日本の陸軍参謀本部にいた、瀬島龍三氏がハーバード大学院で講演したものを基にして、PHP文庫から発刊された本である。いま、少しずつ読みすすめている。
4ヶ月ほどの準備機関で、講演録をまとめたとある。陸軍大学を首席で卒業したとあって、記憶力は凄いのだろうが、説得力のある当事者の発言であって、これにたいする反論も聞きたいものである。
資料に基づき、記述の出所も明らかにしながら、書かれており、これだけの文章は、なかなか読むことはできないのでないだろうか。
複雑な世の中の動きを、とらえながら日本の態勢についても、その実態が語られている。明治維新から説き起こして、日本の行動が単なる侵略、拡張路線をとってきたのではない、とする。
資源小国であり、多数の人口をかかえて、諸外国が近隣諸国を植民地化していく流れのなかで、為政者達がどのうような思いであったか、参謀本部という中枢にいた著者が語っている。
さきに書いたように、この著者の主張に対して、どういう反論がなされているのかも知りたいと思っている。