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A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

孤高のヴァイオリニスト~デイヴィッド・ギャレット「ロック・シンフォニー」

2012年02月22日 00時55分55秒 | こんな音楽も聴くんです


1980~90年代ナイジェル・ケネディというイギリスのクラシックのヴァイオリニストがポップス界で活躍した。とんがりヘアに激しいアクションで超絶テクニックを披露するナイジェルは1989年ヴィヴァルディの「四季」をポップ・チャートに送り込むヒットを放ち、ポール・マッカートニーやケイト・ブッシュ等と共演、ジャズやジミ・ヘンドリックス作品をフィーチャーしたアルバムの発売、自身のコンサートを『ギグ』と称するなど、音楽ジャンル間のクロスオーヴァー的、音楽思想家的な色彩を濃厚に打ち出した。その後5年間隠遁するが1997年に復帰、再び大センセーションを巻き起こす。

昨年はこのブログでも早々に紹介した2 Cellosというクロアチア出身のチェロ・デュオがマイケル・ジャクソン、スティング、ニルヴァーナ、ガンズ&ローゼズ、U2等の曲をチェロ用にアレンジした作品を発表、楽器破壊寸前の情熱的なプレイで話題になった。

今回紹介するデイヴィッド・ギャレットも元々はクラシックの英才教育を受け、クラシックの名門レーベル、ドイチェ・グラモフォンからモーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキーなどの正当なヴァイオリン協奏曲/ソナタを発表している天才ヴァイオリニスト。同時に学生時代からモデルとしても活躍してきたというイケメンでもある。そんな彼がポップス・シーンへ進出したのは2007年。2枚のクロスオーヴァー・アルバムは全米クラシカル・クロスオーヴァー・アルバム・チャートのトップに輝き世界的な注目を浴びた。YouTubeで検索をしてみればわかるが、大規模なクラシック・フェスティバルに出演し、ロック/ポップスの名曲をアレンジした楽曲で大喝采を浴びている。そんなデイヴィッドのクロスオーヴァー第3弾、その名も「ロック・シンフォニー」がリリースされた。ニルヴァーナ、ガンズ&ローゼズ、エアロスミス、メタリカ、レッド・ツェッペリン、マイケル・ジャクソン、プリテンダーズ、TOTO、映画音楽などを想像以上にロックっぽいダイナミックなストリング・アレンジで聴かせる。人気女性ギタリスト、オリアンティもゲスト参加。



個人的にはクロノス・カルテットのようにもっと大胆で実験的なアレンジの方が好きなのだが、ナイジェル・ケネディ以来続くクラシカル・クロスオーヴァーの流れは今やひとつの大きな潮流になったと言えよう。彼らによって「クラシックって難しい」というイメージが打ち破られるなら大歓迎だ。

デイヴィッドは現在プロモーション来日中でテレビ出演やインストア・イベントを行っているから目にする機会も多いだろう。そのルックスとユニークなプレイに酔いしれてほしいものである。

クラシック
全然難しく
ありません

イケメン姿を拝みたいなら初回限定DVD付スペシャル・エディションがおススメ。
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YOHIOショーケース@高田馬場ESPアカデミー/ヨーマ・コーコネン@Billboard Live東京 2012.2.9(thu)

2012年02月11日 00時39分49秒 | こんな音楽も聴くんです


この日はヨーマ・コーコネンの9:30PMからライヴを予約したので時間が空いてしまったな、と思っていたところに面白いライヴがあるから来ないか、とのお誘い。YOHIOというスウェーデン人のヴィジュアル系アーティストだという。昼に食堂で「いいとも」を観ていたらエンディングにその子が登場。確かにヴィジュアル系っていうか女の子じゃないの?と思ったが紛れも無い少年でしかも日本語ペラペラだという。これは観るしかないと関係者&招待者限定のプレミアムなイベントにお邪魔してきた。

