クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

10-10 No.6

2010年10月05日 21時38分55秒 | Weblog
<Hyperion>
CDA 67780 \2180
シューマン:
子供の情景Op.15/ダヴィット同盟舞曲集Op.6
ピアノ・ソナタ第2番ト短調Op.22
アンジェラ・ヒューイット(ピアノ/ファツィオーリ)
心に安らぎを与えてくれる「トロイメライ」での清澄な音色、柔らかなタッチ。
ヒューイットがファツィオーリで弾く「子供の情景」には、まるで母親が語り
かけているかのような優しい響きと豊かな表情があふれている。
シューマンが考案した空想の団体"ダヴィット同盟"。"動のフロレスタン"、
"静のオイゼビウス"として表現されたシューマンの内面が、ヒューイットの両
手とファツィオーリの響きを通じて鮮明に浮かび上がる。
堂々たるアプローチ、漂う気品と毅然とした風格を感じさせてくれる「ピアノ
・ソナタ第2番」は、「現代最高のバッハ弾き」から「巨匠」への道を歩むヒュ
ーイットが弾くドイツ・ロマン派作品の代表的名演となることだろう!
聴き手の心を熱く、そして温かくしてくれるヒューイットのシューマンです。
録音:2009年11月6日-9日、クルトウアツェントルム・グランドホテル
(ドビアコ/イタリア)

CDA 67791 \2180
ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズVol.52 ――
ゲッツ:ピアノ協奏曲変ロ長調Op.18
J・ヴィエニャフスキ:ピアノ協奏曲ト短調Op.20
ヘイミッシュ・ミルン(ピアノ)
ミハウ・ドヴォジンスキ(指揮)、BBCスコティッシュ交響楽団
ベルリンのシュテルン音楽院でシュテルンとビューローから指揮や作曲を学び、
ヴィンタートゥールのオルガニスト、合唱監督を務めるなどスイスで活躍した
ゲッツ。身体を蝕み悪化する結核と闘いながら演奏活動を続けたゲッツ晩年の
「ピアノ協奏曲Op.18」は、親交の厚かったブラームスと同じくウィーン古典
派の影響を感じさせる夭折の天才の忘れ形見である。
天才ヴァイオリニストとしてその名を轟かせた兄ヘンリクとは対照的に、パリ
音楽院で学び作曲家、教育者としての優れた資質を開花させた弟ユゼフ・ヴィ
エニャフスキ。1860年にワルシャワで出版され、ベルギー国王レオポルド2世
に献呈されたヴィエニャフスキの「ピアノ協奏曲Op.20」は、兄のヴァイオリ
ンのように高度な技巧が要求されるソロパートや、ショパンやリストを彷彿と
させる作風やスタイルが特徴的。
録音:2009年9月16日-17日、シティ・ホール(グラスゴー)




<Orchid Classics>
ORC100012 \1750
リズム&テクスチュア
1-4.ラヴェル(1875-1937):弦楽四重奏曲ヘ長調
5.ガーシュウイン(1898-1937):子守歌
6.ラビスタ(1943-):夜の陰
7.アルバレス(1956-):メトロ・チャバカーノ
8.ゴリホフ(1960-):テネブレ(朝課)
ブロドスキー弦楽四重奏団
ダニエル・ローランド(第1ヴァイオリン )/イアン・ベルトン(第2ヴァイオリ
ン)/ポール・カッシディ(ヴィオラ)/ジャクリーヌ・トーマス(チェロ)
録音2009年9月10-12日イギリスサフォーク、ポットン・ホール
常に新境地を開拓することで知られる、イギリスのブロドスキー弦楽四重奏団。
その活動の幅広さは、あのクロノス・カルテットにも匹敵し、2009年の初来日
の際にはバンドネオンの小松亮太ともコラボし、演奏会の際には、このアルバ
ムに収録されたラビスタとアルバレスの作品も演奏し、大喝采を浴びています。
彼らはいつも立って演奏(チェロは別)することで、音楽にとびきりの躍動感を
与えます。この「リズムとテクスチュア」と銘打たれた CDには、5人の作曲家
の作品が収録されていて、滑らかな響きと切れ味鋭い音色を絶妙に使い分け、
まことに刺激的な世界を創り上げています。
何となく物狂おしい夜、ラヴェルのとろけるような曲でも眠れず、ガーシュウ
インの子守歌を聴いても、ますます目は冴えて行きます。ラビスタの「夜の陰」
はそんな眠れぬ状態を表現した曲だとか。こうなったら、騒がしい曲で(メトロ
・チャバカーノ)目を覚まし、日の出る前に祈りを捧げる(テネブレ)・・・そん
な一夜のストーリー。いかがでしょうか?




<LPO>
LPO-0047 \2100
ホルスト(1874-1934):組曲「惑星」
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
録音 2009年5月22日ロンドンロイヤル・フェスティヴァル・ホール
このユロフスキの惑星、とにかく快速テンポです。「火星」の冒頭から飛ばす
こと、飛ばすこと・・・。とは言っても決して薄味なわけではありません。締
めるところはきっちり、歌うところもきっちり。とにかく聴いていて心地よい
ホルストです。
録音も美しく、音響的な広がりもとことん楽しめます。木星の縞模様も、土星
の環も、全て目で見えるようなクリアな演奏と言えるでしょう。




<Toccata Classics>
TOCC-0007 \2450
ヴァインベルク(1919-1996):ヴァイリン・ソナタ全集第1集
1-3.ヴァイオリン・ソナタ 第1番 Op.12…初録音/4-8.無伴奏ヴァイオリン・
ソナタ Op.82…初録音/ 9-10.ヴァイオリン・ソナタ第4番 Op.39/11-13.
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ Op.46
演奏:ユーリ・カルニツ(ヴァイオリン)
マイケル・チャーンニィ・ウィリス(ピアノ)
録音 2008年8月26-30日…1-3.9-13, 2009年7月13-18日…4-8
最近、ヴァインベルクのCDもリリースが多くなってきました。TOCCATAレーベ
ルではヴァイオリン・ソナタの全集完成を目論んでいます。これはその第1集
目。第1番のヴァイオリン・ソナタはヴァインベルクがタシュケントに移り結
婚した頃の作品で、民謡風の主題や、美しい第 2楽章など独自性は乏しくとも
聴きどころの多い曲です。第4番は 1947年に書かれ、名ヴァイオリニスト、レ
オニード・コーガンに捧げられています。憂鬱なアダージョに始まり、身の置
きどころのないような狂おしいアレグロへと移ります。1948年のソナチネはジ
ダーノフ批判で彼の作品の演奏が禁止になった頃のもの。平易な作風ですが微
妙にねじれている感が素敵です。一転、1960年の無伴奏は孤高の厳しさを備え
た作品です。

