ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『MW -ムウ-』

2009-04-30 08:48:04 | 新作映画
----この映画って手塚治虫の原作だよね。
新しくなった新宿ミラノでの完成披露で観たんだって?
舞台挨拶が盛り上がっていたみたいじゃニャい?
「うん。ゲストが沢山。
ステージ前から吹きあがるドライアイスで一瞬あたりは真っ白に。
白い霧が晴れるとそこには出演者たちが
司会の坂上みきとともにいるって寸法」

----出演者って玉木宏山田孝之だっけ。
「そう。ファンも多かったようで黄色い歓声が上がっていた。
玉木宏はこの映画のため7kgも体を絞ったらしい。
しかし、彼の顔は小さいね。
同じく出演者の山下リオと、さして変わらないくらい。
一方の山田孝之は相変わらずワイルド。
今撮影中の映画のためかな、
もう、信じられないくらいのロングヘア。
あとは、『タイのくそ熱い中を走り回ってばかりいた』と発言。
坂上にあきれられていた石橋凌
もっとも『世界を変えることができるのは?』というお題に、
いちばんスマートな答を出していたのは彼」

----それって、どうせ“愛”とかいうんでしょ?。
「いや、それはひとりもいなかったね。
石橋凌は『イマジン』。
玉木宏は『他の映画の宣伝じゃないです』と断りつつ『相棒』。
笑えたのが、時間が余ったとかで裏に落書き(?)していた山田孝之。
答は『むり』で、
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャックの似顔絵付き。
あれ、欲しがる人多いんじゃないかなあ」

----あっ。ネットで見かけた画像ってそれのことだったのか。
「山田孝之はとぼけたりふざけたり。
坂上から『扱いにくいなあ』と言われ、
即座に『いい声だ』(笑)」

----それはそれは…。
ところで映画の方は?
「この原作は読んだ記憶がないんだけど、
いま映画で観てみると、
時代がすっかりその内容に追いついたって感じで
当時騒がれたほどの衝撃があまりない。
物語は、米軍の神経ガスが漏れて島民が次々と倒れ、
生き残った人々も皆殺しにあった中、
ふたりの少年だけがその島から脱出。
ひとりは神父・賀来(山田孝之)となり、
ひとりは復讐鬼・結城(玉木)となり世界を道連れにしようとする。
ざっと、こういうお話だね。
今回、最大の見どころとなっているのが
玉木宏演じる初の悪役。
まるで香港映画あたりに出てきそうな感じ。
いや、もっとシャープかな。
髭生やしてサングラスかけている姿は彼とは思えない。
冒頭、タイでのアクション・シーンがあって、
そこで『フレンチ・コネクション』を思わせるカーチェイス、
そして『フレンチ・コネクション2』『最も危険な遊戯』などを彷彿させる“走る”アクションがある。
このあたりは日本映画のロケではできない迫力で
なかなかオモシロかったんだけど、
島への潜入を経て、米軍基地に入ったあたりから緊迫感が薄れたのが残念。
やはりCGでアクションを描くと空気感までは描けないね。
あと思ったのは、
漫画で読むのと映画とはやはり違うということ。
たとえば、海に何度落とされても死なない賀来。
これは紙の上ではありえても映画ではちょっと…」

----あっ、だから『むり』ってことか。
ニャるほど。
「いや、それはちょっと違うだろうけど…」


  
         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「原作が書かれたころはみんな驚いたんだろうニャ」もう寝る

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6 コメント

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こんばんは (ノラネコ)
2009-07-06 23:43:51
設定の根本的なところを切ってしまったために、全体に何を言いたいのかわからない作品になってしまった様な。
これ原作は「ダークナイト」を30年先取りしたような超へヴィーなピカレスクロマンなのですけど、映画はB級サスペンスという感じですね。
やはり手塚漫画の映像化は敷居が高いのか、残念な作品でした。
「どろろ」よりは多少マシでしたけど・・・。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2009-07-07 00:38:49
こんばんは。

ノラネコさんのところを拝見して驚きました。
ほんとうに、基本的な設定を変えていたんですね。
まさか、結城が脳を侵されて
絶対悪となっていたとは?

ぼくは、本文で
時代が追いついたと書いてしまいましたが、
結局、時代はいつまでも
手塚漫画に追い付けないですね。
返信する
祝!6周年 (となひょう)
2009-07-24 20:15:33
6周年おめでとうございます。
もう今更な感じなので、映画のレビューにお邪魔いたします。
先日、原作を購入して読みました。他の名作に比べると短いのですが、内容が濃密すぎちゃってビックリです。
アトムやレオ君しか知らない子には見せられないと思ってしまいました。
でも、凄く面白かったです。
常に時代の先を描いていた手塚さんは、まるで預言者みたいですね。
ちなみに、原作の賀来は山田孝之くんのように美しくなく。見た目だけだと「ゴルゴ13」のデューク東郷みたいでした。同性愛だったり、結城が女装したりとか。(結城の飼っている大きなメス犬が結城に懐き過ぎる描写とか、ちょっと嫌な想像力が湧いちゃって気持ち悪かったです。)映画ではカットされていた部分が強烈でした。
手塚治虫の作品を実写化するのって難しいと、改めて思いました。本作は、まぁ健闘してたかなって。
返信する
■となひょうさん (えい)
2009-07-25 10:37:26
こんにちは。

ありがとうございます。
ぼくは原作を読んでいないのですが、
既読者の評判がここまで悪い映画はあまりないのではないでしょうか。
ほんとうにびっくりです。

その、映画でカットされている部分こそ、
おそらく手塚治虫さんがもっとも言いたかったところなのかも。
なんか残念ですね。
返信する
禁断の愛 (ノルウェーまだ~む)
2009-08-05 22:27:09
えいさん、こんばんは☆
いかにも‘禁断の愛‘を全面に押し出した大型ポスターを観ていたので、ちょっと引き気味だったのですが、観てみるとぐっと抑えてあったので、私は結構よかったです。
でも、肝心の設定は、やはりなければその深い苦悩振りが伝わってきにくいですね。
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■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2009-08-06 01:07:07
こんばんは。

あっ、もしかしたらそのポスター、ぼくは見ていないのかも…。
実は、その「設定」は後で知ったくらいに
この原作については無知で、
でも、その禁断の愛が底辺に流れているんだったら、
そちらに重点を置いた作りの映画も観てみたい気がします。
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