YOHIOはスウェーデンの音楽一家生まれ。Gacktや西川貴教(TM Revolution)など日本のヴィジュアル系バンドの影響で10歳からギターを始め、14歳でSeremedyというバンドを結成。ヨーロッパ各地でのライヴが話題となり2011年にCDデビュー。10月には日本のV系フェスティバルのゲストとして来日、単独ツアーも行い日本の雑誌にも取り上げられた。YOHIOがリード・ヴォーカルを取った曲が話題になり、今年4月にソロ・デビューが決定。現在プロモーション来日中で、今回のショーケースはビデオ撮影を兼ねたライヴだった。音楽学校ESPアカデミーの立派なホールは招待客のV系ファンの女の子と業界人の男性が混ざって満員。3曲日本人のバンドをバックに熱唱、後半は2曲カラオケで歌とギターを披露した。驚くのは日本語の上手さ。学校で習ったというが、日本人と言っても誰もが信じるだろう。途中のインタビューの受け答えも質問は通訳を介するが応えは本人が日本語で。少し舌足らずではにかんだ様子が16歳の少年らしくていい。なんだかBO NINGENに似た逆輸入パターンを思わせるが、YOHIOはれっきとした外国人。しかし写真通りデビュー時のSHAZNAを彷彿させるスウェーデン人の美少年が日本語で歌い華麗なギター・プレイを見せるとは…...絶句。


1960年代ウォーカー・ブラザーズが来日し学生服を見事に着こなした姿を見てGSがいきなりダサく見え始めた、とファッション・ライターの川本恵子さんが書いていたが、それと同じことが日本のVシーンにも起るだろうか?要注目の存在である。YOHIO君の日本語アメブロも面白いのでぜひご一読を。






さて華やかなヴィジュアル系ピチピチ美少年から、いぶし銀の激渋のオヤジ・ロックの待つ六本木へ移動。ヨーマ・コーコネンは1960年代アメリカン・サイケデリック・ロックの中でも私の最愛のバンド、ジェファーソン・エアプレインのギタリストとして活躍、70年代には同じくエアプレインのベーシスト、ジャック・キャサディとブルース・ロック・バンド、ホット・ツナを結成。平行してソロでも活動。アメリカのルーツ・ロック界を代表するギタリスト/シンガーである。現在71歳。なんとYOHIO君の4倍以上の歳である。今回はホット・ツナのメンバーでもあるマンドリンのバリー・ミッターホフとのデュオでの来日。客席は往年のファンと思われる年配のサラリーマン&ちょい悪オヤジ風の男性ばかり。ちょうど昨年のジョニー・ウィンターのファン層と重なる。アコギとマンドリンのシンプルな演奏は年輪を重ねた者にしか出せない芳醇なウイスキーのような味わいに満ちており、ガキには百年早いわ、と宣言したくなる程の素晴らしさ。曲は古いブルースをベースにした似たような調子が多いのだが、生きた伝説(Living Legend)がすぐ目の前で演奏しているというだけで満ち足りた気持ちになる。



終演後ツアマネ氏に頼んでCDジャケットにサインを貰った。これは家宝ものだね!


ヴィジュアル系
元祖アシッド系
共に楽しむ冬の夜

共通点はギタリスト&シンガーということだけだが、伝統と革新を両方体験出来た貴重な夜だった。
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永遠に変わらぬ煌めき~スピッツ「おるたな」

2012年02月07日 00時31分07秒 | こんな音楽も聴くんです


日本のロック・シーンで最も清涼感のある声をもつ男、草野マサムネ(vo&g)を筆頭に、三輪テツヤ(g)、田村明浩(b)、崎山龍男(dr)から成るスピッツの『花鳥風月』『色色衣』に続く、special album第3弾。2002年以降、各種トリビュート盤に収録されたカヴァー曲、2004年以降のシングル・カップリング曲等、スピッツとしてのアルバム初収録曲のみで構成された10年間のレア・トラック&カヴァー曲集。  

1991年「ヒバリのこころ」でデビューだから今年デビュー21年目になるスピッツ。しかしここに流れるのは21年という歴史の重みでは無く、まるでデビューしたてのバンドのような初々しさと弾けるような爽やかなメロディである。奥田民生、荒井由美、原田真二、はっぴぃえんど、花*花などのカヴァーも草野マサムネ氏の声で歌われると見事にスピッツ・カラーに染まり、他のオリジナル・ナンバーと違和感無く並んでいる。バンドも20年経てば何らかの違った方向や実験に走りがちであり、それが時にはファンを裏切る独善的な作品を産んでしまうこともある。そんな中デビュー当時の初期衝動そのままにブレないスタイルを保ち続けるスピッツの在り方は、ある意味アナクロで不器用に見えるかもしれない。しかしファンにとってはこの常に変わらぬスタンスが心の拠り所であり、何かあったらスピッツの基へ帰ればいい、という避難所のような存在なのである。

