クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

11-02 No.4

2011年02月04日 14時28分20秒 | Weblog
<LPO>
LPO-0052 2枚組(1枚価格) \2100
マーラー(1860-1911):交響曲 第8番 変ホ長調
ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)
ジェーン・イーグレン(ソプラノ)
スーザン・ブロック(ソプラノ)
トゥルデリーゼ・シュミット(メゾ・ソプラノ)
ヤドヴィガ・ラッペ(メゾ・ソプラノ)
ケネス・リーゲル(テノール)
アイケ・ヴィルム・シュルテ(バリトン)
ハンス・ゾーティン(バス)
ロンドン・フィルハーモニー合唱団
ロンドン交響楽団合唱団
イートン・カレッジ少年合唱団
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
クラウス・テンシュテット(指揮)
録音 1991年1月27日
ロンドン・フェスティヴァル・ホール
マスタリング・エンジニア:アンドリュー・ラング
テンシュテットのこの演奏は、すでにレーザー・ディスク&DVDとして発売され
ているものです。あちらは、BBCテレビのスタッフによる編集であり、1月27日、
28日収録とされていて、あくまでも「テレビ放送用」として編纂されたもので
すが、こちらは1月27日のオリジナルテープをリマスターしたものになります。
DVDを確認したところ、恐らく27日の演奏(このCDに収録されているもの)がベー
スとなっており、演奏上本CDと大きな違いは認められませんが、音質などは格
段に良くなっています(音場の広がり、奥行き、そして粒立ちの違いははっきり
とわかります)。第1部での異様なほどの高揚感、一転、第2部では雄大な音楽が
展開されます。テンシュテットの求めるテンポがあまりにも悠々し過ぎている
ためか、時に歌手たちがフライング気味になってしまうのは御愛嬌。満身創痍
となりながらも最後の「神秘の合唱」へと辿りつく様はまさに神々しいの一言
に尽きるでしょう。
20世紀の終焉、そして希望を示唆するような感動的な演奏です。




<ECM>
4763827 \2180
ツェートマイヤー&キリウス/マント・アンド・マドリガルズ
1.ライナー・キリウス:オ・ミン・フラスカン・フリオラ
2.ジャチント・シェルシ:マント
3.ハインツ・ホリガー:3つのスケッチ
4.バルトーク:2台のヴァイオリンのための二重奏曲
5.スカルコッタス:ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
6.ピーター・マックスウェル・デイヴィス:ミッドハウス・エア
7.マルティヌー:3つのマドリガル
8.ヨハンネス・ニード:ツガベ
トーマス・ツェートマイヤー(ヴァイオリン) 
ルース・キリウス(ヴィオラ)
録音:2009年6月29-30日 DRSラジオスタジオ、チューリヒ
公私共にパートナーであるツェートマイヤーとキリウスの天才夫妻デュオに
よる多彩な現代音楽旅行アルバム。マンハイムで行われたECM40周年記念フェ
スティヴァルにおいて、彼らが披露した多彩なレパートリーの中核を選りす
ぐったラインナップで、評論筋からも高い評価を得た折り紙つきの1枚です。
シェルシの神秘的な《マント》、バルトークの初期傑作の一つとして名高い
《2台のヴァイオリンのための二重奏曲》、シェーンベルクの弟子であるギリ
シア人作曲家スカルコッタス、マルティヌーの遊び心に満ちた《3つのマドリ
ガル》、そしてハインツ・ホリガーがツェートマイヤーとキリウスに捧げた
《3つのスケッチ》など、現代音楽ファン必聴の聴きどころが満載です!

4764215 \2180
トリオ・メディーヴァル/ウースターの聖母ミサ
1.サルヴェ・サンクタ・パーレンス/2.キリエ/3.グローリア
4.ムンダ・マリア/5.スポンサ・レクトリス・オムニウム
6.オ・スポンサ・デイ・エレクタ/7.オ・マリア・ヴィルゴ・ピア
8 べネディクタ/9.クレド/10.フェリックス・ナムク
11.サルヴェ・ローザ・フローラム/12.グラータ・ユヴェンクラ
13.インヴィオラータ・インテグラ・マター
14.デ・スーペルニス・セディバス/15.ダルシフラ・ツア・メモリア
16.サンクトゥス/17.アニュス・デイ/18.ベアータ・ヴィスセラ
19.アルマ・デイ・ゲニ トリックス/20.べネディカムス・ドミノ
トリオ・メディーヴァル
録音:2010年2月3-5日 ザンクト・ゲロルト修道院、オーストリア
1997年にオスロで結成された女声アカペラ・グループ、トリオ・メディイー
ヴァルは、その澄みきった幻想的なハーモニーで多くの人々を魅了し続けて
おり。 古くからノルウェーに伝わるバラードから現代曲に至るまで、幅広い
レパートリーを驚くべき歌唱力で歌い上げます。当盤には、昨年12月に行わ
れた待望の来日公演でも好評を博した《ウースターの聖母ミサ》を収録。
ノルマン・コンクエストによる教会再編を免れたイングランド・ウースター
のベネディクト修道院に13世紀から伝わる聖母讃歌のほか、グレゴリオ聖歌
やギャビン・ブライヤーズなども自由に織り交ぜた、精妙で美しい祈りの調
べをお届けします。




<MD+G>
30716832 \2080
ハイドン:弦楽四重奏曲集Vol.3
1.弦楽四重奏曲第78番変ロ長調Op.76-4《日の出》
2. 同 第77番ハ長調Op.76-3《皇帝》
3. 同 第76番ニ短調Op.76-2《五度》
ライプツィヒ弦楽四重奏団
録音:2009年11月4-6日 マリエンミュンスター修道院
世界最古のシンフォニー・オーケストラである名門ライプツィヒ・ゲヴァン
トハウス管弦楽団の首席奏者たちが1988年に結成した当団は、55人の作曲家
による約200曲をレパートリーに持ち、録音も30枚以上残している名門中の名
門です。んな彼らが満を持して挑むハイドン全集の第2弾が待望のリリースと
なります。収録曲は、1797年にエルデーディ伯爵の依頼で作られ、同伯爵に
献呈されたため「エルデーディ四重奏曲」と呼ばれている6曲から選りすぐっ
た3曲。ハイドンの弦楽四重奏曲の中でも最もよく演奏される3曲を正統派の
名演でご堪能ください。

34216852 \2080
ウィーン・ピアノ・トリオ・ライヴ!
1.ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調Op.11《街の歌》
2.ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調
3.シューマン:ピアノ三重奏曲第1番ニ短調Op.63
ウィーン・ピアノ・トリオ
録音:2010年8月29日 マリエンミュンスター修道院
約20年間に渡って世界第一級のピアノ・トリオとして活躍するウィーン・ピ
アノ・トリオ。多彩なレパートリーを誇る彼らが、2010年8月に行って高い評
価を得たライヴをお届けします。ピアノ・トリオの金字塔として名高い3曲を、
持ち前の優美で隅々までよく練り上げられた名演でどうぞ!

94716816(SACD-Hybrid) \2950
シューマン:ピアノ作品集
1.幻想曲ハ長調Op.17
2.ピアノ・ソナタ第1番嬰ヘ短調
ジン・ジュ(ピアノ)
録音:2010年8月25-26日 マリエンミュンスター修道院
チャイコフスキー国際、エリザベート王妃国際など、世界の名だたるコンクー
ルで活躍し、中国期待の若手女流ピアニストとして活躍の幅を広げているジ
ン・ジュ。、《クライスレリアーナ》等と並び、彼のロマン主義志向が顕著
に現れた初期傑作の一つ《幻想曲》とシューマンが初めてソナタ形式の大作
に挑んだ《ソナタ第1番》をカップリングして、両作品の作風にふさわしい
若々しく充実した名演を繰り広げています。

90116336(SACD-Hybrid) \2950
シューベルト:劇付随音楽《ロザムンデ》D.797
セレーナ・マルフィ(アルト)
シュヴァイツァー室内合唱団
ムジークコレギウム・ヴィンタートゥーア
指揮:ダグラス・ボイド
録音:2010年10月5-8日 
ヴィンタートゥーア
イギリスのグラスゴー出身で、ヨーロッパ室内管の設立メンバーの一人とし
て2002年まで首席オーボエ奏者を務めていたが、現在は指揮者として活躍す
る若き名匠ダグラス・ボイド。マンチェスター・カメラータの音楽監督とし
て、同団をイギリスで最も優良なオーケストラの一つに育て上げた手腕を評
価され、2009-10シーズンより、スイスのヴィンタートゥーア・ムジークコレ
ギウムの首席指揮者に就任しました。当盤に収録されたシューベルト《ロザ
ムンデ》でも、その明快で活気に満ち溢れた音楽性を存分に活かし、強い金
管の出だしも、叙情的な弦楽パートも、情感豊かに歌い上げています。

324872 \2080
ルイ=フランソワ・ドープラ:ホルンのための大六重奏曲
デトモルト・ホルニステン
録音:1982年 マルティン・ルター教会、デトモルト
ルイ=フランソワ・ドープラ(1781-1868)は、パリ生まれのフランスの名ホルン
奏者で、ホルン音楽の作曲家。パリ・コンセルヴァトワールの教師も務めた
当時のホルンの権威で、数多くの演奏家や、ガレなど優秀な作曲家を指導し
たことでも知られています。そのドープラの最も有名な作品にあたるのが、
この《大六重奏曲》。ドイツを代表するホルン・アンサンブル、デトモルダ
ー・ホルニステンによる優雅なロココ調のサウンドをたっぷりお楽しみくだ
さい。




<FONE>
FONE 34LP \5180
結成60周年を記念した珠玉のアナログ盤
200g 33回転 日本プレス 重量盤LP
イ・ムジチ合奏団/ペルゴレージ時代のコンチェルト&フォリー集
SIDE‐A
1.ジェミニアーニ:合奏協奏曲第12番ニ短調《ラ・フォリア》
2.ペルゴレージ:
ヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲変ロ長調 -第1楽章
SIDE‐B
1.ペルゴレージ:
ヴァイオリンと通奏低音のための協奏曲変ロ長調 -第2&3楽章
2.ヴィヴァルディ:
ヴァイオリン協奏曲ニ長調RV.208《グロッソ・モグール》
イ・ムジチ合奏団
録音:2009年8月12-14日 カプラローラ
1952年にローマ聖チェチーリア音楽院の卒業生12名が集まって結成した名門
イ・ムジチ合奏団が、2012年に結成60周年を迎えるのを記念して制作した珠玉
のアナログ盤。ジェミニアーニ、ペルゴレージ、ヴィヴァルディという、彼ら
の中核レパートリーをなす作曲家たちの傑作を集めて、イ・ムジチ特有のよく
歌い流れる しかも精緻にして正攻法の名演を聴かせてくれます。

