クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

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11-03 No.17-2

2011年03月18日 18時10分20秒 | Weblog
<LABORIE>
LC 09 \2280
「ロマンチックなバラード」
ヨハン・ベンヤミン・グロス(1809-1848):作品集(全曲世界初録音)
(1)チェロ・ソナタ ロ短調 op.7
(2)薬屋の主人は恋がたき(詩:グルッペ)op.35-3
(3)フリードリッヒ・バルバロッサ(詩:リュッケルト)op.35-5
(4)バラード op.26-4
(5)愛のかなしみ(詩:ハイネ)op.35-4
(6)ヘブライの歌より(詩:バイロン)op.35-6
(7)チェロとピアノのためのセレナーデ ハ長調 op.32
(8)第3集より(詩:リュッケルト)op.35-1
(9)弦楽四重奏曲 ヘ短調 op.37-3
金子陽子(ピアノ/ウィーン製1838年頃のフォルテピアノ”グロス”)
ミヒャエル・ダーメン(バリトン)
クリストフ・コワン
(チェロ/1720年頃製アレッサンドロ・ガリアーノ製のチェロ)
モザイク弦楽四重奏団
(エーリヒ・ヘーバルト、アンドレア・ビショッフ、アニタ・ミッテラー、
クリストフ・コワン)
録音:2009年9月
チェリスト、そして作曲家として19世紀の重要な人物、ベンヤミン・グロスの
作品集。音楽史や事典で彼のことが扱われることはほとんどありませんが、43
の主にチェロのための作品(4つのチェロ協奏曲、ソナタ1曲ほか)、4つの弦楽
四重奏曲や何曲かの歌曲をのこしています。ベルリン、そしてライプツィヒで
チェロ奏者として活躍しながら、メンデルスゾーン、シューマン、クララ・
シューマンらと一緒にロマン派の渦の中心点にいました。クララ・シューマン
とは自作のソナタを共演したことがあるといいます。1848年に教師・チェロ奏
者として活躍したサンクト・ペテルブクルクの地でコレラにかかり客死しまし
た。作品はどれもロマン派ならではの抒情と情熱に満ちたもの。チェロ・ソナ
タ ロ短調ではコワンが渋く滋味あふれる音色で旋律をうたい、金子のピアノ
が熱く華麗にコワンの奏でる旋律を彩ります。歌曲でも、詩の魅力が存分に活
きた曲作りが見事。弦楽四重奏曲では濃厚メロディと熱を帯びた和声、ロマン
の魅力に溢れています。モザイク・クヮルテットの熟練のアンサンブルが光り
ます。

LC 12 \2280
(1)フェリシアン・ダヴィッド(1810-76):ピアノ三重奏曲第1番 変ホ長調
(2)ヴュータン(1820-1881):夜(チェロとピアノのための)
ダヴィッド:(3)パンセ(ピアノのためメロディ・ワルツ)
(4)ラ・キャプリス(チェロとピアノのための)
(5)フィリップ・ムザール(1792-1859):
ララ・ルークのワルツ(ダヴィッドのオペラ・コミックより)
(6)セバスティアン・リー(1805-1887):エルキュラヌムの思い出
ダヴィッド:(7)不在(ピアノのための無言歌)
(8)弦楽四重奏曲第3番 ニ短調
(9)思い出(チェロとピアノのためのメロディ)
クリストフ・コワン(チェロ)
モザイク弦楽四重奏団
(エーリヒ・ヘーバルト、アンドレア・ビショッフ、アニタ・ミッテラー、
クリストフ・コワン)
アンサンブル・バロック・ドゥ・リモージュ
【ジャン=ジャック・ドゥーンキ(エラール・ピアノ/(1)(2)(3)(5)(7)、
ピアニーノ/(4)(6)(9)&アンドレ・ガベッタ(Vn)、
クリストフ・コワン(チェロ)】
録音:2010年5月&10月
フェリシアン・ダヴィッド(1810-76)は、サン=シモン主義(19世紀前後)の運
動に深くかかわり、産業階級と女性の地位向上に努めた人物として知られてい
ます。ダヴィッドの作品というと、サザーランドによる歌曲録音や、いくつか
のコロラトゥーラ・ソプラノのアリアなどの声楽作品が比較的知られているで
しょう。音楽史家たちはダヴィッドのことを語るときに、ベルリオーズの名前
をしばしば出します。この二人はお互いの作品のことは知っていましたし、ベ
ルリオーズはダヴィッドの作品についての文章を残しその魅力についても認め
ていましたが、彼らは直接の知り合いではありませんでした。ダヴィッドは中
東に渡ったことがあり、そこで出会った独特の打楽器に魅了されたといいます。
ここに収められているような比較的小編成の作品も多く残しています。同時に
収められているのはすべてダヴィッドと同時代のフランスで活躍した作曲家た
ちによるもので、当時のフランスの薫りに満ちた1枚となっています。珍しい
作品、そして珍しいピアニーノの楽器の音色をご堪能下さい。