いつもアングラだ前衛だと騒いでいる私もそんな冒険に疲れた時一番安心出来るのはスピッツだったりする。ブルーハーツが好きでギターを手にしたというマサムネ氏がロックンロールではなくよりメロディ重視のアコースティック路線を進むことになったのは自らの声の特性を自覚したからに違いない。常に自分たちに一番相応しい道を選択し無理な負担を感じること無く唯我独尊歩み続けてきた彼らがいるからこそ日本のロック・シーンを信じることが出来るのだと思っている。タイトル通り彼らは実はJ-Rockシーンにおける真の”オルタナティヴ”なのかもしれない。



スピッツに
平和を託す
凸凹世界

当たりまえと思ってたら壊れてく(「テクテク」より)
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南紫音ヴァイオリン・リサイタル@紀尾井ホール 2012.1.17 (tue)

2012年01月20日 00時49分18秒 | こんな音楽も聴くんです


この日は今年2回目のクラシック・コンサート。2005年ロン=ティボー国際音楽コンクールで第2位を受賞し注目された若手美人ヴァイオリニスト南紫音嬢のリサイタル。紀尾井ホールはアコースティック音響が素晴らしいし、オペラシティやサントリーホールよりこじんまりしていてお気に入りのホールだが行くのは10年ぶりくらいか。赤坂見附の駅からホテルの中を通って行けば楽なのに、すっかり忘れて坂道を登って行ったので息切れしてしまった。

紫音嬢のリサイタルは初めてだが、清楚な佇まいが前から気になっていた。しかもこの日のプログラムはプーランク、ドビュッシー、フランクというフランス・ベルギー系の近代音楽。CDでもコンビを組むピアニスト江口玲氏との共演でどんな世界を聴かせてくれるのか興味があった。

このブログ読者にはクラシック・ファンは少ないと思うが、コンサートに行けばアンプを通さない生音でしか味わえない表情豊かな音響とロックのライヴでは味わえない凛とした緊張感があって独特の体験ができるので、ぜひ足を運んでもらいたいと思う。特に管弦楽のような大編成ではなく、弦楽四重奏やピアノ/ヴァイオリン・ソナタなどの室内楽は、演奏者の表情や動きが良く見えるし、音数の少ないストイックな空間はアンビエント・ミュージックに通じるものがあって親しみやすいと思う。

紫音嬢の優雅な動きで奏でられるヴァイオリンの響きとピアノと共にダイナミックな流れを持った曲調はまるでプログレ、それもチェンバー・ロックに通じる。演奏が盛り上がるとつい身体を揺らしてしまうロック・ファンの悲しい性。オールスタンディングで聴いてみたい、と思ってしまうのは私だけだろうか。それほど抒情的でドラマティックな演奏だった。来月のユニヴェル・ゼロのいい予行演習になった。



ヴァイオリン
エディ・ジョブソン
ダリル・ウェイ

会場には秋元康氏の姿も見受けられた。さすが格式のあるクラシックの世界。でも普通のラフな学生風の若者の姿もあってホッとした。
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山下洋輔プロデュース・ニューイヤー・ジャズ・コンサート@東京オペラシティ 2012.1.7 (sat)

2012年01月09日 01時00分33秒 | こんな音楽も聴くんです


山下洋輔さんが東京オペラシティでニューイヤー・コンサートを行うようになって10年余り、2009年からは”プロデュース”として茂木大輔、ブーニン、林英哲とジャズに拘らない音楽家をゲストに迎え彼らの新たな顔を紹介している。4回目にあたる今年は人気ヴァイオリニスト、アン・アキコ・マイヤース嬢をフィーチャーし「アン・アキコ・マイヤース~初夢ヴァイオリン」と銘打ったコンサートになった。実は洋輔さんはアン・アキコ嬢のお母さんと小学生の頃から家族ぐるみで親しくしていたそうだ。彼女がアメリカで結婚してからも音信は続き、ある日「娘がヴァイオリニストになりました」という手紙と共にカセットが送られてきた。それが12歳でズービン・メータ指揮ニューヨーク・フィルと共演したアン・アキコ・マイヤース嬢の音だった。その後15歳で初来日したアン・アキコ嬢はテレビCMに出演したり森繁久彌さんと共演したりして人気者になっていく。洋輔さんも陰ひなたに彼女の面倒を見て結婚式にはニューヨークまで出向いたという。そんな縁で今回のコンサートが実現した訳だ。