TOCC-0091 \2450
シュニトケ(1934-1998):ディスカヴァリーズ
1-6.6つの前奏曲(1953-54)…初録音
7.チェロとアンサンブルのための「ディアローグ」(1967)
8.カンディンスキーによる舞台「イエロー・サウンド」…初録音(1974)
9.メゾ・ソプラノとピアノのための「マグダリーナ」…初録音(1977)
10.弦楽四重奏のための変奏曲…初録音(1997)
ドロソスタリッツァ・モライティ(ピアノ)…1-6.9
アレクサンダー・イワシュキン(チェロ)…7.10
アンサンブル・ペンタドーレ・ド・モントリオール&ジェレミー・ベル(指揮)
…7/ネリー・リー(ソプラノ)…8
ボリショイ・ソロイスツ・アンサンブル&アレクサンダー・ラザレフ(指揮)…8
ライオラ・グロドニカイト(メゾ・ソプラノ)…9
オレー・クリサ&ナタリア・ロメイコ(ヴァイオリン)…10
コンスタンティン・ボヤルスキ(ヴィオラ)…10
録音 2009年5月30日…1-6, 2006年12月1日…7, 1984年1月6日…8, 2009年6月
29日…9, 2000年4月30日…10
何かと話題のシュニトケの作品集です。初期に書かれたピアノのための前奏曲
はラフマニノフやショパンの影響を強く受けたロマンティックな作品。まだ後
年の個性的な作風は芽を出していませんが、これはこれで聴き映えのする曲集
です。チェロよりも他の楽器の活躍の方が耳に残る「ディアローグ」は、この
チェロの音色の孤独感を狙ったのかもしれません。基本は3つの音による終わり
のないヴァリエーションということになっていますが、なかなか難解な音楽で
す。「イエロー・サウンド」は不気味な音の連なりの中に強い主張を感じさせ
ます。ロシア語で歌われる観念的な詩も面白いところです。パステルナークの
「ドクトル・ジバゴ」から歌詞を取った「マグダリーナ」、晩年の作品である
「変奏曲」と、知られざる作品目白押しの1枚です。

TOCC-0122 \2450
ギュンター・ラファエル(1903-1960):ヴァイオリンのための作品集
1-3.ヴァイオリンとピアノのためのソナチネロ短調 Op.52(1944)/4-6.無伴奏
ヴァイオリン・ソナタホ短調 Op.46-2(1940)/ 7-9.2台のヴァイオリンのため
のデュオト短調 Op.47-1(1940)/10-12.無伴奏ヴァイオリン・ソナタイ短調
Op.46-1(1940)…初録音/13-15.ヴァイオリン・ソナタハ長調 Op.43(1936)
パウリーネ・レグウィック(ヴァイオリン)
ダリウス・カウナス(ヴァイオリン)…7-9
エミリオ・ペローニ(ピアノ)… 1-3.13-15
録音 2010年2月1日…1-3.13-15, 2010年3月12日…4-12
最近、cpoから立て続けに作品がリリースされた話題の作曲家、ギュンター・
ラファエル。珍しい作曲家だと思っていましたが、こんなにすぐヴァイオリン
作品の聴き比べができるとは思いもしませんでした。作風は新古典主義なので
すが、微妙に懐かしメロディもあり、不思議と心にしみこむ音楽です。cpoの
演奏は、作曲家の娘ということで解釈は(恐らく)父譲りの筋金入りでしょう。
こちらは演奏家自身による新たな構築とでも言えるでしょうか。このヴァイオ
リニスト、とにかく音色が力強く、湧き上がるような低音が魅力的です。無伴
奏ソナタでのむせび泣くような歌いあげ方は圧巻。バッハの面影を持ちつつも
現代的な音の建築物を目の前にしっかり見せてくれます。




<Cantus>
C 9603 \2080
ヴェラチーニ:4つのヴァイオリン・ソナタ
フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690-1768):
ヴァイオリン・ソナタ集 Op.1(1721、ドレスデン)第1部 から
第1番ト短調(No.1)/第2番イ短調(No.2)
ヴァイオリン・ソナタ集 Op.2(1744、フィレンツェ&ロンドン)から
第5番ト短調
ヴァイオリン・ソナタ集 Op.1(1721、ドレスデン)第2部 から
第2番イ長調(No.7)
ファブリツィオ・チプリアーニ(ヴァイオリン(*))
アントニオ・ファンティヌオリ(チェロ(+))
シリオ・レスタンティ(チェンバロ(#))
録音:1996年6月、クエンカ(スペイン)、聖ミゲル教会
使用楽器:
18世紀、不詳作者製(*)/1991年、デジデリオ・クエルチェターニ製
(18世紀モデル)(+)
1979年、クリストファー・ノブス製
(モデル:不詳作者製、一段鍵盤、ロンドン、コートールド芸術学校所蔵)(#)
カントゥス・レーベルの活動開始早々に録音されながら諸事情により2010年ま
で発売が延期されていた「幻の録音」。ヴェラチーニはフィレンツェに生まれ、
あのタルティーニを震撼させた伝説を持つヴァイオリニスト・作曲家。ファブ
リツィオ・チプリアーニ(1971年ジェノヴァ生まれ)はエウローパ・ガランテの
創設メンバーの一人で、その後イル・セミナリオ・ムジカーレのオーケストラ
・リーダーを務めたヴァイオリニスト。ユダヤ教に傾倒し2006年にはラビ(指
導者・学者)として認められ、世界各地で音楽家兼宗教家として活動するユニ
ークな存在となりました。
※当商品は初回生産分完売のため再生産待ちとなっております。入荷が遅れる
事、あるいは入手不可になる可能性がある事、ご了承下さい。

C 9622 \2080
【未案内旧譜】
ロドリゲス:フォルテピアノ作品集
フェリペ・ロドリゲス(1759-1814):
ロンド変ロ長調
ソナタ第12番ハ長調/ソナタ第14番ヘ長調/ソナタ第13番ヘ長調
ソナタ第11番ト長調/ソナタ第15番ハ長調/ソナタ第3番変ロ長調
ジュゼプ・マリア・ルジェ(フォルテピアノ)
録音:1999年6月、クエンカ(スペイン)、聖ミゲル教会
使用楽器:1989年ポール・マクナルティ製
(モデル:1795年頃、アントン・ヴァルター製)
フェリペ・ロドリゲス(ブックレット表記によれば 1760-1815)はモンセラト
修道院のオルガニストを務めた作曲家。ロンドとソナタの手稿譜が同修道院
に残されています。ジュゼプ・マリア・ルジェは当レーベルからソルのフォル
テピアノ作品集(C 9818)をリリースしていました。