<Alba>
ABCD 317 \1980
サクソフォーン・ロマンス
ユーリウス・ヤコブセン:ワルツ・スケルツァンド
デューク・エリントン/ビリー・ストレイホーン:スタークロスト・ラヴァーズ
ジョージ・ド・ゴジンスキー:ロマンティックな小品
リッカルド・ドリゴ:ブリエッタ・ワルツ
ビリー・ストレイホーン:チェルシー・ブリッジ
アーサー・ボーンシャイン:抒情的な幻影
ギュンター・バハナー:ヘカトン
デューク・エリントン:プレリュード・トゥ・ア・キス
エルンスト・フィッシャー:夕陽の微かな光のなかに
グスタフ・リントナー:ヴァルス・カプリース
デューク・エリントン/ジョン・ハール、ジョン・レネハン編:
サルトリー・サンセット
オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(Sax) トゥオミサロのオーケストラ
オッリ=ペッカ・トゥオミサロ(1970-)は、シベリウス・アカデミーのペッカ
・サヴィヨキに下で学び、現在、アカデミーの博士課程で研究をつづけながら、
サクソフォーン奏者として国内外で積極的な演奏活動を行っています。現代
フィンランドの作品を集めた「アベニュー」(ABCD275)につづく、このアルバ
ム「サクソフォーン・ロマンス」では、一転、親しみやすい音楽を中心とする
プログラムを演奏しています。
デューク・エリントンの「スタークロスト・ラヴァーズ」、「プレリュード・
トゥ・ア・キス」、「サルトリー・サンセット」を収録。デューク・エリント
ンらしい上品かつ官能的な少しけだるい美しいメロディー満載の名曲です。
「スタークロスト・ラヴァーズ」は村上春樹の小説「国境の南、太陽の西」に
も登場する曲で、“幸薄き恋人たち”というタイトル通り寂しく悲しい曲で
サックスの甘く切ない音色にピッタリの作品です。
トゥオミサロのオーケストラに参加するのはフィンランド音楽界のフロンティ
アで活躍するプレーヤーたち。エリントンの曲では、ピアノのリスト=マッ
ティ・マリン、ベースのヴェサ・オヤニエミ、ドラムズのミッコ・アルリンの
トリオが、トゥオミサロと一緒にスウィングします。

ABCD 318(SACD-Hybrid) \1980
ジャン=フィリップ・ラモー:コンセール・クラヴサン曲集(1741)
コンセール第1番、コンセール第2番、コンセール第3番、コンセール第4番、
コンセール第5番
アーポ・ハッキネン(ハープシコード) ペトリ・タピオ・マトソン(Vn) 
ミッコ・ペルコラ(Gamb)
バロック期のフランス、もっとも高雅な音楽を書いたひとり、ジャン=フィ
リップ・ラモーが残した唯一の室内楽作品、5組のコンセールからなる「アン
サンブルのための」クラヴサン曲集。1741年に出版されたこの曲集は、彼が舞
台のための音楽を手がける以前に作曲した《クラヴサン曲集》3巻や《新クラ
ヴサン曲集》を「懐かしい想いとともに振りかえるような」(シルヴィ・ブイッ
スー)趣をもち、オペラの作曲を重ねながら到達した円熟したスタイルを反映
する作品群とみなされています。イタリアのトリオソナタと異なりハープシ
コードがソロ楽器として魅力をいっぱいに振りまく「コンセール」の音楽。
この新しい録音でハープシコードを弾くのは、アーポ・ハッキネン(1976-)
です。ヴァイオリンのペトリ・タピオ・マトソンは、フィンランド・バロッ
ク管弦楽団コンサートマスター(1999-2006)を経て、2009年2月からバロック
アンサンブル、オーパスX Opus X の芸術監督。ヴィオラダガンバを弾くミッ
コ・ペルコラは、シベリウス・アカデミーとハーグの王立音楽院で学んだ後、
異なる分野のアーティストと積極的な創作活動を行っています。今日のフィ
ンランドでもっとも才能のあるバロック音楽家の集まったアンサンブルです。