FONE 073GD(ゴールドCD) \2950
FONE 71(通常CD) \2080
1.ピアソラ:3つの前奏曲
2.ツィポーリ:トッカータ
3.ヒナステラ:ピアノ・ソナタ第1番Op.22
4.スクリャービン:左手のための夜想曲Op.9-2
5.ラフマニノフ:非歌Op.3‐1
6. 同:3つの前奏曲(Op.3‐2/Op.23‐6/Op.23‐5)
7.アルベニス:グラナダOp.47‐1
スザンヌ・ウッソン(ピアノ)
当レーベルを代表するピアニストだったスザンヌ・ウッソンの復帰を祝う超
絶技巧名曲集。ヴォルテッラの歴史的なペルシオ・フランコ劇場のすばらし
い音響とも相まって、華麗な名演がたっぷり楽しめます。ゴールドCDと、シ
ニョリッチCDの2タイトルでのリリースです。

FONE 72 \2080
1.シマノフスキ:ヴァイオリン・ソナタ ニ短調Op. 9
2.クライスラー:フランクールのスタイルによるシチリアーノとリゴードン
3.プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番ヘ短調Op.80
4.パガニーニ(クライスラー編):ラ・カンパネッラ
モーカン・ラザレヴィッチ(ヴァイオリン)
スザンヌ・ウッソン(ピアノ)
優美な音色が魅力のヴァイオリニスト・ラザレヴィッチと 超絶技巧ピアニ
スト・ウッソンの名コンビによる、シマノフスキをはじめとしたヴァイオリ
ン名曲集です。(Signoricci CD)




<Kleos>
KL 5155 \2080
チャールズ・シュリューター/ステートメンツ
1.ルース・ロモン:オデッセイ
2.コープランド:静かな都会
3.ヴィンセント・パーシケッティ:不誠実な人々
4.ノーマン・ボルター:オン・ザ・カスプ
5.アラン・ホヴァネス:聖グレゴリーの祈り
6.リチャード・ピースリー:ナイト・ソングズ
7.アルベルト・ティベリオ:ステートメンツ
チャールズ・シュリューター(トランペット)
バークシャー室内管弦楽団 
指揮:ローランド・フェルドマン(1-3、5-7) 
フリークエンシー・バンド 
指揮:ノーマン・ボルター(4)
録音:2010年8月6-8日 
トンプソン・メモリアル・チャペ
マサチューセッツ州ウィリアムズタウン(1-3、5-7)
2004年6月1日 ニューイングランド音楽院・ジョーダン・ホール、
ボストン(4)
名門ボストン交響楽団の首席トランペット奏者として長年に渡って活躍し、
先年惜しまれつつ引退したチャールズ・シュリューターの注目のソロ盤。
20世紀生まれの7人のアメリカ人作曲家の傑作を一堂に集め、今なお衰えぬ
パワフルかつ洗練された妙技を聴かせてくれます。今回が世界初録音となる
《オデッセイ》《オン・ザ・カスプ》《ステートメンツ》、とりわけ作曲者
が伴奏指揮を務めた《オン・ザ・カスプ》は要注目です。

KL 5156 \2080
ジョン・アレイ/オータム
1.ジョン・スティーヴンス:トランペットとピアノのためのソナタ
2.アンリ・セニー:コンチェルティーノ
3.エリック・エヴァゼン:…トゥ・キャスト・ア・シャドウ・アゲイン
4.ジョン・スティーヴンス:
金管五重奏のための交響曲《季節》(フリューゲルホルン&ピアノ版)
5.ジェイムズ・スティーヴンソンIII世:
トランペットとピアノのためのソナタ"
ジョン・アレイ(トランペット) マルタ・フィッシャー(ピアノ)
ポール・ロウ(バリトン)
録音:2009年 ウィスコンシン大学マディソン校・ミルズ・コンサートホール
1985年からウィスコンシン大学マディソン校でテューバとユーフォニアムの
教授を務めるジョン・アレイ。教師、オーケストラ、室内楽、ソロ、ジャズ
等々、マルチな才能に恵まれ、作曲や編曲の分野でも活躍する彼の才能が遺
憾なく発揮された1枚です。




<Passacaille>
Passacaille 965 \2300
サティ:星たちの息子
アレクセイ・リュビモフ(ピアノ/ベヒシュタイン1899)
ネイガウスとナウモフの高弟で、古楽から現代音楽までを自在に弾きこなす
ロシアの奇才アレクセイ・リュビモフがパッサカイユ(Passacaille)レーベ
ルに初登場!
名工クリス・マーネが修復を担当したコレクション・フランク・アグステリ
ッベの"1899年製ベヒシュタイン"でリュビモフが弾いたのは・・・なんとサ
ティ!
録音:2009年9月、ベイローク音楽センター(ヘント)

Passacaille 959 \2300
テルツェッティ - シャリュモー、クラリネットとバセットホルンのための
音楽 ――
グラウプナー:序曲ハ長調
ドルシェツキー:
33のディヴェルティスマンより 第11番、第12番、第13番、第18番、第8番、
第16番
ジュスマイヤー(編曲者不詳):
歌劇《アルカディアの鏡》より アンダンテ・ソステヌート、アンダンテ、
アンダンテ・グラツィオーソ
ナウマン(編曲者不詳):歌劇《武装した女性》より 行進曲
ブルメンタール:6つの小品/モーツァルト:アレグロ
モーツァルト(編曲者不詳):
歌劇《フィガロの結婚》より 汝をあがめるものの望みに、恋とはどんなも
のかしら、もう飛ぶまいぞこの蝶々、歌劇《ドン・ジョヴァンニ》より
お手をどうぞ、恋人よさあこの薬で
クラリネットのご先祖様たち、シャリュモーやバセット・ホルンのサウンド
をアンサンブルでたっぷりと味わえる古楽ファン、クラリネット関係者要注
目のアルバム。
3本のシャリュモーのためのグラウプナーの「序曲ハ長調」、3本のバセット
・ホルンのためのドルシェツキーの「ディヴェルティスマン」といったオリ
ジナル作品から、チェコやオーストリアで発見されたジュスマイヤーやモー
ツァルトの音楽を編曲したアレンジ作品が並ぶプログラムはかなり魅力的!
アンドラーシ・トリオは、オランダの名門ハーグ王立音楽院で学んだ3人の
クラリネット奏者たちよって2005年に結成されたアンサンブル。シャリュモ
ーやバセット・ホルンなど、ピリオド楽器系クラリネットを専門とした古楽
界でも貴重な存在である。
録音:2008年11月6日-8日、アミューズ(アントワープ)

Passacaille 966 \2300
フレスコバルディ:リチェルカーレ集(1615)
リウウェ・タミンハ(オルガン)
イタリア、ボローニャの聖ペトロニオ教会でオルガニストを務めるリウウェ
・タミンハのマスケラ(Passacaille 951)、プッチーニ(Passacaille 952)
に続く3枚目のレコーディングは、イタリア・バロックの大鍵盤作曲家フレス
コバルディのリチェルカーレ集。
ボローニャの守護聖人、聖ペトロニオを祀った聖ペトロニオ教会の2台のヒス
トリカル・オルガン、ロレンツォ・ダ・プラト(1471-75)&ジョヴァンバ
ティスタ・ファケッティ(1531)とバルダッサーレ・マラミーニ(1596)の
サウンドをじっくりと。
録音:2010年2月、聖ペトロニオ教会(ボローニャ)




<Signum Classics>
SIGCD 220 \2180
ウォルトン:チェロ協奏曲(第4楽章=1975年改訂版/世界初録音)
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番変ホ長調Op.107
ウォルトン:チェロ協奏曲より 第4楽章(1956年原典版)
ジェイミー・ウォルトン(チェロ)、
アレクサンダー・ブリガー(指揮)、フィルハーモニア管弦楽団
シグナム・クラシックスが強力にバックアップしているブリティッシュ・チェ
リスト、ジェイミー・ウォルトン。エルガー&ミャスコフスキー(SIGCD 116)、
ブリテン&ショスタコーヴィチ(SIGCD 137)に続くコンチェルト・アルバムは、
ウォルトン&ショスタコーヴィチ!
ウォルトンでは、第4楽章に世界初録音となる1975年の改訂版を用いて完成形
の構築を目指すなど、イギリス音楽への探究心も特筆もの。高評価を得ている
ショスタコーヴィチも期待に違わぬハイ・パフォーマンス。
2009年12月22日-23日の録音。

SIGCD 225 \2180
マジェスティ・オヴ・ザ・グローリー ――
パーセル:テ・デウム ニ長調、アンセム《わが愛する者は語る》Z.28
エルガー:テ・デウム/ブリテン:キリストとありて喜べOp.30
ハウエルズ:テ・デウム《コレギウム・レガーレ》
テンプル教会聖歌隊、
テンプル・プレーヤーズ、グレッグ・モリス(オルガン)、
イアン・レ・グリース(オルガン)、ジェームズ・ヴィヴィアン(ディレクター)
12世紀後半に建立された英国国教会のロンドン・テンプル教会の聖歌隊が、パ
ーセルからハウエルズまでのイギリス音楽300年の歴史を歌う。
ジェームズ・ヴィヴィアンは、スティーヴン・レイトン体制時代には副オルガ
ニストを務め、現在はテンプル教会の音楽監督&オルガニストとして活躍中。
レイトンから受け継いだテンプル教会合唱団、合唱指導法が神聖なるハーモニ
ーを生み出す。2009年3月の録音。

SIGCD 221(SACD-Hybrid) 特価 \1450
タヴナー:トワーズ・サイレンス -
4つの弦楽四重奏とチベットのシンギングボウルのための(世界初録音)
メディチ弦楽四重奏団、フィンジ弦楽四重奏団、カヴァレり弦楽四重奏団、
フィフス・クアルダント
イギリスの神秘主義作曲家ジョン・タヴナー(1944-)の新作は、"4つの弦楽四重
奏+チベットのシンギングボウル"という異色の編成による不思議な音世界。
自らを正教徒であるとするタヴナーは、宗教的題材や、要素を取り入れた作品
を送り出しており、この「トワーズ・サイレンス」では"チベット"と"シンギン
グボウル"が作品から発せられるメッセージの鍵となっている。