C 9632 \2080
【弊社未案内旧譜】
ギターのタブラチュア ルネサンスギターのための音楽
ギヨーム・モルレ(1510頃-1558以降):
ファンタジア第2番/涙を流せ、わが目よ/ヴィラネスク/ガイヤルド「5歩」
アドリアン・ル・ロワ(1520頃-1598):
ファンタジア第2番
パヴァーヌ「もし私がそう見えるなら」
/前曲のパヴァーヌのディミニューション
ガイヤルド「もし私がそう見えるなら」
/前曲のガイヤルドのディミニューション
グレゴワール・ブレサン[グレゴール・ブライシング]
(確認できる活躍期:1547頃-1560頃)/アドリアン・ル・ロワ:
ファンタジア第5番/ラ、ラ、ラ、私は思い切って言えない
おお、乱れた足取り/一人の娘がいた(バス・ダンス風)
トゥルディヨンとそのディミニューション
ギヨーム・モルレ:
ファンタジア第1番/クラロス伯爵/美しい森へ/ガイヤルド
アドリアン・ル・ロワ/グレゴワール・ブレサン:
前奏曲/鶴のファンタジア第1番
パヴァーヌ「私は多くの悩みを抱えている」とそのディミニューション
前曲のパヴァーヌによるガイヤルドとそのディミニューション
アドリアン・ル・ロワ:
ファンタジア第1番/パヴァーヌ「戦争」
/前曲のパヴァーヌによるガイヤルド
ブルゴーニュのブランル集 から 第1-3、5、6番
ギヨーム・モルレ:
私の口は笑う/ラ・セラフィーヌ/リッペのファンタジア
マイケル・クラドック(ルネサンスギター)
録音:2000年5月、ビルスフェルデン(スイス)
使用楽器:1989年、ローレンス・K・ブラウン製
パリの宮廷で活躍した三人のリュート&ギター奏者兼作曲家の作品集。マイケ
ル・クラドックはノーステキサス大学で音楽博士号を取得した最初のギタリス
ト。彼はピリオド撥弦楽器にも興味を抱くようになり、バーゼル(スイス)のス
コラ・カントールムにホプキンソン・スミスに師事しました。現在はソロ活動
の他、ヨーロッパと合衆国の様々なアンサンブルに参加しています。
以前の代理店より新譜として案内済みです。

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10-10 No.5-1

2010年10月05日 20時36分45秒 | Weblog
<Glossa>
GCD 922601 \2300
カレザーナ:カンタータ《東方三博士の礼拝》 ――
カンタータ《徹夜祭》、カンタータ《悪魔、天使と3人の羊飼い》、
カンタータ《センブリ・ステラ・フェリーチェ、パルテノーペ・レッジャルダ》、
カンタータ《東方三博士の礼拝》/ジアーニ:ソナタOp.17-7、ソナタOp.7-15
アントニオ・フローリオ(指揮)、
イ・トゥルキーニ、
マリア・グラツィア・スキアヴォ(ソプラノ)、
ヴァレンティーナ・ヴァッリアーレ(ソプラノ)、
フィリッポ・ミネッチャ(カウンタテナー)、
ジュゼッペ・デ・ヴィットリオ(テノール)、
ロザリオ・トターロ(テノール)、
ジュゼッペ・ナヴィリオ(バス)
歴史に埋もれたイタリア、ナポリのバロック音楽の開拓者たち、"アントニオ・
フローリオ"と"カッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニ"改め"イ・
トゥルキーニ"がグロッサに完全移籍!
移籍第1弾となるグロッサとフローリオ&イ・トゥルキーニからのクリスマス・
プレゼントは、17世紀ナポリの音楽家クリストファロ・カレザーナ(c.1640-
1709)のカンタータ!
アレッサンドロ・スカルラッティが台頭する以前のナポリを代表する音楽家と
して、名教師フランチェスコ・ プロヴェンツァーレと並び立ったカレザーナ。
カレザーナの音楽、特にオラトリオなどの宗教音楽は次世代のペルゴレージに
大きな影響を与えたとされており、ナポリ楽派、そしてイタリア音楽の歴史に
おける重要な音楽家なのである。
アントニオ・フローリオ&イ・トゥルキーニの演奏と、現代に呼び覚まされた
ナポリの音楽の素晴らしさは、Opus111時代の「ナポリの至宝」シリーズで実
証済み。
録音:2009年12月、セントロ・ディ・ムジカ・アンティカ・ピエタ・デイ・トゥ
ルキーニ(ナポリ)

GCD 921621 \2300
ブテイエ:レクイエム(死者のためのミサ曲)
ブロッサール:スターバト・マーテル
エルヴェ・ニケ(指揮)
コンセール・スピリチュエル
太陽王ルイ14世統治下のフランスで、トロワ大聖堂とシャロン・シュール・マ
ルヌ大聖堂の教会音楽家として活躍したブテイエ。
当時のパリで流行したヴェルサイユのグラン・モテ様式ではなく、"5声+器楽
伴奏"で作曲された「レクイエム(死者のためのミサ曲)」はブテイエの代表作で
あり、作品の大半が失われてしまった現在では、その音楽、様式を知ることの
できるフランス・バロックの貴重な遺産である。
ここでニケは、フレマール、シャルパンティエやユガールたちの手による各楽
章の器楽版を挿入するなど、ブテイエの音楽の持つ"力"を最大限に引き出すた
めに一工夫。
鬼才ニケならではの独創的なアイディアが、ブテイエの「レクイエム」を最高
の形と演奏に仕上げてくれているに違いない。
録音:2010年2月、パリ・ノートル・ダム・デュ・リバン教会(フランス)

GCD 920411 \2300
J・S・バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ集 ――
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番ト長調BWV.1027/
同第2番ニ長調BWV.1028/同第3番ト短調BWV.1029/《マタイ受難曲》BWV.244
より 来たれ、甘美なる十字架よ/《ヨハネ受難曲》BWV.245より すべては成
し遂げられた/前奏曲(即興)
パオロ・パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、
マルクス・ヘンニンガー(チェンバロ&オルガン)、
マイケル・チャンス(カウンターテナー)、
ハリー・ファン・デル・カンプ(バス)、
フランソワ・ジュベール=カイエ(ヴィオローネ)
前回のレコーディングから15年という歳月の中でパンドルフォが再考し続けた
バッハへのアプローチ。それは"ヴィオラ・ダ・ガンバ"と"チェンバロ"という
2つの楽器が交わす音楽の会話、または音楽的議論。この会話、議論から生ま
れる音楽こそが、パンドルフォが導き出した「ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ」
の新しい姿なのである。
また、ソナタとソナタの間に即興による「前奏曲」や、チャンス、ファン・デ
ル・カンプといった名手たちが歌うバッハのアリアを置くことにより、1つの
大きな作品としてパンドルフォが思い描いた「ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ
集」が完成する。
録音:2010年5月、サン・アポリネール教会(ボラン/ベルギー)

