<SONY CLASSICAL>
8869753081-2(SACD-Hybrid) \1980
『WHITE NIGHTS』-デボラ・マルケッティ、ロシアン・メロディーを弾く
1)ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」より「ロシアの踊り」
2)ストラヴィンスキー:「火の鳥」より「子守歌」
3)チャイコフスキー:「ピアノのための2つの小品Op.10」より「ユモレスク」
4)ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」より
「陽気な若者たちのゴパーク」
5)パウル・ユオン:「White Nights」-「ヴァイオリン協奏曲Op49より第2楽章」
6)グラズノフ:「瞑想曲 Op.32」
7)ラフマニノフ:「ロマンス ニ短調 Op6-1」
8)ラフマニノフ:「ロマンス イ短調」
9)プロコフィエフ:「ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80」(全曲)
【録音:2009年3月6-8日、スイス放送】
デボラ・マルケッティ(Vn)
ヴォフカ・アシュケナージ(P)
若きスイスの女流ヴァイオリニスト、デボラ・マルケッティのデビュー・アル
バムの登場です。デビュー盤にして、ここに収録されたすべてロシア作品とい
う意欲的なアルバムで、ストラヴィンスキーやムソルグスキーでは驚異的なテ
クニックを、ラフマニノフなどでは甘いロマンティシズムぷんぷんの演奏まで、
幅広い表現力を持っています。最後に収録した「プロコフィエフのソナタ」で
はそれらの集大成のような作品で、彼女の全てをここで表現している ようで
す。フランチェスコ・ルッジェーリ(1652年クレモナ)のヴァイオリンを使用。
また今作では、ウラディーミル・アシュケナージの長男の、ヴォフカ・アシュ
ケナージがサポートし、ロシア音楽を見事に演奏していきます。
デボラ・マルケッティは、スイス生まれ(スイスとイタリアの二重国籍を持つ)。
12歳でデビューし、13歳でチューリヒ・コンセルヴァトリウム・アンサンブ ル
と「ヴィヴァルディの四季」で共演。バーゼルでソロ・ヴァイオリニストとし
ての教育を受け、その後ウィーンでエーリヒ・ヘーバルト(ウィーン・コンツェ
ント ゥス・ムジクスのコンマス、及びモザイクSQの1stヴァイオリン)に学び、
ウィーン・ムジークフェラインザールでもコンサートを行いました。更に芸術
性を高 めるために、スピヴァコフ、パスキエ、シュムエル・アシュケナジにも
学びました。2002年にウィーン国際バルトーク賞を受賞し、スイスでの本格的
ソロ 活動を開始し、聴衆及び新聞などで「テクニックだけでなく、幅広いキャ
パシティを持つヴァイオリニスト」「汚れなき音色、完全なイントーネション
は聴衆 を魅了」「それぞれの曲の微妙な違いを全て完璧に弾き分ける素晴ら
しい感性」と絶賛されています。
<Oehms Classics>
OC-737 \1800
ボフスラフ・マルティヌー(1890-1959):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲H.353(1955)
ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲(1952)
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲ニ長調AV144(1945/48改訂)
シュテファン・シュリ(オーボエ)
バイエルン放送交響楽
指揮:マリス・ヤンソンス
ライヴ録音
弱冠20歳で名門バイエルン放響の首席オーボエ奏者になったシュテファン・シ
ーリが20世紀オーボエ協奏曲の名曲を気心の知れたマリス・ヤンソンスとドイ
ツの手兵バイエルン放送交響楽団とのアルバム、エームス・クラシックスより
登場!