SIGCD 233 \2180
ジーズ・ヴィジョンズ ――
メトカーフ:オン・ソング/レイノルズ:ヘッド・オヴ・ブラス
ペトリー:カムリの歌/タン:サム・オブ・ザ・サイレンス
ペインター:ルナ・シー/ボーデン:ジーズ・ヴィジョンズ
ロング:ハーヴェルスペンディング
ルナ・サクソフォン四重奏団
2002年に結成されたルナ・サクソフォン四重奏団、コンポーザー&パフォーマ
ーのコラボレーションを活動のテーマに掲げてきたイギリスの新しいサクソフォ
ン・クヮルテット。
すでに数十曲の委嘱作品の初演を行っており、ウェールズの若手作曲家たちの
作品を収録した"ジーズ・ヴィジョンズ"も、新作への熱意が完成させたアルバ
ムである。新作委嘱によるサクソフォン四重奏曲のレパートリー拡大が期待さ
れる。2010年7月&8月の録音。

SIGCD 232 \2180
シェパード:ソウル・レスツ・エターナル
キャロライン・デール(チェロ)、
スティーヴ・シドウェル(指揮)、イギリス室内管弦楽団、
マイク・スミス(打楽器)
ヨーロッパの出版社のマネージング・エディターとして、マイケル・ナイマン、
フィリップ・グラス、クレイグ・グラスらの作品に携わってきたフリーランス
の作曲家、マイク・シェパードの"祈りの音楽"。
イギリス室内管、スコティッシュ・アンサンブルの首席チェリスト、キャロラ
イン・デールが弾く祈りの旋律がヒーリングのように響く。
2010年8月2日-9日の録音。

SIGCD 223 \2180
イギリスのオルガン音楽 ――
ホワイトロック:ファンアーレ/ウォルフォード・デイヴィス:荘厳な旋律
スタンリー:ヴォランタリー/ウェズリー:コラール歌曲とフーガ
ブリッジ:アレグロ・グラツィオーソ/ハーウッド:ソナタ第1番嬰ハ短調
ハウエルズ:狂詩曲変ニ長調Op.17-1
ジャクソン:トッカータ、コラールとフーガOp.16
ジェームズ・ヴィヴィアン(オルガン)
約800年という長大な歴史と芸術性を誇るテンプル教会に設置されたハリソン
&ハリソン社1926年製のグランド・オルガンから、オルガンのためのイギリス
音楽が雄大なスケールで広がる。2009年9月の録音。

SIGCD 222 \2180
ナジ・ハキム・プレイズ・ナジ・ハキム ――
ハキム:オール・マイ・ファウンツ・シャル・ビー・ウィズ・ユー
アイ・ラヴ・ザ・カラフル・ワールド/サクスコビング前奏曲
グレナルモンド組曲/アーライキサラーム
ナジ・ハキム(オルガン)
レバノンのベイルートで生を受け、メシアンの後任としてパリのトリニテ教会
のオルガニストを務めるナジ・ハキム(1955-)の自作自演集。デンマーク放送
コンサート・ホールのファン・デン・フーヴェル製のオルガンでの演奏。
2009年8月の録音。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11-02 No.3

2011年02月04日 14時28分02秒 | Weblog
<helicon>
HEL 029625 12枚組 \8800
「ズービン・メータ&イスラエル・フィル / ライヴ・レコーディングス
1963-2006」
【収録内容】
[CD 1]
・モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲
 収録時期:1986年12月
・モーツァルト:
セレナード ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
 収録時期:2006年4月
・ロッシーニ:「絹のはしご」序曲
 収録時期:1977年1月
・ヴェルディ:「運命の力」序曲
 収録時期:1986年12月
・ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
 収録時期:1975年10月
・シューベルト:交響曲第8番ロ短調D.759「未完成」
 収録時期:1996年12月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD 2] 
・モーツァルト:3台のピアノのための協奏曲ヘ長調K.242「ロドロン」
 アリエ・ヴァルディ、イエフィム・ブロンフマン、ラドゥ・ルプー(P)
 収録時期:1987年1月
・リスト:ピアノ協奏曲第2番イ長調
 イエフィム・ブロンフマン(P)
 収録時期:1996年12月
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18
 アリシア・デ・ラローチャ(P)
 収録時期:1987年1月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD 3] 
・ヴィヴァルディ:2つのヴァイオリンのための協奏曲イ短調RV 522
 イツァーク・パールマン、ピンカス・ズッカーマン(Vn)
 収録時期:1996年12月
・モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調K.364
 ハイイーム・タウブ(Vn)、ダニエル・ベンヤミニ(Va)
 収録時期:1968年7月
・ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲イ短調Op.53
 イツァーク・パールマン(Vn)
 収録時期:1971年10月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム
(ライヴ・ステレオ / ドヴォルザークのみモノラル)
[CD 4] 
・ブラームス:アルト・ラプソディOp.53
 マルヤーナ・リポヴシェク(Ms) プラハ・フィルハーモニー合唱団
 収録時期:2000年7月
・ブラームス:運命の歌Op.54
 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団合唱団
 収録時期:1972年7月
・交響曲第2番ニ長調Op.73
 収録時期:1977年10月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
[CD 5] 
・ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77
 ピンカス・ズッカーマン(Vn)
 収録時期:1971年8月
 収録場所:オーストリア、ザルツブルク音楽祭(ライヴ)
・ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調Op.102
 アイザック・スターン(Vn)、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Vc)
 収録時期:1986年12月
 収録場所:テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
[CD 6] 
・R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」Op.28
 収録時期:1996年7月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
・ブルックナー:交響曲第9番ニ短調
 収録時期:1963年5月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・モノラル)
[CD 7] 
・エルガー:ヴァイオリン協奏曲ロ短調Op.61
 イェフディ・メニューイン(Vn)
 収録時期:1982年10月
・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番ト短調Op.63
 アイザック・スターン(Vn)
 収録時期:1975年10月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD 8] 
・サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番イ短調Op.33
 リン・ハレル(Vc)
 収録時期:1986年12月
・マーラー:リュッケルトの詩による5つの歌曲
 マルヤーナ・リポヴシェク(Ms)
 収録時期:1995年10月
・ベルク:「ヴォツェック」よりの3つの断章
 ステッラ・リッチモンド(S)
 収録時期:1972年3月
・エリック(エーリヒ)・ツァイスル(1905-1959):
ヘブライのレクィエム(詩篇第92番) 
-バリトン、ソプラノ、アルト、混声合唱と管弦楽のための
 シャロン・ロストルフ=ザミール(S)、ブラハ・コル(Ms)、
デイヴィッド・ビジック(Br)
 ザ・フィルハーモニア・シンガーズ
 収録時期:2006年4月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD9]
・ホルスト:組曲「惑星」Op.32
 テルアビブ・フィルハーモニー合唱団の女性メンバー
 収録時期:1986年7月
・ブロッホ:シェロモ(チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲)
 ミッシャ・マイスキー(Vc)
 収録時期:1990年11月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD10]
・ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集Op.72よりロ長調、ホ短調、ハ長調
 収録時期:1996年7月
・ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」
 収録時期:1997年7月
・シェーンベルク:浄められた夜Op.4(弦楽合奏版)
 収録時期:2006年4月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
[CD11]
・ヴェルディ:レクィエム
 マーティナ・アーロヨ(S)、シャーリー・ヴァーレット(Ms)、
 リチャード・タッカー(T)、ボナルド・ジャイオッティ(Bs)
 テルアビブ・フィルハーモニー合唱団
 ヨゼフ・フリートラント(合唱指揮)
 収録時期:1968年7月
 収録場所:ベツレヘム(ライヴ)
[CD12]
・ノアム・シェリフ(b.1935):祝典前奏曲
 収録時期:1996年12月
・ヨセフ・タール(1910-2008):交響曲第2番
 収録時期:1983年9月
・ツヴィ・アヴニ(b.1927):プログラム・ミュージック
 収録時期:1983年6-7月
・ヨーゼフ・カミンスキ(1903-1972):交響的序曲
 収録時期:1982年10月
・アヴナー・ドルマン(b.1975):スパイス、香水、毒素!
 PercaDu(マリンバ&パーカッション・デュオ)
 収録時期:2006年4月
 収録場所:すべてテルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ・ステレオ)
 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 
 ズービン・メータ(指揮)
巨匠メータと長年ゆかりの深いイスラエル・フィルが、1963年から2006年に
かけて40年以上に亘り、おもに地元テルアビブでおこなったライヴ演奏の数々
を収めた注目のセットがリリースされます。
メータがイスラエル・フィルと初共演を果たして間もない時期の1963年から、
終身音楽監督就任25周年記念を迎えた2006年に至る演奏はごく一部をのぞき、
ほとんどすべてステレオで収録されており、収録時期も比較的あたらしいも
のが多く、古いものもマスターの保存状態が良かったのか、遜色の無いすぐ
れた音質で残されていたのは朗報といえるでしょう。
なお、セットの最後を飾る12枚目に、イスラエルゆかりの作曲家たちを網羅
しているのも興味深いところです。ユダヤ人を理由にナチに退廃音楽家の烙
印を押され、亡命先のアメリカに渡ったのちにハリウッドで映画音楽を手が
けて名を上げたツァイスルの代表作(CD8)のほか、バーンスタインによるマ
ン・オーディトリアム落成公演の際に選ばれたシェリフの出世作、さらには
エキゾチックな雰囲気を漂わせた“パーカッション協奏曲”風のドルマンの
作品など、じつに多彩。イスラエル・フィルならではの比類なき共感に満ち
た音楽作りもあって価値ある内容となっています。