●Glossa Platinum
GCD P32105 \2300
アレクサンドル・アグリコラと
同世代の作曲家たち ――
I. 追憶 - 作曲者不詳:ロマンス・デ・ラ・ムエルテ/ラ・リュー:Plorer,
Gemier / Requiem、青春の過ち、我が子アブサロン、あなたを思って私は悲
しむ/
II. 色彩と盲目 - アグリコラ:盲目の人は色を見分けないI、絶望した幸福の
女神、眠りを与えず、L’eure est venue、私は嘆きしか知らない/アンチエ
タ:ムジカ・クィド・デフレス/シャンピオン:深き淵より汝を呼べり/ジョス
カン:森のニンフ(オケゲムの死を悼む挽歌)/アグリコラ:盲目の人は色を見分
けないII
アンサンブル・グランドラヴォア、
ビョルン・シュメルツァー(ディレクター)
ベルギーの民族音楽学者、中世&ルネサンス音楽演奏のスペシャリスト、ビョ
ルン・シュメルツァーとアンサンブル・グランドラヴォアの次なるテーマは、
15世紀フランドル楽派の音楽家アレクサンデル・アグリコラ(1445 or 1446-
1506)。
出生や青年期など現在でも謎が多くの残されているアグリコラの生涯。フラン
ドル地方だけでなく、イタリアやフランス、ネーデルラントで活躍し、最後は
スペインで没するなど、ヨーロッパ各国で認められたアグリコラの音楽は、ブ
ルゴーニュ楽派とフランドル楽派の様式の特徴を兼ね備えた稀有な存在として
も知られている。
またアグリコラと同世代の音楽家たち、ラ・リューやジョスカン、シャンピオ
ン、アンチエタの音楽との共通点や違いなどを探るのも興味深い。
アントワープに集まったスペイン、エストニア、イギリス、フランス、ベルギ
ーの古楽奏者たちによる多国籍精鋭集団、グランドラヴォアの音楽探求の歩み
はまだまだ続きます。
録音:2010年2月、ドゥイスブルク聖カタリーネン教会(ベルギー)




<Passacaille>
Passacaille 956 \2300
J・S・バッハ:カンタータ第32番《いと尊きイエス、わが憧れよ》BWV.32、カ
ンタータ第49番《あこがれをもて求めゆかん》BWV.49、カンタータ第154番
《いと尊きわがイエスは見失われぬ》BWV.154/ヨハン・クリストフ・バッハ:
カンタータ《ああ、私の頭が水で満ちていたなら》
カロリーヌ・ヴェイナンツ(ソプラノ)、
パトリック・ファン・ゲーテム(カウンターテナー)、
マーカス・ウルマン(テノール)、リーヴェン・テルモント(バリトン)、
マルセル・ポンセール(ディレクター)、イル・ガルデリーノ
コープマン、ヘレヴェッヘ、ガーディナーなど古楽界の巨匠たちと共演を重ね
てきたマルセル・ポンセールが、イル・ガルデリーノのカンタータ・シリーズ
第1弾として選んだのは、J・S・バッハとその父ヨハン・アンブロジウスの従
兄弟ヨハン・クリストフ・バッハの音楽。
ソリストにはベルギー期待の若手ソプラノ、カロリーヌ・ヴェイナンツや同じ
くベルギーの名カウンターテナー、パトリック・ファン・ゲーテムが、またイ
ル・ガルデリーノにはヴァイオリンのフランソワ・フェルナンデスとソフィー
・ジェント、ヴィオラの秋葉美佳など名手たちが集うなど、その大きなスケー
ルは新たなシリーズの幕開けに相応しい。
録音:2008年1月14日-17日、アミューズ(アントワープ)/ディジパック仕様

Passacaille 962 \2300
コレッリの遺産 ――
コレッリ:ソナタ イ長調Op.5-9/カルボネッリ:ソナタ ニ短調Op.1-2
(世界初録音)/モッシ:ソナタ ロ短調Op.1-5(世界初録音)/ヴィスコンティ:
ソナタ ホ短調Op.2-5/カストルッチ:ソナタ ト短調Op.2-5(世界初録音)/
ロカテッリ:ソナタ イ長調Op.8-10/モンタナーリ:ジーグ(世界初録音)
ムジカ・アンティクア・ローマ〔リッカルド・ミナシ(ヴァイオリン)、マル
コ・チェッカート(チェロ)、ジュリア・ヌーティ(チェンバロ&オルガン)、
マルグレット・ケル(トリプル・ハープ)〕
ムジカ・アンティクア・ローマは、現在評価急上昇中、1978年ローマ出身の
ヴァイオリン奏者リッカルド・ミナシが2007年に創設したピリオド・アンサン
ブル。イタリア・バロックの巨匠コレッリの芸術とその遺産(次世代への影響)
を実際に音楽で表現したこの"コレッリの遺産"では、もちろんヴァイオリンの
リッカルド・ミナシが大活躍!
ムジカ・アンティクア・ローマは、17世紀&18世紀ローマの知られざる音楽の
復活も活動の目的としており、ここでも4曲が世界初録音。続編、そしてミナ
シの飛躍に期待したい。
録音:2007年3月2日-5日、オーディトリアム"M.Costa"(イタリア)
ディジパック仕様

Passacaille 912 2枚組 \4600
J・S・バッハ:ヨハネ受難曲BWV.245
イーアン・ハニーマン(福音史家/テノール)
ヴェルナー・ファン・メヘレン(イエス/バス・バリトン)
グレタ・ド・レイヘール(ソプラノ)
スティーヴ・ドゥガーディン(アルト)
スチュアート・パターソン(テノール)
ディルク・シュネリングス(バス)
パウル・ドンブレヒト(指揮)
イル・フォンダメント
"指揮者"ドンブレヒトの優れた統率力、指導力、カリスマ性が余すことなく発
揮されているJ・S・バッハの「ヨハネ受難曲」は、ゼレンカの「レクイエム」
と並ぶイル・フォンダメントの重要な演奏。
声楽付きの宗教作品にも柔軟に対応できるイル・フォンダメントのレベルの高
さ、ソリストたちの高水準の歌唱力、ドンブレヒトの個性豊かな音楽創りなど、
数ある「ヨハネ受難曲」の演奏の中でも上位に位置するであろうベルギー産の
隠れた名演である。
録音:1996年4月、ベギン会修道院教会(ベルギー/ライヴ録音)/弊社初紹介
/ディジパック仕様

Passacaille 901 \2300
テレマン:オーボエ&オーボエ・ダモーレ協奏曲 ――
オーボエ協奏曲ハ短調/オーボエ協奏曲ニ短調/オーボエ・ダモーレ協奏曲
イ長調/オーボエ協奏曲ニ長調/オーボエ・ダモーレ協奏曲ト長調/オーボエ
協奏曲ホ短調
パウル・ドンブレヒト(オーボエ&オーボエ・ダモーレ&指揮)
イル・フォンダメント
ベルギーが誇るピリオド・オーボエの世界的名手パウル・ドンブレヒトの十八
番中の十八番、テレマンのオーボエ&オーボエ・ダモーレ協奏曲集。ここまで
ピリオド・オーボエのソロを魅力的に響かすことができるのは、"ピリオド・
オーボエ"という楽器を知り尽くしたドンブレヒトだからこそ。このテレマン
とヴィヴァルディの協奏曲集(Passacaille 923)は、ピリオド・オーボエの決
定的名演といっても言い過ぎではないだろう!
録音:1994年、サン=ジル教会(ブルージュ)/弊社初紹介

Passacaille 922 \2300
ヘンデル:王宮の花火の音楽 ――
二重協奏曲第2番ヘ長調HWV.333/王宮の花火の音楽HWV.351
二重協奏曲第3番ヘ長調HWV.334
パウル・ドンブレヒト(指揮)、イル・フォンダメント
古楽王国ベルギーから華やかに打ちあがるロイヤル・ファイアー・ワークス!
「王宮の花火の音楽」の「序曲」で響き渡る風格漂う堂々たるサウンドが文句
なしに素晴らしい。
「王宮の花火の音楽」にはニケ&コンセール・スピリチュエルの名演など数多
くの演奏が存在しているが、特徴的なアクセントの処理、ナチュラルホルンを
筆頭とする金管セクションの活躍が目覚しいドンブレヒト&イル・フォンダメ
ントの演奏も外せない。
録音:1997年7月、ヘント王立音楽院(ベルギー)/弊社初紹介

