A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

壮絶な恋愛実話~鈴木いづみ「ハートに火をつけて!誰が消す」

2008年09月21日 02時27分38秒 | 書物について
もう没後22年になる。グループサウンズのメンバーとの交流、フリージャズ・アルトサックス奏者、阿部薫との壮絶な結婚生活を経て36歳で鈴木いづみが自ら命を絶ってから。
丁度彼女が亡くなった頃に古本屋で「恋のサイケデリック」という文庫本を手に入れた。ゴールデン・カップスを始めとするグループサウンズ、しかもB級、が実名で登場する小説に、当時のネオGSに熱を入れていた私は夢中になった。その頃は作者の鈴木いづみがどういう人か全く知らなかった。
その後稲葉真弓がいづみと阿部薫を主人公として二人の愛憎を赤裸々に描いた小説「エンドレス・ワルツ」に衝撃を受けた。残念ながら町田康主演の映画(灰野さんも出演している)の方は観れていない。
そして当事者の側から描かれた自叙伝的小説が鈴木いづみコレクション<1>として刊行された長編小説のこれである。ここには実在の人間が名前を変えて登場する。ジョエル=ルイズ・ルイス加部、ジュン=阿部薫、フウちゃん=キャロルのメンバー、という感じである。そして主人公いづみはジョエルへの憧れを持ったままでジュンとの無為な結婚生活に突入し次第に崩れて行く。それを冷静な視点で淡々と描いた覚めた視点が逆に情熱を秘めていて恐ろしい。GS、フリージャズ、クスリなど昭和のアングラ風俗が描かれていて興味深い。
何処の図書館にもあるので借りてみたらいい。

GSと
ジャズの狭間で
揺れる魂

今鈴木いづみコレクション<2>短編小説集「あたしは天使じゃない」を読んでいるがこちらは殆どエロ小説である。


コメント (2)
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