HEL 029614 12枚組 \8800
ステレオ
「イスラエル・フィル創立70周年記念ボックス」
[CD 1]
(1)メンデルスゾーン:序曲「静かな海と楽しい航海」
/ クレツキ(指)1954 年[EMI]
(2)モーツァルト:交響曲第41 番「ジュピター」
/ クリップス(指)1957 年[DECCA]
(3)シューベルト:交響曲第5 番 / ショルティ(指)1958 年[DECCA]
(4)マスネ:バレエ「ル・シッド」より4 曲
/ マルティノン(指)1958 年[DECCA]*
(5)スメタナ:「売られた花嫁」序曲 / ケルテス(指)1962 年[DECCA]
[CD 2]
(1)ヴェルディ:「椿姫」第1 幕への前奏曲 / メータ(指)1978 年[DECCA]
(2)ドヴォルザーク:交響曲第7 番ニ短調 / メータ(指)1972 年[DECCA]*
(3)バルトーク:管弦楽のための協奏曲 / メータ(指)1976 年[DECCA]*
[CD 3]
(1)ベートーヴェン:交響曲第4 番変ロ長調
/ クーベリック(指)1975 年[DG]
(2)メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
/ バーンスタイン(指)1979 年[DG]
(3)同:交響曲第4 番「イタリア」/ バーンスタイン(指)1978 年[DG]
[CD 4]
(1)チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」組曲
/ メータ(指)1979 年[DECCA]
(2)シューベルト:交響曲第9 番「ザ・グレイト」
/ メータ(指)1977 年[DECCA]*
[CD 5]
(1)マーラー:交響曲第4 番ト長調
/ ヘンドリックス(S)メータ(指)1979 年[DECCA]
(2)バーンスタイン:チチェスター詩篇 / バーンスタイン(指)1977 年[DG]
[CD 6]
(1)ウェーバー:「オベロン」序曲 / メータ(指)1978 年[DECCA]
(2)サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
/ ミンツ(Vn)メータ(指)1988 年[DG]
(3) R =コルサコフ:スペイン奇想曲 / メータ(指)1980 年[DECCA]*
(4)ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲・1919 年版
/ バーンスタイン(指)1984 年[DG]
(5)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
/ バーンスタイン(指)1989 年[DG]
[CD 7]
(1)グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調
/ カッチェン(P)ケルテス(指)1962 年[DECCA]
(2)ブラームス:ピアノ協奏曲第1 番ニ短調
/ ルービンシュタイン(P)メータ(指)[DECCA]
[CD 8]
(1)モーツァルト:「フィガロの結婚」序曲 / メータ(指)1986 年[★]
(2)同:ピアノ協奏曲第27 番 / バレンボイム(P & 指)1972 年[※]
(3)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5 番「皇帝」
/ ルプー(P)メータ(指)1979 年[DECCA]
[CD 9]
(1)ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
/ ベンヤミニ(Va)メータ(指)1975 年[DECCA]*
(2)ブロッホ:シェロモ
/ シュタルケル(Vc)メータ(指)1968 年[DECCA]*
(3)ベン=ハイム:ピアノと管弦楽のためのイスラエル奇想曲
/ザルツマン(P)ジュリーニ(指)1960 年[★]
[CD 10]
(1)ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」
/ スターン、ズッカーマン、ミンツ、パールマン(Vn)
メータ(指)1982 年[DG]
(2)モーツァルト:協奏交響曲変ホ長調KV.364
/ パールマン(Vn)ズッカーマン(Va)メータ(指)1982 年[DG]
[CD 11]
(1)チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
/ パールマン(Vn)メータ(指)1990 年[EMI]
(2)ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調
/ ズッカーマン(Vn)メータ(指)1989 年[★]
[CD 12]
(1)ベートーヴェン:「フィデリオ」序曲
/ マゼール(指)1962 年[DECCA]
(2)シューマン:交響曲第3 番変ホ長調「ライン」/ マズア(指)2003 年[★]
(3)同:交響曲第4 番ニ短調 / マズア(指)2003 年[★]
(4)スメタナ:交響詩「モルダウ」/ ケルテス(指)1962 年[DECCA]
(5)ハティクヴァ(イスラエル国歌)
/ フィルハーモニア・シンガーズ、メータ(指)2004 年11 月15 日[★]
★ イスラエル・フィル・アーカイヴ収蔵のライヴ音源
※ イスラエル放送アーカイヴのライヴ音源
* インターナショナルCD 初リリース
強力な弦楽セクションの魅力で今日世界有数のオケとして知られるイスラエル
・フィル。この3月にメータとともに行なった来日公演でも、血を感じさせる
濃く熱いマーラーを聴かせていました。その歴史は1948 年イスラエル共和国
建国を機に現在の名前に改称する以前、名ヴァイオリニスト、フーベルマン
によりパレスチナ交響楽団としてスタートした1936 年にまで遡ります。
当セットは2006年に創立70周年を迎えた当オケを記念して制作されたもの。
1954年録音クレツキのメンデルスゾーンにはじまり、2004年メータ指揮のイ
スラエル国歌で締め括られる、過去50年の記録。その内容は名実ともに世界
的オケに引き上げたメータを中心に、バーンスタインら巨匠たちと、デッカ、
ドイツ・グラモフォン、EMI に残した代表的な録音で構成されています。ご
自慢の弦の威力が活かされたメータのドヴォ7 など、このなかには世界発売
としては初めてとなる音源も数多く含まれています。
なかでもやはり注目は、ほとんどすべてが初出となるオケのアーカイヴから
のライヴ演奏の数々。バレンボイム弾き振りのモーツァルト、ズッカーマン
独奏のベートーヴェン、マズアのシューマンなど、ここに初めて聴く内容は
興味の尽きないものばかり。
さらに付属のブックレットには、95ページにわたり貴重なカラー写真と新聞
記事などの資料が満載。旗揚げ公演を指揮したトスカニーニをはじめ、楽壇
に登場した巨匠たちの写真を眺めるだけでも当セットを手にする喜びはひと
しお。また、アルバム一枚一枚には可能な限り初出時のオリジナル・ジャケ
ットのデザインをあしらって、このあたりもたいへん丁寧な作りとなってい
ます。オーケストラ自主制作のコレクターズ・アイテムにまたひとつ見逃せ
ない内容が加わりました。




<AUDITE>
AU 95619 \1850
ストラヴィンスキー:「ペルセフォネ」(ドイツ語)
フリッツ・ヴンダーリヒ(T)
ドリス・シャーデ(語り)
ディーン・ディクソン(指)ヘッセン放送交響楽団
ヘッセン放送合唱団
南ドイツ放送合唱団
シュヴァンハイム少年合唱団
録音:1960年11月11日、フランクフルト・アム・マイン(ライヴ・モノラル)
名テノールフリッツ・ヴンダーリヒがストラヴィンスキー作品で歌っている
珍しい録音が発掘されました。「ペルセフォネ」は、1933年にパリで初演さ
れた3部のメロドラマ。テノール・ソロ、合唱、語りをともなった作品で、
初演時にはバレエが用いられて舞台上演されている。音楽そのものはカンタ
ータ風で、題材ともども、新古典主義時代のストラヴィンスキーらしい作品。
ヴンダーリヒの美声が生えています。なおここではフリッツ・シュレーダー
によるドイツ語訳で上演されています。
この録音のもう一つの価値は、ディーン・ディクソン(1915-1976)の指揮。
卓越した指揮者であったにもかかわらず、アフリカ系ということで米国での
活動がままならなかったディクソンは、1950年代からヨーロッパやオースト
ラリアに活路を見出し、エーテボリ交響楽団の首席指揮者を務めるなどかな
りの活躍をしましたが、録音はあまり多く残すことはありませんでした。こ
の幻の名指揮者の力量を知る上でも貴重な録音です。




<IDIS>
IDIS 6607 \1650
シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.759 「未完成」
シューマン:交響曲第2番 ハ長調 Op.61
セルジュ・チェリビダッケ(指)RAIローマ交響楽団
録音:1958年3月11日(シューベルト),1960年3月18日
イタリア時代のチェリビダッケが、ローマで指揮したシューベルトとシュー
マンのライヴ録音。

IDIS 6606 \1650
チャイコフスキー:
ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.23
ピアノ協奏曲第2番 ト長調 Op.44
エミール・ギレリス(P)
フェルナンド・プレヴィターリ(指)RAIミラノ交響楽団(第1番)
キリル・コンドラシン(指)
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(第2番)
録音:1959年2月3日(第1番),1959年12月23日(第2番)
エミール・ギレリスお得意のチャイコフスキー。第2番は、この日付が正しい
ならば、比較的珍しい音源。

IDIS 6609 \1650
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
モーツァルト:
ピアノ・ソナタ第12番 ヘ長調 K.332
ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330
ロンド イ短調 K.511
ヴィルヘルム・バックハウス(P)
カール・ベーム(指)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(ベートーヴェン)
録音:1950年(ベートーヴェン),1961年(モーツァルト)
DECCA録音。

IDIS 6608 \1650
バッハ:シャコンヌ
フレスコバルディ:アリア「ラ・フレスコバルダ」
アルベニス:ソナタ
D.スカルラッティ:ソナタ ホ短調
チマローザ:ソナタ 嬰ハ短調,ソナタ イ長調
バークリー:ソナティナ
ロドリーゴ:小麦畑で
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ルーセル:セゴヴィア Op.29
ジュリアン・ブリーム(G)
録音:1956-1960年
ロンドン出身のギターの名手、ジュリアン・ブリーム(1933-)の20代の録
音をあつめたもの。バッハのシャコンヌは1956年の録音で、ブリームの最初
期の録音。




<Dynamic>
DYNDVD 33616(DVD-Video) \3780
字幕:伊英仏独西
ベッリーニ:「夢遊病の女」
エグリゼ・グティエレス(S アミーナ)
アントニーノ・シラグーザ(T エルヴィーノ)
シモーネ・アライモ(Bs ロドルフォ伯爵)
サンドラ・パストラーナ(S リーザ)
ガブリエッラ・コレッキア(S テレーザ)
ガブリエーレ・ナーニ(Br アレッシオ)
マックス・ルネ・コゾッティ(T 公証人)
マウリツィオ・ベニーニ(指)カリアリ歌劇場管弦楽団,合唱団
演出:ウーゴ・デ・アナ
収録:2008年10月、カリアリ
ベッリーニの「夢遊病の女」のDVDです。なんと言っても日本でも大人気のア
ントニーノ・シラグーザのエルヴィーノが聞きもの。ベッリーニと同じくシ
チリア出身のシラグーザの抜けるような美声は、まさにベッリーニにぴった
り。ベテラン・バスのシモーネ・アライモの存在感も見事。そして注目は、
キューバ出身のソプラノ、エグリゼ・グティエレス。2004年にフィラデル
フィアの声楽アカデミーを修了したばかりのまだ若いソプラノですが、ここ
数年メキメキと頭角を現しています。ドニゼッティ、ベッリーニのオペラや、
ヴェルディのジルダ、ヴィオレッタなどで高い評価を得ており、2010年春に
はマドリッドで、フアン・ディエゴ・フローレスを相手に「清教徒」のエル
ヴィーラを歌っています。まだCDもありませんので、これが初お目見え。名
匠マウリツィオ・ベニーニの様式感ピタリの指揮が歌手を支えます。ウーゴ
・デ・アナ演出の舞台は、ヴェローナのフィラルモニコ劇場との共同制作。
緑を多用して自然を強調した舞台作りで、近年の「夢遊病の女」で最も美し
い演出と絶賛されました。ヴェローナ、カリアリの他、スペインのサンタン
デールでも上演されています。

CDS 659 \1980
バッハ:
ゴルトベルク変奏曲 BWV988
コラール「ただ愛する神の力に委ねる者は」 BWV.691
前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.846
ゴルトベルク変奏曲のアリア ト長調
ペツォールト(伝バッハ):メヌエット ト長調
C.P.E.バッハ:行進曲 ト長調
アンドレア・バッケッティ(P)
録音:2010年1月11日
鍵盤用小品集(CDS 629)、鍵盤楽器のためのトッカータ全集(CDS 658)に
続く、アンドレア・バッケッティのDynamic社へのバッハ・シリーズ新刊は、
ゴルトベルク変奏曲です。既にイタリアを代表するバッハ・ピアニストとい
っても過言ではないバッケッティ、各社にまたがってバッハの主要鍵盤作品
を続々と録音していますが、このゴルトベルク変奏曲も知性の冴えたもので
す。余白に、アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳から5曲を収録。