Passacaille 903 \2300
アーベル:序曲とシンフォニア集 ――
序曲ハ長調Op.5-4/序曲ト長調Op.14-5/シンフォニア変ロ長調Op.17-2/
序曲ハ長調Op.1-2/シンフォニア変ホ長調Op.4-3/序曲ニ長調Op.7-3
パウル・ドンブレヒト(指揮)、イル・フォンダメント
音楽史にその名を刻むヴィオラ・ダ・ガンバの巨匠、カール・フリードリヒ・
アーベル(1723-1787)の管弦楽作品集は、ドンブレヒト&イル・フォンダメン
トの幅広いレパートリーを証明するユニークなプログラム。
"アーベル=ヴィオラ・ダ・ガンバ"というイメージを"アーベル=ヴィオラ・
ダ・ガンバ&管弦楽"へと進化させてくれる画期的な演奏は特筆もの。
録音:1994年2月、聖母教会(ベルギー)/弊社初紹介

Passacaille 905 \2300
フックス:序曲集 ――
序曲ニ短調/序曲変ロ長調/序曲ト短調/序曲変ロ長調
パウル・ドンブレヒト(指揮)、イル・フォンダメント
ゼレンカの師匠であり、神聖ローマ皇帝カール6世の宮廷音楽監督、聖シュテ
ファン大聖堂の楽長としてウィーンで絶大な名声を誇ったヨハン・ヨーゼフ・
フックス(1660-1741)。
フックス、ゼレンカと続く音楽史の流れも大切にしたイル・フォンダメントの
好演奏。このフックスでは弦楽セクションの気品に満ちたサウンドが印象的。
録音:1994年9月、サン・マルタン教会(ベルギー)/弊社初紹介

Passacaille 925 \2300
ファレーズ:舞曲集第1巻(ルーヴェン1571)
アンサンブル・ブラッチオ、ペーター・ファン・ヘイゲン(音楽監督)
ルーヴェン・タウン・ホールの550周年を記念して計画されたファレーズ(ファ
レシウス)・プロジェクト。
プロジェクト最大の目玉として製作されたレコーディングで取り上げられたピ
エール・ファレーズ(ペトリス・ファレシウス/ca.1520-1573/6)は、16世紀-
17世紀のルーヴェンとアントワープで栄えた楽譜出版家一族の2代目。ここに
は16世紀のルーヴェンで流行した器楽舞曲との出会いが待っています。
※録音:1998年3月-4月、アカデミーザール(シント=トルイデン)/弊社初紹介、
ディジパック仕様

Passacaille 906 \2300
17世紀ヴェネツィアの音楽 ――
ピッキ:カンツォン集(1624)より
マリーニ:ソナタ・シンフォニア集(1629)より
トゥリーニ:マドリガーレとソナタ集第1巻(1621)より
レゼネミス・コンフュス〔マルセル・ケテルス(リコーダー)、パトリック・
ロレイス(リコーダー)、フィリップ・マルフェイト(リュート)、ギ・ペンソン
(オルガン&チェンバロ)〕
レゼネミス・コンフュスは、1979年に結成されたベルギーの古楽アンサンブル。
ピッキ、マリーニ、トゥリーニのイタリア・バロック音楽では、2本のリコー
ダーが絶妙のコンビネーションを披露してくれている。
録音:1995年、カペル・ライセム(ベルギー)/弊社初紹介

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10-10 No.5-2

2010年10月05日 20時36分08秒 | Weblog
<Newton Classics>
8802020 2枚組 \2450
バード&タヴァナー :ミサとモテット集
CD1:《バード(1540-1623)》1-4.3声のミサ曲/ 5-9.4声のミサ曲/ 10-14.
5声のミサ曲
CD2:1-2.グレート・サーヴィス/ 3.アヴェ・ヴェルム・コルプス/《タヴァ
ナー(1490頃-1545)》4.王のキリエ/5-9.西風のミサ/10.安息日終わりし時/
11.よき羊飼イエス・キリストよ/12.キリストの御母
演奏:ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団
サー・デイヴィッド・ウィルコックス(指揮)
録音 1959年7月…CD1.10-14,1963年3月…CD1.1-9,1961年8月…CD2.4-12キング
ス・カレッジ教会
ルネサンス時代の 2人の巨匠、タヴァナーとバードの宗教作品集です。ヘンリ
ー7世の統治中に活躍、存命中は「人々から最も尊敬された音楽家」と言われ
たタヴァナーは、多くの合唱作品を残しました。彼の最も有名なミサ曲「西風」
(中世イングランドの俗謡を元にしたメロディが使われている)は、当時の作曲
家たちもの多大なる影響を与えています。彼の50年後に生まれたバードも素晴
らしい音楽家で、当時混迷していたイギリスの宗教戦争に巻き込まれたが故に、
両方の典礼音楽を数多く書くことになり、その功績は高く評価されています。
キングス・カレッジ合唱団の音楽監督を長い間務めたイギリス合唱界の重鎮、
ウィルコックスが紡ぎ出す完成度の高いアンサンブルでお聴きください。

8802021 4枚組 \3450
ラフマニノフ(1873-1943):交響曲全集他
CD1:1-4.交響曲第 1番ニ短調 Op.13/5.交響詩「死の島」Op.29
CD2:1-4.交響曲第 2番ホ短調 Op.27/5.交響詩「岩」Op.7
CD3:1-3.交響曲第 3番イ短調 Op.44/4-6.交響的舞曲 Op.45
CD4:1-4.詩曲「鐘」Op.35/5.カンタータ「春」 Op.20/6-8.3つのロシアの歌
Op.41(川を越えて/おお、ヴァンカよ/赤らめた頬におしろいを塗ってよ)
演奏:アレクサンドリア・ペンダチャンスカ(ソプラノ)…CD4-2/カルディ・
カルドフ(テノール)…CD4-1/セルゲイ・レイフェルクス(バリトン)…CD4-4.5
/フィラデルフィア芸術協会合唱団… CD4
フィラデルフィア管弦楽団
シャルル・デュトワ(指揮)
録音 1990年11月…CD3, 1991年11月…CD1, 1992年1月…CD4,
1993年2月…CD2フィラデルフィア・メモリアル・ホール

