クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

07-07 No.15-1

2007年07月17日 16時43分36秒 | Weblog
<Hyperion>
CDA 67569 \2080
シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813-1888):
独奏ピアノのための協奏曲Op.39,Nos.8-10
(短調による12の練習曲集Op.39より)/ 歌曲集第3集Op.65
マルク=アンドレ・アムラン(ピアノ)
ショパンやリストに匹敵するヴィルトゥオーソとして活躍し、歴史上で最も偉
大なコンポーザー=ピアニストの1人として位置づけられているロマン派のフ
ランス人音楽家アルカン。
このアルバムのメインである「独奏ピアノのための協奏曲」は「短調による
12の練習曲集」の8曲目から10曲目までの3曲で構成されており、第1楽章だけ
で約30分。全曲でなんと約50分の演奏時間と超絶技巧を要する規格外のスケー
ルを持った作品として知られている。
アムランはキャリアの初期から現在に至るまで多くの重要な場面でアルカンの
作品を取り上げており、この知られざる巨匠への情熱はとてつもなく深く燃え
上がるほど熱い。
演奏には桁外れの技巧を必要とするため、取り上げられる機会を失い忘れられ
ていたアルカンの作品を表舞台へと引き上げたのは、紛れもなくこの世界最強
の“スーパー・ヴィルトゥオーソ・ピアニスト”マルク=アンドレ・アムラン
なのだ。
ちなみにアムランは過去にこの「独奏ピアノのための協奏曲」をMusic & Arts
へ録音しており、今回のハイペリオンからのリリースは十数年の時を経て実現
した期待度満点の再録音となる。






<Preiser Records>
PRCD 93450 \2080
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 初期録音集
(1)ロルツィング:「密猟者」朗らかで陽気
(2)ロルツィング:「ロシア皇帝と大工」皇帝の歌
(3)ロルツィング:「オンディーヌ」今や祈りは
(4)ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」やぁ、こんにちは!
(5)ワーグナー:「タンホイザー」君は大胆な歌で我々に挑戦し
(6)ワーグナー:「タンホイザー」この貴きまどいを見渡せば
(7)ワーグナー:「タンホイザー」おお、やさしき夕星よ
(8)ヴェルディ:「仮面舞踏会」君の幸せと人生のために
(9)ヴェルディ:「仮面舞踏会」おまえこそ心を汚すもの
(10)ヴェルディ:「シチリア島の夕べの祈り」栄光と華麗さの中で
(11)ヴェルディ:「ファルスタッフ」行儀よく、老ハンス
(12)プッチーニ:「ボエーム」さようなら、甘い日々よ
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
(1)-(4)ヴィルヘルム・シュフター(指)ベルリナー・シンフォニカー
(5)-(7)ヴィルヘルム・シュフター(指)
フィルハーモニカ・オーケストラ・ロンドン
(8)(9)フリッツ・ブッシュ(指)、(10)マリオ・ロッシ(指)
(8)-(10)ケルン放送シンフォニー・オーケストラ
(11)フェレンクツ・フリッチャイ(指)リアス・シンフォニー・オーケストラ
(12)ポール・シュミッツ(指)ベルリン・コミーシェ・オパー・オーケストラ
ドイツのバリトン歌手、フィッシャー=ディースカウの功績については改めて
述べる必要はありませんが、この盤の特筆すべきは、なんといってもデビュー
直後の若々しい歌声を聴く事のできる点でしょう。1925年生まれのフィッシャ
ー=ディースカウが最初の歌曲リサイタルを開いたのが1947年22歳のとき、翌
1948年にはドン・カルロのポーザ公爵でベルリン国立歌劇場にデビューしてい
ます。この盤には1949年から1955年までの録音が収録されており、まさにキャ
リアを始めたばかりのディースカウの歌唱でありますが、その声と技術の成熟
度には驚きを隠すことができません。20代でヴェルディからプッチーニ、ワー
グナーまでこのように歌える歌手に私たちはこれまで出会ったことがあるで
しょうか?
録音から半世紀が経った今、私たちはディートリヒ・フィッシャー=ディース
カウの偉大さを改めて知ることになるのです。