ベルリン・フィルと並ぶドイツ2大オーケストラの一方の雄バイエルン放送交
響楽団の首席オーボエ奏者に弱冠20歳でなったシュテファン・シーリ。その魅
力的な音色と完璧な技巧に支えられた音楽性で、オーケストラの要として知る
人ぞ知る名手として好楽家から注目されています。そもそもバイエルン放送
交響楽団のオーボエ・セクションは伝統的に名人がそのポストに就いてきてい
ます。コンヴィチュニー時代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 の首席オー
ボエ奏者だったマンフレート・クレメントは東ドイツから亡命し、カイルベル
トの誘いでバイエルン州立歌劇場の首席オーボエ奏者を経て、1980年に首席オ
ーボエ奏者となりました。1982年に名手フランソワ・ルルーが首席として入団、
クレメントは2番に降り、ルルーやシーリら若い首席 奏者を優しく守り立てな
がら、オーボエ・セクションの優れた伝統を積み重ねてきたといわれています。
R.シュトラウスが指揮台にも立ったことがある縁 のあるバイエルン放送交響
楽団の完璧なサポートを得て、シュテァン・シーリがそのヴィルトゥオージテ
ィを見事に披露して20世紀の10年間に作曲され た様々な様式によるオーボエ
協奏曲の名曲3曲に新たな輝きを与えています。R.シュトラウスのオーボエ協奏
曲は、米軍の軍曹で後のフィラデルフィア 管の名手、ジョン・デ・ランシーが
直接R.シュトラウスに作曲を促したことによって生み出された名曲ですが、こ
のレコーディングではR.シュトラウスか好 んだといわれる小編成のオーケスト
ラによっています。
OC-731 \1800
シューベルト:
幻想曲ハ長調「さすらい人」D.760
幻想曲ハ長調「グラーツ幻想曲」D.605A
3つの小品(即興曲)D.946
ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲イ短調 D.576
ミヒャエル・エンドレス(p)
まるでソナタと呼んでも差し支えないほど堅固な形式で書きあげられているの
に、あまりにも自由な楽想が飛来する「さすらい人幻想曲」を、こんなにも鮮
やかに切り込んだ演奏で聴かせてくれるピアニストが他にいたでしょうか?
揺るぎなきテクニックに裏打ちされた、溢れるような音の粒。青年の狂おしい
胸の内。これらが混然一体となった見事な演奏です。確かに過去にもこの曲の
名演はいくつも存在しますが、そろそろここで新感覚のシューベルトを聴くの
も悪くないでしょう。その上、このアルバムを作るにあたり、エンドレスはあ
まり聴く機会のない作品を準備したようです。とりわけ「グラーツの幻想曲」
は、昨年のLFJ(ラ・フォル・ジュルネ)で演奏されマニアの間で話題を呼んだ作
品。1968年に発見された曲で、シューベルトの真作かどうかははっきりしてい
ませんが、こんなにも豊かなメロディーを備えた曲が書ける人が他にいたのだ
としたら、その人も間違いない天才と呼んでもいいでしょう。
OC-922 \1980
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー:「レクィエム」
ヨーゼフ・ハイドン:「テ・デウム」
ゲルト・グクルヘーア(指揮)
ミュンヘン・ノイエ・ホーフカペレ
(ミュンヘン新王宮カペレ:オリジナル楽器使用)
ミュンヘン・オルフェウス合唱団
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814)は、マンハイム楽派で最も重要
なひとり。神学者、聖職者、オルガニストでもあったフォーグラーは、ヨーロ
ッパの聖歌を研究するために、スウェーデン、ギリシャ、北アフリカまで旅行
をし、彼の音楽には古典派のちにロマン派への新しい理論(声と器楽 の進歩的
絵画的調和)を打ち立て、彼独自の作品を発表していきました。また、マイアー
ベアとウェーバーの音楽教師でもありました。彼の作風は、後期バロック-初期
古典派のものとはかけ離れ、すでにベートーヴェン-メンデルスゾーン頃の作品
と同じように激しく絵画的で先進的であることは間違いありませんが、モーツァ
ルトとの対立により、歴史的に不当な評価を受けてしまい、現在では知られざ
る作曲家の一人となってしまっています。 1777年に作曲されたこの「レクィエ
ム」は、イタリア・オペラの手法を取り入れた作風であり、モーツァルトのレ
クィエムを彷彿させるものがあります。この録音では、ミュンヘン楽友協会合
唱団の約60人のメンバーからなる、1982年に設 立されたドイツで評価の高い