8802022 4枚組 \3450
モーツァルト(1756-1791):ヴァイオリン・ソナタ集
CD1:1-3.ヴァイオリン・ソナタハ長調 K.296/4-5.同ト長調 K.301/6-7.同
変ホ長調 K.302/8-9.同ハ長調 K.303/10-11.同ホ短調 K.304/12.フランス
の歌「羊飼いセリメーヌ」の主題による12の変奏曲
CD2:1-2.同イ長調 K.305/3-5.同ニ長調 K.306/6-8.同へ長調 K.376/9-11.
同へ長調 K.377
CD3:1-3.同変ロ長調 K.378/4-5.同ト長調 K.379/6-8.同変ホ長調 K.380/
9-11.同変ロ長調 K.454
CD4:1-3.同変ホ長調 K.481/4-6.同イ長調 K.526/7-9.同ヘ長調「初心者のた
めに」 K.547/10.フランスの歌「ああ、私は恋人を失った」の主題による6つ
の変奏曲 K.360
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
イングリッド・ヘブラー(ピアノ)
録音 1969年9月&1972年 1、5、9月ザルツブルク・モーツァルテウム
ヘンリク・シェリングとイングリッド・ヘブラー。この2人によるモーツァル
トのヴァイオリン・ソナタの「一つの最良の形」をお聴きください。ユダヤ系
ポーランド人として生まれ、後にメキシコに帰化したヴァイオリニスト、シェ
リングは、暖かみのある音色と、品のある解釈で人気の高い人です。彼は数多
くの録音を残し、また近現代の作品にも造詣が深く、中でもバッハの無伴奏や、
このモーツァルトなどは無類の人気を保っています。

8802023 \1750
ヴァッセナール(1692-1766):コンチェルト・アルモニコ集
1-4.第1番ト長調/ 5-8.第2番変ロ長調/ 9-11.第3番イ長調/ 12-15.第4番
ト長調/ 16-19.第5番ヘ短調/20-22.第6番変ホ長調
演奏:イ・ムジチ
録音 1979年7月スイスラ・ショー=ド=フォン
ネーデルラント連邦共和国の貴族ヴァッセナール(ヴァッセナール伯)は、国の
大使として重責を担いつつも、プライヴェートではアマチュア作曲家として高
い才能を有していました。彼はこのコンチェルト・アルモニコを作曲するも、
貴族であるために自らの名前を冠せずに出版、そのため、これらの曲は長らく
ペルゴレージの作品として知られ、ようやく「ヴェッセナールである」と確定
されたのは、彼の自筆譜が発見された 1979年以降の事でした。このイ・ムジチ
の録音もその1979年。ちょうどそんな頃の演奏です。

8802024 \1750
ラフマニノフ(1873-1943):
1.ヴォカリーズ(作曲家による管弦楽編)Op.34-14
2-4.交響曲第3番イ短調Op.44
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
レオポルド・ストコフスキー(指揮)
録音 1975年4月28,30日、5月1日ウェスト・ハム・セントラル・ミッション
20世紀の偉大なる指揮者ストコフスキー。彼はアメリカのオーケストラを発展
させ、また同時に様々な理由で祖国を離れ、アメリカに活動の拠点を求めた作
曲家たちの作品を進んで初演、彼らの曲を浸透させることに成功したのはご存
知の通りです。ラフマニノフについては、1920年に「鐘」のアメリカ初演、
1934年に「パガニーニの主題による変奏曲」の世界初演を行い、またラフマニ
ノフ自身のピアノで第1番のピアノ協奏曲も初演しています。1936年に完成さ
れた交響曲第3番も、当然ストコフスキーが初演するものと思われましたが、
この頃フィラデルフィア管弦楽団の共同指揮者であったオーマンディも、初演
に名乗りを挙げたため、争いの結果、ストコフスキーが初演の権利を勝ち取っ
たというものです。とはいうものの、その後ストコフスキーがこの「交響曲第
3番」を指揮することはなかったのですが、93歳になってこの奇跡的な録音が
実現したのですから、これは驚きと言うほかありません。

8802025 \1750
ストコフスキー名演集
1.ヴォーン=ウィリアムズ(1872-1958):トーマス・タリスの主題による幻想曲
/ 2.パーセル(1659-1695):歌劇「ダイドとイニーアス」よりダイドの嘆き(ス
トコフスキーによる管弦楽編)/3-7.ドヴォルザーク (1841-1904):弦楽のため
のセレナードホ長調 Op.22
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
レオポルド・ストコフスキー(指揮)
録音 1975年8月16,18-19日ロンドン・アビー・ロード第1スタジオ
「音の魔術師」レオポルド・ストコフスキー。彼は多くの作品を初演し、また
映画に出演し、また、多くの作品を華麗なる音色に書き換えて演奏、全ての
人々に音楽を聴く喜びを与え続けた人でした。このアルバムは、そんな彼の
「ストコフスキー・サウンド」を存分にお楽しみいただける珠玉の1枚です。
この録音が成された時、彼はすでに93歳。波乱に満ちた彼の生涯の全てを表現
し尽くすかのような、静かな叫びに満ちた演奏です。耽溺するような弦楽器の
音色に思わず耳を欹てる「タリスの幻想曲」、彼自身の編曲による「ダイドの
嘆き」での連綿たる弦のむせび泣き、そしてこの録音が彼にとって初(!)と
なったドヴォルザークの澄み切った響き。今まで抱いていたストコフスキーの
イメージ(華美、ゴージャス・・・)が覆されることでしょう。静かな感動をお
届けいたします。

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10-10 No.4

2010年10月05日 00時20分08秒 | Weblog
<Fra Prod>
FRA 502(Blu-ray) \4450
FRA 002(DVD-Video) \4350
字幕:英独仏伊西
グノー:「ミレイユ」
インヴァ・ムーラ(S ミレイユ)
 チャールズ・カストロノヴォ(T ヴァンサン)
フランク・フェラーリ(Br ウリアス) アラン・ヴェルヌ(Br ラモン)
シルヴィ・ブリュネ(Ms タヴァン) セバスチャン・ドロワ(T アンドレルン)
ニコラ・カヴァリエ(Bs-Brアンブロワーズ)
アメル・ブラヒム=ジェユール(S クレマンス)
アンヌ=カトリーヌ・ジレ(S ヴァンスネット)ほか
マルク・ミンコフスキ(指)パリ・オペラ座管弦楽団,合唱団
演出:ニコラ・ジョエル
美術:エツィオ・フリジェーリオ
衣装:フランカ・スクワルチャピーノ
照明:ヴィニーチョ・ケーリ
振付:パトリック・セゴ
収録:2009年9月
オペラファン、ミンコマニア注目の映像が登場です!2009年9月、マルコ・ミ
ンコフスキはパリのオペラ座、それもバスティーユではなくガルニエ宮の方で、
グノーの「ミレイユ」を上演、たいへん大きな話題を巻き起こしました。
「ミレイユ」は、プロヴァンスの作家フレデリック・ミストラルが1859年に発
表した長編詩「ミレイオ」を原作とするオペラ。1864年3月19日にパリのリリッ
ク劇場で初演されました。十数あるグノーのオペラの中では、「ファウスト」、
「ロメオとジュリエット」に次ぐ三番目に人気のある作品とされるも、上演は
多くありません。このオペラ座での上演では、ミンコフスキの生命力豊かな音
楽と、優れた歌手、そしてオペラ座監督であるニコラ・ジョエルが丁寧に南仏
の美しさを描いた演出によって、「ミレイユ」の魅力がかつてなく引き出され
ています。なおグノーは初演と同年に、オリジナルの5幕版を3幕仕立ての改訂
版に改訂し上演していますが、この上演では5幕版が用いられています。
タイトルロールのインヴァ・ムーラは、アルバニア出身のソプラノ。2002年9
月に新国立劇場でのヴェルディ「トラヴィアータ」に、Bキャストのヴィオレッ
タとして登場、その素晴らしい歌と演技は大きな話題になりました。今日ムー
ラは、イタリア、フランスでたいへん人気のあるソプラノとして活躍していま
す。ヴァンサンのチャールズ・カストロノヴォはニューヨーク出身のテノール。
欧米の様々な劇場で引っ張りだこの人気で、伊独仏いずれのオペラも達者にこ
なします。アラン・ヴェルヌはリヨン生まれのベテランのバリトン。フランス
人バリトンならではの味わいに優れています。フランク・フェラーリはニース
出身のバリトン。「カルメン」のエスカミーリョが当たり役として知られてい
ます。
ミレイユには数種の録音がありますけれど、こうして映像で見ると、美しい南
仏の風景を背景にした悲恋というのがこの作品の大きな魅力であることがよく
分かります。グノーの隠れた名作をお楽しみください!