2部構成で第1部は洋輔さんとアン・アキコ嬢のソロと共演、第2部は本名徹次指揮東京フィルとの共演。まずは洋輔さんがソロ・ピアノで自作の「やわらぎ」を多少破天荒に演奏し、次にアン・アキコ嬢が「荒城の月」を艶やかに奏でる。そしてふたりの共演で洋輔さん作の「エコー・オブ・グレイ」。ドシャメシャ奏法はなりを潜めあくまでアン・アキコ嬢の伴奏に徹するプレイが印象的だった。

第2部は「サマータイム」「オータム・イン・ニューヨーク」そしてウィントン・マルサリス書き下ろしのカデンツァを含むモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調 K216」の日本初演。完全なクラシック演奏で途中何度も意識を失いかけたが、アン・アキコ嬢の類い稀な音の際立ちに感動することしきり。

いつまでも鳴り止まぬ拍手に2曲アンコールで応える。コンサート終了後サイン会で笑顔を見せるアン・アキコ嬢はスレンダーな美人だった。男性なら洋輔さんじゃなくても目尻が下がるのは仕方がないだろう。新春に相応しいエレガントで豪華なコンサートだった。



エレガント
その一言で
おめでとう

個人的には昨年末の大友良英スペシャル・カルテットのようにドシャメシャ暴れまくる洋輔さんをもっと観たいところである。



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グイーン@渋谷O-East 2011.12.3(sat)

2011年12月05日 00時24分12秒 | こんな音楽も聴くんです


すっかり年2回の恒例行事となったクイーン・トリビュート・バンド、グイーンのリサイタル「Queen Tribute 2011」に行ってきた。客層はほぼ40代~50代中心だが、20代の若者や親子連れの姿もある。コンサートに行くのは年2回のグイーンのリサイタルだけという人も多いに違いない。

結成40周年のクイーン・イヤーを締めくくる(?)このライヴ、最近リマスター発売された「世界に捧ぐ」以降の中~後期、いわゆるヒゲフレ(フレディ・マーキュリーが口ひげを生やし始めた時期)の曲を中心にした選曲だった。ほとんど知らない曲が続くが、どれも覚えやすいメロディーと特有の重厚なオーケストレーションに彩られ知らなくても楽しめる。グイーンは演奏的には高度なテクニックを持ち完璧なのだが、ヴォーカルのフレディ波多江氏の色物キャラとコスプレでコミック・バンドに近いステージを展開する。観客も演奏はともかく、波多江氏の物真似パフォーマンスを楽しみに来るのであって、あちこちで爆笑が起る。特に軽妙なMCは「クイーンを素材にした綾小路きみまろ」とでも呼べるだろうか。このノリが妙にしっくり来るのは齢のせい?

「バイシクル・レース」の途中で観客が自転車のベルを鳴らすところで「赤鼻のトナカイ」を歌ったり、レディ・ガガを意識した手作りのちゃちい衣装で登場したりして飽きさせない。アンコールは「ボヘミアン・ラプソディ」~「ウィー・ウィル・ロック・ユー」~「伝説のチャンピオン」~「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」の鉄板曲で締め。2時間強に亘って妄想クイーン・ワールドを堪能した。



クイーンは
ネタとしても
最高です

難しいことを考えずにノスタルジーに浸れる世界も必要だ。
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ヤン・リシエツキ ピアノ・リサイタル@東京オペラシティ コンサートホール 2011.10.28(fri)

2011年10月30日 01時43分42秒 | こんな音楽も聴くんです


今年16歳の天才ピアニスト、ヤン・リシエツキ君のリサイタルである。1995年ポーランド出身の両親のもとカナダに生まれる。わずか9歳でオーケストラ・デビュー。以来各地で様々なオーケストラと共演し、2009年モントリオール交響楽団のスタンダード・ライフ・コンクールで史上最年少のグランプリ、2010年には「デビュー・アトランティック」「カナダ放送協会・カナダ・ミュージック」の各賞を授与されたほか、様々な音楽賞を受賞している。まさにクラシック界の石川遼君、という趣の若き才能である。