「ミュンヘン・オルフェウス合唱団」と、ミュンヘンの古楽器グループ「ミュ
ンヘン・ノイエ・ホーフカペレ」によって演奏されます。密度の高い合唱と、
ラインハルト・ゲーベルの弟子たちによる斬新な器楽アンサンブルによって、
この作品へ新た なる解釈に挑戦しています。世界初録音は、Arte Novaより
1999年に発売された、ケーゲルマン指揮によるものだった(大合唱とモダン楽
器による演奏:74321716632)。
OC-113 2枚組 \1650
エルネスト・ブロッホ:ヴァイオリンのための作品全集
1)ヴァイオリン・ソナタ第1番
2)ヴァイオリン・ソナタ第2番「神秘の詩」
3)無伴奏ヴァイオリン組曲第1番
4)無伴奏ヴァイオリン組曲第2番
5)「バール・シェム」
6)「ヘブライ組曲」
ラティカ・ホンダ・ローゼンベルク(Vn)
エイヴナー・アラッド(P)
1999年にArte Novaから発売され、その後Oehms Classicsより【OC255:廃盤】と
して発売されていたアルバムの再々発売となります。これらのブロッホの作品
を1つにまとめたアルバムは少なく、非常に評価の高い盤のひとつとなっていま
す。ラティカ・ホンダ・ローゼンベルクは日系ドイツ人で、1993年エリザベー
ト国際音楽コンクールで入賞し、1998年チャイコフスキー・コンクールで第2位
を受賞。現在では、フライブルグ音楽大学教授、ベルリン芸術大学客員教授を
務めています。【録音:1999年】
<deutsche harmonia mundi>
8869748394-2 \1800
Exit Baroque (バロック時代の入り口から出口までの室内楽作品集)
1)シュメルツァー:「チャコーナ(シャコンヌ)」
2)フランチェスコ・トゥリーニ:「ソナタ“Il Carsino”」
3)フランチェスコ・トゥリーニ:「ソナタ“El Tanto tempo hormai”」
4)アンドレア・チーマ:「ソナタ ニ短調」
5)G・A・パンドルフィ=メアリ:「ソナタ第1番」
6)タルクィニオ・メールラ:
「カンツォン“La Strada”」「カンツォン“Il Cattarina”」
7)マルチェロ:「チャコーナ(シャコンヌ)」
8)ヴィヴァルディ:「ソナタ集“忠実なる羊飼い”Op.13より第6番」
9)ジュゼッペ・サンマルティーニ:「ソナタ第4番」
10)アントニオ・ベルターリ:「チャコーナ(シャコンヌ)」
オーストリアン・バロック・カンパニー
オーストリアン・バロック・カンパニー(旧団体名:オーマン・コンソート)は、
2007年度ドイツ・レコード・グランプリを獲得するなど、いまヨーロッパ古楽
界で最も注目を浴びているアンサンブル(リーダーのミヒャエル・オーマンは、
ウィーン・フィルのヴォルフガング・シュルツの甥)。オーストリアの古楽演奏
の歴史は、初期の頃からアーノンクールが行っていたが、ウィーン演奏気質の
ためその演奏はなかなか受け入れられず、なかなか発展しづらい場所であった
ため、ウィーン・コンツェントゥス、ムジクス、ウィーン・アカデミー合奏団、
クレマンシック・コンソートくらいしか無いのが現状であったが、このアンサ
ンブルは初期バロックから初期古典派のレパートリーの、ウィーンでは画期的
な室内アンサンブルです。何が画期的かというと、その演奏様式は「イル・
ジャルディーノ・アルモニコ」のような、歌いこまれたメロディーとロックの
ような通奏低音によって生き生きとしており、初期バロックの複雑な旋律も、
心だけでなく私たちの体までも動かしてくれるのです。
このアルバムでは、オーストリア(ザルツブルクやウィーン)のバロック作曲家
と、彼らに影響を与えたイタリアの作曲家による作品を収録し、新たなバロッ
クの発見を楽しみましょう。
今後、いま話題のバロック・ソプラノ歌手、ヌリア・リアルとのヘンデルのア
リア集を発売予定。
8869752715-2 \1800
Kapsbergiana
(ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー作品集)
Los Otros 【ヒレ・パール(gamb)、リー・サンタナ(Lute)、スティーヴン・
プレイヤーズ(g&parc)】
Los Otrosの久々の新録音は、イタリアの初期バロック作曲家及びリュート奏者
であった、ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580-1651)の作品集で