<Grand Slam>
-平成の盤鬼 平林直哉のレーベル-
GS 2055 \2250
ステレオ
限定盤
ベートーヴェン:
(1)交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
(2)交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団
録音:(1)1958年1月13日、15日、17日、カリフォルニア、アメリカン・リージュ
ン・ホール
(2)1958年1月27日、30日、カリフォルニア、アメリカン・リージュン・ホール
使用音源:コロンビア(U.S.A.)(1)MQ 370, (2)MQ 369(オープンリール・テープ、
19センチ、4トラック)
■制作者より
「田園」は初期LP、米コロンビア MS 6012からの復刻CD、GS-2035(廃盤)を制
作しましたが、これはまたたく間に完売してしまいました。その後、再プレス
のご要望も多々あり、それも検討していました。しかし、今年に入って入手し
たオープンリール・テープの方がより良い結果が得られると判断、GS-2035は
再プレスせず、2010年に発売可能となった第5番も組み合わせ、新復刻とさせ
ていただきました。GS-2035の「田園」は初期LPらしい芯のしっかりした柔ら
かい音でしたが、テープ復刻による「田園」はテープ・ヒスが多少耳につくも
のの空間的な再現能力に優れ、スクラッチ・ノイズもありません。従って、両
復刻盤とも音の傾向が異なるので、すでにGS-2035をお持ちの方でもこの新復刻
を買い足す価値はあると思います。一方の第5番「運命」ですが、しばしば「ワ
ルターのベートーヴェンは偶数番号」と言われるように、第6番「田園」ほど、
注目されていないのが実状でしょう。ですが、この音でお聴きになれば、きっ
とその先入観は覆されるでしょう。まさに「目からうろこ」です。
■解説書の内容
アメリカの音楽評論家、ロバート・ローレンスがワルターのベートーヴェン交
響曲全集発売に際して書いた論評から、第5番、第6番に関して触れている箇所
を抜粋して転載します。
■おことわり
このディスクは非常に鮮明な音に仕上がっているため、たとえば第5番の第4楽
章9分06秒付近のような編集箇所がはっきりと聴き取れる場合があります。こ
れはオリジナルのままであり、既存のLP、CDにも確認出来るもので、当CDの製
造段階で起きた事故ではありません。(以上、平林直哉)




<EURO ARTS>
20 58064 (Blu-Ray) \4250
20 58068 (DVD) \2900
バレンボイム&ベルリン・フィル/ヨーロッパ・コンサート2010・フロム・オッ
クスフォード
ワーグナー:
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第3幕への前奏曲
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調Op.85
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調Op.68
ダニエル・バレンボイム(指)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アリサ・ワイラースタイン(Vc)
2010年のベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサートの映像がDVDとブルーレ
イ・ディスクで発売されます。指揮はダニエル・バレンボイム、コンサートマ
スターは樫本大進が務めています。
会場はオックスフォード大学のシェルドニアン講堂。ここは有名な建築家クリ
ストファー・レンの設計により1688年に建設された美しい会場。
ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕への前奏曲から
始まり、響きの良いホールに豊かなサウンドが美しく鳴り響きます。
2曲目はエルガーのチェロ協奏曲。ソリストを務めるのは、1982年アメリカ生
まれの若き女流チェリスト、アリサ・ワイラースタイン。バレンボイムにとっ
てエルガーのチェロ協奏曲はデュ・プレの名演がありますので、特別な演奏会
のみと言われています。今回のワイラースタインの抜擢は、バレンボイムの彼
女への高い評価の表れと言えるでしょう。力強い音で存在感たっぷりに聴かせ
るワイラースタインの今後に注目です。
後半のブラームスの交響曲第1番は対向配置を採用。ベルリン・フィルの重厚
なサウンドが上手く会場に響き渡り、密度の濃い音楽を聴かせてくれます。




<BIS>
BIS SA 1861(SACD-Hybrid) \2500
J.S.バッハ:カンタータ全集 Vol.47
(1)第36番「嬉々として舞い上がれ、星々の高みまで」BWV36
(2)第47番「誰であれ、高ぶるものは低くせられ」BWV47
(3)第27番「誰が知ろう、いかにわが終りの時が迫り来るかを」BWV27
(4)第27番のアルト・アリアの別稿(オルガン版)
ハナ・ブラシコヴァー(Sop) ロビン・ブレイズ(A) 水越啓(Ten) 
ペーター・コーイ(Bs)
鈴木雅明(指)バッハ・コレギウム・ジャパン
BCJのカンタータ・シリーズ第47弾は1726年の作品を集めています。いずれも
珠玉の名品ですが、ルターのコラール「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」に基
づく第36番は世俗カンタータ「喜びわき起こり」のパロディで、オペラ風のア
リアが異色。BCJの演奏も躍動感に満ち、元気を与えてくれます。

BIS SA 1769(SACD-Hybrid) \2500
J.S.バッハ:オーボエ協奏曲集
(1)オーボエ協奏曲ヘ長調
(2)同ニ短調
(3)オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調
(4)オーボエ、ヴァイオリンのための協奏曲ハ短調
(5)復活祭オラトリオよりアダージョ
アレクセイ・オグリンチュク(Obと指揮)、アリーナ・イブラギモヴァ(Vn)、
スウェーデン室内管
かつてベートーヴェンの未完のオーボエ協奏曲を世界初録音して話題を呼んだ
オグリンチュク。ロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席奏者も務める彼の新譜
は大バッハのオーボエ協奏曲集。もちろんバッハの作品表にオーボエ協奏曲は
ありませんが、カンタータ等で絶美なソロを多用している所からも、好んでい
たといわれています。当アルバムのヘ長調作品はチェンバロ協奏曲第2番、オー
ボエ・ダモーレのものは同4番、ヴァイオリンとの二重協奏曲は2台のチェンバ
ロのための協奏曲に基づきますが、いずれも原曲がオーボエ協奏曲だったとい
う説があり、それを復元。オグリンチュクの妖艶な美音もさることながら、イ
ブラギモヴァとの共演も注目です。