●デリーツィエ・ムジカーリ・シリーズ
DM 8011 \880
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 RV 189
ヴァイオリン協奏曲 ハ短調 RV 202
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 RV 286
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 RV 391
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 RV 271 「恋人」
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 RV 277 「お気に入り」
ジョヴァンニ・グリエルモ(Vn) フェデリコ・グリエルモ(Vn)
ラルテ・デラルコ
録音:1995年6月,ヴィチェンツァ
2枚組で発売されていたヴァイオリン協奏曲集(CDS 147 廃盤)からの選りす
ぐり。ヴィヴァルディは(神聖ローマ皇帝カール6世に「ラ・チェトラ」と題
されたヴァイオリン協奏曲集の手稿譜を二つ贈り、そのうちの一冊は1727年
にOp.9として出版され、これが一般的に「ラ・チェトラ」として知られてい
ます。もう一冊はウィーンで手稿譜のまま保管されていました。ラルテ・デ
ラルコによるイタリア勢のピリオド楽器演奏でお楽しみいただけます。

DM 8010 \880
ヤナーチェク:
「草かげの小径にて」第1巻
 私たちの晩
 散り行く木の葉
 一緒においで
 フリーデクの聖母
 彼らはツバメのように喋りたて
 言葉を失い
 おやすみ
 言いようのない恐怖
 涙ながらに
 ミミズクは飛び去らず
「草かげの小径にて」第2巻より
 アンダンテ
 アレグレット
「草かげの小径にて」補遺
 ピウ・モッソ
 アレグロ
 ヴィーヴォ
「霧の中で」より(3曲)
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 「1905年10月1日街頭にて」
アンドレア・ペスタロッツァ(P)
録音:1990年5月、ジェノヴァ
旧CDS 070。Dynamic社の初期の名盤が復活です。アンドレア・ペスタロッツァ
はミラノ出身のピアニスト。ベリオなど近現代ものを得意としています。

DM 8012 \880
ボッテジーニ:弦楽四重奏曲集
弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.2-1
弦楽四重奏曲 嬰へ単調 Op.3-2
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.4-3
エリーザ四重奏団
ドゥッチョ・ベルッフィ(Vn)
ガブリエーレ・ベッル(Vn)
レオナルド・バルターリ(Va)
ジョヴァンニ・リッピ(Vc)
録音:1996年9月、ピストイア
旧S 2006。19世紀のヴィルトゥオーソ・コントラバス奏者として知られるジョ
ヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)は、作曲家、指揮者としても活躍した
人です。しかしその作品の録音は、圧倒的にコントラバス曲ばかり。このCD
は、作曲家としてのボッテジーニを知るには貴重なものです。




<C major>
70 4304(Blu-ray) \5180
70 4208(DVD-Video) \3500
ドニゼッティ:「マリア・ストゥアルダ」
フィオレンツァ・チェドリンス(S マリア・ストゥアルダ)
ソーニャ・ガナッシ(Ms エリザベッタ)
ホセ・ブロス(T ロベルト)
ミルコ・パラッツィ(Bs ジョルジョ・タルボ)
マルコ・カリア(Br グリエルモ・チェチル)
ペルヴィン・チャカール(S アンナ・ケネディ)
ファブリツィオ・マリア・カルミナーティ(指)
フェニーチェ劇場管弦楽団,合唱団
演出、装置、衣装、証明:デニス・クリーフ
収録:2009年4月,ヴェネツィア
ドニゼッティのオペラの中でも近年非常に人気の高い「マリア・ストゥアル
ダ」に新たな映像が登場。悲運のスコットランド女王マリア・ストゥアルダ
(=メアリー・チューダー)には、ヴェルディを得意としてきたフィオレン
ツァ・チェドリンスが初挑戦、貫禄を見せつけています。英国女王エリザベ
ッタには、この役を得意とするソーニャ・ガナッシ。両女王の激突は見もの
です。レスター伯ロベルトには、ドニゼッティ・テノールとして高い評価を
得ているホセ・ブロス。そして脇役ながら存在感の求められるタルボには、
イタリアの若きバス、ミルコ・パラッツィと、非常に充実したキャストが
揃っています。指揮は、ベルガモ・ドニゼッティ歌劇場で数々のドニゼッ
ティを指揮し、来日公演でも評判の良かったファブリツィオ・マリア・カル
ミナーティ。デニス・クリーフは、庭園風のラビリンスを舞台に張り巡らせ
ることで、両女王の絡まった運命を暗示しています。HD収録の鮮明な画像は、
ことにBly-Rayディスクでは威力絶大です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11-02 No.2-1

2011年02月04日 14時27分41秒 | Weblog
<NAXOS> 各1枚 \1000
8.559613
ドアティ:ルート 66 他
1.ルート 66(1998)
2-4.ゴースト・ランチ(2006)(骨/雲の上に/ブラックラトル)
5-7.サンセット・ストリップ(1999)(午後 7時/夜想曲 /午前 7時)
8-9.3人の指揮者と管弦楽のための「タイム・マシーン」(2003)(過去/未来)
ボーンマス交響楽団
マリン・オールソップ(指揮)/陳美安(指揮)…8-9のみ
ローラ・ジャクソン(指揮)…8-9のみ
今や、世界中で最も注目される作曲家の一人となったマイケル・ドアティ
(1954-)。しかし、オールソップは彼の作品を20年以上も前から擁護し、積極
的に演奏しています。今回の作品も極めて創造的でユニークです。「ルート
66」とは、アメリカ合衆国の国道でイリノイからカリフォルニアを結ぶ重要
な道でした。映画、音楽、ポップ・カルチャーにもしばしば登場し、多くの
人に愛された道路です。「ゴースト・ランチ」はアメリカの女性画家ジージ
ア・オキーフにインスパイアされて書かれた作品。彼女は風景、花、そして
動物の骨をモティーフとして 70年もの間絵画を書き続けた人。そんな特異な
画を彷彿させる煽情的な作品です。真夜中の街をドライヴしているような「サ
ンセット・ストリップ」、3人の指揮者による競演「タイム・マシーン」。ど
れも実験的、かつ興味深い作品ばかりです。

8.572489
ブロシュ:ミサ・カンタータ 他
1-10.ミサ・カンタータ(1999)/11.聖母マリア(1998)/12.冷淡な歌(2009)
13-14.キリスト教会のブルース(1990/2005)
15.キリスト教会のポストリュード(2008)
※11を除いて世界初録音
イェルク・ワシンスキ(男声ソプラノ&ヴォーカル)…1-14
パデレフスキー・フィルハーモニー管弦楽団…1-10
フェルナンド・クァトロッキ(指揮)…1-10
ジャック・デュプリース(ヴィオラ)…11
デイヴィッド・コウルター(ミュージック・ソウ)… 13-15
トーマ・ブロシュ(グラス・ハーモニカ、クリスタル・バシェット、
キーボード、クリスタル・ベル、ウォーターホン、ベル、オンドマルトノ)
トーマ・ブロシュ(1962-)。彼の名前を聞いて思いだすのはオンド・マルトノ?
それともグラス・ハーモニカでしょうか?とにかく「レアな楽器」を紹介する
ことにかけては類を見ないアーティストとして知られ、クラシックだけではな
くレディオ・ヘッドとコラボしたり、映画のサウンド・トラックに登場したり
と八面六臂の活躍をしている人です。さあ、このアルバムはそんな彼の全てを
丸ごと楽しむ1枚です。男声ソプラノの響きを生かした美しいミサ曲、そして
様々な楽器の奇妙な音のオンパレードですが、これが何とも面白く、まるで氷
の世界を彷徨っているような感じを受けるのではないでしょうか。

8.572227
シベリウス:
1-4.交響曲第4番イ短調 Op.63
5-7.交響曲第5番変ホ長調 Op.82
ニュージーランド交響楽団
ピエタリ・インキネン(指揮)
日本でますます人気急上昇中。巨匠の道を歩き始めた感のある若手気鋭指揮
者インキネンのシベリウス(1865-1957)・交響曲ツィクルス第2弾です(第1集
は 8.572305)。当盤に収録されているのは、最も曲想が晦渋な第4番と祝祭的
な雰囲気に満ちた第5番です。1911年に完成された第4番は、当時体調不良を
訴えていたシベリウスの気分がそのまま反映された作品。寒々とした荒涼な
風景の中をよぎる一抹の風のような不気味さが見え隠れします。一転1915年
に作曲された第5番は彼の50歳の誕生日の祝賀式典に演奏するために書かれた
曲。春の訪れを感じさせるような暖かさを抱いています。対称的な2つの作品
を、インキネンは見事に描き分けています。


8.572471
イタリアの歌曲とバラード集
1.トスティ(1846-1916):マリア/ 2.トスティ:かわいい唇
3.トスティ:最後の歌/4.トスティ:四月/5.トスティ:君なんかもう
6.トスティ:夏の月/7.トスティ:セレナード/8.トスティ:理想
9.マスカーニ(1863-1945):セレナータ/ 10.トスティ:マレキアーレ
11.トスティ:夢/12.トスティ:暁は光から
13.トスティ:去りゆくことは少し死ぬこと
14.ドナウディ(1879-1925):ああ、私の愛する人の
ステファーノ・セッコ(テノール)
デイヴィッド・アブラモウィッツ(ピアノ)
トスティの歌曲は聴きたいと思っても、実はあまり録音がないことで有名。
何人かの名歌手たちが手掛けてはいるものの「これ」と言ったオススメ盤は
なかなかありません。この盤に収録された歌曲のほとんどはトスティの作品
で、彼が活躍した 19世紀後半のイタリアでは、家庭の客間に家族や友人たち
が集って、御自慢ののどを聴かせるのが大流行(今で言うとカラオケパーティ
のようなものでしょうか)。そんな時に手軽に歌えて、なおかつ芸術性の高
いこれらの歌曲は引く手数多の大人気となったのです。ほとんどの歌のテー
マは「愛」。時として燃え上がり、時として失われる愛。燃える瞳、暖かい
腕、そして心ときめかす甘い唇。そういうものが、甘いメロディに乗ってじっ
くり歌われます。