す。多くのリュートやキタローネの作品を作曲しましたが、彼の先進的で独特
なリズムや旋律(転調や半音階進行)において、当時あまり評価は高くなかった
ようですが最近では、最もヴィルトゥジティが高く楽器への発展に貢献した革
新者として、 評価が高くなってきています。彼の作品のアルバムには、ポール
・オデット、ホプキンソン・スミス、ロルフ・リズルヴァン盤などがあり ます
が、この盤ではリー・サンタナのリュート&テオルボ、ヒレ・パールのガンバ、
S・プレーヤーズのバロック・ギターによって、当時の即興的な演奏のように
アンサンブルとしての演奏を聴かせてくれます。
8869753081-2(SACD-Hybrid) \1980
『WHITE NIGHTS』-デボラ・マルケッティ、ロシアン・メロディーを弾く
1)ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」より「ロシアの踊り」
2)ストラヴィンスキー:「火の鳥」より「子守歌」
3)チャイコフスキー:「ピアノのための2つの小品Op.10」より「ユモレスク」
4)ムソルグスキー:歌劇「ソロチンスクの定期市」より
「陽気な若者たちのゴパーク」
5)パウル・ユオン:「White Nights」-「ヴァイオリン協奏曲Op49より第2楽章」
6)グラズノフ:「瞑想曲 Op.32」
7)ラフマニノフ:「ロマンス ニ短調 Op6-1」
8)ラフマニノフ:「ロマンス イ短調」
9)プロコフィエフ:「ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80」(全曲)
【録音:2009年3月6-8日、スイス放送】
デボラ・マルケッティ(Vn)
ヴォフカ・アシュケナージ(P)
若きスイスの女流ヴァイオリニスト、デボラ・マルケッティのデビュー・アル
バムの登場です。デビュー盤にして、ここに収録されたすべてロシア作品とい
う意欲的なアルバムで、ストラヴィンスキーやムソルグスキーでは驚異的なテ
クニックを、ラフマニノフなどでは甘いロマンティシズムぷんぷんの演奏まで、
幅広い表現力を持っています。最後に収録した「プロコフィエフのソナタ」で
はそれらの集大成のような作品で、彼女の全てをここで表現している ようで
す。フランチェスコ・ルッジェーリ(1652年クレモナ)のヴァイオリンを使用。
また今作では、ウラディーミル・アシュケナージの長男の、ヴォフカ・アシュ
ケナージがサポートし、ロシア音楽を見事に演奏していきます。
デボラ・マルケッティは、スイス生まれ(スイスとイタリアの二重国籍を持つ)。
12歳でデビューし、13歳でチューリヒ・コンセルヴァトリウム・アンサンブ ル
と「ヴィヴァルディの四季」で共演。バーゼルでソロ・ヴァイオリニストとし
ての教育を受け、その後ウィーンでエーリヒ・ヘーバルト(ウィーン・コンツェ
ント ゥス・ムジクスのコンマス、及びモザイクSQの1stヴァイオリン)に学び、
ウィーン・ムジークフェラインザールでもコンサートを行いました。更に芸術
性を高 めるために、スピヴァコフ、パスキエ、シュムエル・アシュケナジにも
学びました。2002年にウィーン国際バルトーク賞を受賞し、スイスでの本格的
ソロ 活動を開始し、聴衆及び新聞などで「テクニックだけでなく、幅広いキャ
パシティを持つヴァイオリニスト」「汚れなき音色、完全なイントーネション
は聴衆 を魅了」「それぞれの曲の微妙な違いを全て完璧に弾き分ける素晴ら
しい感性」と絶賛されています。
<Oehms Classics>
OC-737 \1800
ボフスラフ・マルティヌー(1890-1959):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲H.353(1955)
ベルント・アロイス・ツィンマーマン(1918-1970):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲(1952)
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):
オーボエと小管弦楽のための協奏曲ニ長調AV144(1945/48改訂)
シュテファン・シュリ(オーボエ)
バイエルン放送交響楽
指揮:マリス・ヤンソンス
ライヴ録音
弱冠20歳で名門バイエルン放響の首席オーボエ奏者になったシュテファン・シ
ーリが20世紀オーボエ協奏曲の名曲を気心の知れたマリス・ヤンソンスとドイ
ツの手兵バイエルン放送交響楽団とのアルバム、エームス・クラシックスより
登場!