<harmonia mundi>
HMU 807556(SACD-Hybrid) \2500
SOUND THE BELLS!
アメリカのブラス音楽新録音集
ジョン・T・ウィリアムズ(b.1932):
サウンド・ザ・ベルズ!(1993)/祝典のためのファンファーレ(1980)/
マストを上げろ!(1992)
マイケル・ティルソン・トーマス(b.1944):ストリート・ソング(1988/1996)
モートン・ローリゼン(b.1943):ブラス六重奏のためのファンファーレ/
おお何たる神秘(1994/2001)
ブルース・ブロートン(b.1945):
ファンファーレ、マーチ、賛歌&フィナーレ(2002)
ケヴィン・プッツ(b.1972):ブラスのためのエレジー(2009)
スコット・ヘルツィク(b.1962):スパイラルズ(2005)
【ザ・ベイ・ブラス】
トランペット/デイヴィッド・バークハルト、ジェームス・ドゥーリー、
グレン・フィッシュタール、ラルフ・ワーグナー
ホルン/ジョナサン・リング、ブルース・ロバーツ、ロバート・ワード、
キンバリー・ライト
トロンボーン:ジェフリー・ブディン、ジョン・エンゲルク、
マーク・ローレンス、ポール・ウェルカマー
チューバ:ペーター・ワールハフティヒ
客演/トランペット:ジェフ・ビアンカラーナ、ケール・カミングス、
マーク・イノウエ、ジョン・キング
ホルン:クリス・クーパー、ダグ・ハル、ジェシカ・ヴァレリ
打楽器:ヴィクター・アヴディエンコ、レイモンド・フレーリッヒ、
トム・ヘンプヒル、デイヴィッド・ヘルベルト、
アルトゥール・ストーチ、ジェームズ・ウィアット
ハープ:ダグ・リオット
ピアノ:マーク・シャピロ
録音:2004、2007、2009年
ハルモニアムンディから珍しい、ブラスものの登場です。ザ・ベイ・ブラスは
サンフランシスコ交響楽団、同バレエ団、同歌劇場などで活躍する奏者たちに
よって結成されたグループ。密度のつまった音色、どこまでもまろやかな音色
が持ち味の彼らの演奏で、アメリカ発、パワーと美しさに満ちた新曲を楽しむ
1枚。録音も素晴しく、オーディオ的にも非常にたのしめます。ティルソン・
トーマスの作品が収録されているのも見逃せません。




<COVIELLO>
COV 61009(SACD-Hybrid) \2350
カローラ・バウクホルト(b.1959):Hellhoerig-耳をすませば
6の演奏家(グループ)による「ノイズ・シンフォニー」
エリック・オーナ(音楽監督)
シルヴィア・ノッパー(S)、トゥルイケ・ファン・デア・ペール(Ms)、
マティアス・ホルン(Br)、ヘレネ・ブガッロ(Pf)、
ケルン打楽器四重奏団、ブル・チェロ三重奏団
録音:2009年1月12-14日
自然界や文明界からの様々な音を楽譜に記し、人の声や楽器の音などで再現し
た作品。作曲したバウクホルトは1959年生まれ、カーゲルに師事した女性作曲
家。舞台で演奏・上演するための作品を創作活動の中心に据えています。この
「耳をすませば」も舞台上演を念頭においた作品で、歌手たちはアシカやヤギ
の鳴き声、エスキモー犬の鳴き声などを模倣します。




<TAHRA>
TAH 716 3枚組 \4600
マーラー:
(1)交響曲第1番「巨人」
(2)交響曲第5番
(3)交響曲第7番「夜の歌」
ヘルマン・シェルヘン(指)
(1)ロイヤル・フィルハーモニックO(1954年9月)
(2)(3)ウィーン国立歌劇場O(1953年7月)
ヘルマン・シェルヘン(1891年6月21日- 1966年6月12日)は生涯を通じて彼の同
時代の音楽(シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン、ノーノ、クセナキス、
シュトックハウゼン等々)を積極的に紹介し続けましたが、バッハ、ベートー
ヴェンの他にはとりわけマーラーに情熱を注ぎました。
1914年2月にベルリンで第5を指揮したのを皮切りに最晩年の1966年5月にブレ
ーメンでやはり5番を振り、その一月後に亡くなっています。
生涯の演奏回数:
I(4),II(2),III(13),IV(2),V(22),VI(3),VII(6),VIII(10),IX(17),
X~adagio(10),大地(3),若人(5),亡き子(7).
注目すべきは最も演奏回数の多い5番で当録音、ミラノRAI(1962)、フィラデル
フィア(1964 TAH422廃盤)、仏国立(1965 HMA1955179廃盤)の4回の録音があり
ますが当録音以外はすべて第3,5楽章にカットがあり60分以下の演奏時間です。
カットのないこの演奏はアダージェットが8’58”という快速演奏に対しフィ
ラデルフィア盤は15’12”という史上最長の演奏時間を記録しております。
録音は3曲とも非常に明快!マーラー年を記念する貴重なセットの発売を共ど
もに喜びあいましょう。




