<HUNGAROTON>
HCD 32563 \2080
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):
(1)インテルメッツィ「ペリッカとヴァッローネ」
(2)同「レオンツィオとエウリッラ」
[イタリア語歌唱]
ベルナデット・ヴィーデマン(Ms ペリッカ、エウリッラ)
ラースロー・イェクル(Bs ヴァッローネ、レオンツィオ)
サヴァリア・バロック・オーケストラ(同時代楽器使用)
アーグネシュ・ヴァーライアイ(Cem)
パール・ネーメト(指)
録音:2008年4月14-16日、5月7-8日フンガロトン・スタジオ
舞台用のインテルメッツィは、オペラ・セリアの幕間に、あるいは幕中の舞台
転換の間じゅうに演奏された、2名または3名を伴う形の、1幕乃至3幕の室内オ
ペラのこと。その目的はオペラ・セリアの悲劇的な筋書きにコメディの要素を
加えたり、舞台上で繰り広げられる出来事の劇的な連鎖に、短い“間奏”をた
だ挿入したりするためのものでした。ありふれたキャラクターに、日常的なシ
チュエーションの親しみやすさから、しばしばオペラ・セリア本編以上の人気
を集めたといいます。
のちのオペラ・ブッファを準備する意味で重要な役割を担うインテルメッツィ。
このジャンルを発展させた代表的な巨匠には、群を抜いた数のオペラとカンタ
ータの創作で知られたアレッサンドロ・スカルラッティもいました。使用人ふ
たりの発展してゆく恋愛模様を描いた「ペリッカとヴァッローネ」と、恋人た
ちの口げんかがコミカルな「レオンツィオとエウリッラ」。世界初録音となる
2曲は、順にドランマ・ペル・ムジカ(音楽のための劇)「スペインのスキピオ」
「マルクス・アティリウス・レグルス」のインテルメッツィとして書かれたも
ので、各ナンバー長くても4分半、短いものは15秒というレチタティーヴォの
間にアリアと二重唱が挟まれる形で進み、最後は二重唱で閉じられます。古楽
ファンにはおなじみのネーメトらによる演奏は新鮮な息吹を感じさせ、その魅
力をいまに伝えるすぐれた内容。
HCD 32618 \2080
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):金管楽器のための室内楽
(1)金管のための音楽 組曲 / カンツォーナ / 組曲 / イントラーダ(3曲)/
カンツォーナ
(2)組曲
(3)バンケット・ムジカーレ(音楽の饗宴)より4声の舞曲集
(4)小組曲
(5)ブラス・アンサンブルのためのコラール集
ガーボル・コムロッシ(Tp)
エヴァルト金管五重奏団
レヴェンテ・バコー、タマーシュ・タルコー(Tp)
アンドラーシュ・コヴァルチク(Hrn)、ペーテル・マジャル(Tb)
アッティラ・ペレステジ(Tub)
録音:2008年9月10-14日フンガロトン・スタジオ
17世紀の音楽ライター、プリンツによると、J.S.バッハ以前にドイツで活躍し
たもっとも重要な作曲家であるシュッツ、シャインとシャイト。3人はほぼ同時
期(1585-1587年)に生まれ、地理的に近い場所で活躍し、互いに面識もあり、
なかでもシュッツとシャインは親友ともいえる間柄であったと伝えられていま
す。シュッツがおもに教会音楽の作曲家とすれば、シャインのほうは大雑把に
言って、等しく宗教作品と世俗作品とに分けられるという特徴があります。そ
の大部分を占めるのが声楽曲であり、器楽のみの作品はごくわずかしかなく、
内容的には初期の世俗声楽曲(ウェヌスの花環、シオンのシンバル)に添えられ
たもの、または独立した付随的な小品集(結婚式のための音楽)として、あるい
は「音楽の饗宴」の一部として出版されたものです。このアルバムは、変奏組
曲史上の最高傑作のひとつとされる「音楽の饗宴」ほか、すべて4楽章からな
る「組曲」など器楽作品のエッセンスを収めたもので、世界初録音を含む貴重
な内容。演奏は1996年にブダペストのフェレンツ・リスト音楽院のかつての学
生たちで結成されたアンサンブル。やわらかい音色が美しく溶け合い、あたか
もコーラスをほうふつとさせます。
HCD 32583 \2080
「祝福されしベアトリクス、1508-2008
/ティンクトリスとストーケムの作品集」
ティンクトリス:
「祝福されしベアトリクス」、ミサ曲「ロム・アルメ」、「おお、処女よ、
我らを憐れみたまえ」、「主はその腕で力をふるい」、「エレミアの哀歌」、
「崇高なる玉座の処女」
ストーケム:「めでたし海の星」、「祝福されし聖母のグロリア」
作曲者不詳:ミサ曲「ロム・アルメ」より第6曲「サンクトゥス」(冒頭)
ヴォーチェス・エクァレス(声楽アンサンブル)、ゾルターン・ミセイ(Org)
録音:2008年1月ブダペスト歴史博物館、城砦博物館、ゴシック礼拝堂
1458年に即位したハンガリー王マーチャーシュ1世は、ハンガリー王国最大の版
図を獲得。文化振興を奨励し、首都ブダをルネサンス文化の一大中心地として、
中世ハンガリー文化の最盛期を築きました。ストーケムはこの王に仕えた楽長
でした。1508年に死去した、その后ベアトリクスは、ナポリ王フェルディナン
ド1世の娘で、ティンクトリスの愛弟子。同時代の様々な資料に、素晴らしい
ハープ奏者として記録され、中世ハンガリーの文化に並々ならぬ貢献をしまし
た。ハンガリーの視点から、ヨーロッパ盛期ルネサンスの音楽を見つめ直し演
奏することを、活動目的の1つとしているヴォーチェス・エクァレスが、王と
王妃の記念年(即位550周年、没後500周年)である2008年に、互いに親交の深か
った、ティンクトリスとストーケムという、ハンガリーと深い関わりを持ち、
かつ、ヨーロッパ音楽史の中で重要な位置を占める作曲家の作品を録音したこ
とは、非常に意義深く、その真摯な演奏は、録音の決して多くない2人の作曲
家の作品の真価を伝えてくれます。
<REFERENCE RECORDINGS>
RR 117 \1880
パーシー・グレインジャー:
モールバラ公爵のファンファーレ、リンカシャーの花束、陽気な王様、
こどものマーチ*、コロニアル・ソング、モック・モリス、ガム・サッカーズ
・マーチ、岸辺のモリー、スプーン・リバー、アフター・ワード*、
「ワムフレイの若者たち」行進曲、デリー地方のアイルランド民謡、
羊飼いの呼び声
ダラス・ウィンド・シンフォニー
ジェリー・ジャンキン(指)
アーツ・ディストリクト・コーラス*
録音:2008年8月23-24日マイヤーソン・シンフォニーセンター(ダラス) (HDCD)
ダラス・ウィンド・シンフォニーは、アメリカでも数少ないプロ吹奏楽団。
1985年に創設された比較的新しい団体ではありますが、アメリカの吹奏楽界を
牽引する存在です。REFERENCE RECORDINGSレーベルからも数タイトル発売され、
その実力は実証済み。このアルバムはパーシー・グレインジャーの作品集。
グレインジャーは1882年オーストラリアのメルボルンに生まれ、ドイツで音楽
を学び、その後イギリスで主に活動し、第一次大戦後アメリカに移住し成功を
収めた作曲家、ピアニスト。演奏、録音されることが少ない珍しい合唱つきの
「アフター・ワード」や不朽の名作「リンカーンシャーの花束」、「コロニア
ル・ソング」など美しいメロディーと印象的な和音で、どの作品もカッコイイ
名曲ばかり。吹奏楽ファン必聴の1枚です。
RR 118 \1880
ラモー:コンセールによるクラヴサン曲集
第1番ハ短調、第2番ト長調、第3番イ長調、第4番変ロ長調、第5番ニ短調
バロック・ヌヴー【チャールズ・シャーマン(cemb)、アンソニー・マーティン
(Vn)、シュテファン・シュルツ(バロックFl)、ジョセフ・リー
(viora da gamba)】
録音:2008年6月12-14日 スカイウォーカー・サウンド・スタジオ(HDCD)
18世紀フランスにおける室内楽作品の傑作ラモーのコンセールによるクラヴサ
ン曲集。古楽器を使用したアンサンブル、バロック・ヌヴーはフィルハーモニ
ア・バロック管弦楽団のメンバーやアメリカ古楽界のスペシャリストたちで構
成されています。切れ味の良い演奏で巧みに音色を操るチャールズ・シャーマ
ン。アンソニー・マーティンの流れを作る音楽性、シュテファン・シュルツ、
ジョセフ・リーのふくよかな音が親密さと音楽の広がりをより一層感じさせま
す。さらに、あの有名な世界最高峰の音響効果を提供しているスタジオ、スカ
イウォーカ・サウンドで録音。音質良好。
<ORFEO>
ORFEOR 725085 5枚組 \6750
モノラル 正規初出
「セルジウ・チェリビダッケ&ケルン放送交響楽団 / ライヴ録音集1957-1958」
[CD 1]
(1)シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」(「魔法の竪琴」D.644)序曲
(2)ラヴェル:バレエ「マ・メール・ロワ」
(3)ブラッハー:パガニーニの主題による変奏曲Op.26
[CD 2]
(1)チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」
(2)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
[CD 3]
(1)ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
(2)ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
[CD 4]
(1)メンデルスゾーン:序曲「真夏の夜の夢」Op.21
(2)シューベルト:交響曲第2番変ロ長調D 125
(3)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
(4)ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲
[CD 5]
ブラームス:ドイツ・レクィエム Op.45
[CD 1-4]セルジウ・チェリビダッケ(指)ケルン放送交響楽団
[CD 1][CD 2(1)]録音:1957年10月21日ケルン、フンクハウス第1ホール
[CD 2(2)][CD 3]録音:1958年9月29日エッセン、市立ザールバウ
[CD 4]録音:1958年10月5日ケルン、フンクハウス第1ホール
[CD 5]アグネス・ギーベル(S)ハンス・ホッター(Br)ハンス・バッヘム(Org)
ケルン放送合唱団
録音:1957年10月28日エッセン、市立ザールバウ
以上全てWDR収録(リマスタリング:シュテファン・シュミット、
トンマイスター:ハンス=ゲオルク・デーン)
徹底したリハーサルと極端なレコーディング嫌いで知られ、生前は「幻の巨匠」
などと騒がれたチェリビダッケ(1912-1996)。このセットでは1950年代後半にケ
ルン放送響と行った4つの演奏会の模様を収めています。
晩年のミュンヘン・フィルとの演奏に顕著なように、チェリビダッケといえば
非常に遅いテンポを基調として独特の様式美を構築したことが強烈なイメージ
として記憶されています。ここでは緻密なアンサンブルと繊細な表現はすでに
認められながらも、どちらかといえば異形ともいえる後年のスタイルに比べて、
より自然で推進力あるアプローチが受け容れやすいものとなっているのが特徴
といえるでしょう。
たいへん得意としたラヴェルや「ドン・ファン」に、当時人気を博したブラッ
ハーなど未発表の音源も興味が尽きない内容ですが、圧倒的存在感をみせつけ
るホッターの歌唱で有名な「ドイツ・レクィエム」、「悲愴」とシューベルト
の第2番。これらは過去にも別のレーベルから出ていましたが、このたびはWDR
提供の正規音源使用で鮮烈なる音質で、しかも演奏会ごとにまとめて聴けるの
はファンにはありがたいところです。
<RADIO SERVIS>
CR 0438 \1850
ステレオ
マーラー:交響曲「大地の歌」
ヴァーツラフ・ノイマン(指)チェコフィルハーモニー管弦楽団
ヴィェラ・ソウクポヴァー(コントラアルト)ヴィレーム・プジビル(テノール)
録音:1971年5月20日 スメタナ・ホール(プラハの春 ライヴ)
現在のチェコ・フィルのマーラーを確立したヴァーツラフ・ノイマン。このア
ルバムは1971年プラハの春でのライヴ録音。スプラフォンに残したマーラーの
交響曲全集(SU 3880)には収録されていなかった「大地の歌」、待ち望んでいた
ファンも多いハズ。歌手とオーケストラがこの上なく美しく融合され、またラ
イヴ特有の高揚感も味わうことができます。指揮者と歌い手の間に共通の音楽
が流れていて、実に説得力のある演奏。冒頭のテノールが鮮烈に響き聴き手を
一気に引き込み、第6楽章「告別」ではソウクポヴァーの絶唱をサポートする
ノイマンの大熱演で締めくくります。絶頂期にのぼりつめていくチェコ・フィ
ルの圧倒的な音色美に魅了される1枚。
HCD 32563 \2080
アレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725):
(1)インテルメッツィ「ペリッカとヴァッローネ」
(2)同「レオンツィオとエウリッラ」
[イタリア語歌唱]
ベルナデット・ヴィーデマン(Ms ペリッカ、エウリッラ)
ラースロー・イェクル(Bs ヴァッローネ、レオンツィオ)
サヴァリア・バロック・オーケストラ(同時代楽器使用)
アーグネシュ・ヴァーライアイ(Cem)
パール・ネーメト(指)
録音:2008年4月14-16日、5月7-8日フンガロトン・スタジオ
舞台用のインテルメッツィは、オペラ・セリアの幕間に、あるいは幕中の舞台
転換の間じゅうに演奏された、2名または3名を伴う形の、1幕乃至3幕の室内オ
ペラのこと。その目的はオペラ・セリアの悲劇的な筋書きにコメディの要素を
加えたり、舞台上で繰り広げられる出来事の劇的な連鎖に、短い“間奏”をた
だ挿入したりするためのものでした。ありふれたキャラクターに、日常的なシ
チュエーションの親しみやすさから、しばしばオペラ・セリア本編以上の人気
を集めたといいます。
のちのオペラ・ブッファを準備する意味で重要な役割を担うインテルメッツィ。
このジャンルを発展させた代表的な巨匠には、群を抜いた数のオペラとカンタ
ータの創作で知られたアレッサンドロ・スカルラッティもいました。使用人ふ
たりの発展してゆく恋愛模様を描いた「ペリッカとヴァッローネ」と、恋人た
ちの口げんかがコミカルな「レオンツィオとエウリッラ」。世界初録音となる
2曲は、順にドランマ・ペル・ムジカ(音楽のための劇)「スペインのスキピオ」
「マルクス・アティリウス・レグルス」のインテルメッツィとして書かれたも
ので、各ナンバー長くても4分半、短いものは15秒というレチタティーヴォの
間にアリアと二重唱が挟まれる形で進み、最後は二重唱で閉じられます。古楽
ファンにはおなじみのネーメトらによる演奏は新鮮な息吹を感じさせ、その魅
力をいまに伝えるすぐれた内容。
HCD 32618 \2080
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):金管楽器のための室内楽
(1)金管のための音楽 組曲 / カンツォーナ / 組曲 / イントラーダ(3曲)/
カンツォーナ
(2)組曲
(3)バンケット・ムジカーレ(音楽の饗宴)より4声の舞曲集
(4)小組曲
(5)ブラス・アンサンブルのためのコラール集
ガーボル・コムロッシ(Tp)
エヴァルト金管五重奏団
レヴェンテ・バコー、タマーシュ・タルコー(Tp)
アンドラーシュ・コヴァルチク(Hrn)、ペーテル・マジャル(Tb)
アッティラ・ペレステジ(Tub)
録音:2008年9月10-14日フンガロトン・スタジオ
17世紀の音楽ライター、プリンツによると、J.S.バッハ以前にドイツで活躍し
たもっとも重要な作曲家であるシュッツ、シャインとシャイト。3人はほぼ同時
期(1585-1587年)に生まれ、地理的に近い場所で活躍し、互いに面識もあり、
なかでもシュッツとシャインは親友ともいえる間柄であったと伝えられていま
す。シュッツがおもに教会音楽の作曲家とすれば、シャインのほうは大雑把に
言って、等しく宗教作品と世俗作品とに分けられるという特徴があります。そ
の大部分を占めるのが声楽曲であり、器楽のみの作品はごくわずかしかなく、
内容的には初期の世俗声楽曲(ウェヌスの花環、シオンのシンバル)に添えられ
たもの、または独立した付随的な小品集(結婚式のための音楽)として、あるい
は「音楽の饗宴」の一部として出版されたものです。このアルバムは、変奏組
曲史上の最高傑作のひとつとされる「音楽の饗宴」ほか、すべて4楽章からな
る「組曲」など器楽作品のエッセンスを収めたもので、世界初録音を含む貴重
な内容。演奏は1996年にブダペストのフェレンツ・リスト音楽院のかつての学
生たちで結成されたアンサンブル。やわらかい音色が美しく溶け合い、あたか
もコーラスをほうふつとさせます。
HCD 32583 \2080
「祝福されしベアトリクス、1508-2008
/ティンクトリスとストーケムの作品集」
ティンクトリス:
「祝福されしベアトリクス」、ミサ曲「ロム・アルメ」、「おお、処女よ、
我らを憐れみたまえ」、「主はその腕で力をふるい」、「エレミアの哀歌」、
「崇高なる玉座の処女」
ストーケム:「めでたし海の星」、「祝福されし聖母のグロリア」
作曲者不詳:ミサ曲「ロム・アルメ」より第6曲「サンクトゥス」(冒頭)
ヴォーチェス・エクァレス(声楽アンサンブル)、ゾルターン・ミセイ(Org)
録音:2008年1月ブダペスト歴史博物館、城砦博物館、ゴシック礼拝堂
1458年に即位したハンガリー王マーチャーシュ1世は、ハンガリー王国最大の版
図を獲得。文化振興を奨励し、首都ブダをルネサンス文化の一大中心地として、
中世ハンガリー文化の最盛期を築きました。ストーケムはこの王に仕えた楽長
でした。1508年に死去した、その后ベアトリクスは、ナポリ王フェルディナン
ド1世の娘で、ティンクトリスの愛弟子。同時代の様々な資料に、素晴らしい
ハープ奏者として記録され、中世ハンガリーの文化に並々ならぬ貢献をしまし
た。ハンガリーの視点から、ヨーロッパ盛期ルネサンスの音楽を見つめ直し演
奏することを、活動目的の1つとしているヴォーチェス・エクァレスが、王と
王妃の記念年(即位550周年、没後500周年)である2008年に、互いに親交の深か
った、ティンクトリスとストーケムという、ハンガリーと深い関わりを持ち、
かつ、ヨーロッパ音楽史の中で重要な位置を占める作曲家の作品を録音したこ
とは、非常に意義深く、その真摯な演奏は、録音の決して多くない2人の作曲
家の作品の真価を伝えてくれます。
<REFERENCE RECORDINGS>
RR 117 \1880
パーシー・グレインジャー:
モールバラ公爵のファンファーレ、リンカシャーの花束、陽気な王様、
こどものマーチ*、コロニアル・ソング、モック・モリス、ガム・サッカーズ
・マーチ、岸辺のモリー、スプーン・リバー、アフター・ワード*、
「ワムフレイの若者たち」行進曲、デリー地方のアイルランド民謡、
羊飼いの呼び声
ダラス・ウィンド・シンフォニー
ジェリー・ジャンキン(指)
アーツ・ディストリクト・コーラス*
録音:2008年8月23-24日マイヤーソン・シンフォニーセンター(ダラス) (HDCD)
ダラス・ウィンド・シンフォニーは、アメリカでも数少ないプロ吹奏楽団。
1985年に創設された比較的新しい団体ではありますが、アメリカの吹奏楽界を
牽引する存在です。REFERENCE RECORDINGSレーベルからも数タイトル発売され、
その実力は実証済み。このアルバムはパーシー・グレインジャーの作品集。
グレインジャーは1882年オーストラリアのメルボルンに生まれ、ドイツで音楽
を学び、その後イギリスで主に活動し、第一次大戦後アメリカに移住し成功を
収めた作曲家、ピアニスト。演奏、録音されることが少ない珍しい合唱つきの
「アフター・ワード」や不朽の名作「リンカーンシャーの花束」、「コロニア
ル・ソング」など美しいメロディーと印象的な和音で、どの作品もカッコイイ
名曲ばかり。吹奏楽ファン必聴の1枚です。
RR 118 \1880
ラモー:コンセールによるクラヴサン曲集
第1番ハ短調、第2番ト長調、第3番イ長調、第4番変ロ長調、第5番ニ短調
バロック・ヌヴー【チャールズ・シャーマン(cemb)、アンソニー・マーティン
(Vn)、シュテファン・シュルツ(バロックFl)、ジョセフ・リー
(viora da gamba)】
録音:2008年6月12-14日 スカイウォーカー・サウンド・スタジオ(HDCD)
18世紀フランスにおける室内楽作品の傑作ラモーのコンセールによるクラヴサ
ン曲集。古楽器を使用したアンサンブル、バロック・ヌヴーはフィルハーモニ
ア・バロック管弦楽団のメンバーやアメリカ古楽界のスペシャリストたちで構
成されています。切れ味の良い演奏で巧みに音色を操るチャールズ・シャーマ
ン。アンソニー・マーティンの流れを作る音楽性、シュテファン・シュルツ、
ジョセフ・リーのふくよかな音が親密さと音楽の広がりをより一層感じさせま
す。さらに、あの有名な世界最高峰の音響効果を提供しているスタジオ、スカ
イウォーカ・サウンドで録音。音質良好。
<ORFEO>
ORFEOR 725085 5枚組 \6750
モノラル 正規初出
「セルジウ・チェリビダッケ&ケルン放送交響楽団 / ライヴ録音集1957-1958」
[CD 1]
(1)シューベルト:劇音楽「ロザムンデ」(「魔法の竪琴」D.644)序曲
(2)ラヴェル:バレエ「マ・メール・ロワ」
(3)ブラッハー:パガニーニの主題による変奏曲Op.26
[CD 2]
(1)チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74「悲愴」
(2)ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容
[CD 3]
(1)ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
(2)ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
[CD 4]
(1)メンデルスゾーン:序曲「真夏の夜の夢」Op.21
(2)シューベルト:交響曲第2番変ロ長調D 125
(3)R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
(4)ラヴェル:バレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲
[CD 5]
ブラームス:ドイツ・レクィエム Op.45
[CD 1-4]セルジウ・チェリビダッケ(指)ケルン放送交響楽団
[CD 1][CD 2(1)]録音:1957年10月21日ケルン、フンクハウス第1ホール
[CD 2(2)][CD 3]録音:1958年9月29日エッセン、市立ザールバウ
[CD 4]録音:1958年10月5日ケルン、フンクハウス第1ホール
[CD 5]アグネス・ギーベル(S)ハンス・ホッター(Br)ハンス・バッヘム(Org)
ケルン放送合唱団
録音:1957年10月28日エッセン、市立ザールバウ
以上全てWDR収録(リマスタリング:シュテファン・シュミット、
トンマイスター:ハンス=ゲオルク・デーン)
徹底したリハーサルと極端なレコーディング嫌いで知られ、生前は「幻の巨匠」
などと騒がれたチェリビダッケ(1912-1996)。このセットでは1950年代後半にケ
ルン放送響と行った4つの演奏会の模様を収めています。
晩年のミュンヘン・フィルとの演奏に顕著なように、チェリビダッケといえば
非常に遅いテンポを基調として独特の様式美を構築したことが強烈なイメージ
として記憶されています。ここでは緻密なアンサンブルと繊細な表現はすでに
認められながらも、どちらかといえば異形ともいえる後年のスタイルに比べて、
より自然で推進力あるアプローチが受け容れやすいものとなっているのが特徴
といえるでしょう。
たいへん得意としたラヴェルや「ドン・ファン」に、当時人気を博したブラッ
ハーなど未発表の音源も興味が尽きない内容ですが、圧倒的存在感をみせつけ
るホッターの歌唱で有名な「ドイツ・レクィエム」、「悲愴」とシューベルト
の第2番。これらは過去にも別のレーベルから出ていましたが、このたびはWDR
提供の正規音源使用で鮮烈なる音質で、しかも演奏会ごとにまとめて聴けるの
はファンにはありがたいところです。
<RADIO SERVIS>
CR 0438 \1850
ステレオ
マーラー:交響曲「大地の歌」
ヴァーツラフ・ノイマン(指)チェコフィルハーモニー管弦楽団
ヴィェラ・ソウクポヴァー(コントラアルト)ヴィレーム・プジビル(テノール)
録音:1971年5月20日 スメタナ・ホール(プラハの春 ライヴ)
現在のチェコ・フィルのマーラーを確立したヴァーツラフ・ノイマン。このア
ルバムは1971年プラハの春でのライヴ録音。スプラフォンに残したマーラーの
交響曲全集(SU 3880)には収録されていなかった「大地の歌」、待ち望んでいた
ファンも多いハズ。歌手とオーケストラがこの上なく美しく融合され、またラ
イヴ特有の高揚感も味わうことができます。指揮者と歌い手の間に共通の音楽
が流れていて、実に説得力のある演奏。冒頭のテノールが鮮烈に響き聴き手を
一気に引き込み、第6楽章「告別」ではソウクポヴァーの絶唱をサポートする
ノイマンの大熱演で締めくくります。絶頂期にのぼりつめていくチェコ・フィ
ルの圧倒的な音色美に魅了される1枚。