8.572527
ラテン・アメリカのギター音楽集
1.ポンセ(1882-1948):前奏曲/2.ロメロ(1913-1996):天使のタンゴ
3.ブローウェル(1939-):子守歌/4.ポンセ:ギター・ソナタ第3番より第2楽章
5.モレル(1931-):師匠/6-8.バリオス(1885-1944):大聖堂
9.カントラル:時計( V.コベスによるギター編)/10.ロメロ:グァサ
11.イラディエル(1809-1865):ラ・パロマ(V.コベスによるギター編)
12.コベス(1982-):チェリタンゴ/13.バリオス:ワルツ Op.8 No.4
14.ラミレス(1921-):アルフォンシーナと海
15.ピアソラ(1921-1992):
バチンの少年(V. コベスによる声楽、ナレーター、ギターとピアノ編)
ビンセント・コベス(ギター)/エンリケ・モレンテ(ヴォーカル)…15
オラシオ・フェラー(ナレーター)…15
エステバン・オカーニャ(ピアノ)…15
1982年生まれのギタリスト、コベスによるラテン・アメリカ・ギター作品集
です。彼は1997年から伝説のギタリスト、ペペ・ロメロに学び、その後世界
中で演奏旅行を行い、多くのオーケストラとも共演しています。2008年には
モスクワのチャイコフスキー音楽院からルービンシュタイン・メダルを授与
されています NAXOSにはバロモの録音( 8.570420)があり、こちらも好評を
博しています。この演奏、お聴きいただければわかる通り、粒立ちのはっき
りした明晰な音と、迸るような情熱に満ちた表情が素晴らしく、思い切り感
情移入できそうです。おすすめはトラック14の「アルフォンシーナと海」。
泣けます。

8.570462
リャプノフ:
1.ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.61
2-4.交響曲第1番ロ短調 Op.12
マキシム・フェドトフ(ヴァイオリン)…1
ロシア・フィルハーモニー管弦楽団
ドミートリー・ヤブロンスキー(指揮)
ピアノ協奏曲では、リストの面影を引きずっていたリャプノフ(1859-1924)
ですが、1915年に作曲され1921年に改訂されたヴァイオリン協奏曲では一転、
ロシアの郷愁を前面に出した壮大で抒情的な作品を書いています。フェドト
フが鳴らす豪華なソロ・パート。甘美な第2主題、4分にも渡るそして強烈な
カデンツァ。これを聴いて魅了されずに済む人がいるのでしょうか?もう一
つの交響曲第1番は1887年に完成された曲で、まだバラキレフの影響が見られ
るものの、刺激的で堂々たる楽想を持つ雄大な作品です。終楽章での燃え上
がる情熱の炎をぜひ体感してください。

8.570883
マリピエロ:
1-3.「ゴルドーニの 3つの喜劇」からの交響的断章(喫茶店/テオドーロ・
ブロントローン氏/キオッジャの立て引き)
4.1幕のバレエ「ストラディヴァリオ」
5-9.管弦楽のための「チマロジアーナ」
10-13.管弦楽のための「ガブリエリアーナ」
MARCO POLO 8.225118より移行盤
トーマス・メイジャー(ヴァイオリン)…4/スイス・イタリア語放送管弦楽団
クリスティアン・ベンダ(指揮)
マリピエロ(1883-1973)は既に知られている通り、音楽学者としての顔と、作
曲家としての顔。その2つをうまく使い分けていたようです。このアルバムに
収録されているのはオリジナル作品が2つと、編曲作品が2つで、彼の個性の
両面を味わえます。ヴェネツィア共和国の劇作家ゴルドーニの喜劇のために
書いた3つの断章と、バレエ「ストラディヴァリオ」ではモダンな響きが楽し
め、「チマロージアーナ」と「ガブリエーリアーナ」では清々しい原曲に絡
みつく色彩豊かな管弦楽の響きを堪能できます。彼は作曲家として、ほとん
ど独学でスタイルを確立できたのは、モンテヴェルディとヴィヴァルディの
音楽を徹底的に研究したという成果があるのでしょうね。

8.572274
カルウォヴィチ:
1-4.セレナード Op.2(行進曲/ロマンス/ワルツ/終曲)
5-7.ヴァイオリン協奏曲イ長調 Op.8
イリヤ・カーラー(ヴァイオリン)…5-7
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アントニ・ヴィト(指揮)
ポーランドの作曲家カルウォヴィチ(1876-1909)は、リトアニア州ヴィリニュ
スに生まれ、ワルシャワでヴァイオリンを学んだ後、ドイツに留学。アルトゥ
ール・ニキシュに指揮法を学びつつ、いくつかの作品を書いています。シマノ
フスキと並ぶ「ポーランドの新進気鋭の作曲家」として期待されるも、33歳、
これからの時にタトラ山で雪崩に巻き込まれその生涯を終えてしまいました。
彼の華麗な作品は一度でも聴いたら耳に残るのでしょう。作品の録音数があ
まり多くないにも拘わらず、熱心なファンが多いことで知られています。中
でも「ヴァイオリン協奏曲」は聴かせどころも多く、華やかさと甘美さを併
せ持つ名品です。ヴァイオリンを担当するのはおなじみイリヤ・カーラー。
文句なしの超絶技巧で難なく弾き切っています。

8.572285
ロージャ:
1.シンフォニー・コンサートへの序曲 Op.26a(改訂版)
2.チェロと管弦楽のための狂詩曲 Op.3
3.ハンガリー風夜想曲 Op.28
4-6.3つのハンガリーの情景(奇想曲/田園曲/踊り)※2…世界初録音
マーク・コソワー(チェロ)…2
ブダペスト交響楽団/マリウス・スモリジ
ハンガリーの作曲家、ミクロス・ロージャ(1907-1995)の管弦楽作品集第3弾
です。ハリウッドの映画音楽のようなダイナミックな響きと、ハンガリーの
民族性がマッチした色彩豊かな作品は、すでに多くのファンを獲得していま
すが、今作も期待に違わぬ素晴らしさです。眩暈をもよおすほど悩ましいチェ
ロの狂詩曲。1956年に起きたハンガリーの暴動にインスパイアを受け、当時
契約していた MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー )の仕事の合間に作曲
された「シンフォニー・コンサートへの序曲」は、ハンガリーから追放され
た彼の友人たちに捧げられました。

8.572448
バルトーク(1881-1945):バレエ音楽「中国の不思議な役人」 Op.19, BB82
ブラームス(1833-1897):交響曲第1番ハ短調 Op.68
ロンドン交響楽団
ジョナサン・パステルナック(指揮)
ロンドン交響楽団と若手指揮者、パステルナックによるバルトークとブラー
ムスです。指揮者パステルナックはニューヨーク生まれ。16歳の時に奨学金
を得て、マンハッタン音楽院で学びます。ネーメ・ヤルヴィ、デーヴィッド
・ジンマン、ヨルマ・パヌラなど錚々たる顔ぶれから教えを受け、2002年バ
ルセロナのカダケス国際指揮者コンクール(第1回優勝者はジャナンドレア・
ノセダ )で第2位を獲得。将来が期待される新鋭です。このアルバム、そんな
彼の若々しい情熱が満ち溢れた好演で、おどろおどろしさよりもシャープさ
を前面に出したバルトーク、見通しの良いすっきりとしたブラームスと、こ
れらの曲に食傷気味の耳にも新鮮な風をお届けいたします。

8.572217
J.C.F.バッハ:
1-3.交響曲第6番ハ長調 HWI/6/4-6.交響曲第10番変ホ長調 HWI/10
7-10.交響曲第20番変ロ長調 HWI/20
ライプツィヒ室内管弦楽団
モルテン・シュルト=イェンセン(指揮)
子だくさんであった J.S.バッハの下から 2番目の息子、J.C.F.バッハ(1732-
1795)は、ビュッケブッルクの宮廷音楽家となったため「ビュッケブルクの
バッハ」と呼ばれます。どちらかというと地味な活動をしたためか、同時代
の評論家からは、あまり良い評価を受けなかったのですが、それは他の兄弟
たちが個性的過ぎたせいもあったためで、彼自身、決して音楽家として才能
がなかったのではありません。ここで聴くことのできる3つの交響曲はどれも
上品で、機知に富み、充分に「バロックから古典派への橋渡し」を担うこと
のできる名作と言えるでしょう。

8.572176
バラダ:カプリチョス第2番-第4番
1-3.カプリチョス第2番(2004)/
4-7.カプリチョス第4番「ジャズ風に」(2007)
8-12.カプリチョス第3番「国際義勇軍への賛辞」(2005)
アンドレス・カルデネス(ヴァイオリン…1-3.8-12)、(指揮…1-7)
ジェフリー・ターナー(コントラバス)…1-7
ピッツバーグ・シンフォニエッタ/ローレンス・ロー(指揮)…8-12
スペイン生まれの異色作曲家、レオナルド・バラダ(1933-)の作品はどれも一
癖も二癖もある独特なもので、それは交響曲であっても、オペラであっても、
いつなんどきも強い主張をしているものですから、聴き手としては黙って通
り過ぎるわけにはいきません。今作はカプリチョス(狂詩曲)と題された1連
の組曲です。自由なラテンアメリカのダンス音楽集である第2番、ボランティ
アの軍隊へ敬意をあらわすための5つの小曲からなる第3番、そしてジャズの
イディオムを持つ第4番。暴力的なパワーを持ちながらも、どこか足取りがふ
らつくような、ユーモラスさと悪魔的な嘲笑を持ち合わせた作品群です。

8.572029
F.X.リヒター:室内ソナタ集第1集(1764)
1-3.フルート、チェロとチェンバロのためのソナタ第1番ニ長調
4-6.フルート、チェロとチェンバロのためのソナタ第2番ト長調
7-9.フルート、チェロとチェンバロのためのソナタ第3番イ長調
パウリーナ・フレッド(フルート)/ヘイディ・ペルトニエミ(チェロ)
アーポ・ハッキネン(チェンバロ)
シンフォニア集(8.557818)でその典雅な世界へ聴き手を誘った、マンハイム
楽派の作曲家フランツ・クサヴァー・リヒター(1709-1789)の室内ソナタ集
です。時代的には複雑なバロック様式から、装飾の少ないギャラント様式へ
と移り変わる頃に活躍した人ですが、この1764年にニュルンベルクで公表さ
れた一連のソナタ集は、まだバロックのトリオ・ソナタの伝統に基づくもの
です。この12のソナタはヴァイオリン(もしくはフルート)、チェロの序奏
付きのチェンバロ・ソナタとして書かれたものですが、実際に演奏してみる
とヴァイオリンでは若干演奏不能な個所があり、これらの曲はフルートで演
奏するべきではないかと思われます。北欧の名手たちによる春の陽だまりの
ようなどこもかしこも柔らかく美しい音楽です。