オペラシティの広い会場にも全く物怖じしない度胸、長身だがあどけなさの残る美貌、そして何よりも表情豊かな演奏。プログラムはJ.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集 第2巻 24の前奏曲とフーガより 第14番 嬰ヘ短調 BWV883/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰へ長調 op.78/リスト:3つの演奏会用練習曲/メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 ニ短調 op.54/ J.S.バッハ:平均律クラヴィア曲集 第1巻 24の前奏曲とフーガより 第12番 ヘ短調 BWV857/ショパン:12の練習曲 op.25。王道のピアノ・ソナタのオンパレードである。うつむき加減に集中して演奏する様は一流のベテラン・ピアニストにも引けを取らない。

リシエツキ君は名門ドイツ・グラモフォンと録音の専属契約を締結したことが発表された。クラシック界の若返りは順調に進んでいるようである。CDのセールスだけ考えれば彼のような純クラシックの演奏家のセールスはとても限られたものであるだろう。それでもクラシックという茨の道を歩むことを選んだリシエツキ君の活躍を祈りたいものだ。



クラシック
若い世代の
台頭だ

たまには王道のクラシックのコンサートも悪くない。
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切なさの奔流~back number「スーパースター」

2011年10月29日 00時15分54秒 | こんな音楽も聴くんです


仕事中にいつも流している洋楽専門FMチャンネルから突然流れ出した日本語の調べ。流麗なギター・サウンドと哀愁漂う泣きのメロディーは洋楽の波を突き破って久々に私の胸を直撃した。このしみじみした感動はかつてのスピッツにも通じる懐かしい感覚だった。

back numberという名前のこのバンドは2004年に群馬県で結成、地元のオーディションやラジオ局で話題となり、2009年にインディ・デビュー。大手レコード・チェーンで推薦盤となり、全国的に知名度を高める。メンバーはVocal & Guitar : 清水 依与吏、Bass : 小島 和也、Drums : 栗原 寿の3人。2010年6月1stアルバム「あとのまつり」をリリース後、2011年メジャー契約。3枚のシングルをリリースし、満を持して今週リリースされたのが2ndアルバム「スーパースター」である。見せかけの派手さとは無縁な素朴極まりない「歌」と「メロディー」を最大限に生かしたサウンドがアピールし、現在オリコンのデイリー・チャートで2位と思いがけないヒット中である。

私は最近のこの手のロックを聴いているわけではないので他のバンドとの比較をすることはできないが、この3人のダイヤモンドの原石のような才能はヒシと伝わってくる。シングル曲の「はなびら」「花束」「思い出せなくなるその日まで」をはじめ「スーパースターになったら」「チェックのワンピース」「リッツパーティー」「幸せ」など捨て曲なしの秀逸なアルバムである。多分彼らの支持層は心優しい少年少女なのであろう。しかし私のような年配層をも魅惑するエヴァーグリーンな魅力に溢れていることは間違いない。久しぶりに心が洗われる清浄な魂に出会った気がした。



汚れちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる

聴いていると何故か中原中也の詩を思い出す。一度ライヴを観てみたいものだ。
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追悼:柳ジョージ様。

2011年10月14日 00時36分23秒 | こんな音楽も聴くんです


信頼できる筋によると、1970年代後半から1980年代頭にかけて柳ジョージとレイニーウッドで人気を誇ったヴォーカリスト/ギタリストの柳ジョージさんが亡くなったとのこと。享年63歳。ここ数年糖尿病を煩っていて入退院を繰り返していたそうだが2日前に息を引き取ったと言う。葬儀は家族だけですませ、正式には近々にに家族から発表があるらしい。

