ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『王妃の紋章』

2008-02-03 19:38:04 | 新作映画
(原題:Curse of the Golden Flower)

----このタイトルって
似たのが日本の少女マンガになかった?
「あっ、細川智栄子のマンガね。
あれは“王妃”でなくて『王家の紋章』。
でも紛らわしいのは確かだよね」

----原題は違うんでしょ?
「うん。でも、そのまま訳しちゃうと
日本じゃ…。
ということで、中身に入ると…
これはチャン・イーモウ監督の歴史劇。
といっても『HERO/英雄』や『LOVERS』のように
武侠アクションを前面に押し出したものではなく
愛憎入り乱れる
どろどろしたファミリードラマになっている」

----ふうん。前作が『単騎、千里を走る。』だっただけに、
もう、こういうコスチュームものは一段落かと思ってた…。
「う~ん。
どうしたんだろうね。
開閉会式で自らチーフ監督を務める
北京オリンピックの予行演習かな。
それとも、やはり、ビッグバジェットを使えるようになると、
こういうものに手が出ちゃうのかなあ。
若くして黒澤明『乱』をやっているようで、
もったいない気がするなあ」

----でも、黒澤明のときとは違って
若いだけにバイタリティはあるんじゃニャいの?
「それはそうだね。
クライマックスの戦いなんて
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』の
角笛城壁での攻防を観ているみたい」

----そういえば、ストーリーについては
あまり語っていないね。
「うん。これは話し始めると
収拾がつかなくなる。
主演はコン・リー扮する王妃。
国王(チョウ・ユンファ)との間には
ジェ王子(ジェイ・チョウ)、チョン王子(チン・ジュンジェ)をもうけている。
ところが、彼女は国王と先妻の子シャン王子(リウ・イェ)と不倫関係。
というのも、国王との間は冷えきっていて、
王妃は毒の入った薬を
王から二時間ごとに飲まされているんだ」

----ありゃりゃ。シェークスピアばりの
凄まじい話だニャ。
「だよね。
さて、物語はこのあと、
それぞれが抱える
さまざまな秘密が一つひとつ明かされながら、
新たな策謀を生むという形で
一大クライマックスへと突き進んでいく。
その秘密のほとんどは、
観ていて途中で気づいてしまうけど、
それが分かっていても
最後まで見せきるだけの力量を持っているところが
やはりこの監督の大きさだね」

----ふうん。それにしてもこのキャストはスゴいね。
「そうだね。
見どころは実に多い。
まず、チャン・イーモウ映画に久しぶりに復帰したコン・リー。
ハリウッド進出を経て
ついにチャン・イーモウと組んだ亜州影帝チョウ・ユンファ。
そして台湾出身のポップスター、ジェイ・チョウ。
それぞれに、役に入り込んだ彼らの演技の応酬は
実に見応えがある」

----アクション監督はだれ?
「『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』の監督チン・シウトン。
彼はヒット作『少林サッカー』でもアクション指導を務めている。
それと目を引くのは美術。
同じ絢爛豪華でも
これまでの宮廷映画とは
まったく趣が異なる。
きらびやかなのに、どこか淡い。
どうやらセットに瑠璃を使っているらしいんだね。
これって、普通のガラスより透明度が高いらしい。
でも、人によってはちょっと落ち着かない感じがするかもだけど…」



(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「目がくらみそうだニャ」もう寝る

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猫ニュー 


『テラビシアにかける橋』

2008-02-02 14:30:06 | 映画
(原題:Bridge to Terabithia)

「いやあ。予想を遥かに上回るいい映画だったね」
----でも観る前は少し心配してなかった?
「うん。だってあの予告編は
完全ネタバレ。
何が起こるか想像ついちゃうんだもの。
で、やっぱりそうなっちゃった(汗)」

----でもさ、元々有名な児童文学なんだし、
その悲劇は前提になっているんじゃニャいの?
「そうなんだよね。
分かっていてもやはり泣けるんだから、
やはり、この映画はよくできてるんだろうな」

----どういうところが気にいったの?
「もう、公開されている映画だから
ストーリーは思いっきりはしょっちゃうけど、
このお話は
ジェシー(ジョシュ・ハッチャーソン)の通う学校に
風変わりな転校生レスリー(アナソフィア・ロブ)がやってきて、
森の中に"テラビシア"という空想の秘密の国を創り上げるというお話」

----あれっ。どこかで聞いたような…?
あっ 『パンズ・ラビリンス』だ。
「そうなんだよね。
あの映画では虫が妖精に、
こちらは王国を守る兵隊に。
でも、この映画を観たことによって、
なぜ世評の高さに反して
自分が『パンズ・ラビリンス』に入り込めなかったのか、
よく分かったね。
あの映画では、背景として当時のスペインのファシズム体制があり、
その苛酷さを言うためにファンタジーが利用されていた気がする。
子供の頃からファンタジーが好きだった自分としては、
どうもそこがね…。
やはり、信じればかなう----それを強く確信させてくれる映画の方が
自分のタイプ。
たとえば『フェアリーテイル』がそう。
日本の児童文学で言えば『誰も知らない小さな国』(さとうさとる)。
そういう世界が好きだな」

----ニャるほど。この映画、子供目線なんだ。
「子供目線というよりも、
ファンタジーを信じる人の目線。
さっき話した2作品はいずれも子供たちが主人公。
でも、どちらもクライマックスでは
ファンタジーの世界を信じていた大人が妖精や小人と出会い、
そのことが大きな感動を呼ぶ。
この映画では、現実世界でイジメに遭ったり
特別視されている二人が
まぎれもなく空想上の世界を現実化させている。
一人だけの想像じゃないんだね。
二人に同じものが見えるし、
最後はジェシーの妹の目にも映る。
そこがとても嬉しいんだ」


『テラビシア』

----ところで、なぜこの画像を?
「うん。ここが最初に泣けるシーン。
これは観た人なら、きっと分かってくれるよ。
しかし、昨日の新聞広告に
あの写真を使うのは、ちょっと疑問。
ぼくはその前に観ていて、本当によかった」



(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「フォーンにも、巨人さん見れるニャ」小首ニャ

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画像はドイツ・オフィシャル/ダウンロードサイトより。