Discover the 「風雅のブリキ缶」 written by tonkyu

科学と文芸を融合した仮説作品「風雅のブリキ缶」姉妹篇。街で撮った写真と俳句の取り合わせ。やさしい作品サンプルも追加。

母転び、家の前にススキ耀く

2011年11月13日 19時55分51秒 | Journal

 母親が施設で転倒して大腿部を骨折したので大和の病院へ見舞いに行った。動くと困るのでベットに拘束されていた。身体を縛られて自由がないせいか、自由になる手で胸を叩くしぐさを止めなかった。まるで電鍵でモールス信号を叩くような調子だ。手を押えてもまた利き腕の右手ですぐに再開する。なぜ、そうすると問うても、薄く笑うだけで答えない。家へ帰って来て、駐車場を出たところで、すすきのある光景を撮った。光の射したすすきが耀いて奇麗だったからだが、向こうから女学生が歩いてくるのも好材料に思えた。母親も70数年前はあんなふうに暢気な女学生で、友達とぶらぶらと楽しげに往来を歩いたであろう。
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