8.572187
ホフマイスター:
コントラバス四重奏曲&シューベルト:アルペジョーネ・ソナタ
1-4.ホフマイスター(1754-1812):コントラバス四重奏曲第2番ニ長調
5-7.ホフマイスター:コントラバス四重奏曲第3番ニ長調
8-11.ホフマイスター:コントラバス四重奏曲第4番ニ長調
12-13.シューベルト(1797-1828):
アルペジョーネ・ソナタ(N.デューカによるコントラバス編)
ノルベルト・デューカ(コントラバス)
エルネ・セベスチャン(ヴァイオリン)…1-11
ヘルムート・ニコライ(ヴィオラ)…1-11
マーティン・オステルターグ(チェロ)…1-11
フィリップ・モル(ピアノ)…12-13
1754年、ローテンブルクで生まれたッフマイスターは14歳の時に法律を学ぶ
ためウィーンに移り、その後音楽を学ぶためにハンガリーへと移住しました。
作曲の勉強をしながら、楽譜出版の事業も起こし、ハイドンやモーツァルト
の作品の出版を行ったのです(現在の C.F.Peters社も彼が創業 )。作曲家と
しても交響曲、協奏曲、器楽曲など多くの作品を残しました。このコントラ
バス四重奏曲は、第1ヴァイオリンで奏する部分をコントラバスが担うという
変わり種。本来こまわりの効かない楽器が、こんなにも悠然とメロディを奏
でるところを想像するだけで、あまりの愛らしさに抱きしめたくなってしま
うほどです。ここで演奏しているデューカ本人による編曲の「アルペジョー
ネ・ソナタ」は全く違和感のない美しさ。音色に絶妙の深みも加わり、良い
味出してます。

8.572377
ベートーヴェン:
1-4.弦楽三重奏曲ト長調 Op.9-1/5-8.弦楽三重奏曲ニ長調 Op.9-2
9-12.弦楽三重奏曲ハ短調 Op.9-3
(コダーイ弦楽合奏団のメンバー )アッティラ・ファルヴェイ(ヴァイオリン)
ヤーノシュ・フェヘールヴァーリ(ヴィオラ)/ジェルジ・エーデル(チェロ)
27-28歳。この頃のベートーヴェン(1770-1827)は次第に深刻となる耳の病に
悩まされ続けていました。しかし、創作熱は衰えることなく、数多くのピアノ
曲や室内楽が生まれていた時期でもあります。とはいえ、弦楽三重奏というス
タイルはとても珍しく(ハイドンの曲は編成が違う)、なぜ彼が弦楽四重奏でな
く、三重奏で、こんなにも充実した作品を書いたのかは良く分かっていません。
弦楽四重奏に比べると、ヴァイオリンが 1台少なくなるだけですが、透明度は
飛躍的にアップし、スリリングな局面も多くなります。そうなると曲の仕上が
りは奏者たちの腕にかかってきますが、そこは安心。名門コダーイ弦楽合奏
団のメンバーによる納得の演奏です。これぞ知られざる名作。充実の響きをお
楽しみください。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

11-02 No.2-2

2011年02月04日 14時27分18秒 | Weblog
8.572281
ヴァインベルク:独奏チェロのための作品集第2集
1-4.無伴奏チェロ・ソナタ第2番 Op.86(1964)
5-8.無伴奏チェロ・ソナタ第3番 Op.106(1971)
9-11.無伴奏チェロ・ソナタ第4番 Op.140(1986)
12.無伴奏チェロ・ソナタ第4番より第1楽章
(1985年、オリジナル・ヴァージョン)
※全て世界初録音
ジョゼフ・フェイゲルソン(チェロ)
巷でもじわじわファンが増えつつあるヴァインベルク(1919-1996)のチェロ作品
集。なぜ知られていなかったかについては、ただ単に「録音が少なくて聴く機
会がなかったから」に尽きるのではないでしょうか。この盤は全て世界初録音。
最近、他レーベルでも挙ってこれらの作品を録音していますが、やはり系統的
に聴くのなら NAXOSがオススメです。ショスタコーヴィチ、マーラー、プロコ
フィエフたち、先人の残滓を感じさせる強烈で感傷的な作品群です。ロストロ
ポーヴィチにも学んだチェリスト、フェイゲルソンによる納得の演奏でお聴き
ください。

8.571268
ベートーヴェン:ソナタ集第9集
1-3.ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調 Op.81a「告別」
4-6.ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 Op.109
7-8.ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 Op.111
イディル・ビレット(ピアノ)
トルコの名ピアニスト、ビレットのベートーヴェン(1770-1827)・ソナタ集。
こちらは「告別」ソナタと晩年のソナタ、第30番、第32番のカップリングです。
朴訥とした語り口と、不思議な味わいの音色、そして深みのある歌心。これは
まさに彼女の資質そのものです。どんなに早く流麗なパッセージにおいても、
その姿勢を崩すことがないのは見事としか言いようがありません。「告別」の
終楽章でのノンレガート奏法はある意味グールドを超えるかも。そして最後の
ソナタ、第32番の第2楽章での「濃い」解釈を聴いてみてください。最近流行の
「スマート」な演奏では物足りない方にぜひお聴きいただきたいベートーヴェ
ンです。

8.572330
ゲディーニ:ピアノ作品全集第2集
1-3.ソナチネニ長調(1913)
4-7.5つの音符のための 4つの小品「プレリーリャ」(1922)
8-10.ピアノ・ソナタ変イ長調(1922)
11.幻想曲(1927)/12.対位法のディヴェルティメント(1940)
13.カプリッチョ(1943)/14.「鹿が水の泉を求めるように」に
よるリチェルカーレ(1956)/15.アレグレット(1957)
1-11、15・・・世界初録音
マッシモ・ジュゼッペ・ビアンキ(ピアノ)
ボローニャでエンリコ・ボッシに学び、作曲家、指揮者として活動。トリノ音
楽院とパルマ音楽院で長年作曲を教え、1951年から 1962年までミラノ音楽院の
院長を務めた作曲家ゲディーニ(1892-1965)の知られざるピアノ作品集第2集で
す。ここでは作曲年代が40年以上に渡る8つの作品を聴くことができます。初期
のソナチネは、まるでロマン派の作品であり、アルペジョを駆使したその美し
さに誰もがため息をつくのではないでしょうか?しかしその 9年後の「プレリ
ーリャ」は何とも解読不能な作品で、旋律より色彩の豊かさを楽しむものと言
えるでしょう。他の作品もぜひ聴いてみてください。ゲディーニの多彩な世界
にはまること間違いありません。第1集(8.572329)もご一緒に。

8.660282-83 2枚組
パチーニ:歌劇「ドン・ジョヴァンニ・テノーリオ、または石の客」
ドン・ジョヴァンニ…レオナルド・コルテッラッツィ(テノール)
ドンア・アンナ…ジェラルディーヌ・ショヴェ(メゾ・ソプラノ)
ツェルリーナ…ジノヴィア=マリア・ザフェイリアドウ(ソプラノ)
マゼット…ウーゴ・グアリアルド(バス)
オッターヴィオ伯爵…ジョルジョ・トゥルッコ(テノール)
おせっかい…ジューリオ・マストロトターロ(バリトン)
クルージュ・トランシルヴァニア・フィル
ハーモニア合唱団/プファルツハイム室内管弦楽団
ダニエレ・フェラーリ(指揮)
色男、ドン・ファンを題材にしたオペラはモーツァルト以外にもいくつかあり
ます。例えば他の作家の台本を使ったガッツァニーガの「ドン・ジョヴァンニ」
であったり、ダルゴムイシスキーも「石の客」と言う作品を書いています。さ
て、このパチーニ(1796-1867)の名前は、音楽辞書に掲載されてはいるのですが、
この「石の客」については触れられていません。このオペラは作曲家の家族の
ために書かれたプライヴェートな作品で、今までに公式な公演すらされたこと
がないからです。モーツァルトと同じ物語に基づきますが、ドン・ジョヴァン
ニはバリトンでなくテノールですし、ドンナ・エルヴィラは登場しません。い
くつかのアリアは、パチーニの他の作品(家族のお気に入り)を用いて構成され
ています。しかし、聴き進むにつれ、やはりドラマに胸が踊ることは間違いな
いでしょう。今回、部分的に保存されていた台本とパチーニのスコアを研究し、
どうにか上演までにこぎつけたという力作です。違いを味わいながら、この素
晴らしい蘇演をお楽しみいただきたいものです。

8.570135
グエッラの写本第1集
1.序奏/2.聞いて、聞く/3.イダルゴ(1614-1685):愛しているのは誰?
4.痛みが増して/5.高く飛びあがれ/6.マリン (1619-1699):影への執着
7.厳しさから目をそむける/8.疲弊した創造力/9.気をつけて、不注意だから
10.イダルゴ (1612-1685):魚、獣、鳥/ 11.礼拝の栄光
12.イダルゴ:これは誰ですか?/13.イダルゴ:愛の壊れる先
14.イダルゴ:信用は私への礼儀/15.マリン:私を殺せば私は死ぬ
イザベル・モナール(ソプラノ)
マニュエル・ヴィラス(スペイン・バロック・ハープ)
最近発見されたばかりの、17世紀の後半にマドリッドで編纂されたグエッラの
写本です。ミゲル・デ・グエッラ(1646-1722)は 1677年から王宮の礼拝堂の書
記を務めた人で、この写本は当時流行していた歌を丹念に集めたもの。2人の音
楽学者トレントとアルバレスによって発見され 1998年に公表されました。スペ
イン王室、貴族、上流階級の作曲をたしなむ文化人たちによる100余りの小品集
で、当時のスペインの音楽を肌で感じることができる興味深いものです。ほと
んどは作曲家不詳ですが、中にはサルスエラの大家フアン・イダルゴや、ホセ
・マリンなど作曲家名を特定できるものも含まれています。イザベル・モナー
ルの表情豊かな歌に圧倒されます。

8.572114
シューベルト:ミサ曲第5番変イ長調 D678 他
ミサ曲第5番変イ長調 D678(1.キリエ/2-5.グローリア/6-9.クレド
10-11.サンクトゥス/12.ベネディクトゥス/13-14.アニュス・デイ)
15-17.マニフィカトハ長調 D486
トリーネ・ウィルスベリ・ルンド(ソプラノ)/ベッティナ・ランチ(アルト)
リ・ミンウ(テノール)/ドミニジュ・ケーニガー(バス)
イモータル・バッハ・アンサンブル
ライプツィヒ室内管弦楽団
モルテン・シュルト=イェンセン(指揮)
シューベルト(1797-1828)のミサ曲の中でも「最も美しく創造的」と言われる
第5番です。未完成交響曲と同じ時期に書かれた作品で、管楽器、とりわけ木管
楽器の扱いには目を見張るものがあります。流動的なハーモニーが魅力的で、
何より全編に曇りなき明るさが満ちているのが特徴です。大気を漂うようなキ
リエ。躍動感溢れるグローリア、例外的な悲しみを帯びたサンクトゥス、ソリ
ストたちの清冽な歌唱が印象的なアニュス・デイと聴きどころ満載です。ブル
ックナーのミサ曲にも通じる重厚な風格も帯びています。マニフィカトはスコ
アに1816年9月の記載がありますが、その前年に書かれた可能性が示唆されてい
ます。ルカ伝のマリアが神に感謝する祈り言葉がテキストに使われた祝祭的な
曲で一部にオリジナルの聖歌が使われています。モルテン・シュルト=イェン
センの真摯かつ手慣れた指揮棒が、全曲を鮮やかに描きだします。