柳ジョージさんが活躍していた時代はもんた&ブラザーズや甲斐バンド、ダウンタウン・ブギウギ・バンドなどが”ロック”としてチャートを賑わしており、その一方では東京ロッカーズを始めとするパンク/ニューウェイヴが台頭してきた頃である。私は勿論後者に夢中だったため、柳ジョージさんの音楽に真剣に向き合ったことは無かった。後になってGSやニューロックに目覚めた頃、ジョージさんが日本を代表するブルース・ロック・バンド、パワーハウスや後期ゴールデン・カップス、ニューロックのフライドエッグなどに参加していたことを知り、興味を持った次第だ。

”日本のエリック・クラプトン”の異名を取るブルジーなヴォーカルとギターは独特の味があり捨てたもんじゃない。ジョー山中さんに続き日本のロックの伝説がまたひとり逝ってしまった。合掌。



ブルースを
日本情緒と
融合し

所ジョージ氏の芸名は「所沢の柳ジョージ」を縮めたものというのは知る人ぞ知るトリビア。
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グイーン@渋谷O-East 2011.5.2(mon)

2011年05月04日 01時40分35秒 | こんな音楽も聴くんです
年2回の恒例クイーンのトリビュート・バンド「グイーン」のリサイタル。今年は本家クイーンのデビュー40周年/グイーンの結成20周年にあたるとのことで「Q40G20」というサブ・タイトル。

会場は先日行った「クイーン&Music Life展」同様、40,50代の元ロック少女中心に同窓会的な和気あいあいとした雰囲気。整理番号が一桁だったのでステージ真ん前で鑑賞。

私がクイーンを知ったのは中学2年生の頃だと思う。ラジカセ・ブームで洋楽番組をエアチェックし始め、レコード屋へ通い出した1976年頃。最初に買った音楽雑誌はテッド・ニュージェントが表紙のミュージック・ライフ。1976年はキッスが「地獄の軍団」を、エアロスミスが「ロックス」をリリースした年で、キッス、エアロスミス、エンジェル、ベイ・シティ・ローラーズなどが有望新人として大きくプッシュされていた。クイーンやディープ・パープル、レッド・ツェッペリンなどは既に大物として君臨していた。どちらかというと私より一世代上のロック・ファンのアイドルだったと思う。以前も書いたがその頃金沢に住んでいた私は香林坊の山蓄というレコード店にロックのフィルム・コンサートを観に行った。そこでクイーンの動く姿を初めて目にしたのである。ギターが凄くうまいバンドだな、と思ったくらいで、その日の印象はディープ・パープルのリッチー・ブラックモアのギター破壊の衝撃に持っていかれた。その後パンクに走った私はクイーンをまともに聴くことはなかった。

実は私はクイーンのメンバー3人に会ったことがある。フレディ・マーキュリーがオペラ歌手のモンセラート・カヴァリエとデュエット・アルバム「バルセロナ」をリリースした1988年ロンドン出張中にアルバム発売記念パーティーに出席したのだ。そこにはロジャー・テイラーも来ていた。フレディにLPにサインを貰った。最近探したらそのお宝LPはどこへ行ったのか見つからないのだが・・・涙。
ブライアン・メイとは1990年代半ばソロ来日時に中野サンプラザの楽屋で挨拶させていただいた。

このように深からぬ縁のあるクイーンだが、未だにきちんと聴いたことがない。コピー・バンドのグイーンを通してクイーンの曲を体験している始末である。それだけにグイーンのリサイタルは私にとって実は結構楽しみなのである。「普通のロック」の世界と繋がる唯一の動脈のようなものだ。

さてこの日のライヴは前座にメンバーのフレディ波多江氏&スパイク山田氏によるプロジェクト「アリズ」が登場、アリスの物まねで会場を沸かせた。実際波多江氏は谷村新司さんに似ていて笑える。

本編はリマスターCDの発売に合わせて初期3枚のアルバムからの曲を中心に演奏。「キラー・クイーン」「サムバディ・トゥ・ラヴ」など知っている曲もあるが多くが複雑な構成のプログレ風のナンバーである。クイーン本体も難しくてやりたがらなかった曲に敢て挑戦した、と波多江氏。前半はそういったマニアックな選曲でクイーン上級者を唸らせ、後半はヒット曲で会場全体を盛り上げる。いい歳をした女性達が手を振り上げて唱和する姿にパワーをもらった。

グイーンは
本家を軽く
超えている?

40周年の今年は少し真面目にクイーンを聴いてみようか、ジェームス・チャンスを流しながらそう思った。

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