PRCD 89670 \2080
生き続ける過去 マリア・フォン・イロスヴェイ
(1)モーツァルト:「みてくれのばか娘」なんて大騒ぎ 
(2)モーツァルト:「救われたベトゥーリア」同じように不毛です 
(3)モーツァルト:「救われたベトゥーリア」私は武器を持たずに行く 
(4)モーツァルト:幸せの陰よ・・・おまえを残していく 
(5)モーツァルト:「皇帝ティトの慈悲」ああ、この瞬間だけは 
(6)ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」炎は燃えて 
(7)ヴェルディ:「ドン・カルロ」呪われし美貌 
(8)トマ:「ミニョン」君よ知るや南の国 
(9)ビゼー:「カルメン」カルタの歌 
(10)サン=サーンス:「サムソンとデリラ」恋よ、弱気われに力を添えよ 
(11)サン=サーンス:「サムソンとデリラ」君が声にわが心開く 
(12)ワーグナー:「ラインの黄金」消えろ、ヴォータン、消えろ 
(13)ワーグナー:「ジークフリート」その歌は強く 
(14)ヴェルディ:「レクイエム」書き記されし書物は
マリア・フォン・イロスヴェイ(アルト)1913-1987
(1)-(5)ベルナルド・パウムガルトナー(指) 
(6)-(11)ウィルヘルム・ロイブナー(指)
ウィーン・シンフォニカー
(12)(13)クレメンス・クラウス(指)バイロイト祝祭管弦楽団
(14)ポール・ヴァン・ケンペン(指)
サンタチェチーリアアカデミア合唱団・管弦楽団
1913年にブタペストに生まれたアルト歌手マリア・フォン・イロスヴェイは母
国とウィーンで声楽教育を受けました。ウィーン国際音楽コンクールでの優勝
をきっかけにザルツブルクでキャリアをスタートさせたイロスヴェイは当初、
モーツァルトの初期のオペラを中心に歌っていました。アメリカ・ツアーでの
「コジ・ファン・トゥッテ」のドラベッラのセンセーショナルな成功を経て
1940年にハンブルク州立が歌劇場の専属となる、歌手人生の最後までハンブル
クに拠点を置きました。
戦後、ウィーン国立歌劇場、ミュンヘン、シュトゥットガルト、コヴェント・
ガーデン、ミラノ・スカラ座といった主要歌劇場に客演しましたが、1953年か
ら1958年にバイロイト音楽祭に出演したことが彼女の世界的名声を確立しまし
た。当時発売された2枚のイロスヴェイのソロ・レコードは残念なことにレコ
ードの型の変遷のために、時代の運命によってすぐに廃盤になってしまったの
で、まさに貴重な録音に私たちは半世紀を越えてようやく出会えたといえるで
しょう。


PRCD 89671 \2080
生き続ける過去 マリオ・フィリッペスキ
(1)ベッリーニ:「ノルマ」ヴィーナスの祭壇に 
(2)ロッシーニ:「ウィリアム・テル」あぁ、マティルデ、愛している 
(3)ロッシーニ:「ウィリアム・テル」第2幕3重唱 
(4)ロッシーニ:「ウィルアム・テル」もの言わぬ涙の隠れ家よ 
(5)マイアベーア:「ユグノー教徒」アルプスの雪のように白く 
(6)ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」いとしの君よ 
(7)ヴェルディ:「イル・トロヴァトーレ」見よ、恐ろしい炎を 
(8)ヴェルディ:「運命の力」人生は地獄だ 
(9)ヴェルディ:「アイーダ」きよきアイーダ 
(10)ヴェルディ:「アイーダ」いとしのアイーダよおまえに 
(11)ヴェルディ:「アイーダ」すでに祭司を集い 
(12)ジョルダーノ:「アンドレア・シェニエ」ある日青空を眺めて
(13)ヴェルディ:「オテッロ」清らかな思い出は遠いかなたに 
(14)プッチーニ:「西部の娘」やがてくる自由の日 
(15)プッチーニ:「トゥーランドット」誰も寝てはならぬ
マリオ・フィリッペスキ(テノール)1907-1979
(1)トゥリオ・セラフィン(指)スカラ座オーケストラ、合唱団
(2)-(4)マリオ・ロッシ(指)RAIオーケストラ・合唱団
(5)-(8) (13)-(15)アルゲオ・クアドリ(指)RAIオーケストラ
(9)(12)アルゲオ・クアドリ(指)
オーケストラ・シンフォニカ・ディ・ミラノ
(10)(11)ヴィットリオ・グイ式 RAIオーケストラ・ローマ
戦中・戦後に国際的キャリアを築いた多くのイタリア人テノール歌手たちは、
特に録音においてその実力に値する活躍の場を与えられませんでした。そのう
ちの一人がマリオ・フィリッペスキです。1907年にイタリアのピサ近郊に生ま
れたフィリッペスキは地道で忍耐強い7年間の声楽教育の末、1937年に「ルチ
ア」のエドガルドでデビューしました。
同時代にミラノ・スカラ座で活躍したテノールには、ティト・スキーパ、マリ
オ・デル・モナコなどの偉大な名前が並びます。
マリオ・フィリッペスキに最大の持ち味は輝かしい高音でしょう、しかもその
高音の輝きを失うことなく、中音域・低音域の響きも充実させていることが彼
の魅力であり、ロッシーニからヴェルディまで幅広いレパートリーを歌いこな
してしまうゆえんなのです。
1942年には昭和天皇の列席のもと、ローマで蝶々夫人のピンカートンを歌って
います。





<MIRARE>
MIR 046 \2500
ラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル Vol.2
(1)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 Op.72 より “ドゥムカ”
(2)ムソルグスキー:展覧会の絵 より “古城”
(3)ムソルグスキー:涙
(4)グリーグ:抒情小曲集 Op.47-3 より “メロディ”
(5)グリーグ:抒情小曲集 Op.54-2 より “ノルウェーの農民行進曲”
(6)ルービンシュタイン:2つのメロディより Op.3-1
(7)(8)リャードフ:前奏曲 Op.13-2, Op.10-1
(9)モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K457 より第3楽章
(10)ハイドン:ピアノ・ソナタ第39番より第2楽章
(11)ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」より第1楽章
(12)シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番より第4楽章
(13)シューマン:ダヴィッド同盟舞曲集 より第14曲
(14)(15)(18)カール・ツェルニー:指使いの技法(50番練習曲)Op.740より
(16)ショパン:エチュードOp.10-3
(17)ムソルグスキー/コルベイニコフ編:
トレパーク歌曲集「死の歌と踊り」より
(1)クレール・デセール&エマユエル・シュトロッセ(P) 
(2)ボリス・ベレゾフスキー(P)
(3)ブリジット・エンゲラー(P) (4)(5)シャニ・ディリュカ(P) 
(6)ブリジット・エンゲラー(P) (7)(8)ボリス・ベレゾフスキー(P) 
(9)アンヌ・ケフェレック(P) (10)イド・バル=シャイ(P) 
(11)ニコラ・アンゲリッシュ(P) (12)エマユエル・シュトロッセ(P) 
(13)クレール・デゼール(P) 
(14)(15)(18)ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ(P) 
(16)フィリップ・ジュジアーノ(P) (17)アンドレイ・コロベイニコフ(P)
南仏で毎年開催されるラ・ロック・ダンテロン国際ピアノ・フェスティバル。
「熱狂の日」でもおなじみのルネ・マルタン氏により創設され、これまでアル
ゲリッチ、ツィマーマンなどの大物ピアニストが出演。また才能豊かな若手演
奏者、作曲者作品など、さまざまな試みを行っている成長を続ける音楽祭の一
つです。Vol.1(MIR021)に続き、このVol.2でもラ・フォルジュルネ&MIRARE
アーティストの面々の演奏が収録されています。また今年の「熱狂の日」の出
演がキャンセルになったブリジット・エンゲラーの代役で来日した弱冠21歳の
ロシアの天才ピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフの演奏も収録。豪華絢
爛のフェスティヴァルの一端を垣間見れるアルバムです。

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07-07 No.15-2

2007年07月17日 16時43分09秒 | Weblog
<TAHRA>
TAH 638 2枚組
(1)ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調 (ハース版)
(2)ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 Op.104
オイゲン・ヨッフム(指)
(1)ヘッセン放送響(1949年5月30日)
(2)エンリコ・マイナルディ(Vc)バイエルン放送響(1950年5月27日)
ヨッフムお得意のブルックナー交響曲(650回の演奏記録あり)と一度も交響
曲は振らなかったドヴォルザークのチェロ協奏曲の興味深いカプリング。
ブルックナーはこの演奏の4ヶ月前にハンブルクでのスタジオ録音(DGG)があり
ます(ハース版)。64年ベルリンフィル(DGG)、76年ドレスデン・シュターツ
カペレ(EMI),84年アムステルダム・コンセルトヘボウ(Tahra)はいずれもノ
ヴァーク版での演奏のためこのヘッセンでの演奏は貴重です。ハース版とはい
えアダージョのクライマックスではトライアングルが活躍しています。





<ZIG-ZAG Territoires>
ZZT 070503 \2480
浮き世の生活-歌曲集
マーラー:歌曲集「子供の不思議な角笛」より「浮き世の生活」、
バルトーク:スロヴァキア民謡、
チャイコフスキー:民謡風歌曲、
ブラームス:ジプシーの歌、
ルトスワフスキ:5つの歌、
ヤナーチェク:モラヴィア民謡
サロメ・アレール(S) ニコラス・クリューガー(P)
録音:2006年9月4-11日
6カ国5ヶ国語での歌唱で多様な民族の旋律を収録したアルバム。これらの作曲
家たちは民族の特性、地域性に基づいた詩的な叙情性をここに表しています。
ですので“浮き世の生活”のすべてが凝集されているといってもよいでしょう。
1975年生まれのフランス、アルザス地方出身の歌手、サロメ・アレールが力強
く歌い上げています。

ZZT 070402 2枚組 \3780
ステファ-ノ・ランディ(1586(?)-1639):歌劇「オルフェオの死」
フランソワーズ・ラセール(指)アカデミア
17世紀初期のローマで重要な作曲家のひとりステファ-ノ・ランディの1619年
作品、歌劇「オルフェオの死」。フランソワーズ・ラセール女史アカデミアに
よる演奏でこの作品の全体像を浮き彫りなりました。ランディは歌劇「聖アレ
ッシオ」の作曲者として有名ですが、この作品もイタリアで発展したオペラの
進化を見る上で大事な作品のひとつです。





<haenssler>
93 206 \2250
ブラームスと同時代の作曲家による作品集 vol.1
(1)ブラームス(1833-1897):チェロ・ソナタ第2番 ヘ長調 op.99
(2)ロベルト・フックス(1847-1927):
チェロ・ソナタ第2番 変ホ短調 op.83
(3)ツェムリンスキー(1871-1942):チェロ・ソナタ イ短調(世界初録音)
ヨハネス・モーザー(Vc)、パウル・リヴィニウス(Pf)
ブラームスのソナタの第1楽章、冒頭の力強く駆け上るようなパッセージにい
きなりノックアウトされます。チェロもピアノもとにかく熱い!それでいて、
知性もきちんと兼ね備えた稀有な演奏となっています。マーラーやシベリウ
スの作曲の先生でもあったフックスのソナタの第1楽章は、激しくうねるよう
な旋律によるチェロとピアノの絡み合いが実に美しく響きます。世界初録音
のツェムリンスキーのチェロ・ソナタは、1894年の初演以降、歴史の波に埋
もれてしまっていた作品です。この作品は、ツェムリンスキーと親しかった、
ウィーン在住でウィーン・フィルの首席チェリストもつとめたブクスバウムと
ともに作り上げられたものです。1938年のナチによるオーストリアとドイツの
合邦により、ブクスバウムはロンドンへと亡命します。1948年のブクスバウム
の死後、その息子が出版社にチェロ・ソナタの楽譜を持ち込んだというもので
す。友情によって生まれ、大切に守られたツェムリンスキーのチェロ・ソナタ
の全貌がここに明らかになります。
モーザーは、2002年の第12回チャイコフスキー国際コンクールで「ロココ主題
による変奏曲」の演奏と解釈でとりわけ高い評価を得、特別賞を受賞していま
す。2006年にはニューヨーク・フィルとともに日本に来日、聴衆を魅了したの
は記憶に新しいところです。パウル・リヴィニウスは、ベルリン芸術大学、ハ
ンス・アイスラー・スクールでも教鞭をとり、若手ながら、特に室内楽でひっ
ぱりだこの存在です。「ブラームスと同時代の作曲家による作品集」は、モー
ザーとリヴィニウスによって考えられたコンセプトで、ブラームスの時代から、
シェーンベルクの十二音技法の時代までのかけはしとなるような作品を集めた
ものです。