8.111360-61 2枚組
メノッティ(1911-2007):歌劇「ブリーカー街の聖人」他
歌劇「ブリーカー街の聖人」
(CD1.1-8.第1幕第1場/9-14.第1幕第2場/15-22.第2幕/CD2.1-9.第3幕)
ユニコーン、ゴーゴン及びマンティゴア
(10.序奏/11.インターリュード 1/12.マドリガル 1/13.インターリュード
2/14-17.第1の日曜日/18-21.第2の日曜日/22-29.第3の日曜日)
演奏:
《歌劇「ブリーカー街の聖人」》
ガブリエッレ。ルッジエーロ(ソプラノ)/デヴィッド・ポレリ(テノール)
グロリア・レーン(メゾ・ソプラノ)/マリア・ディ・ゲルランド(ソプラノ)
レオン・リシュナー(バス)他
スタジオ・オーケストラ&コーラス
トーマス・シッパーズ(指揮)
《ユニコーン、ゴーゴン及びマンティゴア》
インストゥルメンタル・アンサンブル&コーラス/トーマス・シッパーズ(指揮)
録音《歌劇「ブリーカー街の聖人」》1955年2-3月ニューヨーク
《ユニコーン、ゴーゴン及びマンティゴア》 1957年ニューヨーク
ニューヨークのブリーカー街で起こる小さな物語は、ガーシュウインの「ポー
ギーとベス」以来の新しいオペラとして、多くの人たちから絶賛されました。
病身をおして人々のために祈る主人公アニーナ、彼女にすがる貧しき人たち、
彼女の神性を否定する兄ミケーレ、その恋人デシテリア。イタリア系の移民た
ちとその宗教観を見事に描いたこの作品は、1955年のピューリッツァー賞を受
賞しました(彼はその前年も「領事」で同賞を受賞しています )。バレエ音楽
「ユニコーン、ゴーゴン及びマンティゴア」は詩人の人生を3つの寓意の動物に
見立てたもの。 E.S.クーリッジ財団の依嘱作品で 1957年にニューヨークで初
演されています。

8.111363
グレート・ヴァイオリニスト・シリーズ /ハイフェッツ
1-4.ラロ(1823-1892):スペイン交響曲(4楽章版 )
5.サン=サーンス(1835-1921):序奏とロンド・カプリッチョーソ Op.28
6.ショーソン(1855-1899):詩曲 Op.25
7.ラヴェル(1875-1937):ツィガーヌ
8.チャイコフスキー(1840-1893):憂鬱なセレナード Op.26
9-11.ヴィエニャフスキー(1835-1880):ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 Op.22
ヤッシャ・ハイフェッツ(ヴァイオリン)
RCAビクター交響楽団… 1-6.9-11/ウィリアム・スタインバーグ(指揮)…1-5
アイズラー・ソロモン(指揮)…6.9-11
ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団… 7.8
アルフレッド・ウォーレンスタイン…7.8
録音 1951年6月12-13日…1-4, 1951年6月19日…5, 1952年12月2日…6,
1953年12月8日…7, 1954年10月29日…8, 1954年11月5日…9-11ハリウッド
20世紀を代表する名ヴァイオリニスト、ハイフェッツの至芸を聴く1枚です。こ
の録音は1950年代のもので、円熟した音楽性に溢れた一連の演奏として評価の
高いおのです。ラロのスペイン交響曲は、彼のレパートリーの中では比較的珍
しいものです。ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第2番は、1935年のバル
ビローリとのものがより知られていますが(8.110938)、こちらはより深みのあ
る、大らかな演奏が魅力です。終楽章での激しさは感動ものです。




<MarcoPolo>
8.225982 \1780
シュポア:弦楽四重奏曲全集第14集
1-4.弦楽四重奏曲第31番イ長調 Op.132
5-8.弦楽四重奏曲第36番ト短調 Op.157
9.ポプリ第4番変ロ長調 Op.24
モスクワ・フィルハーモニー・コンチェルティーノ弦楽四重奏団
ヤロスラフ・クラスニコフ(第1ヴァイオリン)
ソフィア・クラスニコワ(第2ヴァイオリン )
オルガ・ツィマエワ(ヴィオラ)
ヴィクトル・コゾドフ(チェロ)
MARCO POLOの人気シリーズであるシュポア(1784-1859)の弦楽四重奏曲集も第14
集となりました。彼は生涯に渡ってこのジャンルの作品を書いていますが、この
アルバムに収録された第36番は最後の大規模な曲です。モーツァルトとハイドン
の曲に倣い書かれていますが、彼自身、自らの才能の枯渇を感じてしまったの
か、曲の演奏を禁止してしまいました。しかし、実際は完全無欠な技量を誇る
素晴らしい仕上がりです。その11年前に書かれた第31番は、緻密な対位法と精
巧に関連付けられたモティーフが魅力。ワーグナーとメンデルスゾーンが支持
したという魅力的な曲です。ポプリ第4番は彼が敬愛したモーツァルトのアリア
が次々と現れる逸品。




<solo musica>
SM 147 \2080
マルガリータ・ヘーエンリーダーショパン・リストを弾く
1-4.ショパン(1810-1849):ピアノ・ソナタ第3番ロ短調 Op.58
5.リスト(1811-1886):ピアノ・ソナタロ短調
マルガリータ・ヘーエンリーダー(ピアノ)
録音 2010年7月26-27日ドイツフェルダフィンク
全くの偶然にも、ショパン、リストこの2人の巨匠の傑作はロ短調でした。しか
し、その曲想は全く違います。理路整然として古典的な形式を重んじつつも、
自らの心の声をくまなく盛り込んだショパンの曲に対して、おどろおどろしい
響きから始まるリストのソナタはあくまでもデモーニッシュ。あのクララ・シュ
ーマンが「ただの騒音にすぎない」と切って捨てたほどの問題作。この対称的
な 2つの作品を、ドイツの名ピアニスト、ヘーエンリーダーは文句の付けよう
がないほどに明晰に演奏しています。ショパンの持つメランコリックさも、リ
ストの持つ混沌も、全て青空の下で新鮮な空気を当てたかのような初々しさを
感じさせてくれるのがスゴイです。

SM 118 \2080
ホートン(1941-):冬のささやき
ユーモア、光に満ちた、とても静かな魔法のクリスマスの物語
ペーター・ホートン(ナレーター・ギター・シンセサイザー)
☆オーストリアのアーティスト、ペーター・ホートンは、アコースティック・
ギターの名手であり、作曲、キーボード、ヴォーカル、電子楽器も自在に弾き
こなす人。現在ハンブルク音楽大学で教鞭を取り、教育者としても知られてい
ます。このアルバムは、彼によるクリスマス物語。語りと音楽による全ての人
への贈り物です。

SM 146 \2080
チェロ・デュエロ
1.ハルヴォリセン(1864-1935):
パッサカリアト短調(原曲:ヘンデルの組曲第7番ト短調 HWV432)
2-5.ハイドン(1732-1809):
ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲ニ長調 Hob.VI:D1(チェロ・デュオ編)
6-8.ミューラー=ヴィーラント(1966-):2つのチェロのためのソナタ
9-11.バリエール(1707-1747):
6つのソナタ第4集 - 2つのチェロのためのソナタ第4番ト長調
12-14.オッフェンバック(1819-1880):二重奏ホ長調 Op.54
15.パガニーニ(1782-1840):ロッシーニの「モーゼ」による幻想曲
16.モリコーネ (1928-):
映画「ウエスタン」より「ハルモニカ」(W.E.シュミット編曲 )
イェンス・ペーター・マインツ(チェロ)
ウォルフガング・エマヌエル・シュミット(チェロ)
録音 2010年6月ベルリンジーメンス・ヴィラ
2011年は、この2人のチェリストによるデュオ「チェロ・デュエッロ」が結成
20年を迎えます。DUELLOとは「決闘」の意味。確かに2台のチェロが華やかな響
きの火花を散らす様は壮観です。マインツとシュミットは、ともにデヴィッド
・ゲリンガスに学び、マスター・クラスでパガニーニの「モーゼ幻想曲」を演
奏、チェロ・デュエッロが誕生したということです。彼らはロマンティックな
作品から古典派の作品まで何でも演奏してしまいます。モリコーネの作品は、
本来6台のチェロのために書かれた作品を編曲したもので、彼らは多重録音で求
められる響きを極限まで再現しています。




<The Music Agents Red Label(solo musica)>
MA 509 \2080
ドビュッシー、ブラームスに出会う
1-3.ブラームス(1833-1897):
クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 Op.120-2(フルートとピアノ編)
4.ドビュッシー(1862-1918):シランクス
5.ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(フルートとピアノ編)
6-9.ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 Op.120-1
(フルートとピアノ編 )
※4…フルート・ソロ
マルティン・ゴンシェレク(フルート)/ステファン・マシューズ(ピアノ)
録音 2009年10月スタジオ・ヴァイサー・ラウシュ
「あなたは私に手紙を書き、私の家を2回訪問したフランス人ですか?この件は
許しますが、今後はそんなことをしないでください」1887年のウィーンで、ブ
ラームスは25歳のパリから来た青年ドビュッシーにこんな辛辣な挨拶をしたの
だそうです。確かにこの2人の作曲家は根本的に違います。しかしそんな彼らの
作品を並べて聞くことで(それもフルートで)何かその時代の持つ共通性が見え
てはこないでしょうか?後期ロマン派へ、そして印象派へ。方向は違えど、新し
い扉を開く 2人の芸術家のエッセンスを堪能できそうな洒落た1枚です。フルー
トのゴンシェレクは2000年からアーティスト集団である「 Weisser Rausch」の
メンバーとして室内楽演奏者としての高い評価を得ています。ピアノのマシュー
ズも彼の良きパートナーとして活躍しています。ブラームスのクラリネット・
ソナタをフルートで演奏するというのは、以前エマニュエル・パユもトライし
ていますが、このゴンシェレクもいい味だしています。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする