マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

06.4.13  Oh! ソウルフルね、ザャーザャー麺 

2006-04-13 11:25:38 | 

         

韓式中華なるものがある。中華料理の韓国的解釈で、それが微妙に日本とちがっていてかなりオモロイ。場所は生野区今里の色町・今里新地。
界隈はコリアン密集地で、鶴橋のような在日二世・三世の街ではなく、本国から直接やってくる人が多いので、ハングルの飛び交う量もハンパではない。『紫金城』はそんなコリアンの水商売のアガシたちが食べに来る店なのだスミダ。

まずカクテキ・生玉葱・タクアンの3種類と甜麺醤が出て来る。玉葱を味噌つけてバリバリ食うが、辛くて甘い。血流にはよさそうだ。中国東北部では生のニンニクを齧りながら餃子を食ったりするから、その翻案というわけか。看板メニューは炸醤麺(ジャージャー麺)。普通のジャージャー麺の他、「特別…」「海鮮…」「昔の…」「四川…」とあり、唯一日本語が通じる主人お勧めの「昔の炸醤麺¥1200」を注文。韓国人はこの昔の…という言葉に、想像以上の思い入れがあると見える。出てくると優に二人前はある。一人で来るとこれだけで終わってしまう。具は豚ミンチ、ネギ、玉葱、ジャガイモなど。甜麺醤を油で炒め、そこに材料を加えてソースを作る。それを客がキュウリの細切りが添えられた茹で麺(中国では平麺)の上に掛け、韓国流のピビン!一心不乱に混ぜる!真っ黒でギトギト。しかし味は決して濃くない。同胞はここへ備え付けの一味をドッとかけるとみえる。ピリッと来た方が美味いはずハムニダ。

謎のメニュー、ギース麺(下)¥1200も所望。ギース、調べれば雁のことらしいが、何のことはない鶏の汁そば。半透明の干し椎茸みたいな切り身はよく見るとナマコだった。麺は柔らかくスープが薄味で頼りないな~。これはもう一つ、もう三つぐらいである。オムライス¥800にもたまげた。玉子入り炒飯の上に焼きすぎ玉子焼きが一枚ペロッと乗っかっち、Too Muchケチャップがかかる。付いてきた味噌汁もどきがまた辛い汁で汗タラタラ。辛口干豆腐炒め¥900は、六浄豆腐のような麺状の豆腐を使った炒め物で、青唐辛子と一緒に炒めてあり、これがじんわり効いてくる。汗ダクダク、食えば食うほど痩せて行きそう…

他にセロリ水餃子(これはイケる)、ニラ水餃子春雨炒め、日本式中華からイカ・春巻・海老の唐揚げ鶏の骨無し唐揚げなど。ハタ目も気にせずシャツイチになり食う。お~大陸的アルね!6人で¥9700。ソウル辺りに行き、友人に「美味い食堂がある」と連れて行ってもらったような、丁度そんな感じ。外へ出ると、目の前は鋼鉄製のドアが光るナントカ総業。安さにウカレて爆竹なんか鳴らしてみると、きっと中を拝見することができるだらうハシムニカ。

  韓国式中華料理 紫金城   生野区新今里3丁目10-26

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06.4.10  ダンナ、呑ませて頂戴ナ

2006-04-10 15:36:37 | カントリー
エノケン…おいおい、益々Western Swingと離れていくではないか…いや、てめぇの中では繋がっておる。エノケンのベースにあるのはJazzであり、その前に浅草オペラだ。バイオリンを爪弾きながら譜面を読み、楽団に指示する音楽的才もあった。なにせ、Milton Brown、Bob Willsとほぼ同い年である。

テレビ的には「♪渡辺のジュースの素です、もう一杯…」であり、「♪ウチ~のテレビにゃ色がない、隣りのテレビにゃ色がある…」昭和30年代、鶏郎メロディと共に街に流れるエノケンの歌声はどこか時代と合っていたのかもしれない。明るいのだけど、どこかペーソスが混じった、ロバのパン屋の歌みたいなそんな手触り。大人がみんな笑い転げたという映画も、パッとした華やかさよりどこか暗さが目に付いてしまって、心底笑えない。それが僕にとってのエノケン、榎本健一だった。(でも彼に「赤とんぼ」や「船頭小唄」を歌わせるのは唾棄すべきセンスだ)

だけど、歌は独壇場のうまさ!ダミ声でフラット気味だが、あのセリフのように歌う技術は歌い手には真似できない。いわばサッチモだ。歌の中でクスッと笑ったり、ちょいと隙間に捨て台詞を入れたりするのは存外難しい。実にエノケンの生まれ持つリズム感のなせる業だと思う。詩もいい。浅草カジノフォーリー時代からの仲間、サトウハチローの描いた「ダイナ」、堀口敬三訳詞の「私の青空」、二村定一との「エロ双紙」…。

ずいぶん昔、京橋のフィルムセンターで「エノケンの孫悟空(監督山本嘉次郎、昭15)」をやるってんで詰め掛けた観客の中には、色川武大、小林信彦、和田誠、筒井康隆の顔もあった。みんながニコニコと銀幕を見つめた幸せな時間。エノケンに孫悟空ほどのはまり役はない。香取慎吾ぶっ飛ぶぜ。猪八戒の岸井明もデブぶりがよかった。アノネのおっさん怪優、高瀬実との忍法合戦は見ものだった。その時に覚えた主題歌・・・

   空とび 土もぐり 水をくぐれるのは
   自慢ぢゃないけれど このオイラだけだ
   どんな時でも オイラ三人 
   力合わせりゃ なんでもない
   俺たちゃ世界で 一番強いんだぞ

 (原曲は空中ブランコの歌、そこもまたふるっている)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06.4.09  桜も盛りなりけり

2006-04-09 10:59:15 | 
平日、突然花見に行きたくなり、朝からご飯を炊いてゴソゴソ弁当を作ってみた。
バイマイセルフ。なんか、キタネェ弁当だって?放っときなさい。

左上にゃ金平ごぼう。これは唯一、亡母から受け継いだ味と言える。ちょいと仕上げに胡麻油を垂らす辺りがコツっちゃあコツ。下に豚肉生姜焼き。フライパンで肉が丸まってしまうのはどういう訳だ。酒醤油にマリネしておいたのがまずかったのか。味はいいが形状が悪く学習すべきことだ。茶色一色になるので真ん中にグリーンベルトを添えた。あ、いや突っ込んだ。
真ん中の「のり弁」の海苔は湿気で縮んで情けない格好だが、千切り海苔。一枚海苔っていうのは見映えはいいが箸にくっついてベロリンとめくれ上がったりする。よって千切る。間にも一層のりが挟まり、醤油をたらしてある。この方法は檀太郎だか椎名誠だかの本から学んだ。
右上に玉子焼き。こういう定番がよろし。下の野菜やタコの煮物は在りものを詰めた。上の丸いのはヨメが自分用に拵えた巨大おにぎり。神宗の佃煮やら何やらが入っている。それと春はいかなごの釘煮やな。今年は魚体が小さく煮崩れて難しいと叔母より。水筒には熱湯、焼酎の壜、缶ビール…ちゃりんこ転がし、芥川という川っぺりへ。♪自転車にのって、ベル~を鳴らし~ 花は八分ってとこかな。花見客も結構出てた。
昼下がり、風が出てきたのでとっととおウチへ帰る。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06.4.08  ワカナ・物の怪・森光子

2006-04-09 01:10:10 | 

梅田芸術劇場で公演中の『おもろい女』に行った。


     

これはミスワカナ・玉松一郎の漫才コンビの一代記で大阪初演。

作/小野田勇、演出/三木のり平。この二人、トリローファンには最重要人物で、
共に三木鶏郎グループの主要メンバーであったが、すでに共に鬼籍におられる。


森光子というと放浪記のでんぐり返りやスクワット1日50回とか、ジャニーズ東山との熱愛が
気色悪いとか言われるが、85歳になる老婆があそこまでできるかというと、
やはり物の怪といわざるを得ない。

冒頭15歳のワカナ役はどうあがいても無理があるが、年を経るごとによくなって行った。
しかし実際のワカナは、パワー全開で喋り、歌い、タップを踏んだというから、いささかパワー不足は否めない。
Dinahを歌うシーンがあったが、もっとハツラツとした突き抜けるような明るさが見たいところ。


    
     



ワカナ一郎の芸風は、その後の蝶々雄二、ワカサひろし、洋助喜多代らに引き継がれているとおぼしい。
ぼ~っとした男とやりこめる女、大助花子などもこの系譜やな
。ラジオでの漫才シーンはよく稽古がなされていた。
ラスト近く、西宮球場の実演のコンビの「出」のシーンが形・気合共に良く表現されており、
最後の実演、迫るものがあった。







稀代のはまり役だった故・芦屋雁之助の一郎に(実物にそっくりだった)比べたらそりゃ分が悪いが、
先輩段田安則さんも手馴れた大阪弁でよく頑張っていた。森光子さんの舞台を見られるのも、
そう長くはないだろうという関係者の観測。僕もそういう気がしている。
カーテンコールで「ん?大丈夫か」と思ったし。それも演技ならなお凄い。


すごいものを目にした。中入り後、楽屋から舞台袖に向かう、森光子と赤木春恵の二人が
手をつなぎ合って、よちよちと歩きながら「South of Border」をくちずさんでいた。
心を許し合った二人の老女優、なんとも心温まる風景だった。
これ見ただけでもムリして行った甲斐があったというもの。


帰りにかっぱ横丁の大衆居酒屋『丸一屋』で湯豆腐、空豆、かますごで菊正2合と麦焼酎一杯。
こういう雑然とした中がいい。
ここにさっきまで舞台に出てた役者が入ってきて、瞬間的に「お疲れさんでした」と習性で挨拶してしまう。
向こうは全く知らぬわけで…。
隣り合った常連に裏メニュー、キムチ納豆お好み焼きを一口分けてもらった。よき哉。


       丸一屋  大阪市北区芝田町かっぱ横丁



 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

06.4.07 音楽特報! 健在!Jim Kweskin

2006-04-07 00:34:55 | 音楽

先日ジム・クエスキンのコンサートに行った。千日前アナザドリーム。知らぬ人はどこのオッチャンかいなと思われるだろうが、ジム・クエスキンというと泣く子も黙る60年代ジャグバンド・リバイバルの立役者で、ジャグバンド音楽を世に広めた最大の功労者と言っていい。

ジャグミュージックってぇのは古く、黒人の低所得層から生まれた音楽で、ジャズをしたかったが楽器も買えぬ、カズーを咥えて、チューバみたくジャグ(素焼きの壜)を吹き鳴らし、洗濯板をドラム代わりに掻き鳴らし、ブリキのたらいにモップの柄を立て、ワイヤーを引っ張った怪しげなベースを鳴らし、ギターかバンジョーが入って、古いジャズやブルース、レイスミュージックなどを演奏した。そんな音楽が60年代東海岸のインテリ学生を中心にリバイバルが起こり、その中心にいたのがジム・クエスキンジャグバンドだったというわけだ。

招聘元はTom'sCabin麻田浩氏。昨年亡くなったウォッシュタブベースの名手、フリッツ・リッチモンド・トリビュートのコンサートが渋谷であり、ジム・クエスキン、ジョン・セバスチャン、ジェフ・マルダー(これは夢の顔ぶれ!)+細野晴臣(Bs。もちYMOの)+長谷川光(Bj,G)+茂泉次郎(Fi)+Taro(Md)がホストバンドとなった。これが見られぬことだけで大阪は田舎。ジムは京都見物だかのために残ったのでソロライブが実現したのだが…。秋元慎くん、ご苦労さんでした !

ジャグバンドのみならず、フォークミュージックに対する温度差が東西であり過ぎる。片や1000人近い人を集めているんだ。かつて、こういう音楽に憧れた連中は小金を稼げるようになった今、サポートする側にまわらねばならないと思うのだが。早い話、会場に足を運び銭を落とさねばね。仕事だって都合のつけられるポジションにいるだろうに、お寒い限り。過去にゃ関西フォークなどといわれた時代もあったのに、心に遊びもないようでは経済もよくならねぇや、とボヤいておこう。65才になろうとするジムは現役で声も張りがあり若々しい。スリーフィンガーピッキングも達者である。どんどん出てくる古い戦前のジャズの数々…いやはや素敵でした。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする