A Challenge To Fate

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【ライブレポート】『盤魔殿 即興道場』@渋谷DJ Bar EdgeEnd 2021.12.23(thu)

2021年12月26日 01時07分21秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 即興道場 
Disque Daemonium Improvisation Gym

2021.12.23 thu
渋谷DJ Bar EdgeEnd

ホスト:
剛田武:フルート、クラリネット
Rie Fukuda:シンセサイザー

演奏参加者:
斉藤圭祐:アルトサックス
Tanao:ギター
ケロッピー前田:ディジュリドゥ
加藤チャーリー千晴:鍵盤ハーモニカ
やましん:ソプラノサックス
マーク・ロウ:アコースティックギターとヴォーカル
溝辺隼巳:ウッドベース

タイムテーブル(予定)
19:00 開場~説明・セッティング
19:30 - 20:00 ソロ(各5分)
20:00 - 20:30 トリオ(各10分)
20:30 - 21:00 Rie Fukuda+剛田武 ライブ
21:00 - 21:20 全員セッション
21:20 - 21:30 談話

まず剛田から流れを説明してから、自己紹介を兼ねて各5分のソロ演奏でスタート。順番は剛田⇒ケロッピー前田⇒マーク・ロウ⇒加藤チャーリー千晴⇒斉藤圭祐⇒やましん⇒Rie Fukuda⇒溝辺隼巳。80年代荻窪グッドマンの即興道場はジャズ的な素質のあるミュージシャンが多かったが、この日集まった演奏者は、エスニック、ミニマル、アンビエント、弾語り、フリージャズ、エレクトロニクスと楽器もスタイルもバラバラで、早くもカオスの予感がたっぷり。ソロ演奏を見たおかげで初対面の参加者同士のコミュニケーションも生まれた。



第2部は9人の参加者を3人ずつに分けてのトリオ演奏。持ち時間は各10分。

●Rie Fukuda+マーク・ロウ+斉藤圭祐


Rie Fukudaとマーク・ロウは盤魔殿でDJとして何度も会っているが、演奏で共演するのは初めて。ソロでは自作曲(とデヴィッド・ボウイの曲)の弾き語りを聴かせたマークは、アコギにエフェクターをかけてストレンジなサウンドで、Rie Fukudaのシンセと共振する。そこに最年少19歳の斉藤の鮮烈なサックスが加わり、凛とした硬質な音空間が生まれた。最後にマークが「メリークリスマス」と一言、初共演の歓びを祝福した。

●ケロッピー前田+Tanao+加藤チャーリー千晴


ケロッピーのディジュリドゥとチャーリーの鍵盤ハーモニカのナチュラルなアコースティック・サウンドと、Tanaoの空間系エフェクターを駆使したギターの電子アンビエント音響が溶けあい心地よい酩酊感をもたらす。接触不良で音が途切れがちなギターを他の2人が励ますようなユーモラスな場面に笑いが起こる。偶然ギターアンプが倒れて爆音ノイズを発したのも即興演奏の醍醐味。心温まるコラボレーションだった。

●やましん+溝辺隼巳+剛田武


やましんこと山崎慎一郎は80年代にジャズロックバンド「カレイドスコープ」でLLEレーベルからアルバムをリリースしたベテラン・サックス奏者。筆者と同じころに荻窪グッドマンの即興道場に通っていたというから、当時筆者と会っているかもしれない。太陽肛門スパパーンにも参加するウッドベース奏者、溝辺隼巳は現在高円寺グッドマンに出演しているという。そんなグッドマン繋がりのトリオの初顔合わせコラボレーションは、80年代当時の即興道場を思わせるハードコアなフリー・インプロになった。ベテラン二人と共演することで、筆者のフルートの腕がほんの少し上達した気がする。演奏センスを磨くには即興コラボが効果的。

●Rie Fukuda+剛田武


最初は30分の演奏の予定だったが、これほど濃い演奏が続いた後なので15分程度に短縮することに。剛田はフルートからクラリネットに持ち替えて、軽くディレイをかけたので、スタッカートの残響が心地よい。Rie Fukudaの機材のひとつがご機嫌斜めで思ったように音が出せなかったというが、そんなトラブルも即興の一部。予定調和があり得ないのは人生や恋愛も同じ。10数分間の電子音と生楽器のランデヴーはこの場限りのラブアフェアと言えるかもしれない。

●盤魔殿アーケストラ(全員セッション)


最後は観客として来場した3人のお客さんも玩具の楽器で参加して総勢12名の大セッション。それぞれ好き勝手にカオスな演奏を繰り広げたが、時折楽器と楽器が呼応し合う場面があったり、騒音の中から玩具の音がリリカルな響きで立ち上がったり、音の広がりがアメーバのように伸縮したりしながらも、全体として一つの小宇宙を作り上げた。おそらく土星に帰ったサン・ラから時空を超えたバイブレーションが届いたに違いない。

予想をはるかに超えた異能即興演奏が繰り広げられた最高のクリスマスイヴイヴだった。
★次回は1月後半~2月に予定しています。

盤魔殿
聴いても演っても
語っても

【イベント情報】


2021年1月8日(土) 阿佐ヶ谷TABASA
盤魔殿 presents
第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!リベンジ・マッチ


開場・開演18時 終演20時30分
1000円+1ドリンク
盤魔殿DJ総出演!
出演者・お客さんの投票で選ぶ「第2回 盤魔王(バンマーキング)」決定戦。
詳細はこちら⇒【イベント情報】『盤魔殿 presents 第2回 輝く、盤魔殿レコード大賞!!!Revenge Match』~コロナ禍のため中止になった名物企画がついに復活!


2022年1月15日@阿佐ヶ谷TABASA 
唸る語る、盤魔殿vol.4 "思想としてのパワーエレクトロニクス、その日本的展開"
Development of power electronics as a political idea in Japan


開場19時
料金1500円+1ドリンク
出演 帝都御社Y 大久保正彦(LINEKRAFT) 持田保 宇田川岳夫 
限定20名 予約者優先 物販あり 予約者特典あり

*予約が定員に達しましたのでいったん募集を締め切ります。
キャンセル待ち、追加募集の問い合わせなどは以下のサイトから
https://mondor3.wixsite.com/website?fbclid=IwAR1VXx7Aei94zL2j2ji9kF64-U3PggTwF5l_hwoqJ80oO82o8XlanKDJcS4
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