ベルリン・フィルと並ぶドイツ2大オーケストラの一方の雄バイエルン放送交
響楽団の首席オーボエ奏者に弱冠20歳でなったシュテファン・シーリ。その魅
力的な音色と完璧な技巧に支えられた音楽性で、オーケストラの要として知る
人ぞ知る名手として好楽家から注目されています。そもそもバイエルン放送
交響楽団のオーボエ・セクションは伝統的に名人がそのポストに就いてきてい
ます。コンヴィチュニー時代のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 の首席オー
ボエ奏者だったマンフレート・クレメントは東ドイツから亡命し、カイルベル
トの誘いでバイエルン州立歌劇場の首席オーボエ奏者を経て、1980年に首席オ
ーボエ奏者となりました。1982年に名手フランソワ・ルルーが首席として入団、
クレメントは2番に降り、ルルーやシーリら若い首席 奏者を優しく守り立てな
がら、オーボエ・セクションの優れた伝統を積み重ねてきたといわれています。
R.シュトラウスが指揮台にも立ったことがある縁 のあるバイエルン放送交響
楽団の完璧なサポートを得て、シュテァン・シーリがそのヴィルトゥオージテ
ィを見事に披露して20世紀の10年間に作曲され た様々な様式によるオーボエ
協奏曲の名曲3曲に新たな輝きを与えています。R.シュトラウスのオーボエ協奏
曲は、米軍の軍曹で後のフィラデルフィア 管の名手、ジョン・デ・ランシーが
直接R.シュトラウスに作曲を促したことによって生み出された名曲ですが、こ
のレコーディングではR.シュトラウスか好 んだといわれる小編成のオーケスト
ラによっています。
OC-731 \1800
シューベルト:
幻想曲ハ長調「さすらい人」D.760
幻想曲ハ長調「グラーツ幻想曲」D.605A
3つの小品(即興曲)D.946
ヒュッテンブレンナーの主題による13の変奏曲イ短調 D.576
ミヒャエル・エンドレス(p)
まるでソナタと呼んでも差し支えないほど堅固な形式で書きあげられているの
に、あまりにも自由な楽想が飛来する「さすらい人幻想曲」を、こんなにも鮮
やかに切り込んだ演奏で聴かせてくれるピアニストが他にいたでしょうか?
揺るぎなきテクニックに裏打ちされた、溢れるような音の粒。青年の狂おしい
胸の内。これらが混然一体となった見事な演奏です。確かに過去にもこの曲の
名演はいくつも存在しますが、そろそろここで新感覚のシューベルトを聴くの
も悪くないでしょう。その上、このアルバムを作るにあたり、エンドレスはあ
まり聴く機会のない作品を準備したようです。とりわけ「グラーツの幻想曲」
は、昨年のLFJ(ラ・フォル・ジュルネ)で演奏されマニアの間で話題を呼んだ作
品。1968年に発見された曲で、シューベルトの真作かどうかははっきりしてい
ませんが、こんなにも豊かなメロディーを備えた曲が書ける人が他にいたのだ
としたら、その人も間違いない天才と呼んでもいいでしょう。
OC-922 \1980
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー:「レクィエム」
ヨーゼフ・ハイドン:「テ・デウム」
ゲルト・グクルヘーア(指揮)
ミュンヘン・ノイエ・ホーフカペレ
(ミュンヘン新王宮カペレ:オリジナル楽器使用)
ミュンヘン・オルフェウス合唱団
ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー(1749-1814)は、マンハイム楽派で最も重要
なひとり。神学者、聖職者、オルガニストでもあったフォーグラーは、ヨーロ
ッパの聖歌を研究するために、スウェーデン、ギリシャ、北アフリカまで旅行
をし、彼の音楽には古典派のちにロマン派への新しい理論(声と器楽 の進歩的
絵画的調和)を打ち立て、彼独自の作品を発表していきました。また、マイアー
ベアとウェーバーの音楽教師でもありました。彼の作風は、後期バロック-初期
古典派のものとはかけ離れ、すでにベートーヴェン-メンデルスゾーン頃の作品
と同じように激しく絵画的で先進的であることは間違いありませんが、モーツァ
ルトとの対立により、歴史的に不当な評価を受けてしまい、現在では知られざ
る作曲家の一人となってしまっています。 1777年に作曲されたこの「レクィエ
ム」は、イタリア・オペラの手法を取り入れた作風であり、モーツァルトのレ
クィエムを彷彿させるものがあります。この録音では、ミュンヘン楽友協会合
唱団の約60人のメンバーからなる、1982年に設 立されたドイツで評価の高い
「ミュンヘン・オルフェウス合唱団」と、ミュンヘンの古楽器グループ「ミュ
ンヘン・ノイエ・ホーフカペレ」によって演奏されます。密度の高い合唱と、
ラインハルト・ゲーベルの弟子たちによる斬新な器楽アンサンブルによって、
