した演奏に他者が介入することは、絶対無的に困難を極める。敢て内政干渉に挑んだフレッド・フリスとの共演が両者にとって不本意な結果になったのも当然だろう。




(写真・動画の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

演奏形態はインプロヴィゼーション(即興)に分類できるが、数多のインプロ演奏家が共演者を変えることによる音楽的ケミストリーを追い求めるのに対し、グンジョーは同じメンバー同士の対話を進化・深化させることに集中してきた。「朱に交われば赤くなる」という諺は彼らの辞書には無い。何にも交わることなく、唯我独尊ひとりぼっちで、アウェー状態の中でカオスの渦を巻いてきた。その演奏の強度は孤高の要塞の中にある。厳しさと純度は灰野敬二にも劣らないが、究極のセルフ・コンテインド・グループなので、エントロピーが外部に放射されず、バンド内でaufheben(アウフヘーベン/止揚)される傾向が強く、他者との魂の共鳴を得ることが難しいのも事実である。ここ1年間組原が積極的に交流試合に挑んでいるので、状況打破へと向かう自由エネルギーの増大に期待したい。




エントロピー
ねぎトロフィー
超うれピー

朱に交わるな。群れることなく、個を磨け。
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アメリカン・ポップ・アート... | トップ | 20周年の精神異常者たち(20t... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ガールズ・アーティストの華麗な世界」カテゴリの最新記事