BIS 1753 \2380
ヤルネフェルト:
(1)交響幻想曲(1895)
(2)組曲変ホ長調(1897)
(3)セレナード(1893)
(4)子守歌-VnとOrch(1904)
ヤーッコ・クーシスト(Vnと指揮)、ラハティ交響楽団
シベリウスの義兄で美しい「子守歌」1曲のみで知られるアルマス・ヤルネフェ
ルト(1869-1958)。他の作品にも関心がつのりますが、待望のオーケストラ曲ア
ルバムの登場です。これが期待以上に魅力的なものばかり。パリ時代の「セレ
ナード」は恩師マスネの影響の濃いチャーミングな作品。一方「交響幻想曲」
はバイロイト詣直後の作で、まるでワーグナー。名ヴァイオリニスト、ヤーッ
コ・クーシストの指揮も光ります。

BIS 1785 \2380
昨日のうた
(1)ヨーク・ボウエン:リコーダーとピアノのためのソナチネ Op.121
(2)ラッブラ:リコーダーとチェンバロのためのソナチネ Op.128
(3)同:「いくばくかの後悔」に基づくパッサカリア Op.113
(4)シリル・スコット:オーバード
(5)ハーバート・マリル:リコーダーとチェンバロのためのソナタ
(6)ウォルター・リー:リコーダーとピアノのためのソナチネ
(7)バークリー:リコーダーとピアノのためのソナチネ Op.13
ダン・ラウリン(リコーダー)、アンナ・パラディソ(Pf, Cem)
北欧の虚無僧ことダン・ラウリンがたいへん興味深いジャンルに挑戦しまし
た。リコーダーといえば古楽か現代音楽が主ですが、イギリスの名手カール・
ドルメッチ(1911-97)が自身のウィグモア・ホールでのコンサート用に当時の
大物作曲家たちへ新作を委嘱、その結果不思議なリコーダー曲がいろいろ生ま
れました。ヨーク・ボウエンやシリル・スコットらが芸風を変えることなく
作ったリコーダー曲はラフマニノフ風の濃厚なロマンやドビュッシー風の印象
主義、さらにプロコフィエフ風の運動性まで、あの素朴な楽器とは思えぬ変貌
を遂げています。ラウリンも舌を巻く巧さで堪能させてくれます。

BIS 1839/40 3枚組 \4750
ニールセン:交響曲全集
交響曲第1番ト短調 Op.7/第2番「4つの気質」Op.16/第3番「ひろがり」Op.27
/第4番「不滅」Op.29/第5番 Op.50/第6番FS166/序曲「ヘリオス」Op.17/
夢の古譚 Op.39/パンとシュリンクス Op.49
オスモ・ヴァンスカ(指)
BBCスコテッシュ交響楽団、ラハティ交響楽団
ベストセラーのシベリウスやベートーヴェンの交響曲と並んでヴァンスカの名
を高めたニールセンの交響曲が全集となり、さらに新録音の管弦楽曲3篇も収
められた嬉しいアルバムとして登場します。いずれもヴァンスカならではのボ
ルテージの高さで、さらにニールセンの代表作「ヘリオス」まで楽しめます。
これが3CD2枚価格というお買い得品、一家に一セット揃えたい逸品です。



<haenssler>
=SWR MUSIC=
93 265 \2250
「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽Vol.7」
ジョルジュ・オーリック:
・バレエ音楽「うるさがた」
・バレエ音楽「牧歌劇」*世界初録音
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー
録音:2009年3月30日-4月11日ザールラント放送、グローサー・ゼンデザール
(デジタル・セッション)
「ディアギレフとロシア・バレエ団の音楽」の第7集。「フランス6人組」のオ
ーリックは多作家として知られ、とくにジャン・コクトーとのコラボによる映
画音楽の仕事は重要で、ほかにも150近くに上る作品のフィルム・スコアを手
掛けています。
そのオーリックが創作初期の1924年から1926年の間に、ディアギレフのために
書いたバレエ音楽は全部で3つ。そのうち、もっとも成功した「船乗りたち」
以外はほとんど知られていません。
ピカソとならびキュビズムを創始したことで有名な画家ジョルジュ・ブラック
が舞台装置、衣裳、緞帳をデザインした「うるさがた」。シナリオは、恋人を
追いかける若い男が、さまざまなウルサイ奴らによって何度も何度も恋路を邪
魔されるというもので、17世紀のモリエール作品にヒントを得て台本を手掛け
たのは、ディアギレフの片腕と云われたボロ・コシュノ(ボリス・コフノ)。一
方、1926年のプロダクションで、ジョージ・バランシン振付による「牧歌劇」
は、ディアギレフのために書いた第3作にして最後のバレエ音楽。物語は田舎
での一本の映画撮影と、村人と映画のキャスト、スタッフとの間の緊張関係を
巡って展開します。
ここで、ゆたかなユーモア精神を交えながら、メロディ、テクスチュア、形式
の明晰さへの回帰という「6人組」の基本精神を強く打ち出した内容は、終生、
平易な作風を心がけたオーリックの方向性を先取りしているものといえ、おお
いに注目されるところ。ポッペンの丁寧な音楽づくりもあって、魅力的な仕上
がりです。

93 264 \2250
「シューマン:ピアノと管弦楽のための作品全集」
シューマン:
・ピアノ協奏曲(協奏曲断章)ニ短調(1839)
・アベッグ変奏曲-ピアノと管弦楽のための(1830/31)*
・ピアノ協奏曲イ短調Op.54(1841/45)
・序奏とアレグロ・アッパッシオナート(コンツェルトシュテュック)
ト長調Op.92(1849)
・序奏とアレグロ ニ短調・ニ長調Op.134(1853)
フローリアン・ウーリヒ(P:スタインウェイD)
クリストフ・ポッペン(指)
ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー
録音:2010年6月15-18日(セッション・デジタル)
2010年のシューマン・アニヴァーサリーを機に、最新のクリティカル・エディ
ションによるピアノ独奏曲全集シリーズをスタートさせたドイツの若手ウーリ
ヒが、こんどは有名な協奏曲イ短調を含むピアノと管弦楽のための作品全集を
リリース。ソロ・アルバム(98.603)同様に、ここでも最新の研究成果がしっか
り盛り込まれています。
第1楽章のみの「ピアノ協奏曲ニ短調」は、1986年にピアニストで研究者のヨ
ゼフ・デ・ベーンハウアーが復元&補完し、1988年にヨアヒム・ドラハイムが
校訂した版による演奏。そして、本アルバムの目玉といえるのが、現行のピア
ノ独奏版と同時期に着想された、オケ伴奏つきの「アベッグ変奏曲」。シュー
マンのオリジナルによる、ピアノと管弦楽版の草稿を2010年にドラハイムが復
元したもので世界初録音となります。
すべてドイツ勢で揃えた演奏陣の顔ぶれは、指揮のポッペンがほかのレコー
ディングで知られるように、ウーリヒ共々シューマンを熟知していることも
あり、演奏はきわめて高水準。同じウーリヒの弾く独奏曲シリーズと併せて
注目の内容といえるでしょう。

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