<ELOQUENTIA>
EL 0608 \2380
ディドナート - パッション!
オブラドルス(1897-1945):
El Vito(6/8のアンダルシア地方の踊り)/ラ・ミ・ソラ、月桂樹/愛/
いとしいフィアンセよ 他8曲
グラナドス(1867-1916):永遠の哀歌、悲しむマハI&II&III、泣くな瞳よ
トゥリーナ(1882-1949):カンシオン形式の詩(全5曲)
ファリャ(1876-1946):7つのスペイン民謡(全7曲)
モンサルバーチェ(1912-2002):黒人の歌(全5曲)
ロッシーニ(1792-1868):スペインのカンツォネッタ
ジョイス・ディドナート(Ms)、ジュリアス・ドレイク(Pf)
ディドナートは、カンザスのウィチタ州立大学出身のメゾ・ソプラノ。メトロ
ポリタンのケルビーノ役(フィガロの結婚)でデビュー、その後もコヴェント
ガーデンではロジーナ(セビリヤの理髪師)、スカラ座、パリ・オペラ座では
しばしばアンジェリーナ(チェネレントラ)、他にも世界中の劇場や音楽祭で
華々しい活躍ぶりをしています。クリスティ指揮の「ヘラクレス」(BAC 013)
でもひときわ美しい舞台姿とその歌唱で圧倒的な存在感を見せつけました。
「当代最高のロジーナ歌い」の異名をとるディドナートによる、最高に楽しく
元気なスペインものの1枚。
音楽家としてどのように人生を歩んでいくかを選択する岐路に立たされた時、
オペラ歌手になることを決意した絶対的なきっかけを与えた作曲家は、オブラ
ドルスであったと彼女は述べているだけに、思い入れも気合も充分。オブラド
ルスはピアノの手ほどきを母にうけ、作曲はほぼ独学でした。カタルーニャ地
方の色合いが濃厚に感じられる作風です。ディドナートは、思い入れも気合も
十分の、熱いリズムと熱い血、生命力に満ち溢れた歌唱で聴かせてくれます。
グラナドスの「永遠の哀歌」は絶品。うってかわってしっとりとした情感で魅
了します。最後に収録されたロッシーニの「スペインのカンツォネッタ」はも
う格別、カスタネットを手に踊りだしたくなることうけあいです。ドレイクは、
ボストリッジの伴奏も多くつとめ、歌手達から絶大な信頼をえているピアニス
ト。ディドナートと丁々発止のスペイン熱合戦を繰り広げています。

EL 0710 \2380
17世紀ナポリの宗教音楽集
(1)クリストファロ・カレザーナ(ca.1640-1709):
Dixit Dominus(主は言われた)-5つの声と器楽のための
(2)ジョヴァンニ・サルヴァトーレ:
アポストリ・ミサのための晩課(Verso per la Messa dell’Apostoli, e
Feste Doppie)
(3)フランチェスコ・プロヴェンツァーレ(1624-1709):
主の家に行こう、と人々が言ったとき私はうれしかった(Laetatus sum in
his quae dicta sunt mihi)
(4)サルヴァトーレ:
Vesro primo per la Gloria transportata una quinta bassa
(5)プロヴェンツァーレ:主がシオンの繁栄を回復されたとき
(6)サルヴァトーレ:
Durezze(堅さ=不協和音) e ligature(結ばれたもの=タイで結ばれた音)
(7)プロヴェンツァーレ:
死者のためのミサ曲-器楽をともなった4つの声のための
アントニオ・フローリオ(指)
カッペッラ・デッラ・ピエタ・デ・トゥルキーニ
ヴァレンティーナ・ヴァッリアーレ(S)、ルチア・シアンニマニコ(A)、
ジュゼッペ・デ・ヴィットーリオ、ロザリオ・トタロ(T)、
ジュゼッペ・ナヴィーリオ(B)
317世紀にナポリで活躍した作曲家たちによる宗教作品集。冒頭のカレザーナ
の作品は、宗教作品ながらオペラを思わせるドラマチックな作風。華麗で喜び
に満ちており、活気のあるリズムとともに気分は17世紀ナポリへと一気に羽
ばたきます。プロヴェンツァーレは、17世紀ナポリの重要な音楽家。ここに
収められたレクイエムは、後に2つの合唱群と器楽のためにも大規模に編曲さ
れています。重要な司祭の葬儀の際など、特別な機会にのみ演奏されたと考
えられる大規模なレクイエムは、当時のナポリでは他に2つしかのこされてお
らず、いかに彼が重要な地位を占めていたかがうかがわれます。「怒りの日」
は、あからさまにグレゴリオ聖歌のあの旋律が用いられており、当時の教会
の絶大勢力を感じずにはいられませんが、実に生き生きと見事に和声付けが
なされています。プロヴェンツァーレに鍵盤を教えたであろうとされている、
サルヴァトーレによるふたつのオルガン作品((4)、(6))も魅力。ドキっと
するような不協和音や思いがけない和声の解決に、一瞬たりとも聞き逃せな
い小宇宙が広がっています。声楽陣、弦楽器陣のピッチのとりかたはバッチ
リ絶妙、アンサンブルは申し分なし、それぞれの音色もしたたるように美し
くとらえられた秀逸な録音です。





<Praga Digitals>
PRDDSD 250239(SACD-Hybrid) \2780
インドジフ・フェルト(b.1925):
(1)弦楽四重奏曲第4番J.61(1965)
(2)クラリネット五重奏曲J.194(1999)
(3)チェロとピアノのための2つの小品J.22(1954-55)
(4)ヴィオラと大管弦楽のための協奏曲J.208(2003-04)
プラジャーク四重奏団
ヤン・マフ(Cl) ミハル・カニュカ(Vc)
ヤロミール・クレパーチ(P) ラファエル・オレグ(Va)
ウラディミール・ヴァーレク(指)プラハ放送SO.
録音:2006年7月、9月プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
(4)のみ2006年5月7日ディジョン・オーディトリウム(ライヴ)
0十二音技法やセリー技法による洗練された作風で知られる現代チェコの作曲
家フェルト。多作家である点がマルチヌーに似て、その精神的な後継者ともい
われています。このアルバムには、なかでもかれの才能が適しているとされる
異なる時代の器楽作品が収められています。現時点で6曲を数える弦楽四重奏
はみな、初期に傾倒したバルトークを規範としています。ヴラフ四重奏団に
献呈され、スメタナ四重奏団によって初演された第4番。バルトーク・ピチカ
ートが多用され、繊細な弱音と耳をつんざくような喧騒が交替するなか、どこ
かベルクあたりをおもわせる冷え冷えとした抒情が浮かび上がります。
演奏時間30分弱とアルバムの半分を占めるヴィオラ協奏曲。若い頃に自らが弾
き特性を知り抜いた楽器から、独特のノスタルジックな色合いを引き出してい
ます。すべて録音がきわめて優秀なため、響きにまかせてどっぷりフェルトの
世界に浸れます。

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