<col legno>
WWE 20295 \2380
エドガー・ヴァレーズ(1883-1965):
(1)13人の奏者による打楽器アンサンブルのためのイオニザシオン(6'59)
(2)ソプラノと室内オーケストラのためのオフランド(捧げもの)
(3)9つの木管楽器と打楽器奏者たちのためのハイパープリズム
(4)11の木管楽器と8人の打楽器奏者のためのインテグラル
(5)バス、8つの金管楽器、ピアノ、オルガン、2つのオンド・マルトノと6人の
打楽器奏者のためのエクアトリアル
(6)オーケストラのためのアメリカ
(7)13人の奏者による打楽器アンサンブルのためのイオニザシオン(7'03)
(1)マルティン・グルビンガー(指、Perc)
パーカッシヴ・プラネット・アンサンブル
(2)ジュリー・モファ(Sp)
(2)(3)(4)(5)(7)フランソワ=クサヴィエ・ロート(指)
アンサンブル・モデルン
(5)オットー・カッツァマイアー(Bs)ジャック・チャムケルテン、
トーマス・ブロッホ(ondes Martnenot)
(6)ベルトラン・ド・ビリー(指)ウィーンORF放響
2009年のザルツブルク音楽祭でヴァレーズに捧げられた「コンティネント(大
陸)」シリーズより。
20世紀の音楽には、ふるくはストラヴィンスキーの「兵士の物語」やバルトー
クの「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」をはじめ、ミヨーの「打楽器と
小管弦楽のための協奏曲」、メキシコの音楽家チャベスの「打楽器のための
トッカータ」など、多くの打楽器効果の発揮を考えた作品があるが、ヴァレー
ズの曲は、それよりも徹底的で、むしろ一種の生命主義(ヴァイタリズム)的な
根源から出てきているところに特色がある。(吉田秀和)

WWE 20296 \2380
ヴォルフガング・ミッテラー:
”Stop Playing”-リミックスされた3つのパイプ・オルガン独奏
ヴォルフガング・ミッテラー(org,remixed)
リエンツ、聖アンドレエ教会 アンドレアス・プッツ・オルガン、ウィーン、
聖シュテファン大聖堂 リーガー・オルガン、ケフラッハ、ピーバー教会 
ヴァルター・フォンバンク・オルガン使用。




<naive>
V 5221 \2280
ロッシーニ:アリア集
「湖上の美女」-たくさんの気持ちが
「ウィリアム・テル」-暗い森
「セミラーミデ」-美しい光が
「オテッロ」-柳の根本に腰を下ろし
「チェネレントラ」序曲,悲しみと涙のうちに生まれ
「コリントの包囲」-宿命の時が近づいた
ユリア・レージネヴァ(Ms)
マルク・ミンコフスキ(指)シンフォニア・ヴァルソヴィア
2010年1月、ワルシャワ
今若手のオペラ歌手でもとりわけ注目されている一人がユリア・レージネヴァ。
1989年、ロシアはサハリンのユジノサハリンスク生まれ、つまりはまだ20代は
じめ。2007年、エレナ・オブラスツォワ国際声楽コンクールにおいて優勝して
一躍注目を浴び、翌2008年8月には、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル
の開幕演奏会のオール・ロッシーニ・コンサートで、アルベルト・ゼッダ指揮
のもと、ファン・ディエゴ・フローレスと共演。またバロック音楽でも活躍し
ており、naiveからは既にヴィヴァルディの「離宮のオットーネ」(OP 30493)
とバッハのミサ曲 ロ短調(V 5145)に参加しています。
そのレージネヴァ、録音時まだ20歳そこそことは思えないほどの実力。高難易
度のロッシーニの音楽、ことに込み入った装飾歌唱を、いとも簡単にサラサラ
と歌い切ってしまう力量には、空恐ろしさを感じてしまうほど。まさにロッシ
ーニにピタリの歌手です。
マルク・ミンコフスキは、バッハのミサ曲でレージネヴァの実力を高く評価し、
今回のアリア集を全面バックアップすることになりました。今回は、ミンコフ
スキのルーツであるポーランドのオーケストラ、シンフォニア・ヴァルソヴィ
ア(ラ・フォル・ジュルネでおなじみ)を指揮しているのも注目です。
ちなみに、Minkowskiはポーランド近辺に由来する姓。フランスにおいては明
らかに異国からもたらされた名前として認知されており、そのため、フランス
の音楽関係者もフランスの放送もすべて「ミンコフスキ」と発音、もちろんご
本人もミンコフスキと名乗っています。日本では時々『本当はマンコフスキと
発音する』と言われたりしますが、それはあくまで冗談、問題なく『ミンコフ
スキ』が正しい発音です。
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