この作品へ新た なる解釈に挑戦しています。世界初録音は、Arte Novaより
1999年に発売された、ケーゲルマン指揮によるものだった(大合唱とモダン楽
器による演奏:74321716632)。
OC-113 2枚組 \1650
エルネスト・ブロッホ:ヴァイオリンのための作品全集
1)ヴァイオリン・ソナタ第1番
2)ヴァイオリン・ソナタ第2番「神秘の詩」
3)無伴奏ヴァイオリン組曲第1番
4)無伴奏ヴァイオリン組曲第2番
5)「バール・シェム」
6)「ヘブライ組曲」
ラティカ・ホンダ・ローゼンベルク(Vn)
エイヴナー・アラッド(P)
1999年にArte Novaから発売され、その後Oehms Classicsより【OC255:廃盤】と
して発売されていたアルバムの再々発売となります。これらのブロッホの作品
を1つにまとめたアルバムは少なく、非常に評価の高い盤のひとつとなっていま
す。ラティカ・ホンダ・ローゼンベルクは日系ドイツ人で、1993年エリザベー
ト国際音楽コンクールで入賞し、1998年チャイコフスキー・コンクールで第2位
を受賞。現在では、フライブルグ音楽大学教授、ベルリン芸術大学客員教授を
務めています。【録音:1999年】
<deutsche harmonia mundi>
8869748394-2 \1800
Exit Baroque (バロック時代の入り口から出口までの室内楽作品集)
1)シュメルツァー:「チャコーナ(シャコンヌ)」
2)フランチェスコ・トゥリーニ:「ソナタ“Il Carsino”」
3)フランチェスコ・トゥリーニ:「ソナタ“El Tanto tempo hormai”」
4)アンドレア・チーマ:「ソナタ ニ短調」
5)G・A・パンドルフィ=メアリ:「ソナタ第1番」
6)タルクィニオ・メールラ:
「カンツォン“La Strada”」「カンツォン“Il Cattarina”」
7)マルチェロ:「チャコーナ(シャコンヌ)」
8)ヴィヴァルディ:「ソナタ集“忠実なる羊飼い”Op.13より第6番」
9)ジュゼッペ・サンマルティーニ:「ソナタ第4番」
10)アントニオ・ベルターリ:「チャコーナ(シャコンヌ)」
オーストリアン・バロック・カンパニー
オーストリアン・バロック・カンパニー(旧団体名:オーマン・コンソート)は、
2007年度ドイツ・レコード・グランプリを獲得するなど、いまヨーロッパ古楽
界で最も注目を浴びているアンサンブル(リーダーのミヒャエル・オーマンは、
ウィーン・フィルのヴォルフガング・シュルツの甥)。オーストリアの古楽演奏
の歴史は、初期の頃からアーノンクールが行っていたが、ウィーン演奏気質の
ためその演奏はなかなか受け入れられず、なかなか発展しづらい場所であった
ため、ウィーン・コンツェントゥス、ムジクス、ウィーン・アカデミー合奏団、
クレマンシック・コンソートくらいしか無いのが現状であったが、このアンサ
ンブルは初期バロックから初期古典派のレパートリーの、ウィーンでは画期的
な室内アンサンブルです。何が画期的かというと、その演奏様式は「イル・
ジャルディーノ・アルモニコ」のような、歌いこまれたメロディーとロックの
ような通奏低音によって生き生きとしており、初期バロックの複雑な旋律も、
心だけでなく私たちの体までも動かしてくれるのです。
このアルバムでは、オーストリア(ザルツブルクやウィーン)のバロック作曲家
と、彼らに影響を与えたイタリアの作曲家による作品を収録し、新たなバロッ
クの発見を楽しみましょう。
今後、いま話題のバロック・ソプラノ歌手、ヌリア・リアルとのヘンデルのア
リア集を発売予定。
8869752715-2 \1800
Kapsbergiana
(ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー作品集)
Los Otros 【ヒレ・パール(gamb)、リー・サンタナ(Lute)、スティーヴン・
プレイヤーズ(g&parc)】
Los Otrosの久々の新録音は、イタリアの初期バロック作曲家及びリュート奏者
であった、ジョヴァンニ・ジローラモ・カプスベルガー(1580-1651)の作品集で
す。多くのリュートやキタローネの作品を作曲しましたが、彼の先進的で独特
なリズムや旋律(転調や半音階進行)において、当時あまり評価は高くなかった
ようですが最近では、最もヴィルトゥジティが高く楽器への発展に貢献した革
新者として、 評価が高くなってきています。彼の作品のアルバムには、ポール
・オデット、ホプキンソン・スミス、ロルフ・リズルヴァン盤などがあり ます
が、この盤ではリー・サンタナのリュート&テオルボ、ヒレ・パールのガンバ、
S・プレーヤーズのバロック・ギターによって、当時の即興的な演奏のように
アンサンブルとしての演奏を聴かせてくれます。